博士と彼女のセオリーのレビュー・感想・評価
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ただの恋愛映画ではない深いテーマがある。
★★『博士と彼女のセオリー』★★
なるべくネタバレなしの方向でいきたいと思います。
この度の第87回アカデミー賞にて
最優秀主演男優賞受賞作品です。
主演男優賞は エディ レッドメインさん
お話は、日本でもわりと馴染みのある物理学者の「スティーブン・ホーキング博士」の半生を描いた内容。
子供の頃に、何かしらで・・耳にしてて宇宙に興味を持つきっかけになった人でもあります。
ブラックホール理論などの宇宙物理学が有名ですよね。
予告編でも語られるのですけど。。
ホーキング博士は運動ニューロン疾患(ALS:筋萎縮性側索硬化症)という病気に犯されます。
最初は、筋ジストロフィーかと思ってたのですけど
また・・違う病気でした。
映画の冒頭は、元気に自転車に乗ってる健康的なシーンからスタートして
段々と病に犯されていく様子の演技が秀逸です。
それだけでもなくて。。
博士を献身的に支えてきたジェーンを演じたフェリシティ・ジョーンズも表情だけで泣かせてくれます。
ただ・・この映画。
ただの「恋愛映画」に留まらずに。。しっかりと地に足をつけた
人生賛歌でもあり。。
そして「愛」と「物理学」と
まさに、「宇宙エネルギー」の映画だと思いました。
今、自分の境遇に嘆いてる方などは、是非ともこの映画を観て勇気をもらって欲しいと思いました。
予告編でも・・ちらっと映るのですけど。。
クライマックスでの演壇での質疑応答のシーンでガツンとやられました。
素晴らしい映画でした。
二人の愛の理論
実話を下にした作品。『車いすの天才物理学者』スティーブン・ホーキング博士の若かりし頃の姿と、ALSが侵攻していく最中、最愛の人を見つけ、立ち向かっていく姿を描きます。
この作品は、ラブストーリーですね。原題が『The Theory of Everything』と言うことで、ホーキング博士の学術理論を思いおこさせるようなタイトルになっていますが、実はそれは、スティーブンとジェーンの二人の事も示しているのだと思います。その意味では、邦題の『博士と彼女のセオリー』と言うのが、完全に外しているという事でも無いかな。
ホーキング博士が離婚しているのは、今回この映画を見るにあたり初めて知りました。子供が生まれ、進行が遅延したとはいえ、スティーブンの病状は徐々に進行し、ジェーンの心の負担が増しいくのを目の当たりにして、離婚も仕方ないのかなと思いました。
主演のエディ・レッドメインは、本作品で、第72回ゴールデングローブ賞で男優賞(ドラマ部門)、第87回アカデミー賞・主演男優賞を獲得していますが、納得ですね。だんだんと、エディがホーキング博士に見えてきました(笑)。ALSの患者という難しいことが容易に想像される役を非常によく演じていたと思います。
“余命二年”と言われたホーキング博士ですが、その後も長生きし現在もご存命。人類にとっては、よかったことだと思います。
英国映画の良さが詰まったような良質な映画
2015年アカデミー主演男優賞は、この映画でステーブン ホーキングを演じたエデイ レッドメインが、受賞した。予想通りだったので、嬉しい。受賞のスピーチで彼は、これが進行性の難病、筋委縮性側索硬化症について人々が関心をもつ契機になってくれることを願っていると言っていた。同時に主演女優賞を受賞したジュリア ムーアも、若年性アルツハイマー病になった女性の映画「アリスのままで」で主役を演じて、同じように、これを機会にアルツハイマー病への理解が深まることを望んでいるとスピーチで言っていた。偶然だが、今年はアカデミー賞主演賞が、男女ともに治癒不能の疾病に陥る人を演じた役者の手に渡った。スーパーマンのクリストファー リーによる頚椎損傷、マイケル フォックスのパーキンソン病などの前例もある。確かに病気に全く関心のなかった人々が、映画を見てその疾病についての理解を深めることは、助け合い社会のなかで、とても良いことだと思う。
