氷の花火 山口小夜子
劇場公開日:2015年10月31日
解説
1970年代からファッションモデルとして世界的に活躍し、「日本人の美しさ」を世界に広めた山口小夜子のドキュメンタリー。2007年に57歳で急逝するまで、モデルだけでなく、映画、演劇、ダンスパフォーマンス、衣装デザインなど、さまざまなジャンルで常に時代の先端を走り続けた山口の今なお多くの謎に包まれた人生を、彼女と親交のあった人たちの証言、本人の貴重な映像群により紐解いていく。監督は、生前の山口とも交友があり、「≒草間彌生 わたし大好き」などのドキュメンタリー作品を手がけている松本貴子。
2015年製作/97分/G/日本
配給:コンパス
スタッフ・キャスト
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2022年2月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
小夜子さんの目は本当は大きく円かったこと(つまりあのトレードマークの切れ長の瞳は徹底した自己演出によるものだということ)、上背がないのにランウェイでは大きく見えたこと、他のモデルたちがタバコを吸って酒を飲んでいるパリコレの楽屋で静かに本を読みながら出番を待っていたこと、透ける衣装を他のモデルが嫌がっても小夜子さんは何とも言わなかったこと、かっこいい伝説をこれでもかと浴びられた。また、伝説を語る人々の顔がうれしそうでうれしくなる。
一人称をときどき「小夜子さん」にしたという話や、宇崎竜童が好きだった話、おでこにコンプレックスがあった話、意外と「あの人とあの人付き合ってるんだって、そうだと思った」とか「あの人(男性)やっぱり男の人が好きな人だって聞いたよ」とか、そういう話題が好きだった話、知らない一面も見えてきて面白い。
資生堂の広告宣伝物に復帰したとき「山口小夜子さんはこの頃、美しさを楽しもうとしています。」というようなコピー(うろ覚え)がつけられた。でも彼女自身は「美しいことは苦しいこと」と語っていた。周りが着せるものと自ら着るものと、着ないままの自分と、相克を内に抱えながら歩んだ人生だったのかもしれない。
高校時代にセブンティーンから写真を切り抜いて作っていたスクラップブックが遺品から出てきたとき、なぜか胸を衝かれる思いになった。けなげに生きた人だったんだと思った。
観終えてもやっぱり、山口小夜子さんって本当はどういう人だったんだろう、という疑問は消えないけど、そういうクエスチョンをみんなの中に永遠に残していくところまでが彼女の個性だという気もする。
パンフレットは、資生堂でアートディレクターをされていた大城喜美子さんという方の寄稿に描かれた、セルジュ・ルタンスとの仕事風景が特に素敵。
製作者と山口小夜子さんに関わってきた人の愛が伝わってきた
とてもよかった
動く山口小夜子さんは神秘だった
モデル、秋元梢さんが山口小夜子さんをお好きだということで知ったが しれたことに感謝。
もう一度みようかな…。
2016年4月10日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
良ドキュメンタリーって、単純に映像の素晴らしさで成り立つものと、被写体への愛情で成り立つものの二種類があると思うけど、本作は完全に後者。
映像技術自体は結婚式のムービーと大差ない(笑)
でも監督を始めとした山口小夜子さんに思い入れのある人物の、執着心にも似た愛情がこれでもかと伝わってきて凄かった。
そして何よりも山口小夜子さんが本当に美しい。
美しすぎて怖い。
物凄くスタイルの良いオシャレなおばちゃんが映って、「あー昔のモデル仲間かな」と思ったらテロップで“高校の同級生”とか出てきて、やっぱり美しい人の周りには美しい人が集まるのかと。
これは見終わった後にパンフレット即買いした。
本当に素晴らしいドキュメンタリー。
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2016年3月10日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
ボウイのドキュメンタリーよりちょっと凄いかなって。