「あまりにも」君の名は。 独りよがりさんの映画レビュー(感想・評価)
あまりにも
新海監督の作品は秒速5センチしか、知らないけれど、「君の名は」はこれとあまりにもプロットが似過ぎで、ちょっと興醒めでした。秒速5センチの感傷的な物語が年寄りオヤジの自分にはさすがに合わなくなってるなぁと感じていて、多分、今回のお話しも似てるんだろうと思ってました。なので、正直食指が動かなかったのですが、たまたま、見たかった映画の時間に遅れた、だったら、話しのついでに見てこようかと思ったのが本日の鑑賞となりました。
確かにストーリーは良くできていると思いますよ。でも、過去に自分の作った、とってもおセンチなプロットをベースに、古典的な入れ替わりと彗星衝突、さらにはひと昔前の宮崎駿的な神話物語を持ってきて、美味しいところつなぎ合わせたに過ぎないとしか思えない物語。そのマーケティング的なつなぎ合わせは、確かに抜群かもしれないが、どこにあんたの、今回のオリジナリティがあるねん、と問い詰めたくなりました。
これなら、秒速の方が、純化されてる分だけ、まだいいような気がします。鑑賞者のウケを狙って、商業的にいいもの作る必要があるのはよくわかります。でも、だからと言って、興行収入200億もいく、その時代を象徴するような作品じゃないし、宮崎とか、庵野とか、ひと昔前の押井とかのような、とんがった作品で世の中に問いかけたい、という思いを感じさせるわけでもない。
例えて言えば、最近のiphoneのアップル社みたい。革新性を無くして、単にマーケティング的に顧客志向が突き進んだだけ。それでも、その感性に訴える完全性はさすがだけれども、映画にも同じような評価がされるべきなのか。軟弱な世代に受けて売れるのは構わないが、聖地巡りが出現するレベルまで世の中に有り難がられる風潮は、ほんと、どうかしてると思う。アップルが日本だけ売れ続けていることと根っこは一緒かも知れないけれどね。
珍しく辛辣ですが、とはいえ一方では私自身はアップル派なもので、顧客志向に徹したお話しには、全くもって感服する次第ではあります。そもそも、題名からウケ狙いだし。
次回の新海監督が期待だな(^^)