この映画の撮影は、ほとんどケンブリッジ大学で行われたという。大学の世界ランキングでは、その学問上の業績、講義内容、専門、社会的貢献度などで検討した結果、いつも世界第一位を取っているケンブリッジ大学が舞台で、興味深い。学生寮やキャンデイーバーやクラブなど、古臭くて落ち着いた名門校の雰囲気が、とてもイギリス的だ。アイザック ニュートンが使っていた実験室がそのまま残っていて学生たちにインスピレーションを与えているところなども、とても印象的。
エデイ レッドメインは線が細くて、愛苦しい顔をした、イギリス人の舞台役者だ。ミュージカル映画「ラ ミゼラブル」で、ジャン バルジャンの娘を恋する純粋な青年マリウスを演じた。「レ ミゼラブル」は、マッチョなオージー、ヒュー ジャックマンとラッセル クロウが主役で、中年のパワーを爆発させていたが、それをレッドメインは、「撮影現場に行ったら、ウルヴァリンとグラデイエーターが発声練習をしていた日のことは忘れられないよ。」と言って笑わせてくれた。体の大きさも、キャリアも圧倒する二人の中年スーパーヒーローのオージーに挟まれての発声練習は、彼のとって、それはそれは、忘れられないほど怖かったことだろう。
レッドメインは、顔が可愛い。動作が可愛い。背丈はあるが線が細く華奢にできていて、いかにも繊細で、美しい手指をもっている。少女漫画に出てくる主人公のキャラがすべてそろっている。彼は、この映画でホーキングを演じるにあたって、ホーキングのインタビューや動画を見て彼の生活を研究するのに、半年かけて役作りの準備をしたという。直接本人にも面談して、ホーキングの全面協力を受けて、彼が現在使っている音声を、映画のために提供してもらっている。進行性の難しい疾病をもった人をよく表現している。この映画では、とにかくレッドメインの演技が傑出している。
ストーリーは
ステイーブンはオックスフォード大学で学びながら、ボート部ではコックスを務め、サイエンスフィクションの同好会で友人たちと交流し、学生生活を満喫していた。学生たちの集まるパーテイーで、美術史と哲学を学ぶジェーンに出会い、互いに親密さを深めていた。ステイーブンは、宇宙物理学の世界で、相対性理論を宇宙物理学の理論を深めていき、ブラックホールの特異点定理を発表した。ケンブリッジ大学大学院に進み、のちにこの定理で博士号を賞与される。
ジョーンと出会ったころから、彼は頻繁にバランスを失って転ぶようになり、21歳のときに筋萎縮性側索硬化症と診断され、余命2年と宣告される。両親や友人たちは、彼からジェーンを遠ざけようとするが、ジェーンはステイーブンと一生を共にする覚悟でいて、二人は結婚する。ステイーブンの研究は世界的に名を知られるようになって、ジェーンとの間には、二人の子供も生まれ幸せな日々を送る一方、彼の病状は進行していった。
ステイーブンの車椅子を押し、彼の日常生活を介助しながら、二人の子供たちの子育てに追われていたジェーンは、その負担から逃れて休む余裕はなかった。疲れ切っているジェーンに、母親は、教会のコーラス団に入って気分転換することを勧める。そこでジェーンは、コーラスを指導する教会の牧師チャーリーに出会う。ジェーンは教会で歌うようになって日常のストレスから逃れ、自分を取り戻すことができるようになった。やがてチャーリーは、ジェーンの子供たちにピアノを教えに通ってくるようになり、家族の一員のように一緒にピクニックに行ったり、子供たちを海で遊ばせたりして、家族の父親役を買って出てくれるようになった。徐々にジェーンはチャーリーに惹かれていく。一方で、ステイーブンは、世話係の看護婦との絆が深まり、遂にステイーブンは、ジェーンを置いてアメリカに移る。というお話。 ホーキングの大学生時代から、ジェーンと結婚して3人の子供に恵まれたのち、離婚するまでの約25年間の軌跡を映画化した作品。
映画ではジェーンが夫に背徳をおかした様に描かれている。3番目の子供が生まれたお祝いのパーテイーで、ステイーブンの父親が怒って、「お前たち、いつまでこんな生活を続けていくのか?」と詰問するし、ステイーブンの母親など、もっと露骨にジェーンに向かって、「誰の子なのよ。一体この赤ちゃんは誰の子なの?」と、ジェーンを殺しかねない勢いだ。映画の脚本家アンソニー マッカーテインは、自分の脚本を映画にするために、実際のジェーンと交渉し、承諾させるのに3年かかったと言っているが、この内容ならそりゃジェーンは映画化に反対するわけだ。現存する人の伝記を映画にするのは、本人の尊厳に関わってくるから簡単ではない。
