バジュランギおじさんと、小さな迷子のレビュー・感想・評価
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アホの一念岩をも通す!
相も変わらず初っぱなから踊りまくるサルマーンカーン(笑)
ハヌマーンとバジュランギの掛け声に思わず笑顔が出てしまう(笑)
迷子のシャーヒダーは可愛いの一言。喋れないとは言え、知らない国のインドでちゃ~んと助けてくれるおじさんをゲットするのは強か(笑)
だけど、お母さんとはぐれるシーンは胸が痛い。
全般に優しい人が出て来て、皆笑顔で親切なだけにシャーヒダーの涙が印象に残る。
インドとパキスタンの緊張状態を考えると、シャーヒダーの父が「兵役に着いていたからインドへのビザがでない」とか、パキスタンの大使館にデモ隊が突入してくるシーン等を見ると国で争うと民衆個人でも心が頑なになってしまうのが解る。
さらにバラモン教徒とは違う宗教を信仰するムスリムである事など、容易に相容れないのが悲しい。
映画ではその点はやや薄くして、底抜けのお人好しパワン(サルマーンカーン)とシャーヒダーのパキスタンへの珍道中に相成るのだが、どうしてこうして良い奴が多い。国境越えから親切な奴が現れ助けてくれる。
しかしバカ正直にパキスタン軍に許可を貰おうとか言い出して、踏みまくられるパワンだが、パキスタン軍警備隊長が見逃してくれるのがまた涙。
以降も結構なお人好しが何人も現れ(ハヌマーンの御加護だ)パワンの素直な善意に触れて助けてくれる。
しかしスパイ疑惑で取っ捕まると話が違う。
再びぶっ叩かれるパワン…。
しかし、愛のあるインド人によって迷子が送り届けられた報道が流れると一転、パキスタン、インドの両国民が集まる中、国境が開きパワンはインドに帰る。
当然それだけじゃ終わらないのがインド映画だ。
しっかり奇跡も巻き起こる(笑)
本来、国同士のいさかいは拗れかたも酷いからこんな風には行かないけれど、憎しみでは発展がない…争って得なことなどないし、恨みはあっても心底争い合おうと思っている人は少ないと思う。
インド主導ではあるが、裏表ない愛のある社会になってほしいと願わずにはいられない。
パワンの様な愛のある行動を取れる人が増えたら争いも減るのだろう。とかく心の大きい人間になるのは難しい。例え天才でも人に優しい人間になるのは難しいと思う。
それにしてもサルマーンカーン兄貴には脱帽だ。いいインド人を演じさせたら最高の人材ではないのか?
全日本人が観るべき
純粋な気持ちになれる啓蒙的作品
ここ数年日本に配給されて来たインド映画を観て、インド映画の娯楽性の高さにハマってしまった。
そしてまた今回も、飽きずに存分に楽しめて泣ける作品だった。
敬虔なヒンドゥー教徒のバジュランギの、神の教え通りに行動する様がコミカルで笑わせてくれる。
大袈裟に見える人助けも、私自身仕事でムスリムと関わるので特別でないとわかる。
宗教と結びつきが強い人々にとって、困った時の助け合いはごく自然で当たり前の事なのだ。
余談だが、無垢な子供よりも純粋なバジュランギ役のサルマーン・カーンだが、pk でパキスタン人青年役を演じたスシャント・シン・ラージプートの死に関与しているという海外の記事を読んだ。
作品と俳優の人間性は関係ないが、本当だとしたら残念だ。
インド的な感動ロードムービー
インドで迷子になったパキスタンの子どもを親のもとに戻してあげようとする主人公を描いたロードムービー。
宗教と国家間の対立を背景してて、そういう事情をわかっていないから笑えないシーンもいくつかあった。でも笑えないところがいくつかあってもまったく問題ないくらいに楽しんでしまった。
宗教をベースにすると、生真面目で嘘がつけないというイカれてるヤツを描くことができるんだな。そのイカれ具合を困難と笑いと感動にうまく活用した脚本にうなってしまった。いろんな人と出会い、やさしさに触れることでパワンが徐々に変わっていくというロードムービーの王道とも言うべき展開がいい。最後もこうなるんでしょ!って感じなんだけど、まんまと心を揺り動かされてしまった。いやー、大泣きしたな。いい映画だった!
