ブルーに生まれついてのレビュー・感想・評価
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イーサン・ホークの歌声の危うい絶妙さ。
リンクレイターとチェット・ベイカーの伝記映画の企画を練っていたこともあるイーサン・ホークが念願のベイカー役を手にした。アイドル的な美青年から退廃を皺に刻むように老いていったベイカー役は、今のホークにこそ合っている気がする。
いい年して子供のようなわがままを言う本作のベイカー像は数多く作られてきたミュージシャン系の映画と大きくは違わない。しかし音楽に魅入られた者の業ややるせなさはホークの演技からも画面そのものからも匂い立つように伝わってくる。
いくら念願だったとしてもベイカー役は非常にリスキーだったはず。独特のか弱いヘタウマ歌唱は似せれば似せるほどモノマネ合戦に陥ってしまう可能性が高い。しかしホークは、ゆらゆら揺れる感情をそのまま音譜に乗せるように、自分の肉声で勝負してみせた。
カラオケ採点機では測れないであろう滋味にあふれた歌唱だけでも、一聴の価値が、一見の価値があると感じた。
ブルーノート
ジャズに詳しくないので、チェット・ベイカーの名前は知っていても、どんなプレイヤーかまでは知らない。ヤク中であごを砕かれ、一度はトランペットを吹けない程だったとは。血を吹きながら練習する姿が痛々しかった。ちゃんと支えてくれる彼女もいて、元通りの演奏ではなくても、味のある音が出せるようになったのに、またヘロイン…。げに恐ろしきクスリかな。
イーサン・ホークって、歌える人だったんだ。声高くして、ふわんとした歌い方は、きっと本家を研究したんだね。チェット・ベイカーの動画を検索してみよう。
BS松竹東急の放送を録画で鑑賞。
退廃的ジャズマンの代表選手
ウエストコーストジャズの先駆けの一人として、当時のジャズ界に華々しく登場。その後ドラッグに溺れ、ドラッグで音楽生命を絶たれ、音楽界から忘れられドン底へ。復活後はジャズマンとしての第二の人生をヨーロッパで歩む。まるでジェダコースターのようなジャズマン、チェットベーカー。
1970年の暴行事件から復帰までの過程にフォーカスする本作は、葛藤を抱えながら静かな幸せをメランコリックに、そしてクロードルルーシュの「男と女」のようなトンマなで描く。
ただし、その先を知る者や映画文脈的にも収束していく、その一点に向かう過程が、どこかもどかしく思えてくる。
音の潮流が激しいアメリカにおいては彼のサウンドは、どこか懐古的過ぎた分ヨーロッパを選択したのは、結果的に良かったようにも思う。
紆余曲折経て哀愁醸し出す
レンタルさっさと引き揚げてしまったので見損ねていた作品 火災から見事復館した小倉昭和館さんにて上映と知ってすかさず鑑賞 ジャズ繋がりでこの作品とBLUE GIANT2本立てとは流石樋口館長、何とも良いセンス。
やはりドラッグ、女性遍歴とスターの御多分に漏れない ルックスと甘い声でとても人気だったらしい 老婆心ながら歯をどうにかするのが先決だよと思ったけど、個性はそのおかげだったのかもかなとも 元の木阿彌にはガックリきたけど、マイルス前にして緊張していたのかな イーサン・ホークの渋い演技に音楽とても良かった トランペットのジャズも良いものだな、脇の俳優陣も渋い 深堀されなかったけどおとんも元ミュージシャンだったのだろうか
ロイ・ハーグローヴの時にキノシネマさんで音楽流してくれていたのだけど、ジャズがバックに流れるとても小洒落た雰囲気になる不思議
男の弱さを演じさせたら彼の右に出るものはいないだろうに・・・
チェット・ベイカーを聴き続けた夜があった。遠い昔の話だけれどね・・・
この時代にはたいそう女にはもてただろう。現役のジャスミュージシャンでそんな奴は殆どいなかったんじゃないだろうか?死後、名前を馳せるミュージシャンばかりじゃないかな?ジャズは・・・・。あまりに短い人生しか送れないようなのは、ドラッグの所為だし音にこだわるには神経が繊細でなくては紡ぎだせないのだ。それに、自分の中に粉雪のように積ってしまっている哀しみを吐き出すにはジャズが必要なんだ。あるがままになすがままに事のままに自分自身を曝け出すにはそれなりの勇気が必要であるにも関わらず、意気地のない男がジャズという音楽に魅入られてしまう。どこに出したって恥さらしな男にしか見えない。自己顕示欲ばかり強くて嫉妬深い。女々しさは天下一品。そしてその光は暗闇に包まれたジャズクラブの隅々まで照らし出してしまう。チェット・ベイカーの哀しみは父親に見捨てられた恨みの裏返しのようだ。屈折した邪悪で純真な表情をイーサン・フォークは恥ずかしげもなく作れてしまう稀な俳優なのだ。嫌だ厭だも好きのうち。他人の不幸は蜜の味。ジャズの哀しみの叫びは僕の心を癒すのだ。
まったく、厭な映画だぜ・・・・・。
ファンでなければ耐えられない
ファンでなければ耐えられないでしょう。すんげー退屈。
なので、そもそも彼が好きでもない人間の感想。映画としては駄作ですね。で、もう一回言っとくと、好きな人は見どころを探して見るでしょう。で、見どころなんてどこにもねーだろ、つまらん映画だなあ、ていうのが一般フラットな人間の感想。
起伏がなくエネルギーが感じられないシナリオなので、ただ垂れ流しにされているような印象。序盤でマイルスが辛辣にこき下ろすが、あれピークだろ。よく言った、てなもんです。
もう一回、いっておくが、ファン心理ゼロの感想です。映画として評価した。音楽をこき下ろしてるわけではない。以上。
【イーサン・ホークが掠れた声で囁くように歌う、”マイ・ファニー・バレンタイン”に痺れる。俳優、イーサン・ホークの魅力を改めて認識した作品。】
イーサン・ホークが1950年代のジャズ界で活躍したトランペット奏者でボーカリストとしても活躍したチェット・ベイカーに扮し、その半生を描いた伝記映画。
・・とあるが、役作りも含めて、イーサン・ホークの魅力全開作品である。
イーサン・ホークが、掠れた中性的な声で繊細に歌う”マイ・ファニー・バレンタイン”には痺れた。
というか、”チェット・ベイカーそのものではないか!”と思ってしまった作品。
映画タイトルでもある「BORN TO BE BLUE」もチェット・ベイカーの生き様を端的に表した言葉として、哀しいが、恰好良すぎる。
ー イーサン・ホークは、若き頃の「ホワイト・ファング」から見ているが、個人的には、役への入れ込み方(麻薬中毒から抜けきれない情けない姿・・)が尋常ではない位のレベルである、と思った作品。-
<2017年11月11日 劇場にて鑑賞。
地元で毎年開催されるジャズ祭に合わせて、近くのシネコン劇場で期間限定で公開してくれ、嬉々として観に行った作品>
あの時代の空気が伝わってくるような映画。イーサン・ホークが丁寧に演...
