葛城事件のレビュー・感想・評価
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大阪教育大付属池田小学校殺傷事件がモチーフと思われたが、様々な殺人...
大阪教育大付属池田小学校殺傷事件がモチーフと思われたが、様々な殺人事件を監督が咀嚼したものとのこと。三浦友和と次男役の俳優の凄い演技に見入った。田中麗奈はいまいちかな。家族全員ぶっとび。
我が家の玄関は、金木犀でした。
葛城父が私の父親と同じタイプの人間で、映画を観ている間ずっと傷口をほじくり返される苦痛に見舞われた。
怒鳴るスイッチが何処にあるか分からず、四六時中怯えて過ごしていた。
常に理不尽に怒鳴りつけ、自分の理想の家族像を押し付ける父親。
マイホームを建てて、玄関に金木犀を植えていた。
私が物心付いた頃には既に母はアル中。
母は、末期癌で死んでいった。
今でも悔やむ事は、母を自由にしてあげたかった。
母は、なんで、あんな屑野郎と結婚したんだろうと…。母に聞こうとしたって無理な訳だが…。
幼少期の記憶に蓋をしていたのに、蓋がずれてきて涙が止まらなかった。
ああいう人間が一家の主だと、自然と家族は壊れていくものだ。葛城家に限らず…。
とにかく重い作品、というのを覚悟して観に行ったのですが、予想以上に...
とにかく重い作品、というのを覚悟して観に行ったのですが、予想以上に辛かったです。
ただ観ていて驚いたのが、アパートで起こったある一件の前と後で、自分の中でも感情の動きがあったことです。それは、父親という存在は元来、孤独なのだなと気づかされたことです。
劇中では、稔も保もアパートで母親 伸子と共に居た時のみ、少しですが安らかな表情を見せていました。
保の家庭でも、子ども2人はいつも母親につきっきりでした。
よく、父親の背中を見て育つ、と言いますが葛城家においても、保も稔も父親の性格から言動まで受け継いでいるものの、心底では母親と繋がっていたのかもしれません。しかも、伸子は清のことを昔から嫌っていたというのだから、なおさらです。
アパートのシーンでは、その父親の孤独というのが垣間見えたようにも思えたのです。
とはいうものの、父 清はもちろん、母 伸子、そして2人の兄弟の言動には同情しづらいものがあります。
以前ラジオでちらっと聴きましたが、性格というのは遺伝よりも、生育中の環境の影響の方がよっぽど大きいそうです。
家族には愛が大事とかそんなこと言うつもりないですが、一つの家という箱の中で、みんなが笑っていられるような思いやりが、この家庭には無かったのだと思います。
観ている途中で何度も自分の家のことを思い返してしまい、帰ったら両親に孝行しようか、なんて思ってしまいました。
家族の在り方、人と人との在り方を、思いっきり反面教師として描くことで、考え気づかせてくれた今作に、とても好きにはなれませんが、称賛の意を表したいと思います。
映画とは関係ないのですが……
毎回、ユーザーレビューの評価を見て、今回「葛城事件」を観て来ました。
正直「ガッカリ」です。
「後味が悪い作品」と唱う方もいらっしゃいましたが、地上波でドラマ上映しても問題の無い程度の作品。最初から最後まで平凡かつ平凡な映画でしたよ。
話、変わりますが、先日に起きた「神奈川の殺傷事件」の後に、今回「葛城事件」の映画を観ました。
こう言ったコミュニティの場所で、軽々しく発言すべきでは無いのですけど、
「人間って、簡単に人間を殺せるんだね」
映画を観てる時に思った正直な意見です。
たまたま僕のユーザーレビューを観た方へ
enjoy summer♪
一つでも♪
「楽しそうな映画」
観て下さいね♪
とにかくずっしりと重い
上映館がどんどん少なくなる中、やっと観てきました。
とにかく重い内容にすっかり気が滅入りました…でも観て良かった。
この作品はとにかく登場人物にまともな人がいないのが印象的。
屈折した愛情?で家族を地獄に引きずり込む父親(三浦友和)が、とにかく人間のクズにしか見えなかった。
息子達が小さい頃は辛うじて繋がっていた家族の絆が、ある時プッツリ切れて、それぞれが皆んなおかしくなっていく。
息子達が成長した頃には、まともそうに見える長男までも、とにかく狂ってる。。。
その長男(新井浩文)が飛び降り自殺してしまい、葬式の時に母親(南果歩)が「カナブンの話」でケラケラ笑っている時なんて、身震いするほど怖かった。。。
1番理解できなかったのは、通り魔殺人を犯した獄中の次男(若葉竜也)と獄中結婚した女(田中麗奈)。
彼女もとにかくおかしいと思う。
何を考えているのか全く理解できませんでした。
人って環境でこんなに壊れてしまうんでしょうか?
