レヴェナント 蘇えりし者のレビュー・感想・評価
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熊が凄い
実話を元にした小説が原作だそうである。久々に本格的な西部劇を見たという思いがした。驚いたことに,予告で示されたストーリーがそのまんまという驚愕の展開であったが,予告以外のシーンでの演出が想像を絶するものであったので,非常に見応えがあった。まず,映像は自然光だけを使うことに決めて撮影したらしく,どのシーンも素晴らしい映像であった。特に,日光のフレアの撮り方が見事なもので,このカメラマンは町田さんかと思ったほどである。:-D アカデミーの撮影賞を獲ったというのも非常に納得できる映像であった。
脚本は,よく頑張ったというべきであろうか。一本道のストーリー展開である上に,ディカプリオ1人だけのシーンが多いので,気の効いた台詞も書けないという二重苦の状況で,恐らくト書きの嵐となったのではないかと思うのだが,3時間近くも緊張感の途切れない話に仕上げていた。だが,やはり物語としての面白さにはいささか欠けていたと言わざるを得ず,それがアカデミーの作品賞を逃してしまった理由ではないかと思われる。
役者はディカプリオの熱演に尽きる気がするが,敵役のトム・ハーディも素晴らしかった。タイタニック,アビエイター,インセプションなど,ディカプリオの出演作をいくつ見ても肩すかしを食らい続けた気がしたのだが,遂に面白いと思える作品に出会えた思いである。このところのアカデミー主演男優賞は,一つの作品中で激やせや激太りなど,体型を変えるほど演技にのめり込んだ役者ばかりが受賞していたのだが,久々に演技のみで受賞した俳優が出たことに少し安心した。
音楽は坂本龍一がクレジットされていたが,相変わらず気の利いたメロディーを一つも書けない作曲家だと辟易させられた。この人の作曲能力のなさについては,いつもしつこく2回繰り返される太陽光パネルの CM で流れるメロディーのない曲を聴けば誰にも明らかである。坂本1人では荷が重かったのか,音楽担当には坂本の他に2人の補作者がクレジットされていた。戦闘の音楽などは,不協和音を適当に散らしておけば何とかなるが,どんな映画でもエンドクレジットでは壮大なメロディが流れて余韻を感じさせるのが当たり前なのに,この映画のエンドクレジットの音楽は,余韻を台無しにする効果しかもたらしていなかった。
西部劇での決闘シーンというと,どの映画でも早く撃ったものが勝つという単純なものばかりで,日本の時代劇の刀を使った決闘に比べると迫力に欠けると常々思っていたのだが,その不満をこの映画は見事に解消してくれていた。刃物を使った決闘において,片方だけが一方的にやられるなんて話もあり得ないと思っていたのだが,その点もこの映画の演出は実に見事であった。アカデミー賞の監督賞を取りながら作品賞が取れないと言うのはどういうことかと不審に思ったのだが,映画の出来としては今イチだが,演出だけは見事だということかと目から鱗が落ちる思いがした。
(映像5+脚本4+役者5+音楽2+演出5)×4= 84 点。
レオ様がボコボコにされます。
320人目のレビュー、もうほとんど興味ある人はいないとは思いますが...
320人目のレビュー、もうほとんど興味ある人はいないとは思いますが、一言。
あれほどアカデミー賞に縁のなかったディカプリオがようやく手にしたオスカーの意味が分かりました。作品としても素晴らしかったけど、やはりディカプリオの演技が素晴らしかったです。
その前に観た「リリーのすべて」でのエディ・レッドメインの演技にも感動して号泣したばかりだったので、2年連続で難しかったとしても、どうしてエディじゃなかったのかを確認するために観たのですが、あの役を狂気の目で演じられたこと、ただのアイドル俳優にならなかったこと、その振り幅の広さそのものが評価されたと思っています。
映像は素晴らしかったですが、2回は見たくありません(笑)
人間ってしょーもないなぁ
こんなにも雄大で美しい大自然を前に、憎みあったり殺しあったり。
人間ってほんと、しょーもないなぁ。
人間がしょーもないのは今に始まったことじゃなくて、多分「人間」という生き物は元々しょーもなさを内包しているものなんだろう。
昔はオノとかしかなかったから、殺しあってもまあ、そいつらが死ぬぐらいで済んでいた。
それがだんだん文明が発達して、莫大な人間、だけでなく動物、自然を破壊できるようになってしまった。
人間のしょーもなさは変わらない。
だって、しょーもなさを内包しているのが人間だから。
バカは死ぬまで治らないっていうけど、人間は滅亡するまで治らないんだろう、とこの映画を見て思った。
その時に、あの美しい自然が少しでも残っているといいなあ。
とりあえず、自然が美しい映画でした
ディカプリオ様々
美しい自然と人間の醜さ。
面白くない
今作の監督の作品「ゼロ・グラビティ」「バードマン」は非常に良かった。映像の美しさ、カメラワークが非常的に物語に効果的に影響していたからである。ただ今回はストーリーが酷すぎる。シンプルにもほどがある。息子が殺されてその復讐を果たそうとするがその道中に様々なことが起きる、何ていう映画は死ぬほど見てきた。映像の良さはストーリーあってのものであり、いくらこの映画の映像が綺麗だろうがストーリーがつまらない時点で映像美は評価に値しない。誰が「この映画は映像が綺麗だからおすすめ」などというだろう。
ディカプリオも何だか俺は演技のためなら何でもしますという感じ。きつい芝居のフルコースという感じで何だかディカプリオのイメージビデオ感が非常に強い。まぁディカプリオがこの映画で主演男優賞を受賞したのは納得なんだけど、厳しく辛い演技が一番みたいになっている今日、その風潮を誰か変えていかないものなのか。
最後の30まで特に大きな展開がないというのは非常にきつかった。
長いのにつまらないというのは本当に最悪である。
やっぱり感はあったものの…
君たち、本心か?
