海賊とよばれた男のレビュー・感想・評価
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男だらけの映画に演技派結集 その中で紅二点…綾瀬はるかと黒木華の存在感無視できず
「永遠の0」を大ヒットに導いた岡田准一主演×山崎貴監督が再びタッグを組み、百田尚樹氏のベストセラー小説を映画化。出光興産創業者の出光佐三氏をモデルにしたといわれる主人公の国岡鐵造を岡田が演じているわけだが、妙な説得力があり座長としての存在感が際立っている。
それにしても、男だらけの映画。山崎監督はこのあと「アルキメデスの大戦」でさらに強烈な男映画を撮っているが、今作でも吉岡秀隆、染谷将太、鈴木亮平、光石研、堤真一、國村隼、小林薫と芸達者な面々を揃えている。そんななか、綾瀬はるかと黒木華の存在感を見逃すことも出来ない。フィクションではあるが、限りなく史実に基づいていることからも先人たちの懸命な生き様に感服させられる。
感動させるエピソードが、日本企業のブラック的その場しのぎに思えてしまった。
山崎貴監督による2016年製作(145分/G)日本映画
配給:東宝、劇場公開日:2016年12月10日。
原作は百田尚樹で、未読。
出光興産創業者の出光佐三をモデルとした主人公国岡鐡造の半生と出光興産をモデルにした国岡商店が大きくなっていく様が描かれていた。
田岡(岡田准一)が創業し、どんどんと事業拡大していく。そして満州の極寒でも凍らない石油を研究開発した結果、満鉄での使用を石油メジャーから変えさせたところまでは、とても楽しみながら視聴すること出来た。しかし、その後は・・・。
戦後、全国の元海軍地下タンク底に残る石油をさらう業務を受注する国岡商店。他社がやらないキツくて厳しい業務。ポンプ吸入もできず最初は嫌がっていた社員たちだが、幹部社員・東雲忠司 (吉岡秀隆、ランニング姿に首タオル)のやってやろうという姿勢にほだされるかたちでバケツリレーで石油を掻き集める。映画はこの逸話を、感動をもたらす美談の様に描いていて、大きな違和感を自分は覚えた。
原油/石油に含まれる多環芳香族炭化水素は急性毒性のみならず強い発がん性があることが知られており、上記作業は将来の社員の健康を大きく損ねている可能性が有る。自分の中にもその様な感性は確かに存在するが、個人を犠牲にして組織の利益に捧げる構図は、特攻隊精神と同じで、そのベースにはそれを善とする教育とそれを自発的に遂行させようとする同調圧力が存在する。ただ、得られるものはあくまで目先の利益のみで(育成に時間が要る航空パイロットを確実に亡くし、戦争遂行をより困難にした)、本当に長期的に組織の利益にはなっていない様にも思える。
描かれたエピソードも、泥等不純物の混入が有り粘稠性が高い原油の新しい取り扱い技術(多分世界から望まれる技術)を研究開発する、大きなチャンスであったかもしれない。日本企業のブラック企業的なその場しのぎの対応を、批判精神も無く描くな!と思ってしまった。海外の日本大好き人間が見ても、こんな企業体質の元で働きたいと思うとはとても思えないのでは。
休息も取らずに兵隊を常時働かせて戦力ダウンする日本軍 vs ローテーションで休息を取らせながら長気的に戦う米軍。第二次大戦の結果があったのに、いつまで日本人は、科学的アプローチでなく、個人の犠牲を伴うその場しのぎの対応を行っていくのだろうか?こんな感性で世界では当然、勝てないだろう。
加えて、背広の汚れを顧みず石油かき集めに加わろうとする国岡(岡田准一)に、それに感激しつつその行為を止めようとする社員の描写に、2016年でも江戸時代の身分制的感性が、依然としてまだ残っているのかと、大きな感慨を覚えた。
監督山崎貴、原作百田尚樹、脚本山崎貴、製作中山良夫 、古川公平 、市川南 、藤島ジュリーK. 、薮下維也 、永井聖士 、加太孝明 、堀義貴 、前田義晃 、弓矢政法 、阿部秀司 、安部順一 、永山雅也 、水野道訓、エグゼクティブプロデューサー阿部秀司 、門屋大輔、プロデューサー佐藤隆博 、守屋圭一郎 、藤村直人、企画協力奥田誠治、撮影柴崎幸三、照明上田なりゆき、美術上條安里、録音藤本賢一、装飾龍田哲児、VFX山崎貴、VFXディレクター渋谷紀世子、編集宮島竜治、音楽佐藤直紀、DIプロデューサー齋藤精二、音響効果岡瀬晶彦、特機
