葛城事件のレビュー・感想・評価
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狂っちゃった方がマシ
父親を正当化できないし、妻と息子2人に起こったことは彼が起こしたようなもの、だろうけども、若い時から懸命に築いたものとその努力を考えると、最も同情すべき人物のような気がした。最後、自暴自棄になるのはとてもよくわかる。
もしも獄中結婚の相手がいなかったら、葛城一家はどうなっていただろうか…
狂ってる。
現代ニッポン
凄惨な事件が起きると、皆が一様に思うのが変な家族だったんじゃないのかとか、原因は親にあって教育を間違えたんじゃないのかとかいう話になります。日本では悲しい事件が、「普通の家族」「普通の自分」を確認できるツールとして、存在している感じがします。
作品を象徴しているのが、「普通の人」が見て見ぬ振りをしたり、評論家に徹するところでした。次男が包丁を持っているのを見ても何もしない。精神的に追いつめられた母親や長男を助ける第3者が誰もいない。ふと気づくと、日本はそれが普通になっていたんですね。他人に興味を示さず、スマホをずっといじってること事体、よその国からしたら「変な国」だったりして。日本は、葛城清みたいな政治家のオッサンだらけだし。だから葛城家はまさに現代ニッポンの象徴の様です。
正そうとしたいけど叶わぬ夢
デットマンウォーキングのような展開を期待してしまっていた自分がいる。
こちらの映画は死を目前にしても人は簡単には変われないという寂しい現実を知らされた気がする。
自殺であろうと死刑であろうと、病気や事故ではないのだから、自分の考えや行動で防げるもののはずが、葛城家には通用しない。
果てしなく「こういう人嫌い」で片付けたいけれど家族やご近所では、シャレにならない。
登場人物で唯一スナックのおばちゃんが好きです。
結婚して息子が2人授かってマイホーム建てて昭和のステレオタイプの家...
結婚して息子が2人授かってマイホーム建てて昭和のステレオタイプの家族像のままに全部手に入れて、人生のスタートラインに立つことができたお父さんは、この先もずっとレールを踏み外さないで生きたかったんだろうか?
それとも見栄?
子供には大学に行かせてホワイトカラーのサラリーマンになってほしかった。
嫁にはいつも家にいて自分の帰りを待っていてほしかった。
心からそれが幸せと思ったのかはわからない。
だけど家族はお父さんの所有物ではない。
家族それぞれの人生を選ぶ権利も無視し、理想をつきつけられ、暴力でねじ伏せても心が離れていくだけ。
犯罪を食い止めることができる唯一の手段である愛を子供に教えることができなかった親の罪はとても大きい。
自分の理想のままに家族をしばりつけた結果、一番大事な愛を失ったのだと思う。
とてもよい映画です。
テーマが重い&見応えのある作品。 普通の家庭に見えるが、崩壊してい...
テーマが重い&見応えのある作品。
普通の家庭に見えるが、崩壊している。
父親:昭和のような厳格、理不尽、わがまま、人のせいにする、DV、自分のいうことは絶対で、力づくで家族を自分のイエスマンにしようとする。
母親:大して好きでもないけど結婚し、2人の息子を甘やかして育て、自身は料理をせずにコンビニ弁当や店屋物で生きている。夫に服従し、精神を病む。
長男:一番まとも。リストラされたことを家族に言えず、のちに自殺。
次男:引きこもり&ニートで父親の暴力の対象。のちに無差別殺人。
殺人事件が起こり、死刑を反対して獄中結婚しようとする変わり者の女性と父親の平行線な交流と殺人に至るまでの崩壊具合が交互に描かれる。
食事のシーンはしばしば幸せの象徴として描かれるが、最後の晩餐がDV避難先のコンビニ弁当だったのか、と思うとせつなくなる。
まったくハッピーエンドではない、ずーんとした思いになるが、こういう作品も嫌いではない。
ホラー映画より怖い
くっら~…(^o^;)
葛城事件
家族という地獄
どいつもこいつも、正義面だからなお恐ろしい
映画「葛城事件」(赤堀雅秋監督)から。
作品全体に、重い空気が流れ続け、
観賞後の気持ちも、(正直)どっと疲れたが、
「無差別殺人事件を起こした加害者青年とその家族」に、
スポットを当て続けたことで、第三者としてでなく、
三浦友和さん演じる、加害者の父としての苦悩が伝わってきた。
子供が大きな事件を起こしたら、親の育て方をはじめ、
どんな家庭に育ってきたのか、と追求する世間の目がある。
特にインターネットが普及し、国民総評論家時代とも言える現代、
加害者とその家族をギリギリまで追いつめる社会構造は、
とても危険なことだと感じているし、
マスコミも、加害者・被害者両方の立場で報道することなく、
加害者と加害者の家族を徹底的に吊るし上げているように見える。
冒頭、ブロック塀に殴り書きした誹謗中傷の文字を消しながら、
三浦友和さんが「バラが咲いた」を口ずさむシーンは、
この映画を思い出すには欠かせない気がする。
そして、こう言い放つ。
「騒ぎたいんだよ、何か理由をみつけて、騒ぎたいだけだ。
どいつもこいつも、正義面だからなお恐ろしい」と。
普段の生活で自分たちが他人に与えている悪影響は棚に上げて、
誹謗中傷できる事件を見つけ、ここぞとばかり大声を上げる。
(または、それをきっかけに目立とうとする)
死刑制度反対を訴え、加害者と獄中結婚した女性も、
正義面した、そのひとりなんだよなぁ、きっと。
イヤな映画だけど、いい映画
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