この映画、見所は映像と主人公の熱演だが、そこ以外で楽しめた部分はあったか?
終始這いずってるデカプリオは確かに凄い芝居をしてたと思うが、所詮熊はCGだし川に流されるシーンでは衣装の下はウェットスーツだろう。
こんなに頑張ったんだからオスカーください、みたいな感じがしてむしろ引き込まれない。
デカプリオの演技が素晴らしいのはクイック&デッドの頃から分かってたことだ。
いくら映像が素晴らしくても、ど直球の復讐譚に二時間半は長過ぎる。ストーリーは無理に引き延ばした感じがするし、復讐相手がウォーリアーのトム・ハーディじゃデカプーなんざ舜殺だろう(笑)
アカデミー賞にノミネートされるのは配給元が選んだ作品だ。
映画の感想は人それぞれだが、星4、5の皆さん、本心からこの映画、面白かったか?
頑張りました
凄かった‼
23年前、純粋無垢だった青い目が、自信に満ちていた。
怒涛の復讐劇だし、
大自然の冷たく過酷な世界だし、
150分の長尺だし、グロなR15だし、
観なきゃいけないけど、
何とも重いなぁと躊躇してました。
体調やメンタル整えて、覚悟をきめなきゃと、
かなり後回しにしてた作品(笑)
バベル、バードマンがとてもよかった
イニャリトゥ監督に、
ディカプリオのやっとつかんだ悲願のオスカー。
もちろん期待大ですね!
幼い頃アメリカの友人とキャンプした時、
テントの中でこのお話になったのを憶えています。
熊に襲われ負傷した男が、
息子を殺し自分を置き去りにした男に復讐するという、
本国では誰もが知ってる有名な実話。
映画ではずいぶん脚色してるけど
話はいたってシンプルだから、
誤魔化しはきかない。
演出や役者の力量が問われるでしょう。
この素材はかなりのプレッシャー
だったんじゃないかな。
作品は、見事な秀作です!
大自然と対峙する壮絶なサバイバルの中で、
生きようとする男の魂の息遣いを感じ続ける。
ネイティブ・アメリカンと白人の
血を血で洗った歴史が描かれていくのだけど、
今までのインチキ西部劇を
嘲笑うかのようなリアリティ。
ただ復讐をするために
サバイバルを続ける主人公が、
凄まじすぎる。
ディカプリオが自らを極限においた
嘘のない演技は、
スクリーンを通して響いてきますね。
こんなにもホンモノの映像の力を
見せつけられた作品は、
いつ以来だろう。
監督のストイックな絵作りに、
オスカー常連カメラマンが答えて、
二人でアカデミー受賞は頷けますね。
全てのカットが濃厚で、アートのようで、
息をのむほどに美しい。
グリーンバックなどを一切使わない絵は、
語るものが多くて強いなぁ。
そして自然光がもたらす命の息吹は、
身震いがするほど怖い。
やはり映画はビジュアルの強さなんですね。
テーマは魂。
revenantは死者の魂という意味なのかな。
死んだ妻と息子と自分の魂が共存するまでの、
男の生き様が描かれている。
終焉では目標を失ったディカプリオの、
全てを悟った表情が素晴らしかった。
そして黒味のエンドロールになり、
主人公の呼吸がしばらく続くことで、
イニャリトゥ監督のメッセージが
観客に問いかける。
見事に主人公の魂が昇華していった瞬間でした。
描ききったイニャリトゥ監督と、
それに答えたディカプリオ。
23年前、ギルバート・グレイプで出会った
純粋無垢だった青い目が、
印象的なラストシーンでは自信に満ちていた。
集大成でアカデミー男優賞が取れて、
本当に良かったね。
一生忘れない映画リストに、
また1本名作が加わりました。
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