奥田悟、衣装水島愛子、ヘアメイク宮内三千代、特殊メイク吉田茂正、キャスティング緒方慶子、スクリプター甲斐哲子、助監督安達耕平、制作担当櫻井紘史、ラインプロデューサー
阿部豪、アソシエイトプロデューサー櫛山慶。
出演
国岡鐡造岡田准一、東雲忠司吉岡秀隆、長谷部喜雄染谷将太、武知甲太郎鈴木亮平、柏井耕一野間口徹、藤本壮平ピエール瀧、須田邦裕、飯田基祐、小林隆、矢島健一、小川初美黒木華、浅野和之、国岡万亀男光石研、ユキ綾瀬はるか、盛田辰郎堤真一、木田章太郎近藤正臣、鳥川卓巳國村隼、甲賀治作。
人の繋がりの深さの有った映画だった
2時間45分…はあっと言う間
6時間あってもおかしくない
捨てた部分は惜しいが内容と演技は良い。
しかし彼らの生きた証をもっと観たかった。
描ききれていない物語を知りたかった。
気になるのは埠頭にいる人々の生気の無さ
日本もイランも同じ、そこに居るだけ風で、
意志の無さがこちらに伝わって来た。
同時に道も整備されて綺麗すぎた。
とはいえ、それ以上に魅力的な物語で
今の機材を1940年代に持ち込み
そこで撮影した映画だ!
そう言い切っても良いくらい
美術もVFXも完成度は高い。
白組は夕日…永遠の…そして海賊…
等を経てゴジラに到達した感は有るが
まだまだ進歩はすると思う。
※
日本の未来のために立ち上がる漢たちの初志貫徹の成功物語
岡田さんの演技が最高に素晴らしいです。
当時の時代背景や国際情勢の中で困難に立ち向かう不屈の精神、日本人としての誇り、
日本の未来のために立ち上がる力強さに感動しました。
何か新しいことを成し遂げよう、とした時に起こる嫉妬や妬み嫉みも表現されており、
周りの反応に動じることなく毅然と対応し、初志貫徹する姿に人は動かされ、
人がついてくる信頼される方だったのだろうと想像しました。
原作の素晴らしさを名俳優陣が固め、味わいを豊かにしていると感じました。
オススメです。
フツー
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戦後にアメリカ企業を敵に回し、圧力で原油が手に入らなくなった岡田の会社。
イランにタンカーを出して直接取引して持ち帰ることにした。
イランは当時イギリスが占領してて、命の保証すらなかったが、成功。
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何かどーでもいいと言うか、普通過ぎて感情移入できない。
この映画に限らず、岡田准一が出る映画って全部そんなんやわ。
何でやろ?社会派じみた作品ばかり出るからかな?
別に岡田は嫌いじゃないんやけどね。
同じような俳優に高倉健がおるわ。彼の作品も全部つまらんく感じる。
思ったほど…
2023
62本目
決して面白くない訳ではない。
が、とにかく長い。
長さを感じさせられる映画…
出光をモデルに進むストーリーは熱いシーンもあるのだが、展開が早いのか遅いのか…
国レベルほ問題もサラッと終わってしまう。
物語の凹凸はあるが、何故か刺さらない。
綾瀬はるかの使い方…
淡々と進むストーリーのせいかイマイチ感情がならない。
決して、面白くない訳ではない。
しびれる名言がたくさん!
実在する、出光興産やその創業者の出光佐三をモデルとした実話に近いストーリー。作品の中ではそれぞれ名前が「国岡商店」、「国岡鐵造」となっています。
まず、岡田准一さんが演じる鐵造がとにかくかっこいい!
凄まじい情熱がある一方、とても社員思いで人情があります。店員(社員)がついていきたくなるだろうと思いました。
何回も会社が窮地に追い込まれても突破する勇気もすごかったです。
いわゆる日章丸事件を描いた部分ですが、役員や部下たちが「正気ですか」「そんなの博打ですよ!」と迫る緊迫したシーンも見もの。
鐵造からいくつも名言が飛び出します。
「仕事は、ない、ない言うちょらんで作るもんや」「それでもどーーーにもならんかったら、皆でこじきをしようか」
・・他にもたくさん。
どれもしびれる!