愛に溢れてる
国同士の対立、宗教の対立というヘビーな問題を描いてるのに、温かくて愛でいっぱいの映画。いや、現実が重いからこそ、せいいっぱいの祈りを込めて作られたファンタジーなんだろうか。
おじさんと迷子の女の子との交流を描いたヒューマンドラマでもあり、コメディでもあり、手に汗にぎる冒険活劇でもあり、ロードムービーでもあり…くるくると変化していくから、約3時間飽きることがない。
そしてロケーションもすばらしい!インドとパキスタンに行きたくなる。
迷子の女の子の故郷は、「アルプスの少女ハイジか?」と思うような雄大な自然に囲まれた村。それに対しておじさんの住むデリーは明るい色や音楽に溢れててエネルギッシュ。どちらもすごく魅力的。
懐かしくほっとするような映画
160分があっという間の作品!
国家間の対立という非常にシリアスな問題を扱いながら、内容はあくまでエンターテインメント。映画のあるべき姿を示してくれる大傑作!
迷子になったパキスタン人の少女を、家族の元へ還す為に行動するインド人の青年の奮闘を描くマサラ・ロードムービー。
恥ずかしながら、インドとパキスタンの情勢について全く知らず、この映画の観賞後に勉強させていただきました。
まさかこんなに複雑で深刻な対立構造を成していたとは…。
この映画を観なければ絶対に調べることはなかったと思うので、それだけでもこの映画を観る価値がありました!
さて、この映画の扱っているテーマは宗教と国家の対立。
ヒンドゥー教とイスラム教の対立により二分されてしまったインドとパキスタン。今日に至るまで幾度も戦争を繰り返し、果ては両国の核兵器開発にまで発展してしまいました。
両国間の溝は非常に大きく、その間に横たわる憎悪については想像に難くありません。
恐ろしくナイーブでシリアスな問題を扱っておきながら、映画の内容は涙あり笑いありダンスありバトルありの完全なるエンターテインメント!
このバランス感覚が素晴らしい!
難しい問題をシリアスに撮っている映画は数々あれど、重いテーマを娯楽映画に完全に落とし込んでいる作品は稀有でしょう。
シリアス、なのに楽しい。この作品は矛盾している2つの要素を一つの映画のなかで完全に表現している。
こんなに完成度の高い映画は滅多に存在しないでしょう。まさに映画としての完成形を示していると言えます。
映画の内容は夢想的すぎるかも知れません。特に後半、パキスタンに入国してからの展開はあまりに現実味が無さすぎるとも感じました。
しかし、映画の中でくらい、国境と宗教を超えた人間同士の交流を見てみたいではないですか!
映画のテーマ性だけでなく、ビジュアル面でも非常に優れていると感じました。
国境に広がる砂丘の雄大さや、カシミールに広がる山々の美しさには息を呑みます。
そして何より、この映画の一番大事なポイント!
迷子の女の子シャヒーダーの可愛さがヤバい!これは天使だ…👼
とにかく、欠点らしい欠点のない、エンタメ作品の大傑作。
インド映画ほぼ初体験の自分としては、バジュランギ初登場のど迫力ダンスシーンを観て、完全にシャヒーダーと同じ感覚を味わえました。
これがカルチャーギャップというやつか…。
前半部分
ハナジュルジュルナキおじさんになっちゃったよ
おバカさんなのか
2カ国仲良くなればいいなぁ
幼い頃から声が出せないパキスタン人シャビーダーは寺院の願掛けに母親と出かけるが、途中国境跨いだのインドで置き去りに。
そのインドで出会ったお人好しのバジュランギがしょうがなくシャビーダーの帰還を手助けする御話。
上映時間が長いのはインド映画特有の歌があるからw。そこは暖かい目で観ましょう☺️
所々「バジュランギおじさんはアホなんか?」と思ってしまう所はあるものの、シャビーダーを何とかパキスタンの故郷へ帰してあげようと頑張る姿には、ついつい続きを観てしまう魅力はある。
旅の途中合流する特ダネ専門リポーター&カメラマンも映画に良いアクセントを加えて、物語をより感動のラストへ導いてくれた。
終盤・ラストはベタで誰でも予想つく展開ではあるが、ウルっと涙を誘うし、観てよかったと思う作品でもありました。
