劇場公開日 2016年8月26日

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「決して忘れてはいけない人たちを、 心に刻み続けないといけないんだね。」君の名は。 Cディレクターシネオの最新映画レビューさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5決して忘れてはいけない人たちを、 心に刻み続けないといけないんだね。

2016年9月15日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

興奮

知的

断っておきますが、
新海誠監督は観たことありませんでした(笑)
絵が美しいと評判を聞きつけて、
アート目当てで劇場へ。

熱烈なファンの方と、
早くから始めた宣伝キャンペーン効果で、
平日昼でも劇場は超満員。
新宿ピカデリーの大箱で、
初めて座った前から3番目の席で、
首が痛くなりました。

美しい背景画と大胆かつグラフィカルな構図で、
期待通りのクオリティ。
都会と田舎のシンメトリーな光の表現。
大変勉強になりました。
けどお話は転校生などでよくある入れ替わりものかぁ。
なんて舐めてましたが、
中盤には完全に物語に引き込まれましたよ。

すべてのシーンに伏線がはられていて、スキがない。
劇中で半分はわかりましたが、
劇場からでてから「ああそうか!」の連続。
こんな経験、初めてかも。
「投げっぱなしでワケわからん!」というレビューを、
各サイトでずいぶん見かけましたが、
それは拾いきれてないからでしょう。
僕も仮説なので、もう一回観なきゃなぁって感じ。

映画って観客と一緒に創られるもの、
と思っている僕は、
久々にすごい映画に出会った気分です。
いやはや新海誠監督あっぱれです。
すべての作品を拝見させてもらいます。

大好きな神木隆之介くんは、声優もうまいなぁ。
RADWIMPSの詩的な楽曲も、
映画音楽としてのバランスも考えられていて、
素晴らしかった。
キャラクターはもう少し、
リアルだと良かったかなぁ。

ネタバレするから書けませんが、
せつなすぎるストーリーで、
思わず僕は3.11に重ねてしまいました。
決して忘れてはいけない人たちを、
心に刻み続けないといけない。
制作者はそんなメッセージを、
投げかけているのかなと思いました。

SFファンタジー邦画として、
近年まれにみる名作ですね。

Cディレクターシネオの最新映画レビュー