凶悪殺人犯って、やっぱり環境が生み出してしまうんでしょうか?
そんな事を思わずにはいられないくらい……重い作品。
三浦友和さん、クズっぷりが素晴らしかった。
か弱きものに押しつぶされた者たち
清から逃れた妻である伸子が稔(彼が父である清の性格を受け継いでいる)とアパートでインスタント麺を食べるのがこの映画で唯一、ホッとするシーンだ。
それで「父性」こそが、“この元凶の中心”である事は分かる。何故ならその後に清がやってきて元に戻るのだから。
それではその父性は強いものなのか?
それが最後に願掛けで植えた蜜柑の木が首吊りで折れたときに分かる。“実は対して強いモノではなかった”と。
彼らを縛っていたモノはか弱く、取るに足りない存在だったことに気がつくとき“この元凶”が特殊なケースではなく、実は誰にでも起こりえることに観ている者には気がつく。この映画の奥深さはここにあるといってもよい。
ときおりある“空間の狭さ”が葛城家の“狭さ”でもあり、それは我々の狭さかもしれないのだ。
個人的には、主演の三浦友和は甘いマスクも相まって器用貧乏な俳優と思われがちだが、実はこんな「激しい」役が一番の得意なのだと再確認した映画でもあった。
ことごとくすれ違う、善意と愛。
人間ドラマかと思いきや、これはもはやホラーだ。
登場人物の誰しもが不気味に見える。
それを眺める自分含め、何が正しいか、まっとうか、なんてわからなくなり、まともな人間なんてこの世にはいないんじゃないかと思ってしまう、、
ほどのリアリティと説得力が本作にはある。
役者の巧さと監督の独特で執拗で無慈悲な目線が次元の高いところでぶつかり、終始異様な緊張感に満ちている。
息を潜めながら、じーっとみつめる。
この緊張感は「あの夜の侍」でも同じように感じたな。
でも本作の方がより、日常の中に潜む狂気、を濃く感じさせられた。
それでも、人生は続いてゆく。
救いはない。重たーい気分になりたいときに観るべき映画です。
重い
あらすじからして覚悟してましたけど重いし後味も悪いです
主要登場人物でマトモな人はいません。
家全体から漂う悲愴感、コンビニ食の貧乏臭さとかすごいです。精神的にも物質てきにも貧しいんです。
役者さん達の熱演もすごいです。みなさんクズにしか見えませんでした。
重いことのメリットはない
通り魔(無差別殺傷)事件を起こした葛城君の一家は完全崩壊していた、という話が時制入り乱れて描かれる。突拍子もないのは田中麗奈のキャラクターだろうな。この人も壊れてる。
一つ一つの描写はすごく面白いところも多い。若葉竜也が殺しに地下道に行くところのサラリーマン、とか、最後の三浦友和のところとか。見たこともない無様さ、というか。
けれども話全体が好きでない。この普通の家族の普通の崩壊劇は、逆に皆肩の力が入っていないくらいが丁度いいような気がしてならない。
よかった
三浦友和の一挙手一投足が全て居たたまれない気分にさせる。あんな性格でよくそこまで家族が持ったものだとむしろ不思議になるし、結婚すら普通無理なのではないだろうか。実際は寂しがり屋で優しい側面もあるだろうし、そういったところも少し描いて欲しかった。
実際にあんなお父さんはいるだけでパワハラだし、児童虐待だ。でも、今時珍しい頑固オヤジでもあり、居たたまれない気分が心地いいような安心感が逆にあるような変な気分もある。洗脳なのかもしれない。
田中麗奈にキスをせがむ場面は見ていてつらかったが、死刑囚と結婚するような変な女ならもしかしたらと思わなくもないので、三浦友和を一方的に否定できない。
