KAFKA/迷宮の悪夢
解説
第1次大戦後のプラハ。「変身」を執筆中のカフカが同僚の謎の死の真相を追い、迷宮のような城に潜入する。そこにはムルナウ博士の恐怖の実験室があった……。官僚制機構の恐怖をテーマにしたSFスリラー。街を迷宮のようにとらえたカメラが秀逸である。
1991年製作/99分/アメリカ
原題:Kafka
スタッフ・キャスト
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2019年4月14日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
白黒作品にすることによって、すごく重量感があった。反政府組織のアジテートもよくわからないまま徐々に引きこまれるが・・・
警察、城、勤務先にいる手先など、カフカ自身の頭の中か現実なのかが把握しづらくなる。革命を信じる反政府の爆弾グループに真実はあるのだが、彼が独自に動くにつれ訳がわからなくなるのだ。コミカルなキャラのおかげですっかり騙され、そう思ってるうちに突然カラー映像になる。ゴシックホラーかと思っていたのに・・・びっくり。
マッド・サイエンティストであるムルナウ博士(イアン・ホルム)が脱個性の実験を繰り返し、世の中を画一化しようとしているのだが、脳みそをいじくりまわすシーンがグロかった。近代化された実験の城だけをカラーにしたことによって、カフカの妄想の本質が見え隠れするのだが、博士の意図もはっきりしないことから、やはり妄想の世界という枠を超えられないでいる。警察はどこまで絡んでいたのかわからないが、現実世界への諦めのような厭世観がずしりと後味を悪くさせる。