怒りのレビュー・感想・評価
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胸が詰まって息ができなくなる......
結局誰が犯人なのか、前作の悪人の傾向とか、前半の描かれ方を振り返って考えればわかるんだけど、最後までわからなかった......
三人の男それぞれを犯人かと疑ってしまう。
犯人の怒りより、
犯人以外の怒りの方が、やるせない怒りだった。
また、犯人以外の怒りは、
自分に向けられてるというのが共通点としてある。だからやるせないし行き場がない。
何かを傷つけたりしない。
どの怒りにも、胸がつまされる思いがあった。
怒りをどこにぶつけていいか分からず苦しくなる映画
これは間違いなく日本映画の歴史に残る作品だ。
まず(読んだことないのだが)原作の小説が巧み。最後まで真実が分からず読む/観る人に受け止め方、感じ方を委ね深みのある物語になっている。
そしてそれを錚々たる実力派俳優たちにより重厚でホンモノの映像作品に仕上げられている。松山ケンイチ、綾野剛、森山未來なんてこのためにいたのではないかと思うぐらい、事件の重要なキーとなる顔の系統が似ている役者を見事にキャスティングしたものだ。それらを微妙に見え隠れさせ三者の画を掛け合わせうまく映像化している。
もうそれぞれの登場人物の内面や心情変化がにじみ出る役者ばかりで、いろんな想いに引っ張られ胸を締め付けながら感情移入していく。渡辺謙と妻夫木聡の泣くシーンなんて素晴らしすぎるよね。
人は皆、相手を守りたい愛情と自分を守りたいエゴを持ち合わせ、互いに牽制しあい生きている。信じることがすべてではないし、疑うことが間違いじゃないことだってある。そういうぶつかり合いやすれ違いが人生というものなのだろうか。
胸に刺さる
重い映画はもともと得意ではないですが、予告が流れてる頃から圧倒されるものがあって、ようやく観ることができました。
信じることの難しさ、疑うことの苦しさ、大なり小なりそれぞれが背負ってるものの重み、いろいろグサッときました。
俳優陣も豪華で、見入ってしまう映画でした。
描写は重かったですが、良い映画だと思いました。
役者と映像美
実力派役者陣と4つの物語を同時進行させる構成で、長さを感じさせない力作。
ただ、かなり絞り込んだのだとは思うが、まだ整理しきれなかった感はある。
広瀬すずが襲われるに至る、酔っぱらい少年の彷徨が、何とも不自然。ここが本作で一番説得力がない場面だ。
森山未來の怒りの深層は見えず、ただの狂人と理解して良いのか。
綾野剛は何故働きもしないでいられたのか。
松山ケンイチはヤクザの借金取りに見つかったのか。
別件で取り調べられた男は、何故詳細に八王子事件のことを語れたのか。
訳あり登場人物が多いだけに、個々の描写は制限されてしまうのは、仕方がない。観る側の解釈に委ねる方法も良しとせねば。
結局、役者たちがすばらしいことと、彼らを引き立てる映像美が本作の特筆すべきところ。
観る価値がある作品。
面白い久々にパワフルな邦画
映画館で泣いたのどれくらい前だったかなぁ…と思いおこしてしまいました。2時間半いとも簡単に観入ることができました。よくある私の2時間を返して感がなかった最近珍しい映画でした。
最後数分で笑いました
原作読まずにみました。
並行して進む3つのストーリーの設定等々はいいと思いましたが、一個一個のつめが甘い感じがしました。
「怒り」というタイトルから想像されるような激しい怒りが話の軸になっている感じはしませんでした。それを期待してみてしまったので終わった後のなんだこれ感が半端なかったです。
そろそろ時間的にやばいけどこの話ちゃんとまとめて終わってくれるの??と思っていたら
暗転からの 「怒り」 渡辺謙
みたいな、なんか「えーーー怒りっていれりゃいいと思ってんのかーーい」とツッコミを入れたくなり、思わず笑いました。
原作読んだり、元ネタとなる実際あった事件などを詳しく調べてからみたらまた何か違ったかもしれませんが、3時間弱におさめられる内容ではなかったのではないでしょうか?俳優陣の演技は素晴らしかったですが、とにかく話のつめが甘い。伏線っぽいのも全く回収してないし、悪い意味でもやもやしました。とはいっても伏線回収系好きだからそう感じたのかもしれませんね。
でも今でも何かにイラつくと一緒にみた友達と「ほんとイラつくわーーーー、怒り、渡辺謙…」とネタにできているのでいい思い出です。
ふらふらになった。
この作品を見終わったあと、頭にかけめぐったのは「なんで」「どうして」「信じていたのに」だ。ふらふらとした。
