ロブスターのレビュー・感想・評価
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真面目な愛の物語
隠れた名作
ぶっ飛んだSFである。
まず結婚していないと動物にされるとは人権団体が黙っていない設定だ。
無論猶予があって45日間施設で暮らしながら、狩りと新しいパートナー探しに励む義務が課される。狩とは野良独身者を麻酔銃で捕まえることで、猶予が一人捕まえるごとに一日伸びる。もちろん新しいパートナーと出会い、生活がうまくいくことが保証されればこの施設とはおさらばだ。
主人公はロブスターになりたいらしい。100年以上生きるし、死ぬまでセックスできるからだと。前向きなのか後ろ向きなのかわからない。
この世界では鼻血を出しやすいとか共通点があるとくっ付くらしい。たったそれだけと思うが、そういう共通点を大事にする世界なのだ。
そのためにある人物は鼻血をわざと出して共通点のダシにしようとする。そこまでやるかと思ったが、それぐらいの価値があることなのだ。
他にも近視とか感情が無いだとか、何か一つでも共通点を見つけていくことでパートナーを見つけようとする。
この施設では異性へのアプローチ欲を高めさせるために女性が尻を男性の股間に擦り付けボッキさせる習慣がある。動物みたいだがシステマチックでディストピア感のある奇妙な習慣は、射精までは許さない。自慰も許されず、罰則に該当する。
物語の後半で自由を謳歌する野良独身者のグループに主人公は入る事になる。ここでは恋愛禁止でそういった事は非常に厳しい罰を持って制裁される。ダンスも一人だし、基本的に寝るときも一人である。両親もいるフランス人が何故かこの野良グループのリーダーで、狩られないようにグループを
訓練しつつ、鉄の掟を敷いて集団を統括している。
そんな場所に限って主人公はそのグループのある女性と恋に堕ちてしまう。
例によって近視という共通点が二人を近づける。
二人が懇ろになっていることがリーダーにバレてしまい、女性の方が近視を治す手術だとリーダーに騙され失明させられてしまう。
失意に暮れる女性だが男性は女性をそれでも支えようとする。
ただ、それでもやりきれない気分が二人を襲う。そんな中決意したように
男はリーダーを殺して街へ逃げることを提案する。その提案に乗っかり、
二人は計画を実行する。ひと段落して街のファミレスの中
男性は女性を穴のあくほど見つめる。横顔手足、笑顔。そして静かに
ウェイターを呼び、ナイフを貰う。自身も女性と同じ立場になろうというのだ。洗面所にナイフを持ち一人佇む。震えながら鏡の中の自分を見つめる。
彼が最終的にどうしたか描かれないまま映画は終わる。
彼も暗闇を失い、代わりに伴侶を得たのか。
それとも、やはりタイトルが示唆するように光の差さぬ水底でロブスターになったのか。
不思議な雰囲気漂う作品
〜変〜
「ひとつの制約を、常識をはるかに超えたところまで強調すると、その状況下で暮らす人間たちには、際立ったことが起きる」という話を上手に撮る監督。ひと言で言えば、変な監督、変な話ばかり撮る監督、だ。
この映画では「人間は、男女カップル(対)であるべき」という点を非常識なほど強調した世界について描かれる。
独身男も独身女も、4週間で相手を見つけられなければ動物にされてしまう。一人ものたちは、男も女も、カップルになるためにあるホテルに集合して相手を見つけあうことができる。だが、もちろんうまくいかない者もいる。そうした者たちの中には、ホテルを逃げ出し、野営しながら、「カップル(対)になることを決して許さない世界」を築く者も出てくる。
主人公は、ホテルでは相手選びに失敗する。脱走した外の「対になることを決して許さない世界」では、皮肉にも愛し合える相手に、出会う。さて、どうなるか、という話。
日常とかけ離れた世界の話なのだが、その世界も見かけは現実の世界と変わらないので、こちらの世界との接点を感じてしまい、なんだか気持ち悪い。
あちらの世界では、同じ病気や同じ障害をもつと、つながりやすい利点と強調され、鼻血が出やすい娘とカップルになるためにムリヤリ鼻血を出す青年の話が進む。そして主人公と相手の女も・・
しかし自分の目をナイフで刺せるだろうか・・いやあ、いかれた監督だ。つげ義春みたいのものだな。
原点に引き戻される 追い込まれた時の本質丸出しの人間模様が、滑稽で...
