スプリング、ハズ、カム
劇場公開日:2017年2月18日
解説
落語家の柳家喬太郎が男手一つで娘を育てた父親を演じるヒューマンドラマ。広島から上京し、春から東京の大学へ通う璃子は、ひとり暮らしをはじめる部屋を探すために父と2人で街を歩く。街で出会う個性的な人びととの出会いから、父の胸には亡き妻の思い出、そして娘への思いが去来し、璃子はぶっきらぼうながら人情味あふれる父の愛を知る。父親の肇役を演じる柳家喬太郎は本作が映画初主演。娘の璃子役は「E-girls」のメンバーで、「ソロモンの偽証」「世界から猫が消えたなら」など話題作に出演する石井杏奈。2015年・第28回東京国際映画祭「日本映画スプラッシュ」部門上映作品。
2015年製作/102分/G/日本
配給:エレファントハウス
スタッフ・キャスト
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2017年2月27日
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鑑賞方法:映画館
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胸の中を爽やかな風が吹き抜けた。自分が初めて上京した時、どんな気持ちだっただろうかと、重ね合わせて懐かしくなった。親元を離れるヒロインのみならず、誰にでも旅立ちの時は訪れる。そんな姿に一言、「がんばれ」と、いろんな立ち位置から声をかけずにいられない出演者たちの、さりげない演技や個性がとても素敵に輝く作品だ。
また、物語を彩るエピソードの数々が、ささやかではあるが思いがけないものばかりで、日常の魔法として心地よく響いてくる。広島弁の温かみが全編に溢れ出しているのも魅力の一つ。声や言葉のリズムに思わず引き込まれてしまうし、その温もりがいつまでも胸に留まり続ける。
時折、ヒロインは部屋で独り言をつぶやく。あくまで私見に過ぎないが、彼女はもしかすると亡くなった母親に宛てて自分の気持ちを報告していたのではないかと、ふと思った。そうやって彼女はこの先、父親と同じくらい母のことを思いながら、一人暮らしの一歩を踏みしめていくのかもしれない。
2022年4月13日
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もっと話しておけば良かった、は分かる気がした。いつまでも一緒ではないから。娘を追い出す。いいお父さんだなと思いました。
2022年3月21日
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落語家にしか出来ない演技が随所にあり楽しめた。
娘の旅立ちの時を見守る父親の愛。不器用だけど温かい。
おんぶのシーンを観ていると映画より舞台で観てみたくなった。
朴璐美との掛け合いがちょっとうるさかったけど、他はほんわかいい感じ。
石井杏奈はとてもみずみずしくてよかった。
2022年3月16日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
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男手一人で育てた愛娘、成城学園に合格し広島から上京、父と二人で祖師谷でアパート探しの一日、出合う人々との他愛のない世間話に花が咲く・・・。
まあ、主人公はカメラ好きで何でもパシャリ、今どき珍しいほのぼの系、街角散策の父娘スナップ映画、よく言えば昔の小津監督の好きそうなシチュエーション。
柳家喬太郎師匠は落語家だから他愛のない話でも表情たっぷりに独演会状態、これに劣らないのが大家さん役の柳川慶子さん、お年寄りらしい長話を嬉々として語ります、さすがにベテランの役者さん、師匠より自然体でリアルな存在感、よくいますよね、こういう気の善い老婦人。
ヒロインの石井杏奈さんはまだ役者未満だし、喬太郎師匠は灰汁が強過ぎる、妙なメッシュを入れたり若作りの服装が痛々しい。春らしい朗らかな映画にしたかったのだろうが中身が凡庸、まあ、ストーリーよりキャラクターに拘る、吉野竜平監督の作家性なのでしょう。