バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)のレビュー・感想・評価
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なにこれ映画?
9/24二度目の鑑賞。
初回の高揚感が薄まるか…と少し心配でしたが、もっと深く理解できた気がします。
最初はあの手法とド迫力演技に度肝を抜かれましたが、今回はセリフひとつひとつの意味、役者の些細な心境の変化を表情に見たりだとか、更なるディティールにフォーカスできました。
セリフひとつとっても(特にエドワード・ノートン)いちいち真理をつきまくっている。
日々進化する現代社会の中でその利便性、事象の移り変わりの速さ、物事の本質を見られない人々。
言ってみれば蔓延する問題ではあるが、どうこうしようというよりも、あくまでもこれが今の現実であることを現実的に叫ばせる。
これがこの作品のメッセージであり、この「バードマン」自身が結局どうなったのかとかそういうストーリー的なことは、個人的には、正直、どうでもいいのです。
こんな映画を作る気概がある監督がいるという現実、これだけでもう幸せ極まりないです。
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役者、演出、脚本、完璧。
これらのアナログな要素だけでもここまで映画の枠を超越したものができるなんて…。おったまげました。
めちゃんこ長いワンテイク(に見える)撮影が、現実の世界と妄想の世界をシームレスに繋ぎあわせて、観るものを人物の心情にグイグイ引きこむ。加えて錚々たる面々の渾身の演技で心はすっかりもってかれる。
もうやり尽くされたと思ってた映画の世界だけど、まだ全然可能性があると教えてくれたすんげー作品。
何年か後にもう一度見たい映画
リアルな映画界や舞台などが細かく描かれている。ヒット作を作るのがいかに難しいかがわかった!笑マイケル・キートンやエドワード・ノートンが演じていることにより、より一層深みがました!一言一言の言葉が重く染みる映画。
突き詰めたオトナには、身震いがする映画。
若い人には分からないかもしれない、
観る人を選ぶ映画だと思います。
とりたて
仕事や楽器や趣味や子育てなど、
何か一つのことを突き詰めたオトナが観ると、
途轍もない共感と切なさが襲ってきます。
突き詰めるということは
必ずピークを迎え、
若い奴に抜かれ、
時代は変わり、
自分が驕っていたことに気づき、
世界からの不必要感に苛まれる。
それにどう対峙するか、
それとも逃げるのか、
人生の大きな選択がくる。
今の僕もそうです。
そこに向かっている過程の人だって、
未来を思い浮かべてみると、
面白いかもしれません。
そんなことを
少しでも感じたことがないと、
到底理解できない話。
近年まれにみる、見事な脚本でした。
主人公を演じたマイケル・キートンは、
ショウビズ人生の波を体現している人だから、
そのリアリティに圧倒されっぱなし。
2時間通して切れ目がないように見せる、
長回しにこだわった演出ギミックも見事。
現実と空想と舞台を上手く繋げて、
重くならないファンタジーに仕上げています。
セッションを先に観て比べたのだけど、
やはりこちらには
作品賞の重みがありましたね。
間違いなく、秀作です。
うーん...
最初から最後までよくわからなかったです。ラストはあれは観た人が考えろという事でしょうかね、結局何が伝えたかったのかわからなかったです...
もっと歳をとってから見るべきだったのかな?
けれども、カメラ1台でワンカットのような撮影は凄いと思いました!
