セッションのレビュー・感想・評価
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狂気の潰し合い
これほどまでに高エネルギーで興奮する愛憎劇を初めて観た。
ジャズドラマーとして一流になることを目指すニーマンと一流育成に手段を選ばない鬼スパルタ教師フレッチャーの強烈な絆を描いた本作。
若きジャズドラマーにマイルズテラー、信じられない程のスパルタぶりを発揮する伝説の鬼教師にJ.Kシモンズを据え、激しい魂のぶつかり合いが繰り広げられていた。
ストーリーが進むにつれ、フレッチャーの狂気がニーマンにも乗り移り、文字通り音楽に魂を売った2人のやり取りは目が離せなかった。
この映画最大の見せ場であるラストのセッションシーンでは2人だけにしか分からない激しい憎しみ、激しい愛が爆発的に行き交い他者を介在させない圧倒的な空気感を築き上げていた。この2人の壮絶な潰し合いは演奏と共にヒートアップしていく。血と汗が飛び交う魂の演奏が終わった時、信じられない程が心拍数が上がっていた。
導入部のジャズのリズムと街の煌めきが呼応する映像には魅せられたが、狂気的指導にリアリティ感じられず
デイミアン・チャゼル監督による2014年製作の米国映画。原題はWhiplash(むち打ち)。
導入部のジャズのリズムと街の煌めきが呼応する映像には、魅せられた。しかし第87回アカデミー助演男優賞 受賞も、J・Kシモンズによる狂気的指導にはあまりリアリティを感じず。ジャズ界には無知ながら、自由で独創的なアドリブを評価するジャズの精神に反しており、一流校教師にあれはありえないだろうと。
ただ、ジャズ/音楽の映画ではなく、主人公と自分を追い込んだ教師との対決の映画と見ると、米国映画の伝統を踏まえた、なかなか良くできた映画とは思えた。一回は教師の策略(自分だけ知らない曲目をふられた)打ちのめされていたが、気持ちを何とか立て直し強引に得意曲演奏に持ち込んで持っている全て、死力を尽くし、老練な教師を感心させ、若者が勝利を得る。
ただ、映画のつくりから致し方ないのだが、主人公のドラムソロ演奏シーンに全く感動出来なかった。このソロが素晴らしかったら感動出来たのだが。後、取り上げられたジャズ曲が、自分の好みのものではなかったということもマイナス要因。もしピアノが素晴らしい曲だったら、多分評価は変わったと思う。期待が大きかったこともあるが、かなりガッカリとした。
製作はジェイソン・ブラム、ヘレン・エスタブルック、ミシェル・リトバク、デビッド・ランカスター、製作総指揮はジェイソン・ライトマン、ゲイリー・マイケル・ウォルターズ、 クーパー・サミュエルソン、ジャネット・ブリル。
脚本はデイミアン・チャゼル、撮影はシャロン・メール、編集はトム・クロス、音楽はジャスティン・ハーウィッツ。
出演はマイルズ・テラー(トップガン マーヴェリック等)、J・K・シモンズ、メリッサ・ブノワ、ポール・ライザー、オースティン・ストウェル、ネイト・ラング。
醜い人間性が見え隠れ。
この映画、賛否両論あるのは聞いてたのですが、
なるほどこれはなかなか…!