過去視聴作品「PK」の様に、インド&パキスタンの政治情勢も絡む作品だが、垣根を越えて良い民族同士になろうとする想いが伝わる作品でした。
「YOU達、仲良くしちゃいなよ!」と天国から聞こえて来そうな作品ww
インド映画に耐性が出来、好きになった方にはオススメします。
愛はすべての壁を越える / イマジンの幻
自分の命を捨ててでも迷子を助けようとする愚か者の勇姿。
こんな愚か者の夢が、いつかは必ず世界を甦らせるのだと、その希望を胸中に回復させてくれる映画でした。
真夜中にヘッドフォンを着けてDVDで観ました。
だから自分には聞こえなかったのですが僕は声を出して泣いていたようです。
主演のバジュランギおじさん=俳優のサルマーン・カーンは、この演技は本気ですね、真心から2つの国の分断の回復を祈っている彼の「素の表情」が出ているように感じます、彼は制作にも関わっています。
その点“おじさんつながり”でフランス映画「バティニョールおじさん」の事もあわせて思い出しました。監督自身が主演を演じ、そのストーリーにのめり込む真剣さのあまり監督はバティニョールおじさんそのものに化身してしまっています。小さな命を守るために怒り、泣き、愛を絞り出すのです。おじさんの鬼気迫るエンパシーからシンパシーへの変化。
ご覧になっていない方にはこれもオススメです。
インドとパキスタンは元々はひとつ。今は水爆を構えて睨み合う隣国。
それにしても「植民地」は罪だな。喜びの独立を果たしたかったはずのふるさとの心を破壊して、思ってもみなかった分断と仲違いを残して列強 (宗主国) はケツをまくって逃げるから。
イギリスがやらかした香港も、そしてアジアにおける中国 × 台湾の一触即発状態や、南北朝鮮の戦争状態についての旧宗主国=我が国日本の過去も。
そんな事も思いました。
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2024.7.7. 再観賞
塩尻市の、わが推しの映画館「東座」にて、
いつもはふんわりとパフュームが香る館内が、今日はカレー✨✨です!
松本の「DOON食堂 印度山」のご主人が素晴らしく美味しいキーマカレーを提供してくださいました。
うーん、こんなに上等の挽き肉をふんだんに使って、儲けになるのだろうか?と心配になるような一皿でした。
オーナーのアシシュ・シルプカーさんはバジュランギおじさんみたいに お人が良いんでしょうね。北インド、ウッタラーカンド州デーラー・ドゥーンご出身。
小さなロビーでお客さんたちは上映前に舌鼓です。(僕はテイクアウトで頂きました)。
いい館主は、いいお友達をお持ち。
素敵な人脈のおかげで、こうして映画とコラボした楽しい企画をやってくれます。
もちろん今回もいっぱい泣きました。
はからずも、泣いてしまった
人と人の繋がりに"境"無し
シンプルで力強い
全てを超えて行け!
人は憎しみより、愛や思いやり、優しさであると信じたい
人のいい男が迷子の女の子を家まで送り届ける旅に出る。
ロードムービーの類いとしてはよくある設定かもしれないが、これがインド映画の手に掛かると…
笑いと人情の珍道中、歌や踊りも勿論、トラブル続出でハラハラ、宗教や国家間の問題も込めつつ、ハンカチじゃなくタオル必須のラスト…。
これだけたっぷり詰め込みながら全く破綻しない、大ボリュームの面白さと感動。
やっぱインド映画ってスゲェーわ…。
インド人の男、パワン。周りから“バジュランギ”と呼ばれている。
10回も落第するほど学の方はアレだが、バカが付くほど誠実で正直者で、皆から慕われている。
運命の女性と出会い、彼女の実家で彼女の家族と暮らしているが、彼女の父親から一人前になるまで婚約を認めて貰えない。
そんな時出会ったのが、この一人の女の子。
どうやら迷子らしい。
何処から来たのかどころか名前すら聞けない。
何故ならこの女の子、口が利けず字も書けない。
“ムンニー(お嬢ちゃん)”と呼ぶ事にし、いったん家で預かる事にするが、とある事でとんでもない事を知る。
ムンニーは、パキスタン人だった…!
