「番犬の苦悩」アメリカン・スナイパー いわしさんの映画レビュー(感想・評価)
番犬の苦悩
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スナイパーとして一番最悪の選択を迫られるシーンから始まります。
とにかく重たい。
しかも最悪なことにすべて真実。
「永遠のゼロ」でも感じた邦画、そして日本人の描く戦争の姿は、どこか思想的な逃げや甘えがあるのをあらためて痛感しました。
世界の番犬としてのアメリカ。
そして劇中で主人公のクリス カイルの父親はクリス兄弟にこう言います。
「羊である弟を守るために番犬であれ。強い男になれ。」
伝説のスナイパーと呼ばれた男。
「Hey!fucking Regend!」
彼の伝説はあまりにあまねきたために、時にはそんな呼ばれ方をします。
この映画ではそんな「番犬の苦悩」を描いていきます。
そしてそれはアメリカの苦悩でもあります。
星条旗に永遠を誓う映画でもないし、ラブ&ピースを唄う映画でもありません。
僕が常々思うのは、強く正しく生きるということは自己矛盾との葛藤なのです。
「いかに生きるか」
それを真に問われる映画です。
観客を暗い井戸に突き落とすようなエンディングと、無音の真っ黒な背景にテロップだけが流れ続ける長いエンドロールで映画は終わります。
無言の観客はしばらく立ち上がれませんでした。
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