突如、東京・沖縄・千葉のそれぞれに素性不明の男が現れる。その三人の男は、今も逃げ続けている残虐な殺人事件の犯人によく似ていた。その事実に翻弄される周りの人々。疑念の影はやがて、愛を、信頼を、光を、すべて飲み込んでしまう。
人は、なにを持って他者を信じ、愛することができるのか。
《信頼》と《愛》の本質を問うた作品であったと思う。
沖縄編が壮絶だった。
田中の《怒り》は、どこに向けられていたのか。虫けらのように扱ったのは、本当にあの住人なのか?世の中の不甲斐なさに対するものなのか、彼の中で積もり積もったフラストレーションの結果なのか。
辰哉の《怒り》を受け、泉の叫びを聞いたら彼はなにを思うのか。
原作も読んでみたいと思いました。
重く胸に刺さるメッセージがいい
殺人事件の犯人が整形して逃走している中、
4人の男女の前に3人の謎の男が現れた話。
なんともまあ心臓が痛い映画だった。
衝撃の設定、衝撃の展開が続く。
思わず目を背けたくなるシーンもあるけど
魅入ってしまう、これが坂本龍一の力か。
この人が犯人かもしれない…
いやこの人が犯人なわけない…
人のことを信じれなくなると人を傷つけるし
人のことを信じすぎると傷つけられる。
どちらがいいのか問いかけてくるけど
そこに正解はなくて、
理不尽さや人間の不完全さに
ただひたすら叫ぶしかない
ことを伝える映画だったと思う。
すごーーーくしんどかった。
でも、結論いい映画だった!
キャスティングがすごいよね。
文庫を読んでいたから内容は知っていた。キャスティングがどんなことになるか楽しみだった。まず宮崎あおいは違うだろうと。でも見ているうちにそんなことはないと思った。妻夫木はゲイにしか見えなかった。身体を絞ったのかな?美しい肉体♪犯人と思しき役の3人がやっぱりすごかった。松山ケンイチはきれいな顔してるなと。綾野剛は毎回思うけど役によって表情が全く違う。今回はきゅんとするような女役のゲイ♪なんだかステキだった。森山未來はやっぱりすごい。圧倒的な存在感。服の上からでも鍛えた身体がわかる。こういう役もピッタリだね。2時間で要点だけをうまくつなげたと思う。広瀬すずもかわいかった。相手の男の子が無名?だったのもなかなかすごい。
はまりこむと抜け出し難い
タイトルは「怒り」原作を読了していないので何ともですが、スタートとラスト以外は怒り以外の感情が溢れ踊り物語を彩っている印象。そして不気味な寒気とともに一気にラストへ。
自分の中の感情とも気が付けば向き合っていて、映画館を出た後何かがスッと晴れたような気になりました。
色々と体力の必要な作品でしたが、その内にゆったり視返してみたいものです。
全編クライマックスの凄い映画
陰湿な話しは苦手なんですけど、あまりにも評判が良かったので思いきって観てみたら…
本当に良い映画でした。
たった一枚の写真がそれぞれの場所で関わった人たちをかき乱していく。
蓋をしていた傷口を、諦めていた筈の幸せを、愛おしいしあわせな時間を、信じる気持ちを、人の心の中にある大切なものをかき乱し葛藤させ追い込んでいく。
信じることが出来なかった自分に対する怒り。
信じていたが故に許せない相手に対する怒り。
誰とも共有できない痛みに対する怒り。
様々な怒りを、時に切なく、時に息苦しく、観る人の心に叩きつけてきます。
人が人を愛すること、信じることの根拠がいかに不確かで脆弱なものなのかを思い知らされます。
大切な人やものを守る気持ちは、自分自身を守る気持ちを遥かに凌駕してしまう。
そして守りきれなかった時に襲われる無力感や絶望感、守れなかった自分自身に対する怒りは人を狂気に走らせてしまうこともある。
激しく争い、競争し、奪い合う世の中だからこそ、今一度立ち止まり考えなければいけないのかもしれません。
沖縄の米軍基地、マイノリティ、閉鎖的な村社会といった、現実に噴出し解決の糸口すら見つかっていない問題に深く鋭く斬りこみつつ、重くなりがちなテーマを、全編クライマックスとも言うべき最初から最後まで張りつめた緊迫感のある演出で2時間22分という上映時間を30分ぐらいにしか感じさせない凄い映画でした。
観終わった後は暫く言葉が見つからず、場内が明るくなっても席を立つ事が出来なかったです。
今このレビューを書いて湧きあがってきたのは『怒り』のタイトルとは違って『受け止める』そして自分を強く信じ『這い上がる』って気持ちです。
この映画が一番素晴らしいのは、それでも前を向いて生きて行く勇気をくれるからなのかもしれません。
私はこの殺人犯の怒り、分かる気がしました。 人を見下して自分を保っ...