普通の家族の異常な家庭
何故こうなってしまったのか、どこで間違えたのか。父は不器用ながら家族を愛し守ろうとしただけなのに。
全員どこか変だが、そこらへんにいそうな人々である。無差別殺人という事件だけを見ると、とても特殊な環境のとても特殊な人物像が浮かび上がってきそうだが、その内情はどこにでもいそうな少し歪な家族である。
ただ、この家族、恐ろしく自分勝手ではある。
やはり、他者のことは分からない、分かったつもりになってるだけということだろう。
父は息子のことや嫁のことを何も分かっちゃいなかった。死刑反対女も死刑囚のことを何も分かることはできなかった。
分かった気になるなよ、危険だぞと。
、
新井さんの舞台挨拶に行きました。一家の家族の物語、破滅に向かっていくんだけど、誰が悪いのか分からない、正義と悪が混沌としている感じがした。たまたまひとりひとりの悪い所がぶつかってこうなったのかなって思った。新井さん演じる保はサラリーマンだったけどある時に職を失い、転落していく人生。最終的に自殺をしたんだけど、面白い話を新井さんに聞いた。【①保の子供を演じる子役は保に似たような子を抜擢した②子役に上手く演技させることが出来ず監督が子供にち○こを触らせてた(笑)③新井さんは自殺の時日本刀で首を切るというシーンを入れたかった④煙草を踏み消すシーンは2パターン撮って、ひとつは映画のカスを拾いに戻るもの、そして拾わないで立ち去るという設定も考えられていた(ちなみに新井さんだったら消した煙草をそのままポッケに突っ込むな、と言っていた)】人によって違う解釈をしてもらって構わないとの事です。重い内容ではあったがその他の要素も多く非常に楽しめる映画だと思う。演技を演技と思わせない彼らの演技力に圧倒されました。
疲労感に襲われる
観賞後、激しい疲労感に襲われる。
家族全員が病んでるというか精神が崩壊してる。何でそうなるんだ、何を考えてるんだ…などと考えるだけで疲れてくる。
特に父親の存在、家族・家庭はこうあるべき!自分は正しい!それが全てのような閉塞感に息苦しくなる。作られた幸せ、現実を見ようとしてない家族。
また、この家族には、ごく普通の家庭のご飯がない。食卓のシーンもだけど会話の中にもない。全てが出前やコンビニ…おかしい事にも気づかない。
観賞中ずっとムカムカし理解もしたくない感情に包まれ、終わった後もずっと後を引き疲労感と絶望だけが残る。こんな映画そうそうない。
最後のシーンが圧巻
赤堀監督の作品は「その夜の侍」もそうだったけど、特に最後のシーンがすばらしい。観客の心を容赦なく鷲掴んでくる。
たぶん、ラストまでの流れを作るのもすごく考えて制作してるんだと思う。
ぜひ劇場で体感してほしい作品。
個人的には、新井浩文さんが気の弱い役を演じるのを初めて見たのだけどすごくハマっていて、やっぱり上手な方なんだなー!!と再確認しました。
三浦友和さんや若葉竜也くん、南果歩さんも素晴らしかった。
見るべき作品
無差別通り魔事件
犯人が悪い
父親が悪い
母親が悪い
兄が悪い
誰が悪いかわからなくなる
皆が皆、少しずつ狂っていく
亭主関白(自己中心的)な父親
何も言えない母親
優等生から転落していく兄
劣等感を抱える弟
見事なまでに人間が少しずつおかしくなっていく様子が描かれていて、じわじわ怖いと思った
とてもリアルでどこにでもありそうな家庭
父親は過激だが
すごく嫌な父親だが、見栄やプライドを持っているのが透けて見えたり、実は誰かいないと壊れてしまったり、昔の写真を眺める所に、何故か切なくて涙がでる
