ロブスターのレビュー・感想・評価
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不条理であるということ。
「独り身」が罪に問われる社会で、独身者が森のホテルに軟禁され、45日以内に伴侶を見つけないと「動物」にされてしまうというお話。いわゆるブラック・コメディ映画である。しかしモンティ・パイソンのようなシニカルな笑いを期待する映画ではない。むしろ日本の漫画家・根本敬を彷彿とさせる不条理劇である。笑いたいけど笑えない。泣きたいけど泣けない。目を背けたいけど背けられない。この理不尽な脚本と淡々と残酷な場面を演出することが、監督の意図した「現実の提示」であるような気がする。読後感の悪い書物と同じで、何を感じるかは観る側に残されたまま終わる映画。好き嫌いは分かれますが非常に興味深い作品。
窮屈な愛
独特な世界観の中では、あらゆる常軌を逸したシーンもサラッと次のページをめくる。
狩りをするでもなく積極的に婚活に精を出すこともなく、なりたい動物は明確な理由とともにロブスター
だと告げ、ただ運命の日を待つだけかと思えばルックスだけで(生き延びたいだけなら執着質な変態婆と付き合えばよかった)女性を選び、理想とはかけ離れた生活を送っては挙句、犬の兄を殺され怒って発狂。そのサイコ女も殺す。孤独を求めて森を逃げ込むが近視の女に惚れたが最後、失明をしてでもその愛を求める様。普通に愛せる前妻が居たのにも関わらず…
ここではパートナーとの何かしらの共通点を探す。
泳ぎ方だとか鼻血が出やすいとか目が悪いとか。
その共通点がなければ繋がれないような窮屈過ぎる愛が本人たちにとっては苦渋の選択なんかではなく、紛れもない答えなのであった。
最初から最後まで価値観の相違を押し付けられる。
ロブスターになんかなりたくはないが、最終的にはそこまでするならむしろロブスターになった方がマシなんじゃないかというような。常にズレがある。
メイドが操られたかのように主人公の協力したり、カルト宗教のような結婚賛美プレゼンテーション。無表情セックス。鼻血に加え家族揃ってペアルック。子供が主人公をナイフで殺すよう指示したり、我が身のための妻を裏切ってからの空砲ドッキリ。失明オペ。ラストカット。とにかくぶっ飛んでる。そしてレア・セドゥのドSリーダー感とかとても好きでした。
興味の持続力
冒頭から先の読めない展開が続きラストまで興味の持続が保たれたままエンディング。
街に出てココぞとばかりにイチャイチャする二人に関係がバレるとヒヤヒヤしたり笑えたり。
静かな印象の作品だが色々なジャンルが盛り込まれ監督の発想力に脱帽で役者陣も良い。
本作の世界が現実に有り得たら世の中が抱えている問題の何割かは解決出来ている気もするが何とも奇妙な世界観が面白い。
面白いか面白くないかと聞かれて困るタイプ きっと人には勧めないしも...
面白いか面白くないかと聞かれて困るタイプ
きっと人には勧めないしもう一度は見ないけど余韻の大きい映画
思ったよりとてもエグくてびっくりした
共感と共有が愛、愛情は行動が全てような世界で
兄を殺した女を同じ目に合わせるのは無意味で、盲目の女のために目を潰すのは意味があることなのか?
クールなレア・セドゥーは大変よかったので星半分プラスします
家に帰るまでが鑑賞時間のような不思議な映画
想像よりダークな世界観で、好きとか嫌いとゆうよりは面白いってゆう感触でした。
独身者は罪で、捕らえられて強制的に49日以内にパートナーを見つけさされる。もし相手が出来なければ動物にされる(一応選ばせてくれる)
設定が奇妙で面白いけどこの制限された世界で人々のダークな面がたっぷり描かれてます。けっこうグロい表現も多いし、見終わったあとはモヤモヤしたけど時間差で面白くなってきて思い出し笑いとかしちゃいました。かなり辛辣な世界を舞台にしたダークコメディでもあるのかと。。。
☟☟☟以下ネタバレ☟☟☟
よかったとこ、
子供の足を蹴る主人公
結局見た目だけで冷徹な女を落とすことに決める主人公
落とす為に冷徹なフリしてるとこ
メイドさんのキレキレダンス
めっちゃ巨大なブタを捕獲するレア・セドゥ
で、笑えて好きなシーンでした
愛する相手と同じ欠点を持っていた方が、愛が生まれ安く。そして真実の愛であると思い込んでいる登場人物達の姿が滑稽で分かるような分からないようななんとも言えない気分になりました。
この映画がなんか家に帰るまでが鑑賞時間のような不思議な映画だったなぁ
1日不思議な世界のモヤモヤを引きずる感じ。
ビジュアル面では土っぽいレア・セドゥの美しさ(個人的に綺麗にまとまってないパサパサなセドゥが好き)
鼻血が出る女とメイドさんが可愛いかった
森をありえない動物が歩いてるとことかよかった
意味深ブラックコメディ
まずこの映画のなんともいいようのない雰囲気に一気に飲み込まれました。予告も見ないでいったため、想像と全然違っていました。この映画は今の世界を反映してると思います。
ルールがあり監視されてる集団から逃げて、ある集団に行ってもそこにはルールがあり監視される。
まさに私たちが今住んでる場所と同じだと思いました。
なかなかアクの強いブラックコメディです。
ところどころ笑えるところがありました!
