「決して忘れてはいけない人たちを、 心に刻み続けないといけないんだね。」君の名は。 Cディレクターシネオの最新映画レビューさんの映画レビュー(感想・評価)
決して忘れてはいけない人たちを、 心に刻み続けないといけないんだね。
断っておきますが、
新海誠監督は観たことありませんでした(笑)
絵が美しいと評判を聞きつけて、
アート目当てで劇場へ。
熱烈なファンの方と、
早くから始めた宣伝キャンペーン効果で、
平日昼でも劇場は超満員。
新宿ピカデリーの大箱で、
初めて座った前から3番目の席で、
首が痛くなりました。
美しい背景画と大胆かつグラフィカルな構図で、
期待通りのクオリティ。
都会と田舎のシンメトリーな光の表現。
大変勉強になりました。
けどお話は転校生などでよくある入れ替わりものかぁ。
なんて舐めてましたが、
中盤には完全に物語に引き込まれましたよ。
すべてのシーンに伏線がはられていて、スキがない。
劇中で半分はわかりましたが、
劇場からでてから「ああそうか!」の連続。
こんな経験、初めてかも。
「投げっぱなしでワケわからん!」というレビューを、
各サイトでずいぶん見かけましたが、
それは拾いきれてないからでしょう。
僕も仮説なので、もう一回観なきゃなぁって感じ。
映画って観客と一緒に創られるもの、
と思っている僕は、
久々にすごい映画に出会った気分です。
いやはや新海誠監督あっぱれです。
すべての作品を拝見させてもらいます。
大好きな神木隆之介くんは、声優もうまいなぁ。
RADWIMPSの詩的な楽曲も、
映画音楽としてのバランスも考えられていて、
素晴らしかった。
キャラクターはもう少し、
リアルだと良かったかなぁ。
ネタバレするから書けませんが、
せつなすぎるストーリーで、
思わず僕は3.11に重ねてしまいました。
決して忘れてはいけない人たちを、
心に刻み続けないといけない。
制作者はそんなメッセージを、
投げかけているのかなと思いました。
SFファンタジー邦画として、
近年まれにみる名作ですね。