この映画は一見、音楽映画に思えますが恐らくそこに期待して観てしまうと評価は下がる一方でしょう。
たしかに、ドラムや他の楽器の演奏は素晴らしかったですが、伝えたいのはそこではなく、他の方のレビューでも書いてありましたが、主人公と講師の強烈な承認欲求ですね。
現実世界であんなにオレオレな生き方してたら周りから孤立しちゃうから、みんな空気を読みながら上手く自我を抑えて生きているけれど、
そんなこと気にせず己の考え、価値観を貫いたら…ある意味純粋にそんな生き方をする人間の衝突と人間性を浮き彫りにしたストーリーだったなと思いました。
自信なさげな主人公が鬼教官から声をかけられた途端に自信がついたのか、映画館の受付の子をデートに誘い、
それなのにちょっと上手くいかなくなったら、その子もきっと自分に迷惑をかけてドラムの練習の邪魔をしてくるだろうと、勝手な考え方で相手を侮辱して一方的な別れ話。
そんで、色々あってドラム辞めて、被害者側になった途端にその彼女に連絡するとか、その自分勝手さは鬼教官とおんなじ。
結局、もう新しい彼氏がいたからフラれるし…
鬼教官のキャラクターが強烈過ぎるから、主人公が可哀想に見えがちだけど、人間性はもともと良くない気がします。
鬼教官も最後の最後にやはり、思った通りの人間性だったわけで、結局は似たもの同士だったてことですねー
音楽のことはよく分からないけれど、音楽もスポーツも他の何でも、やっぱり楽しんでやることが大切だなと思えた映画でした。笑
狂気を纏った者同士のセッション
4年ほど前に1度動画配信サービスで視聴しましたが、久しぶりに再度視聴しました。
最初見た時も鬼気迫るシーンで圧倒されましたが、再度見てもやはり圧巻ですね。時間は107分と少し短い感もありますが、それにしても鑑賞中はずっと映画に引き込まれるため、いつの間にか映画が終わった、という感覚です。ほとんど息をつく瞬間がないですね、素晴らしいです。
主人公の心折れなさというか、絶対に認められてやるという気持ちは、純粋な気持ちというより、鬱屈した意地とでも言えるもので、自分で自分の視野を狭めていき、どんどんと追い込まれていく。
追い込んでいる張本人の教授は、あくまで彼なりの音楽への真摯さがあるわけですが、指導方法は現代ではどう考えてもハラスメント。指導では人格を否定するような発言をし、その他の場面では甘い言葉を使う、というあのコミュニケーションの取り方はDV男の手口そのものですね笑。
フェスを主人公に復讐するための場として利用する教授の意地の悪さも異常ですが、その場で反逆する主人公も異常ですね。教授の思い描く育成像とは違ったのでしょうが、主人公をそう成長させたのも教授そのものです。また主人公があの場でステージに戻れたのは、チャーリー・パーカーの話もあったからだと思いますが、2人とも似たもの同士なんですよね。
ジャズに魅せられた2人の狂気がセッションする様は、ジャズという音楽そのものが持つ心や魂をセッションさせるという行為に見えました。
主人公は次のチャーリー・パーカーになれたのでしょうか。
狂気の鬼指導と音楽にかける執念、その中にあるものは…
ジャズといえば心地よい音楽のはず。なのですが、その対極にあるような狂気のスパルタ教師。そのギャップにひかれてしまいます。映像も美しいです。でもそこに飛び込んでくるのは、ちょっとテンポが違うだけで怒号や罵詈雑言を浴びせ、椅子を投げるわ、平手打ちするわでめちゃくちゃな鬼指導者、フレッチャーです。その怪演をする俳優のJ・K・シモンズに引き込まれます。
鬼指導に答えるべく、血のにじむ努力をするのが主人公の音楽院に通うアンドリューです。アンドリューと指導者のフレッチャーは対立する関係になりますが、二人とも狂気の執念でジャズ音楽を追及していて、上を目指すには「厳しさ」は必要なのだなと考えたりもしました。ただ、映画の内容を現実でやったら問題にはなるので、執念、厳しさだけを見てます。
物語の中に入った視点で見ると、鬼指導に戦慄を覚え、途中いい気分はしません。自分なら、音楽に限らずあんな厳しいのムリ!って思ってしまいます。
しかし最後のほうで、二人ともジャズ音楽を究極までに愛しているのだなと感じ、その展開に「いい終わり方だな」と引き込まれました。
狂気
見てて怖かったです。
認められたくて、めっちゃ練習して、事故っても舞台へ向かって…。
事故で亡くなったって言ってた教え子は、実は自殺でって。指導者の追い詰め方も凄くて、しんどくなりました。それでも食らいつこうとする人が大きくなるんだろうな。
すごいもの観た
なんの前知識もなく観始め、止まらなくなった。
すごいわ〜
よくわからないが、サンダンス賞からのアカデミー賞って多いのかな。CODAみたいに。サンダンスで絶賛されるって。
まさに血が滲む…どころか流れる努力。
ここまでやらないといけないものなのか?