(ムンニーの名前は、シャヒーダー。パキスタンからインドに願掛けにやって来たが、母親とはぐれてしまう…という経緯が序盤で描かれるが、レビューはあくまでパワン目線で、シャヒーダーも“ムンニー”と表記する)
インドとパキスタン。
日本人にはよく分からないが、両国には過去に何度も争いがあり、悲劇が起こり、その対立は今も尚続いている。
彼女の父親は大激怒。追い出せ!…とまで。
パワンもさすがに困り果て、パキスタン大使館に連れて行く。が、ここで…。
この時のパワンの行動に胸熱くさせられる。そして、ある決心をする。
国境を越えてパキスタンに行き、ムンニーを家族の元に送り届ける。
信心深いパワン。全ては、ハヌマーン様の思し召し。(“バジュランギ”とは、ハヌマーン信奉者の意味)
彼女やその家族は猛反対。
バカ誠実でバカ正直で信心深いと言う事は、一度決心した事を投げ出したりはしない。
猛反対を押し切ってまで旅立つ。
…が、ここからが本当に山あり谷あり。
最初の難題である国境越え。
さらにパキスタン警察から、スパイと間違われ追われる身に。
果たして無事、送り届ける事が出来るのか…?
苦労の連続だが、ここからがグッと面白さが増す。
シリアスや深刻になり過ぎず、笑いと涙で。
パワンの宗教感やインドとパキスタンの対立関係も色濃く意味を成してくる。
国境越え。たまたま知り合ったパキスタン人の計らいで密入国しようとするが、パワンはそれを拒否。
国境警備隊に許可を得て、堂々と入国する。
何故なら、ハヌマーン信者はコソコソなどしない。
が、そんな事が通る筈もなく、当然捕まる。
イカれてると思われても、それでもパワンは真っ直ぐに訴え続け…。
立ち塞がる者も居れば、協力者も。
バスの運転手や先生。
そして、同行する事になったTVリポーター。
そもそもはこのリポーターがパワンをスパイとし、特ダネを狙っていたのだが…、
ムンニーの純真無垢な瞳とパワンの真摯な姿に打たれ、自分が間違っていたと知る。
言うのは少々気恥ずかしいが、良心、善意、愛…これらに心を動かされない人は居ない。
…いや、でも居るのだ。
彼女の父親、警察、TV局ら偏見や頭の固い連中が。
勿論、歴史の悲劇は忘れてはいけない。どうしても譲歩出来ないのも分からんではない。
でも、ムンニーや今を生きている我々が何か悪い事でもしたのだろうか…?
ああいう頭の固い連中が居るからこそ、ずっと偏った感情に縛り付けられたままなのではないか…?
結局国家間の対立は、進展しようと努力しない国のお偉方や一部の傲慢な輩のせい。
人と人一対一の関係では…。
そういった面が、本作には描かれている。
サルマン・カーンの人間味たっぷりの好演もいいが、時々ちょっとお転婆なムンニーことハルシャーリー・マルホートラが天使のように愛らしい。
ロケーションも素晴らしい。
少々過剰描写でご都合主義で理想的過ぎでもあるが、非常にドラマチックで、これぞ映画の醍醐味。
と言う事は、言うまでもなくハッピーエンド。
で、ここが特に目頭熱くさせる。
遂に遂に遂に、ムンニーの家がある村を突き止める。その目的地直前、検問。
そこでパワンが取った行動には、日本人なら心揺さぶられる事間違いナシ。所謂“自己犠牲”。
パワンにとってこの旅は、何をもたらしたのか。
自分の身にも危機や危険が降りかかり、ハチャメチャにまで。
見返りすらない。
でも、ただ一つ。
ムンニーが家族と再会出来た。
何と嬉しく幸せな事か。
おじさんと女の子が起こした奇跡。
愛や思いやり、優しさ。
それらを、国家間の対立に疑問や訴えを込めて。
タイムリーに日本では、某国との関係が最悪なまでに悪化している。
あちこちで、お互い誹謗中傷のやり合い。
そういう状況や経緯に陥ってしまった事情は複雑だが、何て哀しく愚か…。
この映画を見せてやりたい。
ボリウッド童話
旧インドは英国の植民地政策で不満を逸らすためにヒンドゥー教徒とイスラム教徒の反目を利用してきたこともあり、独立時にインドとパキスタンに分裂した。統一を願ったガンジーも暗殺され今では核でにらみ合う最も危険なエリアと言われて久しい。
製作・脚本・監督のカビール・カーンはムスリムの父と、ヒンドゥー教徒の母の間に生まれ、自身も2児の父である。今の大人たち世代では難しいとしても子供たちの時代には平和が訪れるように願って童話のような話を創ったのでしょう。もちろん親が観てもよほどの偏屈でなければきっとほっこりと癒されるでしょう。童話といってもボリウッドのプロが作っていますから映画に遜色はありません、お約束の歌や踊りも、童話ですから多少怖い話も、そして奇跡が起こります・・。
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