オーバー・フェンスのレビュー・感想・評価
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函館3部作の3本目 山下敦弘監督らしさが佐藤泰志と融合する面白さ
「海炭市叙景」は熊切和嘉監督、「そこのみにて光輝く」は呉美保監督、そして「オーバー・フェンス」は山下敦弘監督と大阪芸大出身の映像作家が3人続く面白さとともに、それぞれの個性が佐藤泰志という夭折の作家が放つ個性と対話を重ねたかのような融合を見せており、実に興味深い。オダギリジョー、松田翔太、蒼井優という日本映画界きっての実力派が佐藤の故郷である北海道・函館で撮影に臨んだというのも意義深い。
ホームラン
2023年7月13日
映画 #オーバー・フェンス (2016年)鑑賞
2016年の映画ということですが、もっと昔の感じがする作品です。
#オダギリジョー さんがいい人だか悪い人だか分からない主人公を好演してます
#蒼井優 さんはこういうキレキレの役も上手に演じますね
職業訓練校って設定がまたおもしろい
かっこよかったー
オダジョの色気が凄い。あんなにダサい服を着ててもかっこいい。蒼井優のダンスは一流のダンサーレベルかそれ以上。他の役者さんもうまいうまい。脚本も丁寧でおかしなところが無い。最後の方の展開は心躍る感じでした。蒼井優が動物園で暴れるシーンはよく撮ったなーと思いました。オダジョの最後の方の自省の語りは、切なくそして普遍的だなと。人の心を壊しておいて平気な人たちにこの映画を見せたいですね。
意外に笑えるシーン多し
題名通り最後はフェンスオーバーのホームラン打つんだろうなと薄々思っていたが、本当に打って終わった。
ストーリーは色々あったし、よく分からなかった事とか全て吹っ飛ばしてヒロインの笑顔でスカッと終わった。
ある意味映画って終わりよければ全てヨシなんだとつくづく思った。
細かい事を言うと北海道訛りのせいか、声が小さいせいかセリフが聞こえ辛いところが多々あった。
観るなら最後まで。
色々屈折した人達ばかりが登場する映画。正直途中で観るのを止めようかとも思ったが、やめずによかった。主人公は屈折しているのではなく、不器用な人だったということか。タイトルの意味は最後に分かる。こういう清々しいエンディングは全く予想出来なかった。
蒼井優という女優は出来る役の幅は狭いかもしれないし美人とはお世辞にも言えないが偶に凄く可愛らしく見える瞬間がある面白い女優だと思う。彼女はフラガールでも福島弁が自然だったが、函館弁も実に自然に聴こえた。函館は何度も行っているが数年ぶりに又訪れたくなった。
よく分からなかった…
実際に蒼井優(=聡)みたいなのがいたらドン引き。
…と思っちゃった時点でこの映画と相性合わないんでしょうね。
登場人物がみんな行き詰まってて、閉塞感でどうにもならなくて、観ててしんどかった。
生きづらさ
職業訓練校の先生は、人の話を聞けないADHD傾向で、殻に閉じこもり、不器用な森くんは自閉症傾向で、協調性運動障害。
サトシは躁鬱症で、嫁は産後うつだったのだろうか、なんて事を思いながら見ていた。
オダギリジョーは、何やってもうまい。蒼井優の求愛ダンスも、きっと誰よりもハマっていると思う。
原作者を知らなかったのだけど、『そこのみ』も観た。気になる系統の作品。
ドヨーンと暗い日常だけど、最後は少しでも光がさしたのでよかった。
ここのレビューで、『ジム・ジャームッシュ』を引き合いに出していたけれど、うん雰囲気は似ています。確かに。
どんより雲の日にもう一度観たい。
出てくる皆がどうしようもないが、
人間はもともと皆どうしようもない。
どうしようもないから
どうにかしようと模索しながら
生きているんだなと実感できる作品。
そして
蒼井優ってどうしてこんなに可愛いのか。。
蒼井優の可愛さでなんとか持っている
この役柄に憧れてはならない。
その辺の人間がこの性格なら
見ていられないだろうから。
リアル
登場人物が全員演技力が高く、楽しめた。
切なくもあり温かい作品。
彼女がぶっ飛びすぎてるのが自分的にはリアリティーが無かった(自分の周りにはいない)がこんな人もいるのかな?実際いたら恥ずかしいよな。鳥の真似とかするところ仲間に見られたくない(笑)
元奥さんに指輪返されたときオダギリジョーが泣いていたのはどんな感情が正解なんだろう?