楽しければいいじゃん的な考えは邪道ですかね。
演奏できたらカッコいい。楽しいそう。そんな呑気な思いで音楽やっちゃダメなの?
他のバンドメンバーも、ドン引きせずに食らいついていく。音楽ってそんな世界なのか?
フレッチャー鬼軍曹はめちゃくちゃだけど、緩急の演技が絶妙に上手い。
ころっと騙されるのも無理はない。
街の?ジャズセッションで見せた顔も偽物なんだろうか。
最後の10分くらいは何度でも観たくなるかも。
カメラワークもすごくて。
フレッチャーとアンドリューを行ったり来たりするカメラワークが最高である。
指導者とは、、?
ラストがなければ、さらに胸くそ悪い気分だったと思う。彼は、憧れる天才を探し求めて、沢山の若い芽を摘んでしまったことにはきがつかないだろうな。
上手とか、天才とか、それだけでは指導者になれないと思った。
過酷な環境におかれないと天才が生まれない訳ではないと思いたい。天才じゃないからわからんけど。
主人公のその後はどうなるのか?良き演奏家、指導者になれるのか?気になる。
執念
狂気と狂気の衝突、その先に生まれるもの
当時劇場で見た時も、劇中の狂うほどに音楽を追い求める姿に、なぜか笑いながら鑑賞し、なぜか涙が出た。
改めて見直してみても、やはり同じ感覚を覚えた。
可笑しかったのではない。
主人公たちの必死に生きる様に、
引き込まれ、圧倒されたからだ。
自分の想像や、経験、記憶をはるかに越えたものに出会う時、人は笑うしかないのかもしれない。
あなたは、誰かをどれだけ傷つけても良いから、
最高の瞬間を作り上げたいと思ったことはありますか?
自分の身体が今この瞬間に朽ち果てても良いから、
出せるものを全て出し切るのだと、思ったことはありますか?
言葉で読む限りでは共感できる人もいるかもしれない。
けれど、きっと貴方の想像をはるかに超えたレベルで、
この映画の主人公たちは、命を削り、心を削り、その先にある奇跡の瞬間を見ようとしている。
彼らの狂気と狂気がぶつかった先で生まれる、
これまた常軌を逸した"セッション"を見て、
あなたは涙するかもしれない。
震えるかもしれない。
笑うかもしれない。
私は、その全てを味わった。
今後この映画を見るあなたがどう感じるだろう?
とても楽しみだ。
鍔迫り合いのような二人の芝居
笑顔で観れないいい音楽
あの音楽教師が主人公の道を広げた事も、陰湿な事したのも、過去に鬱病にして人殺してるのも行っていて、一言で悪者って出来ないからちょっと難しくなっちゃいましたね。でも、実際はそういう人ばっかりだからなんかリアルで結構好きだったなー。
まー結局この映画が伝えたかった事はなんなんだろ?そこはよくわからんけど、もっとずば抜けてハッピーエンドがやっぱ観たかったかなーと。こういう音楽映画は特に
べつにジャズの素晴らしさとかセッションの楽しさとかを伝えるのではなく、偉大になりたかったからこの位やらなきゃダメだぞ!みたいな事しか言ってなくて、今時の感じじゃないよねw
そんな事しなくても成れるってもうわかってるから、今観てもちょっとズレてる感はあるかもね。
なーんかもっとにこにこしながら観たかったー!!ってめっちゃ思った作品だった
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