コインロッカーの女
劇場公開日:2016年2月16日
解説
「メモリーズ 追憶の剣」のキム・ゴウンと「10人の泥棒たち」のキム・ヘスが主演を務め、韓国・仁川の暗黒街で生きる女たちの愛憎を描いたサスペンスドラマ。生まれた直後に地下鉄のコインロッカーに捨てられた女の子の赤ん坊。イリョンと名づけられた彼女は、仁川のチャイナタウンで闇貸金業を営む「母さん」に育てられる。やがて成長し組織の一員として働くようになったイリョンは、一切の感情を捨てて命令を忠実に実行するだけの日々を送っていた。そんなある日、父の借金を背負わされた青年ソッキョンの元へ取り立てに行ったイリョンは、不幸な身の上でも前向きに生きようとするソッキョンに惹かれてしまう。「サイコメトリー 残留思念」の脚本家ハン・ジュニが監督・脚本。2015年・第16回東京フィルメックスのコンペティション部門出品。ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル梅田で開催の「未体験ゾーンの映画たち 2016」で劇場公開。
2015年製作/111分/韓国
原題:Coin Locker Girl
配給:「コインロッカーの女」上映委員会
スタッフ・キャスト
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2021年9月26日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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さすが韓国映画。こんなに有名な俳優陣が揃っているのに、まあまあ残酷なシーンもある。ただ全てキムゴウンの潔い演技力で、すんなり見られる。
後半、少しまとまって死に過ぎかも。
2021年7月21日
Androidアプリから投稿
親に捨てられた子供が闇金業を営む女に育てられ、取り立て屋として波乱万丈の人生を歩んでいく物語。
2021年7月10日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
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ヤクザ(金貸し)の親分が女性「母」なのは、日本映画だと有り得ないから新しい視点だった。
コインロッカーの10番に捨てられて、名前すら「10」と呼ばれて、両親の顔も知らず人生に「愛」という概念が存在しない主人公。
自分は「役に立つか?役不足なら死ぬ」という極論の中でガッツ全開で生き延びる日々。とはいえ、親分と子分達が住む家には愛はなくとも「情」が生まれていた。
幼い頃に、路地裏で死にかけてた犬を助けたい…と考えているうちに母は迷わず「苦しませずに死ぬ手助けをする選択」をして犬を殺す。ここで母の人生が垣間見える。人生に苦しみはたくさんあるから、せめて最小限に抑えたい、という自分の過去と照らし合わせてるんだろうな。悲しいけど、優しいやん。
でも子供には厳しい。
「役立たずなら殺す」と明示し続ける。
だが、これは『両親に捨てられ、住民票すら取れず、このまま生き続けるなら私の庇護下に置くなら、強くないと殺されてしまう、だから強く冷酷になれ、生きろ』という母の情なんだろう。
ある日、めたくそ借金して逃げた父親を純粋に信じて、料理人として真っ直ぐに生きる青年を取り立てることになる。
「貧乏は悪いことじゃないから取り立てからは逃げない」という言葉には、イヤイヤ逃げようぜ!!と思わず呟いちゃったけど、そんな青年にパスタをご馳走されたり映画に連れられたり、自分には縁遠いことを経験していく。
徐々にまともな感覚を取り戻していく我が子を見て母は「裏切り」と感じたわけじゃなく、「強くないと生き延びられない」と感じたんじゃなかろうか。
それか自分にも同じ経験があって、裏切られたり仲間にリンチされたり、同じ目に遭わせたくない、と考えての指示だったんじゃなかろうか。
愛を知らない母は、子供に愛を注ぐことはできないし、自分が受けた事と同じことをしてしまう。
けれど、長年一緒にいるうちに「情」が双方に生まれていく。
「母ではないけれど生きていてほしいとは思っているよ。」と素直に言えず、病気で長くないであろう自分が衰弱して組が崩壊するよりも『主人公に自分を殺させて、主人公の箔をつけさせて組織の上に立ち生き延びるように仕向けた最後』も、悲しくて優しくて、あんたはちゃんと母になったね…と呟いてしまった。
焦点が曖昧っていうレビューが多かったけど、女は2つの人生(女性性と母性)を生きる、っていう話が根底にあるいい作品に見えた。
女性の方が色々考えさせられる作品なのかもな。
2021年3月28日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
まずはキム・ゴウンの演技が素晴らしかった。闇社会で生きてきた女性がある出会いをきっかけに心に変化が現れる演技、表情に見入ってしまいます。男中心の闇社会映画は多いが、女性視点が新しい。ゴッドマザーがイリョンに母としての想いを持つ原因と理由に説得力のあるエピソードがあるとよかったと思う。ストーリーにも引き込まれ飽きることなく鑑賞した。