相変わらず…
予告編で感じたようなエンタメ性はほとんどない。
よく考えれば、バベルの監督なのだから当然。シリアスに話は進んで行く。現実と幻想の間を行き来しつつ、悲惨さが増す中での逆転も脆いものに思える。
イニュリトゥ監督作品のいつものモヤモヤ感は健在。全くスッキリしないし、それだからこそいつまでも心にひっかかり、考え続けさせる苛立たしくも真実味のある作品になっている。
その根底には自意識に苦しむ人間を悲惨なものとして慈しみつつも嗤い、愛しながら軽蔑し、宇宙や自然のスケールからの達観に至らせる根本感情があるだろう。
思ってたのと違う
暗〜い映画かなんかと思ったら、
バードマン、過去の栄光からもう一度再起をかけて、舞台をやる話。でした。
そこに幾つもの、メタファーもあり、人間模様があり、楽しめる映画でした。 お父さんとして、娘とどう接するのか、別れた妻と別れた後も子供を通して、向き合う。
主人公は、真面目に取り組んでいるんだろうが、どこか笑いが起こる。この映画を見て意外にも楽しめる映画でした。 いい意味で裏切られました。(笑)
四次元の風刺画
キャスト(設定、実際ともに)、セリフ、ストーリー、、、一つ一つが「映画」「演劇」「メディア」などの象徴と比喩。文化としての「映画」に対する、歴史的俯瞰に基づいた現状分析、批判、示唆。映画を愛する者であればこその危機感の発露、あるいは問い掛け、警鐘と言えるかもしれません。細部まで非常によく出来ています。メッセージてんこ盛りです。出来すぎていてドラマのように観ることが十分に可能なので、メタファーがあることに気付きにくいかもしれません。おそらく三重くらいには観ることができそうです。しかし一枚で撮られている意味を四次元の風刺画と捉えると、最も強いテーマはやはり「映画」そのものになるでしょう。
ブルース・ウェイン
現在のハリウッドを皮肉ったようで愛に溢れた作品。
マイケル・キートン以外にこの役を演じられる俳優は存在しないし、それ以外も抜群の配役。
テンポもよく、もちろん話題となっている演出も素晴らしかった。
そしてまたドラムを基調とした音楽がかなり重要な役割を担っており、映画としてあらゆる角度から見ても隙がなかった。
最後の白いマスクというかガーゼというかギプスというか、あれを着けたシーンでは姿だけでなく声もバットマンの頃にかなり寄せててバットマンファンとしては思わずニヤッとしてしまった。
二度三度と様々な視点から見たくなる傑作だったなー。
悔しい
最後のシーンが意味わからず、帰って検索し理解して、それなら面白いと感じました。
軽い気持ちで観たので油断してました。せっかくの映画なので、もっとメッセージをしっかり読んだ方が楽しめると反省。
内容は理解しづらいので、つまんないと感じる人は多いでしょうね。だいぶ面白いと思いますが。
現実と虚構の間
初めの一時間は正直言ってあまり好きじゃなかったです。アメリカ人の苛立ったおっさんたちが怒鳴りあうシーンが長回し(もどき)で延々と続き、疲労、フラストレーション、衝突しているおっさんのダンディズム的な雰囲気だったので、長回しもどきがとにかく重く感じられました。今までそういう映画は山ほどあるので、芸術映画気取りで、またか、という感じでした。
ただ後半は秀逸で、前半でイマイチ映画の中で存在理由のわからなかった破天荒な俳優の主張(ストイックなまでに舞台にリアリティーを求める姿勢)が、主人公の人生の中で実現していく。その過程がまるで「ブラックスワン」のように、意図と無意図の間で、極限状態の中で奇跡的に実現する。現実が虚構に侵入する、もしくは虚構が現実に侵入するというとても奇妙な現象、そしてそこに一瞬の芸術のひらめきを求めること、それがこの映画の意図だと思います。俳優として生きるゆえに、家族を顧みず、人間としての自分の人生はただの空洞だったと嘆く主人公に、それがあなたの人生だった、現実だったと励ます元妻の言葉がそれを物語っているように思います。芸術とそれ以外の芸術に類似した表現、例えばデザインや漫画などの大衆文化との違いは、作者の現実がいかに如実に再現されているか、ということだと思います。逆に言えば大衆文化でも芸術の高みに消化される可能性は十分にあり、昨今ではその境界線の探り合いが盛んにされているような印象を受けます。
この映画は、「ブラックスワン」の極限状態に一瞬きらめく真実の美、「君と歩く世界」での、虚飾のないリアルな物語性、そして「ゼロ・グラビティー」での長回しによる体験としての映画、を思い出させます。
それにしても、イニャリトゥ監督といい、クアロン(ゼロ・グラビティ)の監督といい、知る人ぞ知るアルトゥーロ・リプステインといい、ギレルモ・デル・トロといい、メキシコからはかなり優秀な映画監督が出てきていますね。
ショウほどイカれた商売はない
2014年アカデミー賞作品賞受賞作。
主演男優賞は残念ながら逃したものの、
主演マイケル・キートンのはっちゃけ演技がやはり
この映画最大の見所。悲哀たっぷりなのに笑える。
かつての名声も世間の評価も娘の尊敬も手に入れたい。
落ちぶれたスターじゃなく、“役者”であると認められたい。
一方で、自分はやっぱり単なる落ちぶれたスターに
過ぎないクズ野郎だという自虐的な思いに苛まれてもいる。
彼の必死すぎる姿には笑いつつも応援したくなったし、
あのトチ狂った行動を取る終盤にも強烈な皮肉を感じた。
あんな行為ですらショウの一部になる世界。
存在証明の為に己の命を削るという矛盾。
少し『ネットワーク』や『キング・オブ・コメディ』っぽいね。
あとは演劇バカ一代E・ノートンもすれっからしなE・ストーンも
実は一番頑張ってたマネージャー役Z・ガリフィアナキスも
良かったけど、良くも悪くも印象的だったのは劇評論家のバアさん。
あいつスッゲー腹立つ!