そして蜜柑の木でまた涙
もう一度見たい作品
出ている俳優陣が本当によかった
違和感を一度も感じなかった
うまい脚本、突き刺さるセリフ
ひたすら暗い。重圧感はひどくないが、どこにでもありそうな家庭崩壊ドラマとは大きく違う深度がある。
脚本うまい。セリフが発言者自身を告発しているあたりがいいねん。
三浦友和さんがいい。
昭和と平成の溝が深い。
南果歩さん、切ない。
Sad映画
すごく悲しい映画でした。
清には明らかに家族愛があるんだよね。しかし、それは空回ってばかり。理想を掲げて支配し抑圧するしかやり方を知らない。不器用というより愛するスキルが欠如している。そんな夫を嫌っているくせにノーと主張できず、「ここまで来てしまった」と嘆く伸子。父親の理想に殉じる良い子の保と、否定されて腐るしかない稔。
葛城家に共通するのは主体性がないこと。家族の中に、自分の力と誇りで人生を切り開き、自分を勝ち取るという価値観がない。清も金物屋の二代目を主体的に選んだとは思えない。家族全員自信がなく、臆病なのだ。清のクレーマー気質とかは、弱い犬ほどなんとやらのよい見本だ。理想の家族像とかにすがるのは主体性がない、すなわち自分がなく臆病だからだ。
そして、主体を持っていないから、互いに個人を尊重できない。人間を尊敬することができないのだ。支配-服従とか、不自然な関係にならざるを得ない。家族とか言ってるけど互いに信頼できないからみな孤独だ。
おそらく、これまで清も伸子も主体性や愛するスキルを学べなかった。家族とはそういうものだと思っていたらあんな事になってしまったのだ。本当に悲しい。
葛城家以外の重要人物・順子も相当アレな人で、空念仏の愛を唱えるメサイアコンプレックスのクソバカ偽善者(狂信者?)だが、終盤の自分のセックスを語るシーンや、清にキレるシーンで、生々しく情けない人間の顔が現れ、なぜかニンマリしてしまった。守りが破け、新しい展開を示唆している。
ほっこりシーンはアパートの最後の晩餐シーン。唯一の家族団らんですね。ここで、清の呪縛から逃れて伸子と稔は自主性を獲得しかける。精神発達のチャンス獲得場面だ。少し光が見える、なんともあたたかい雰囲気でした。
あそこで元の木阿弥になっちゃうのがまた悲しいんだよなぁ。
どうでもいいけどDV被害者のシェルターの重要性を連想してしまいました。
一つ一つのシーンが印象的
なんとも重厚な傑作。
家族全員が壊れていく様が時系列をシャッフルすることで一層際立つ。
三浦友和が怪演。不器用な父親は絶対的父権を維持するにつけ虚栄心の塊となり、家族から孤立するばかりか、家族の心を壊していく。しかし、あくまで家庭を第一に考える父親というところが虚しい。
一つ一つのシーンがなんとも印象的。
まずは食事。いっさい料理することなく、コンビニ飯かピザ。
冷蔵庫はガラガラだが、みんな牛乳を直飲み。どこかおかしい家族を象徴している。
通夜の南果歩、新井浩文の面接。田中麗奈の面会。カラオケスナック。全て忘れられないシーンとなった。
重かった。けど嫌いじゃない赤堀作品の魅力
赤堀さんの舞台は何度か鑑賞したことがありますが、映画は初めて観ました。
なぜこうなってしまったのか、本人の意思とは違う方へ回り始める歯車…日本のどこの家庭にも起こりうる話。重たい話だけど、嫌いじゃない。リアリティがあるからこその嫌さなのかも。
この話、最後はどうするんだろう…と思ったら納得のラストシーン。
全130件中、101~120件目を表示