ホーキング自身は映画製作に協力的で、トロント映画祭で、この映画がオープニングで公開されたときには招待されていて、観客席でにニコニコ笑って映画を見ている姿が、オーストラリアでもニュースになって流れた。
ホーキングの宇宙論は、従来の時空理論を否定した全く新しい宇宙の考え方だった。この映画の原題は、「THE THEORY OF EVERYTHING」。直訳するとすべてを説明する定理、万物の法則を言う。宇宙の始まりのことだ。それが邦題になると、「博士と彼女のセオリー」というよく意味のとれない題になっている。博士とジェーンの二人の間にセオリーなどない。映画の内容のそぐわないので、そのまま原題を当てた方が良かった。
他にも「BOOK THIEF」(本泥棒)という名作映画を、邦題は「優しい本泥棒」、、、優しくて泥棒ができるか、どうかよくわからない。「ミケランジェロプロジェクト」も、原題は「MONUMENT MEN」。ナチスが奪った2万点の美術品を奪い返すために戦場に送られた男たちは、モニュメントマンと呼ばれていたのであって、奪われた美術品のなかに、ミケランジェロの作品もあったに過ぎない。ミケランジェロプロジェクトという造語は、映画の中でも一度も出てこない。「12YEARS SLAVE」という映画も、12年間奴隷にされた男の体験記で、「それでも夜は開ける」という邦題をつけてしまったら、映画を見る前からタイトルによってハッピーエンドが予想されて、見る人の想像力を削いでしまう。150年前にこれを書いた人に失礼だ。どうして奇妙な邦題をつけるのか、映画の題名は内容と切っても切れない関係にある。内容を損なうような邦題は避けてほしい。ここでは「博士と彼女のセオリー」が何なのかは、この映画を見る前も見た後も皆目わからない。
映画では、ホーキングとジェーンの25年間の結婚生活の甘さと苦さがよく描かれている。ホーキングの宇宙論からすると当然「万物を創造した神」は存在しない。その理論をよく理解していたジェーンが、教会に心の救いを求めたのは、夫の日常の世話が一手に妻にかかっている重すぎる責任とストレスゆえだったと思うし、敬虔なカトリックの家庭で生まれ育った彼女のバックグラウンドにあったと思う。フェリシテイ ジョーンズはジェーンの役をとてもよく演じている。きつい顔が真に迫っている。
それにしてもエデイ レッドメインの演技が秀逸だ。アカデミー主演男優賞受賞に納得。イギリス映画の良さが詰まったような良質の映画。見る価値はある。
普通のおもしろさ
最後まで飽きない、テンポの良いストーリーだった。
ただ、"エディレッドメインがアカデミー賞を受賞した"ってのが大きくイメージとしてあるからか、ちょっと期待はずれ感はあったかな〜
ほかのノミネートされた俳優、作品を見ていないから比較はできないけど。アカデミー賞の判定も納得できるようなものとは限らないけど。
映像美と二人の主役
実在の人物なので、人情と利己では利己に傾く。
主役二人の演技がずば抜けていた。ジョナサンだって悪くはないのに、隣にいる二人が凄すぎた。
重要なシーンの美しさがいい。
ジェーンの髪型が変わるので、時の変化がわかりやすい。
画面がいつもきれいだった。
演技力...
エディレッドメインの演技には本当に魅力された。さすが主演賞を取った程だ。
クリスティージョーンズは自分の好の人なので見ていてすごく幸せだった。
しかしこの映画でこれだけ語るのはおかしい、やはりALSや難病を患った人の看病はとてもじゃないが想像を絶するだろう。そこでのストレスなどの発散方法として、他の人との恋。それにはいろいろな意見があると思うが、個人的には賛成だ。何も全てのことを我慢する必要はないと思う。
後一つ思ったことは、この映画の予告編は星5つだ。
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