私は原作の著書を読んだことがありますが、ボリューミーな内容を一本の映画によくまとめたなと思う半面、ちょっと詰め込みすぎたのかなという印象。初めてみると「なんのことかついていけない」という人もいるかもしれません。
逆に原作を知っていると、端折った部分がわかってもどかしさを感じました。例えばイランの石油を買い付けに行くまで、交渉でものすごく苦労しています。
でも大好きな作品なので、私は二度見、三度見したいくらいです。
余談ですが、戦後焼け野原になった東京で奇跡的にも被害を免れた国岡商店本店とそのとなりにある歌舞伎座。東銀座にある歌舞伎座が当時からあったんだという驚きと、仕事場からも近く、よく通るところなので感慨深いなあ、と思いました。
海賊と呼ばれた男、国岡鐡造と荒くれ男の集団(社員たち)の事業再興ストーリーが熱い!
百田尚樹によるベストセラー歴史小説の映画化!
出光興産の創業者・出光佐三氏の人生をモデルにした、国岡鐡造(岡田准一)の熱い人柄と破天荒な生き様は、事業を営む経営者、組織での管理職の方は理想とするリーダー像と感じるのではないでしょうか。
人間力、魅力溢れる鐡造と、この人のためなら命をもかける!という戦争で生きぬいた荒くれ男の集団である従業員たちが起こしたストーリーは感動です。
一度は観ていただきたい映画です。
出光の創業者を中心とした会社発展のドラマ
・困難に対して立ち向かい、打開するサクセスストーリーの気持ちよさ
・意地悪や理不尽に立ち向かい、打倒する痛快さ
出光石油を作った男の海の上での戦い!
出光石油の創業者出光佐三をモデルにした、既得権益まみれの石油産業に風穴を開ける物語。
海賊と呼ばれるような商手法を取った、侍魂商法を原作者百田尚樹の攻めの作風で語った、監督渾身の作品。
出光の石油
岡田くん率いる國岡商店は、石油の販売店。
海賊と言われた岡田くんが、過去、未来(戦時、戦後)と石油のために奮闘する。
確かに熱い思いが伝わってくる映画だったが、どこか物足りない。豪華な出演陣なのでもう少しそれぞれの見せ場が欲しかった。
激動の時代を駆け抜けた男達の熱情物語
さすが。永遠の0と同じ、主演・岡田准一、監督・山崎貴、原作・百田尚樹、という顔ぶれが、期待以上の感動作を生み出してくれた。
本作は、日本の戦前、戦中、戦後を通して、石油産業の発展に人生を賭けた国岡商店店主・国岡鐵造の半生を壮大なスケールで描いているが、単なる半生記ではない。日本の昭和史、石油産業史を踏まえた、飽きることのない起伏に富んだストーリー展開と多彩な登場人物で、硬派な骨太群像劇に仕上がっている。特に、主人公達が、海外大企業に技術力と団結力で対抗していくシーンは、自動車、電機などの日本メーカが、戦後歩んできた道程そのものであり、セミドキュメンタリーを観ているようである。
戦前、戦中、主人公は、海外大企業との闘いに苦戦しながらも、社員一丸となった団結力と技術力で、徐々に石油ビジネスを拡大していく。しかし、終戦を迎え大きな岐路に立たされる。それでも彼は、熱い想いと不屈の闘志で、旧日本軍が備蓄していた不純物だらけの石油を汲み出すビジネスを起点に再生していく。そして、国岡商店は、度重なる海外大企業の妨害を受けながらも、戦後の日本復興と呼応するように、日本を代表する企業に成長していく。
どんな苦境でも決して諦めない主人公・岡田准一の熱く迫力満点の演技は画面から迸るようであり、泣かせる台詞、格好良い台詞が満載で、胸が熱くなりっ放しだった。
そんな岡田准一を盛り立てていたのは、脇を固める主役級を揃えた個性豊かな豪華な俳優陣である。特に、主要メンバーが国岡商店に入社志願するシーンは、設定は異なるが、七人の侍を彷彿とさせるものがあり、彼らは、予想通り主人公の夢を実現するサムライになっていく。更に、敵役の國村隼の存在感は出色だった。見た目は紳士的で温厚な雰囲気なので、主人公への辛辣で意地悪この上ない台詞が、より一層憎々しかった。そんな彼が、純国産企業に拘る主人公を気遣うシーンには、日本人としての連帯感があり、図らずも感動してしまった。このシーンで、本作の助演男優賞は彼に決まりだと得心した。
見どころが多い本作の中でも、最も印象的だったのは、石油塗れになりながら、必死にバケツで石油を汲み出す国岡商店の人達の姿である。彼らの汲み出した石油の一滴一滴は、正しく大河の一滴であり、それは、やがて大きなうねりとなり、ついには、戦後の日本復興という大河となって現在に至っていると思うと涙が止まらなかった。
重厚なナレーション付けてドキュメンタリーにしたら