真顔セックスのところはやばかったw
分からないけど面白い
独り身でいることが罪とされ、カップルの愛が失われたり、死別したりした場合、45日以内に新しい相手を見つけなければ、動物にかえられてしまう。
また、主義として「独り身で生きること」を選択したレジスタンスが存在し、そのレジスタンスの中では逆にカップルになることが罪とされる。
何が言いたいのか、何がテーマなのかさえもよく分からないが、奇妙に面白い。
面白い理由はたぶん、非現実的な設定なのに、その中でのリアリティや日常、登場人物たちの切実な悩みや感情が描けているから。
その必死さが笑えたり、笑えてしまえるのが残酷だったりする。
現実世界だって、別にテーマとか決まってないけど、みんなもがいて苦しんで生きてて、その必死さがドラマになり、他人事としてみると面白かったりする。
この世界の人たちはなぜか、「共通する欠落」がないと、真実の愛は得られないと思い込んでいる。
終盤で主人公が失明してしまったヒロインとの愛を取り戻すため、自分の眼をつぶそうと決意するのも、そのため。
また、「共通する欠落」さえあれば、すぐにでもカップルが成立する世界でもある。
奇妙な世界ではあるが、どこか現実の世界にもリンクしている。
例えば、狙った相手の「欠落」を自分も持っていると偽装するために、わざと鼻血を出したり、冷血な心の持ち主を演じたりする。
こんなことは現実にはないような話だが、恋人がいないみじめさに耐えるよりは、あまり好きでもない相手だと分かっていても、妥協して付き合っている人はいくらでもいるだろう。
また、その世界の中での「常識」にしばられ、その常識の中でしか思考できなくなってしまうことは、ありがちなように思う。
一昔前は、「結婚しない男女」というのは社会的に、人間的におかしい、本来の姿ではない、という風潮が非常に強かった。
現実にそういう奇妙な世界に我々は住んでいたのだし、おそらく今の世界も50年後の世界の人が見たら奇妙であることがたくさんあるのだろう。
この映画は、そういった常識や世界観が変わっていく中でも、変わらないものを描こうとしているのかも知れない。
うすうす自分でも欺瞞だと気づいていながら、世間体や生活の安楽のために「あるべき姿」を演じようとするのか、どこかに「真実の何か」「きっと最も価値のあるもの」があると信じて、他の一切を犠牲にするのか。
答えは無いし、誰にも答えは出せない。それは、人間の根本的な不完全さに由来するから。
最後のシーン。男は真実の愛のために眼を突こうとし、女は男がそれを実行するのを待っている。
観客は男に、あるいは女に、感情移入せざるを得ない。「本当に彼女のために失明していいのか? 何のために? 俺は正常な判断をしているのか?」「本当にあの人は自分の眼を突けるのか? 私はそれを信じているのだろうか? そもそもそうまで手に入れなければならない、真実の愛とは何なのか?」
その答えは示されない。示されないので、観客はこの問いを考え続けるしかなくなってしまう。
奇妙な世界
ヘンテコな世界のヘンテコな住人たち
①独り身の人間たちは、ある施設(ホテルのような所)に入ります。
②そこで45日間過ごし、その間に相手(パートナー)を見つけなければならない。
③パートナーを見つけなければ、動物にされてしまいます。
要はそこで彼氏彼女が出来ない独り身の人間は動物に姿を変えられてしまうんですよ
シュールでブラックで卑猥な映画。
様々な人間がいるのに、同じ種類の人間へのこだわり…趣味趣向が同じだったり足が悪かったら同じように足の悪い人だったりとか…このこだわりは、動物的本能なのだろうか…
この監督は『籠の中の乙女』もそうですが、ある種の閉塞され囲われている不条理な世界みたいなのが好きなのかな
あと、動物に何か恨みでもあるのかな
残酷な描写もあるが、シンメトリーな映像もあり、どこか落ち着ける不思議な作品。
独身だめなのか
ホテルでの生活で、スポーツは、カップルが成立していない人はゴルフかスカッシュしか出来ないっていうくだりが、自分の休日と一致してて震えが止まらなかった。設定以上の面白さを感じなかったのが残念だった。ラストも何か腑に落ちない。
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