蒼井優という可能性
山下敦弘ワールド。
この表現は果たして褒め言葉たるのだろうか?自己の表現として、アートとして突き詰める人がいる。興行成績を追うことで何の色も残せなくなった人もいる。自分の好きな曲を自分のタイミングで選曲するDJと、その日のフロアを見渡して状況に沿って選曲を変えられるDJ。
職業こそ違えどだ。映画をエンタメとするならば、やはりその場のオーディエンス込みで作品だと思うのだ。映画はアートだ!と言うのなら、そらもう勝手にどうぞ。という話だ。
オーバー・フェンス。淡々と続く乾いたリアリティと、ふんわりファンタジー風味の空気感?まあそんな感じ。
それにしても蒼井優は凄い女優になったものだ。単なるメンヘラに見えて、彼女の演技からは一本スジの通った光を感じる。だから、恐くもあり、切なくもあり、愛しくもある。オダギリジョーは、いつものオダギリジョー(及第点という意味です)。
見どころも見応えも、9割5分を蒼井優が占めている作品です。
【普通に生きる/死んだように生きる/生きる】
人は知らず知らずのうちに、大切な人も傷つけてしまっているのだ。
仕事が好きだったわけじゃない。
普通に働き、普通に結婚し、子供が出来て、普通の人間だと思っていた。
だが、いつの間にか、人を思いやる気持ちを忘れ、身近な人をひどく傷つける。
現代社会に、こんな人は溢れているのではないのか。
函館三部作の最期、この「オーバー・フェンス」で感じられる肌感は、ざらついた感触だ。
自分の想いだけが口からついて出て、周りの人を傷つけてしまう......そう、土埃がまとわりついているのに、気が付かないまま、人と接触しているようなざらついた感じだ。
職業訓練校で年長の学生が、指導員に向かって言う「学校の外には、お前が考えているより色んな人間がいるんだ」とは、いつの間にか、他者を傷つけたり、理解しないことが当たり前のようになった社会への皮肉だ。
”普通に生きてきたと思っていた”白岩
”死んだように生きてきたと言う”聡
白岩は、聡とぶつかり合いながら、聡を理解しようとし、そして、別れた妻の想いも理解しようとしていたのだ。
元気や優しさを取り戻していた元妻。
妻からの決別。
白岩が聡に向かって言う。
「俺はぶっ壊す方だから、壊れているお前より酷いよな」
だが、ここから再び始まるのだ。
省みることを怠ったが、それなりに一所懸命生きてきたのだ。
普通は、失敗や挫折がないことではない。
失敗や挫折が普通であり、それを受け入れられる社会であって欲しい。
グランドの土埃にまみれながらダチョウは求愛のダンスを踊り、打球は土埃をつんざいて飛んでいく。
何にも面白いこと起きてないよ。
自分にリンクする事もあり、身につまされる思いです。サトシみたいな人とも付き合っていたことがあり、それはトラウマでもあります。
登場人物それぞれ、本当にいそうな人だし主人公の淡々とした感じもとても良かった。
職業訓練校あるあるもいい感じでした。
離婚して普通になれた。
世の中には色々な人がいる。
自分は普通に生きてきたつもりだったがサトシと出会いで彼女の言動にびっくりさせられる事がたくさんあった。そして自分との相性が合うことがわかった。
蒼井優の激しさに引くところもあったけど笑うと可愛くて奔放なところも魅力的なのかも。
でも。大変だろうな~。
オダギリジョーの柔らかい口調が優しさを引き出してよかった。
分からない世界。
ちょっと僕には分からない世界観だった。
サトシがエキセントリック過ぎて、どこに惚れたのか全く
分からなかった。
僕なら離れられた方がスッキリするだろうなと。
しかし俳優陣の演技は素晴らしく、
オダギリジョーさんの自然体の演技は大好きだし、
蒼井優さんもさすがだった。怖いくらいだった。
松田翔太さんの軽くチャラついた感じも良かったし、
この世界の空気感は入っていけなかったけど、
俳優さんを観てるだけで楽しい、そんな映画でした。
三部作
技術訓練校に通っても、その職に就ける人間は数限られている。普通は失業保険目的の者が多いように思う。
どことなく寂れた空気感漂う函館の町。それでも明るくしてくれているのは訓練校のソフトボールの時間と聡(蒼井)の鳥ダンスだ。代島(松田)とも一度だけ寝たことのある聡だったが、白岩(オダギリ)と急接近。自然な流れで関係を結んでしまう。しかし、その後に互いの過去を語り、大喧嘩。気性が激しく、潔癖症的な振る舞い、そして鳥の真似をする風変わりな女だったが、見ている者でも惹かれていく。
オーバーフェンスというタイトルは、最後のソフトボールでのホームランのことなのか、それとも、息苦しい現実から逃げ出したい気持ちを表しているのか、あまりにも現実的な内容なので、映画の中に引きずり込まれそうな印象だ。
メンヘラ女のシーンはもはやホラー感ある
途中で貞子より怖いメンヘラ女が錯乱するシーンがあり、そのキレ方が妙にリアルでめちゃくちゃ恐ろしい(笑)
確かにこういう女いそう…、と思ってしまうシーンだった。(僕はこういう女と付き合ったりしたことはないが)
うだつのあがらない人しか出てこないし、最後までうだつがあがらないままなので、ストーリー展開にドラマ性を求める人にはおすすめしないが、観賞後の余韻は極めて爽やかであり、そこに救いがある映画だった。
タイトルはラストシーン
こう言う役柄演じれば蒼井優さんの右に出るもの無し!
序盤から、
何か起こる
何か起こる
と思いつつ、何も起こらない。
職業訓練校と言う場所から年齢も背景も違う人達が織りなす人間模様。
深いなぁ〜
自分の周りには存在しない。。。
普通に生きる事の難しさ。
難しく生きてしまったが故に、大事なモノを失ってしまった人間たち。
不器用と一言で片付けるか。
真面目すぎると美化するか。
どーにもならなくなったその時、人は壊れるしか無いのだろうか。
現代社会の生きる難しさ。
決して大多数では無いが、色々な形でくじけた人間はいるだろう。
合コンする
嫁の地元に戻った
孫がいる
母親のもとで暮らす
一緒に起業しないか
人間はどんな形であれ一人で生きてはいけないのだ。
と、この映画はそれを伝えたかったのだろう。
そう私は受け取った。
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