私はこの殺人犯の怒り、分かる気がしました。
人を見下して自分を保っていて、
嘲笑うようにして生きている。
そしてそれを文字にして発散する。
思い当たる方はいらっしゃるかと。
でも心の底に世の中の理不尽に対する悔しさ、情けなさ、恐怖、怒りが溜まって溜まって、爆発してしまう。
脆さ、弱さ、捻じ曲がった純粋さを感じました。
田中の嘘
評判いいので観に行ってきました。
でも私はこの展開にまんまと騙され犯人が整形をして色んな所に登場しているもんだと思い込んで観てましたのでもう一回観ないと駄目な映画です。
それにしても凄く観応えある映画でした。
最後に田中のついた嘘が印象的でした。
田中は人を救う為にあんな嘘を付いたのに何故あんな事件を起こしたのか?
事件を起こしたのか動機に納得がいきませんでした。
襲われてるされてる横で何も出来なかった少年と何か泉のために出来る事。
自分が悪者になって人を救う道を選んだ田中の嘘が印象的でした。
人を信じれるのか?
信用出来ず疑い去られてしまった人
疑い去られたも謝罪し連れ戻しした人
両方とも観応えありました。
もう一度観たい
前情報なしで見にいきました
なんか心揺さぶられる様ないい映画見たいなー
と思い、
予告編の雰囲気でこれを選んで見にいきました。
結果、大失敗w
いわゆるいい映画では全然なくて、しっかり前情報を入れて覚悟してみる様な作品。
長い上映時間を感じさせない客を引き込むテンポとか、役者層の厚みの持たせ方とか、見る側を飽きさせないズラしで進めて行く展開とか、技術的な上手さというのはよくわかりませんがあるのだとと思います。
ただ、出てくる人の思いや感情が腹に落ちてこないというか、どうも共感できないまま話だけが進んで行く様な感じがして、合わないなあという思いのまま終わってしまった感じ。
吉田作品はパークライフとかパレードとか読んでいた頃に大好きで、その頃は吉田修一と言っても知っている人はほとんどいなかった。
原作を先に読んでいたら、随分感じが変わっていたかもしれませんね。
東京湾景も好きな作品ですが、あれも映像作品は原作とかけ離れて残念な感じでした。
胸くそ悪い。2度はみたくない。
犯人は沖縄編の森山 未來。
「米兵にヤラれてる女、見た/知ってる女だった/ 女気絶 マジウケる」
妻夫木聡と綾野剛のホモのセックスとか、米兵にレイプされる広瀬すずとか、グロすぎる。
全く怒りに共感できない。
渡辺謙含め最後の容疑者相方側の涙も共感できない。
だって相手は疑われたってことそんなにショックに思わないでしょ?
ちょっと言っただけじゃん。
綾野剛に至っては疑ったのいなくなってからだから、言われてもないし。
やはり最高のタッグだった!!
悪人が好きで、公開前からずっと楽しみにしていた怒り。
小説を下巻の途中まで中途半端に読んで劇場に向かいました。
小説の魅力的な登場人物が、
やはり時間の問題もあり、薄くなってしまったところ(特に沖縄の高校生2人)が少し残念だったが、それ以外は小説ファンも満足、という感じだった。
キャストで言うと、宮崎あおいさん演じる愛子の不器用で脆く壊れてしまいそうな感じがとても原作に忠実で、素晴らしかった。
ストーリー構成がとても素晴らしくて、
3つの話が綺麗にひとつの映画になっていた。
登場人物それぞれが抱える問題がひとつの事件の報道により結びついて、一番信じたい、信じていたはずの人を疑ってしまう。みんな誰かを心から信じたいと思って願っている、人間というものを裸にされた感じがした。
犯人の田中は一見異常者のようだが、みんなどこかで同じ感情を抱いたことがあって、やり場のない怒りが爆発してしまう彼の不器用さは、どこか純粋なものを感じた。どこから見ても根っからの悪人なんてこの世にいないんだと思うと、ネット社会で批判されている人など、現代における問題に繋がるところがあると思った。
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