ハドソン川の奇跡のレビュー・感想・評価
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外さないと思いきや
クリント・イーストウッドの実話ものは外さない、ましてや主演がトム・ハンクスなら鉄板! と思いきや前半寝てしまいました。後半はじわじわ感動するけど、『チェンジリング』や『アメリカン・スナイパー』ほどではなかったな。
こんな葛藤していたんだ
やっと見れました。ハドソン川に緊急着水した航空機のキャプテンを主人公とした話です。当時は英雄としてマスコミから報道されていたので知りませんでしたが、裏では本当にその判断で良かったのか、別の空港まで行けたのではないか、乗員を危険な目に晒してしまったのではないかという葛藤に苦しんでいる姿が描かれていました。調査機関は機械的に判断の誤りを発見しようとする。それに対して自らの正当性を主張し、人為的な要因が重なりその判断ができ、逆に別の判断ではダメだった、そしてその人為的要因とはキャプテンだけでなく全員の協力があったからだと話す結末は感動的でした。
葛藤する姿が主人公の幻想や家族との会話などからよく表されていて共感できました。
着水タイミングは緊張感があり、機内に水が入ってくる恐怖感、極寒の中パニックに陥る様子が怖かった。だからこそすぐに救助に駆けつけた方の姿勢が素晴らしくやはり感動できました。
英雄譚の裏側
当時、世界的にメディアが取り上げていた、奇跡の不時着水事件。その裏側では、英雄であるはずの機長が犯人に仕立て上げられそうになっていたというお話。事故をどうしても機長の人為的ミスにしたかった、保険会社の露骨な圧力を告発しています。事故発生から着水まで200数秒という一瞬の出来事ですが、そのため何度も再現映像が繰り返されます。しかし話の構成が巧みで同じような映像にも飽きることはありませんでした。
しかし、機長みずからが疑惑を払拭しなくてはならないあたり、なんともしんどい。一歩間違えれば冤罪事件だったわけで、本来「あってはならない」実話なんですね。もちろん機長はじめクルーは英雄なんですが、それで終わらないところが本作の核心。
訴訟社会アメリカの暗部を見せられた気がしました。
実話というのがすごい
バードストライクにより、両エンジンが停止してしまった飛行機。墜落までの数分でハドソン川に着水するということを機長は選んだ。
実際に、「バードストライクにより・・」というアナウンスで飛行機が遅延するのをよく聞く。
バードストライクが起きないような対策は難しいのだろうか。
映画のように両エンジンがバードストライクしただけで停止してしまうのが怖い。
最初は、死者を一人として出さなかったことで機長をヒーローと世間は讃えたが、エンジンが停止してから空港に戻る時間があったのに、あえて危険な着水をしたという報告が上がり、一気に容疑者となってしまう。
実話というだけあって、まるでドキュメンタリーを見ているような気分だった。
誰も死ななかったんだからよかった。では、なく、なぜ、着水したのか?と事故の真相を徹底的に調べていく。
同じ状況を再現したシュミレーター実験では戻る時間は十分にあったため、機長の操縦ミスだという結果になった。
ただ、実際はエンジンの再起動をかける時間や、どうしたらいいか?を考える時間があったはずなのでその時間が加味されておらず、その時間をプラスすると、機長の考え通り、町中に墜落し、多くの死傷者を出してしまうという結果になった。
ヒーローか犯罪者か?の張り詰めた空気の裁判の中、副操縦士の最後のジョークで見ているこちら側も全員が和みました。
あの一言を言えるのがかっこいい。
そしてこれが本当の話というのがすごい。
経験に勝るものなし
航空機、自動車、電車・・・はたまた工作機械に至のまで、その操縦・運転・操作において、シミュレーションを介した訓練を行い技術の向上を求めることは現代では一般的だが、その昔はOJTと実践で技術が培われていた。
昔、コンピュータ制御装置の開発を担っていた時、「CPUは人を超えない。最後は人の判断に委ねる」と唱えたことを思い出す。
爽やかなエンディングに拍手。
パイロットという仕事
言葉を重ねるわけではないのに、機長の重責が痛いほど伝わってきた。
能力と経験と、冷静で迅速な判断が必要となる仕事であり、失敗の許されない仕事。高いレベルを求められ、それに応えようとし続けてきたからこそ、自分の人生の全てと思えるのだろうか。
この出来事は、人の善意と、生きるうえで大切なことを気付かせる。それを忘れないようにしたい。
アメリカの真実
死亡者ゼロの奇跡の不時着!
この映画には、お金が全てのアメリカ社会が浮き彫りに!
保険会社の損失回避の為なら何をしても良いのか?
この事件では、保険会社側か敗北したが、色々な訴訟で敗北して居る真実の人が多い、訴訟社会の寂しさが・・・!
安定のトム・ハンクス
英雄か?犯罪者か?
これほど大げさでなくとも、似たようなことは誰にでも起こり得る。
咄嗟の判断でそのTPOに応じてベストを尽くしても、
マイナス面をあげつらう輩はどこにでもいる。
また、表面だけをなぞって、大騒ぎするマスコミは国を問わないらしい。
一方、パフォーマンス重視で中身のない英雄もどきが幅を利かせているのも事実。
トム演じる機長がどうだったのか?真実はわからない。
だが、映画としてのオチはこれでいいのかなと感じた。
個人的には、窮地に立つ夫のことより、自身の安寧ばかりを危惧する妻が印象に残った。
巨匠、さすがです!
あと数日で終わってしまうので滑り込み鑑賞。間に合って良かった!
余計なものを削ぎ落としたシンプルかつコンパクトな作品だけにCイーストウッドの手腕が光る。機長の苦悩も乗客のパニックもミニマムで淡々としているのに引き込まれ手に汗握りぐっとくる。完成度かなり高く匠の技を見た。
奇跡的な救出劇のその後
記憶に残るハドソン川の救出劇にパイロット達にかけられた疑い、事故処理委員会でのシュミレーションのみで断罪されようとする英雄が犯罪者になりうるとは知らなかった。監督とトム・ハンクスのタッグは素晴らしかった。最後に人間の才知が長年の仕事の積み重ねが全員を救った。感動的でした。その後NHKの番組で他の人達の協力も一人も残さず救った事を知り、とても素晴らしかった。
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