「すべてが奇跡。」ハドソン川の奇跡 ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
すべてが奇跡。
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2009年のニュース映像は今でもハッキリ覚えている。
そうか、あの時の奇跡がこの映画なんだ!と心待ち
にしていた矢先、タイミングよくNHKで実録を見た。
するとこの奇跡は、もちろん映画タイトルのサリー
機長の第一の決断と着水成功によって為されたもの
ではあるが、その後の民間船による救出劇が第二の
奇跡を生んだことがよく分かった。どの数字も凄い。
エンジン停止から着水まで208秒、最初の船が到着
するまで4分、155人全員救出完了まで24分、そして
その一部始終を描いた映画が96分という短さ(拍手!)
一体どこが悪いっていうのと文句も言いたくなるが、
そもそも事故調査委員会っていうのはどのケースも
そうやって検証しなければならないのだから、彼ら
だって(やりたくなくても追及せねばならない)仕事。
着水の是非が激化し、シミュレーションがいかにも
空港に着陸可能と示すのだから機長の苦悩も深まる。
そこでサリーは人間の判断として35秒の猶予を希望
するが実際は58秒だったのらしい。ならば208秒から
更にその時間を引くことになり引き返せる筈もない。
飛行機テロとの関連しか考えられない時期にあって、
地上への被害を出さないためにはどうしたらいいか。
現実的な楽観主義と迅速な救助が悲劇を食い止めた
かつてない救出劇は緊張を保ったまま上映を終える。
トムの苦悩に満ちた表情がラスト本人の笑顔で覆る。
(実際に救出にあたった民間船船長も出演しています)
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