すごく豪快で熱い感じがするのですが、バシッと収まりません。うまく自分から体を寄せて行けると気持ちいい感じがします。課題おらあ解決?を繰り返し見せてくれます。なので飽きはしません。
底油の撤退のシーンでしょうか。次の日にはなんか解決してます。電話の向こうでおらあって言われたんでしょうね。へ?それで解決なのという肩透かしなのですが、全部同じ感じです。10分以内にはおらって言って解決します。前妻との別れにしても、数分前までごはんうまうましてた人がいきなり不穏な空気を出して、やっぱりいなくなります。が、そこまで思い入れあったシーンあったけ。この辺りの肩透かしに対して、いかに行間を読んであげて、うんうんと頷いてあげられるかがキモかと思います。
何丁目の夕日なのか、いつもと同じ味です。最初の作品から、SFの良いシーンやりたかったんだぜえ。後はとりあえず繋げただっけす的な作品でしたので、もはや個性ですね。映像的には、古い日本の映像をあそこまでかける作品は貴重なので、それだけでも良いので満足です。動きが付くとちゃっちくなりがちですががが。
この辺りの時代は、復興の象徴とか、昔ロマンとかその辺りうざくされがちですが、行間に消えてるため伝わってきません。ある意味説教臭さも薄く、頭ぽかんとしたままみれて終わります。何を見てたんだろうと解釈に困るのですが、解釈しないと良い気がする。下手に映画っぽくするより、重厚なナレーション付けてドキュメンタリーにしちゃったほうがむしろ面白いのではと感じました。ドキュメンタリーのほうがまだ説教臭いのではと思うほどに。
エンタメ映画系統の王道
永遠の0と同じく百田原作・山崎監督・岡田主演ということでした。
映画としての完成度は相変わらず高く、演技はとても分かりやすく説明が丁寧なので老若男女楽しめるんじゃないかと思います。
原作を読んでいませんが、青年期と老年期を交互に描いたのも上手だと思いました。
永遠の0と同じく順を追って描くこともできたと思いますが、その演出により「史実の記録的映像作品」と一線を画している効果があると感じました。見ている側に「想像する余地」を残してもらえたというか、考えながら能動的に見れました。
私は歴史系映画だと「シンドラーのリスト」が人生観を変えたほど好きです。
史実とはかなり異なるそうです。それでも観た人に、考えさせ、影響を与えていることを考えると、映画としての価値は揺るがないと思っています。
この映画は何を描きたかったかをふと考えてみました。
原作に忠実にしたかったのか、原作のさらにモデルとなった出光さんの史実を残したかったのか、日本人としての本質とは何かを見せたかったか、、、、など。
多分全部の要素があるんだと思いますけど、もし「先輩たちが命懸けで守ってくれた日本」に本質を持って描いていたとしたら、勇気をもって「出光」さんの映画として欲しかったです。そしてその人生の中で、どういった情景を見て、戦って、守ってくれたか、にフォーカスした脚本も見てみたかったです。
百田さんの映画をそのまま描きたかった場合は問題ないのかもしれませんが、その場合、どういう感覚でこの作品を見たらよいかが頭の整理が難しかったです。
そういったもやもやが残ってしまい、感動しきれなかったなぁという感想でした。
凄くいい映画
まずは岡田准一の演技が凄くいいので魅せられます。
この話は出光興産創立者の話ですね。今の時代では滅多に居ないくらい社員想いの人格者、な反面 命懸けの仕事を社員に命じる冷徹な部分も持ち合わせた人です。まぁ時代が時代なので仕方ないと思いますけどね。
原作5年前に読んでから
原作を5年前に読んでから内容はうる覚えだが、石油を日本で売るためにいかに苦労して成せたのか感銘を受けたのを覚えている。
私たちが現在生活をしていく中で、当たり前のような資源などは全て昔の偉大な方々の努力により実現されていることに気付かされた。
現在は、石油の高騰に伴いガソリン価格も近年稀に見る高価格である。
なぜ、ガソリンが高くなっているのかと基礎的な部分からも知っていく必要がある。
原作は2部作で長く映画の中では省かれている部分が多くある。深く知りたければ原作を読んだ方がいいが、いかんせん長いため、本棚に今は閉まって置こうと思っている。
また、最後のゆきが離婚した経緯をノート共に提示したシーンは感動した。
離れていく決断をしたが、それは本意でないこと。
その思いを知ったことなど、子供に恵まれない事で離れなければいけない。本心を言わない等が切ない。
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