あの時代の空気が伝わってくるような映画。イーサン・ホークが丁寧に演じているのがわかる。もっと音響の良い映画館で上映してくれたら……と思い残念
ジャズプレーヤーはヤク中ばっかり・・・
最盛期のチェットは描かれていない。ボロボロになってヤク中から抜け出そうとしていたころからだ。
俳優として映画撮影にも取り組むが、顎を砕かれ病院送りになり、映画は未完成。そこで女優のジェーン(イジョゴ)と知り合い、ヘロインを止める覚悟を決めるチェット・ベイカー(ホーク)であった。
マイルス・デイヴィスやディジー・ガレスビーといった大物ジャズメンも登場するが、黒人の目から見た白人ジャズプレイヤーはちょっと冷ややか。プロデューサーのディック(レニー)の献身的な態度もあって、立ち直りつつあったのだが・・・
ニューヨークで一夜限りのライブ。マイルスやディジーが客席にいること。そしてヤク断ちの薬メタドンが切れたこともあって、またしてもヤクに手を出してしまうチェットであった。ヤク中の虚しさも伝わってくるが、その後も名演奏を残したとあっては、人生を感じる作品だ・・・
レビュー
ジャズのトランペット兼ボーカルだったチェット・ベイカーの半生を描いた伝記映画。まだ、ジャズが黒人のための音楽だった1950年代。時代の寵児と目された彼が、音楽のため、成功のために薬に溺れ、それでも愛を求める生き様をイーサン・ホークが魅せる。
奏でられていない音
メール等に書く言葉は相手に分かる様に考える。絵、音楽、宗教の説教等も同様だろう。だが、日常の一つ上には、世界の何処でも語られていない言葉、奏でられていない音、説明されていない真理がある。それは、創作や思索に没頭し、人生や世界に苦しめられなければ掴み取れない。その欲求は誰にも理解し難いが、その言葉、音、真理は、世界を永遠に変える。
クスリがつきものなんて
ジャズトランぺッターでボーカルも人気だったチェット・ベイカー(イーサン・ホーク)のクスリからの立ち直りを描いている。
マネージャーや音楽プロデューサーからも見放されるが、一人の女性(カルメン・イジョゴ)が支えてくれる。
しかし、ミュージシャンには薬がつきものなのは何故だろう。
Born to be blue
甘いマスクとあのなんとも言えない心にくる歌声とトランペットの音色!
その裏に隠れる闇
それをたったの97分できっちり終わらせている
見終わったあと体と心が数秒停止する
雰囲気といい音楽といいとても良かった!!
幕切れが最高にカッコよい。
チェットベイカー。名前は聞いた事あるくらいだったけど、思わず調べてしまった。
イーサン・ホークに凄く合ってる気がする。頼りなくて情けない、だけどカッコ良いが僕の中のイーサン・ホークのイメージだけど、今作はその中でも抜群に良かった。
ドラッグを肯定する気はないけど、黒人社会の中で認められ、のし上がって行くプレッシャーは半端ないだろうし、怪我して今までやって来た事を全て失う怖さは何かにすがらないと壊れてしまうんじゃないかと想像出来た。
イーサン・ホークの歌声も素晴らしかったし、映像も美しかった。
ブルーを入れて来るのも良い演出だなと思った。
一番はやはりラストのライブハウス。
控え室から始まる全てのくだりが完璧だった。
名前とルックスが先行していた感のあるレジェンド、チェットベイカー。...
名前とルックスが先行していた感のあるレジェンド、チェットベイカー。何回か聴いたことある程度だが、何故か惹きつけられる歌声とラッパの音色。イーサン ホークは似てないけど魅力ある人間性に仕上がった
演技だった。
ドラッグでダメになるミュージシャンの話しはよくあるが、切なくなる良い映画だった。続けてマイルスの映画でも観てみようかな。
ベーカーだから
チャットベーカー。
すきなジャズプレイヤーだった。
当時であってさえも、彼は絶対じゃない。
コルトレーンのほうが圧倒的だ。
でも、悪くない。だから、スイートだけどおすすめ。
人間的には、他のジャズプレイヤーとおなじように「クズ」だと思う。だから、「それがどーした!」って60年代の世界観が言っている。
なにかが生まれる時代の空気。
そして、無性に愛してしまう。
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