「かぼちゃの馬車のシーンは」シンデレラ(2015) れおさんの映画レビュー(感想・評価)
かぼちゃの馬車のシーンは
劇場で観たかった…!
美術よし、キャスト良し、そして…誰もが知っているシンデレラのストーリーを、過不足なくディティールアップするこの絶妙な手腕!!
飽きもなくテンポ良く!気持ち良く見ることができました!!
小さい頃はお父さんに「私のプリンセス」と呼ばれていた小さな女の子が、大きくなって彼女を守ってくれる男性にまた、私のプリンセスと呼ばれるというこの伏線が!!
舞踏会のシーンでは訳も分からず泣きました。
あと一番凄いなと思ったのが、ディズニー映画なのに悪役を許すところ。
まあ継母は誰も殺していないし小娘を虐めただけなのでそんなに酷い報復はうけないとは思ったけど…。
「あなたを許します」
の一言に、優しさと、確かな強者の力強さと余裕を見ました。
ここで報復したら継母と同じ卑しい女になってしまうから、継母の嫌いで羨ましかった清らかな私のままでいるために許すわという意趣返し。
呪いのようなシンデレラという名前も、誰彼構わずこき下ろす醜い言葉も、優しさと勇気を持って本当の世界を見れば取るに足りない雑言と気づく舞踏会の後のシーンも印象的。
恥ずかしくて名乗れなかったエラが、ありのままを見せると決意して、この呪いの渾名を名乗る。それが自分を真の意味で貶めるものではないと気づくのは確かに強くなった証ですね!
これはね〜いじめ経験者じゃないとわからないと思うんですが、たとえそんなに汚い渾名じゃなかても、これが気にならなくなるっていうのは相当心理的に強くならないとできないことですよ。
あと凄く細かいですが「私は持参金も無いけれど」という台詞がぐっときました。
あくまでお伽話レベルですが、経済観念が庶民と王族の結婚に引き締めを与えているなと。何も知らない女の子じゃないのよ、という。