レヴェナント 蘇えりし者のレビュー・感想・評価
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蘇りし昨年観た作品だが今復活レヴュー
アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥとの出会いは「バベル」からディカ様との「ギルバート・グレイプ」から、そして「太陽と月に背いて」を観てしまった私はもう魂を持っていかれた私。ディカ様の作品は必ず観る私。なので今回の作品「レヴェナント: 蘇えりし者」Alejandro González Iñárrituとのタッグ映画は間違いなく面白いと思い観たら間違いなく面白かった。大山倍達さんの空手バカ一代も好きだが今回の作品で私は熊と云えばヒュー・グラスもしくは鷹村守と認識する様に記憶した。音楽はー坂本龍一さん。これまた素晴らしいコラボレーション。私の好きな方々の揃い踏み。もしかしてまだ観てない方はスグに観て欲しい。何も考えずにただただ作品に映像に音に身を任せ観てほしい。私はこの作品が大好きだ。この作品は100年後に観てこそ光を発する気がする程の名作だと
信じて疑わない。
レオはグラスの旅路以上に、“意志(“遺志”とも形容できますね)”を具現化したんだと思う。
死んだホークの亡骸を惜しみながら立ち上がる、あの時のグラスの顔はあまりに真に迫ってました。レオがすごい役者なのは既に知っていたはずなのに、それでもこの時見た表情はきっと忘れられないでしょう…。あとフィッツジェラルドを追いつめた時に突き付けられた”息子は帰ってこない”の台詞を反芻するグラスの表情、その場面も異常なくらい鮮烈に焼き付きました。ここでようやくレオのオスカー受賞がやっと腑に落ちました(今日まで実感涌かなくって。ファンとしてどうなんだろ)。
忘れれない繋がりならフィッツジェラルドの台詞もです。テキサス義勇兵時代の父が”神を見た”と話した場面。見たのはリス一匹ですが、本当にその父親は神を見たかもしれませんね(確か日本では物に”神が宿っている”ってありますよね)。この世に神がいるかどうかは僕にはさっぱり分かりませんが、人の意志が介在できない”概念”はいると思います。『レヴェナント』はオーソドックスな復讐譚を纏いながら、実際は”目視不能の(スピリチュアルとも言えるかな)世界”を描いているのでは?それは”運命””創造主”、あるいは”命”や”死と再生”、”邂逅”や”醜悪さ”…(『ゲド戦記』の言葉を借りれば)つまり「見えぬもの」ですね。
ただ道程をなぞっただけでは得られない感情を、この映画は限られた時間の中に凝縮してます。魂の深淵にまで轟く映画になってるはずです。勿論娯楽重視でないので、必ず人は選ぶでしょうが…。
撮影は圧巻
裏切られて息子を殺され真冬の山中に放り出された男が、先住民部族や自然の猛威に抗いながら、強い復讐心を持って生還する話。事実を基にしながら、復讐云々についてなど、話を膨らませて創作された原作小説の映画化。
実際にどれくらいの距離をどれくらいの日数で移動したのかと思っていたら、300キロ以上を6週間で生還したらしい。映画では、およそ120キロを6週間という設定にしているようだ。
イニャリトゥ監督作品としては、基本的にストレートなストーリー展開ではあるが、そもそもストーリー展開の妙味で見せるための作品ではないので、当然といえば当然。いくつか暗喩的な描写もあるが、それほど複雑な解釈は必要ないだろう。書く映画賞で、監督賞や主演男優賞は「お疲れさんで賞」という感じだろうが、撮影が高く評価されたのは当然だろう。美しくも厳しい大自然を見事に映している。
ストーリーの単純さやトーンが変わらず台詞も少ない場合、眠くなりそう...
美しい自然、生存競争
グロテスクな描写が満載なので視聴時は注意
A・G・イニャリトゥ監督作品でアカデミー監督賞受賞
主演ディカプリオも本作で念願のアカデミー賞受賞
監督お得意の長回しを駆使したアクションシーンは迫力が凄まじい
開拓時代におけるネイティブ・アメリカンの襲撃はいかに恐ろしいか
グリズリーがどれほどの猛獣か
そのリアリティは目をそむけたくなるほどであるが、実に素晴らしい
また、本作のリアリティを引き出す結果になっているのが「自然光で撮影」という技法だろう。
実験的な試みとも思えるが、これによりかつて無いほどの映像美を生み出している。
サバイバルが魅力の一つだが特に説明が入るわけではない、
作品の作り込みが半端ではないので複数回の視聴に耐えうる
イニャリトゥ作品は本作含めまだ2作しか見ていないが
バードマンにも心象世界の描写に「隕石」があったがこれが本作にもある。
なにか意味があると思われるがよくわからないメタファだ、凶兆なのか外部からの異物を示すのか、
コメンタリなどで確認したい。
後半の見どころの一つにスター・ウォーズのワンシーンを彷彿とさせられるものがある。本作はリメイクということだが、原作にスター・ウォーズが影響させられたのだろうか?原作も見てみたい。
重い内容だけれども面白かった!
本作のあらすじをひとことでまとめるなら、唯一の家族である息子を殺した男に復讐をする父親、でしょう。このひとことだけでは他の映画でも同じあらすじのものは何作も存在します。でもこの作品は観る価値大いにありだと思います。理由は、ディカプリオの演技が上手く世界観に入り込みやすいからです。本作は現代的なものを何一つ映していないため世界観に入り込むのは難しくないと思います。ですがディカプリオの演技で更にのめり込みやすくなっています。ネタバレはしたく無いので詳細は書きませんが、現代社会では想像もできないけれども、それ以前の時代の人間の生活はこうだったのではないだろうか、と考えさせられる内容でした!面白かった!
よかった!
野蛮さとは
大自然の中の、野蛮で醜い人間たちを
両者の対比でこれでもかと見せつけられます。
しかし見ていくうち、
その「野蛮さ、醜さ」は
大自然の中で生き抜くのに必要不可欠な、人間いや生物の根底に流れるものだと気づかされます。
今はスタイリッシュに品良く生きられている私たち。ところがレヴェナントの環境下では絶対にこんな生き方は出来なくて。むしろこの環境下でも人間が生き抜けたからこそ今があって。
当時の彼らを野蛮だ醜いと罵ることなんて、絶対に私たちには出来ないことだと思い知らされます。
レオの凄まじい演技から
生への執着を痛いほどに感じますし、
「生きる」とはこれほど泥にまみれて、
かっこ悪くて痛くて苦しいことだと
思い出させてくれる作品でした。
ただ息してるだけじゃだめだ。
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