なんとも
何とも言えない。カップルになることを強制された世界。出来なければ動物にならされるというシュールな状況。〔こんな世界で反対する勢力とかそういう話は一切ない。そこまで広げると収集がつかないし、そういうことを描きたいという訳ではないということだろう〕主人公はそのホテルに入るが強制されてもカップルになる気が起こらず、生殺しにされ、とりあえずカップルになったら犬になったらしい兄を相手に殺され脱走する。〔とりあえずどいつもこいつもぶっ壊れている。そういう世界ということなのだろう〕そして主人公は独り身で生きていくレジスタンス?に合流するが、そこで恋に落ちて…と言った話。その後の展開も色々スゴいがとにかくシュールでぶっ壊れている世界をひたすら淡々と描いている。ぶっ壊れて過ぎていて正直ついて行けない所はあるのだが、主人公がどうなっていくのか見逃せず見てしまう。ラストの先は見た人次第ということか?正直他の人の感想を観て勉強しよう…まだまだ理解しきれないので
追記
そういや確かにグロい描写も多い。他の人もシュールでついて行けない人がいて安心(笑)。共通の欠点、妥協するなど男女の現実も描いている?もうこりゃ分からん。とりあえず人に勧められる映画ではないかも。見た人同士で語り合うのは面白くなりそう。
独特な雰囲気と世界観
「動物になるんだったらロブスターになりたい」 ぶっ飛んだ設定、世界...
「動物になるんだったらロブスターになりたい」
ぶっ飛んだ設定、世界観、均一で不気味な画面作り、キューブリックを彷彿とさせる作家性の強い作品だった。ヨルゴス・ランティモス監督の作品は「籠の中の乙女」に引き続き2作め。
独身であることが罪という設定はリアリティがあるし、ユニークで面白い。動物にされるというのも皮肉が効いている。ただこの世界観を理解するのに時間がかかる上、登場人物みんながこの世のものではないような不気味な雰囲気なので少し乗りづらい。コメディということもあり「いやいやそれはないでしょ」というツッコミはナンセンスだと釘を刺されているような感覚もあった。実際見ているとツッコミたくなるようなシーンはたくさんあるのだが「いや、そういう世界観だから」で一蹴できるようにされているような気がして少しむず痒い。
監督はきっと型にハマったことや、世間に蔓延る歪んだ恋愛観が嫌いなんだろう。そのドロドロしたエネルギーをもろに作品にしたって感じ。作家性の強さ故観る人は選ぶと思うが観て損することはない映画だった。ラスト海の音で終わるのが秀逸だった。あの映画における共通点から恋愛に発展するという価値観そのものをぶち壊して「そんなんバカバカしい」と海に向かう主人公が想像できる。それとも彼はロブスターになったのだろうか?
ハマる人はハマる
ストーリー
ああこんなシュールコメディ観たかった!後半からガラッと変わる環境も飽きさせない1つ。長いとは思っちゃったけど楽しんで見れた。まあ絶対想像つかないオチになっているし、ラストの方は切なさすら感じた。
キャスト
コリンファレルの演技の幅を見せつけられた感じ。身体もあんなんだったっけ?っていう。あんな役も出来るんですね〜。今作ってみんなイメージとは違う役を演じてたように思える。ベンウィショーにしろレアセドゥにしろ。レアセドゥいつ出てくんのって待ってたら出てきた。死んだふりするシーンとか面白かったですね。レイチェルワイズもあんな可愛いんだなあ、、。と、ホテルのメイドさん可愛かったけど誰なんだろう、、。ダンスシーンとか凄かったなあ。
監督
なんかウェスアンダーソンのさらにダークって感じ。
孤独と愛と矛盾。
つまらなかった
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