「お前が気に入らないから舞台を潰してやる」みたいな事を
平然とのたまう人間に評論家を名乗る資格なんて無いし、
おまけにあの人は自身の影響力を知ってる上に金までもらってる。
ヤなバアさんだよホント。
登場するキャラが皆ひとクセあってそのうえ生々しい。
映画人vs演劇人の意地の張り合いを中心とした、ショウビズ界
にまつわるブラックユーモア満載の内容も面白い。
映画と演劇に上も下も無いんだから、お互いに
へんなプライド張ること無いと思うけどねえ。
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ただ……個人的な意見だが、この映画は物語に対して
映像手法が前面に出過ぎていると感じる。
全編擬似ワンカット撮影。
うん、そりゃスゴいと思う、確かに。
非常に緻密な計算のもとに撮影されてるんだろうと思う。
けど本作の場合、その手法にどんな意味があるのか?
本作の場合は、映画と違って何もかもが地続きで
一発勝負である舞台の雰囲気、言うなれば“ライヴ感”を
映像で表現しようとしたのだろうと推察する。
全編を彩るジャズドラムの即興演奏も、その
ライヴ感を演出する上での選択だったのではと思う。
だがそれならば、多少映像表現の幅を狭めてしまってでも
“擬似”ワンカット撮影ではなく本当のワンカット撮影を貫くか、
あるいは舞台の幕仕立てのように超長回しを
数回に分けるスタイルを取るべきだったと思う。
VFXや編集の入り込む余地がある時点で、
舞台“感”の再現には成り得ないと思う。
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まあ、映像に陶酔感を与えるという点では、
このめくるめく擬似ワンカットは功を奏していたと思う。
ぐるりぐるり回る映像と次々切り替わる登場人物や
シチュエーションを楽しむことはできた。
だが結局のところだ、
「スゲーどこまでワンカット?」と考えながら鑑賞してる時点で
それは映画の物語に対して没入できているとは言えない。
私的な意見だが、映像はあくまでテーマを語る上や
観客を物語に没入させる上での手法であるべきで、
手法そのものが前面に出てきても、僕は
「巧く撮れてるね」以上の感想を抱けない。
実際、せわしなく動き続ける映像に加え、
登場人物どうしの会話も矢継ぎ早に繰り出されるので、
登場人物やドラマに感情移入しきる暇は少ないと感じた。
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以上。
話題になっている映像についてはあまり評価しないが、
俳優陣の演技は見応え十分だし、ショウビズの舞台裏や
それにまつわる皮肉な笑いがたっぷりの映画。
観て損はない作品だと思います。
<2015.04.11鑑賞>
わからん。
なぜアカデミーを獲ったのか理解できない。
俺がバードマンを理解できるほど成熟してないのかと思う。
全編1カット風味で話は進む。
あくまで、風味。
日付けが変わったり時間が飛んだりする。
そんな事があるから、上手い事CGで誤魔化してあんだろなと思う。
実際、1カットで撮ってたとしても、長回しに拘る必要を見出せない。
編集次第と言われる映画業界に真っ向勝負ってわけでもないだろう…。
実際、1カットに見えるような編集は入ってる。
話題性なのかしら…。
ただ、カメラが切り取るアングルは、いちいち気持ち良かった。
時々1カットだという事を忘れる程に。
最後、主人公は幻に嫌気がさして自殺したのかと思いきや、空飛べてましたみたいなオチで、益々薄っぺらい人間の性を…ん〜…踊らずにいられない人間の悲哀をとでもいおうか、そんなものを感じました。
だからと言って教訓にしようとか、共感できるとか、救われるとか、そういった類の感情は一切湧かない。
アメリカンエロジョーク、ブラックジョーク
3.5という星の数がすごく合う。
先の読めない展開は素晴らしいですし、とにかくセンスが光ってます。
が、とにかくエロジョーク、ブラックジョークが笑えない(すごい多い…)
終わってから誰かと話したくなる。
分かりにくいからこその魅力でしょうか。
ちょっとだけ風立ちぬを見た後の感じに似ています。評価を得ているものを実際に見た後の腑に落ちないかんじ。
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