ナショナル・ギャラリー 英国の至宝

劇場公開日:

ナショナル・ギャラリー 英国の至宝

解説・あらすじ

「パリ・オペラ座のすべて」などで知られるドキュメンタリー映画の巨匠フレデリック・ワイズマンが、ロンドンのトラファルガー広場にある世界最高峰の美術館ナショナル・ギャラリーの秘密に迫った一作。ダ・ビンチ、モネ、ゴッホ、ミケランジェロなど西洋美術屈指の名作がそろう同美術館で、3カ月にわたって取材を敢行。英国ロイヤルバレエ団と絵画のコラボレーションや、専門家による工夫を凝らしたギャラリートーク、斬新なアイデアに満ちたワークショップなど、来館者の知的好奇心を満たす様々なプログラムをはじめ、美術品を展示するまでの過程や高度な技術を駆使した修復作業、X線分析によって名画の下から別の絵が浮かびあがってくる様子など舞台裏も映し出し、同美術館が190年以上にわたって人々から愛され続ける理由を紐解いていく。

2014年製作/181分/フランス・アメリカ合作
原題または英題:National Gallery
配給:セテラ・インターナショナル
劇場公開日:2015年1月17日

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映画レビュー

5.0修復師は「後世まで残る絶対的な修復は行わないのだ」と知ったことの驚き

2025年4月28日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

ここのところ
「市庁舎」や「図書館」や「美術館」」を、つまりその箱物自体を主人公に取り上げたドキュメンタリー映画が目白押しだ。

たっぷりの尺を取って、どうせ興行的に成功させるよりも文化財の映像記録として、箱物と収蔵物、そしてそこに働くスタッフの人知と歴史を、後世に残すための「アーカイブ映画」なのだと思う。

他作「サルヴァドールムンディは誰の手に」でレオナルド・ダ・ヴィンチの新発見の一枚を、真贋論争の中で決断し展示を敢行した大英博物館。

以下、館員の生き生きした表情がドキュメントされる。
たとえば ―
◆そのサルヴァドール・ムンディが見える展示室でのシーン。学芸員がダ・ビンチ展を企画した結果「ひとりの画家の作品を一堂に集める事で生まれる意味」を語る。
作品同士が互いに語り合いを始める驚きについて学芸員は高揚して語るのだ。

◆また、別のスタッフからは光と漆黒の画家ルーベンスを題材に「絵が描かれた『その場所』を突き止め、キャンバスに差していた光線の向きを調べて、当時の自然光の元にこの絵を戻すという絵の見方」、そしてそれを無視しない展示の工夫についても極意が聞ける。

◆ベラスケスの修復師は
何か月にもわたる洗浄のあとで、新しいワニスを塗った上で、その上に修復の絵筆を入れるのだと説明する。つまり将来の修復のためには大英博物館は15分で落としてしまえる加筆をすることによって、原作をいじってしまう絶対的な修復作為は行わないという驚くべき姿勢を説く。

もちろん館長も、オフィスに座っているお飾りの=天下りの役人ではなく「プッサンの彫刻的画法」について絵の前で観客に解説をする。

優秀な館長、運営、評議員会、学芸員、キュレーター、企画、照明の研究家、修復師・・
これらの人々がどれだけの熱意をもって美術館全体の運営に関わっているのか、
そこが見どころなのだ。
美術館は生き物なのだと分かるのだ。

ドラマとは違うので、鑑賞者側も1シーンずつ止めながら、メモを取りながら、時間をかけて見ることが出来て、そこが嬉しい。
映画館ではキツイでしょうね、僕はDVDで、10回くらいに分けて観ました。

・ ・

大英博物館にはまだ行けていない。

世界は広い。
大英帝国がやらかした植民地時代や戦時の交戦国からの略奪品の宝庫である事実も知っているが、
(申し訳ないけれど) ああやって収蔵品を一箇所にまとめてくれていると、観光客の自分としてはホントに有り難いと思ってしまう。

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きりん

英国のプライド

2024年12月8日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 200年以上の歴史を誇るイギリスの美術館・ナショナルギャラリーを捉えたドキュメンタリー作品です。British Gallery ではなく、National Gallery と名乗っている所に英国のプライドを感じますよね。僕は、美術的な素養など全くないので、収蔵品の様々な絵画を紹介する様な作品だったら退屈しそうだなぁ と心配したのですが、いやいや、監督が追っているのは絵画よりもむしろここで働く人々でした。

 登場する学芸員一人一人が、 まあ、究極のオタクの様な人ばかりなのです。絵の事を語り出したら止まらず、また、言葉の端々に英国人らしい高いプライドが感じられ、それぞれの個性が面白かったです。でも、同じ様に絵の事を語っても面白い話の人も退屈な話の人も居て、自分の感動を伝える事の難しさを思わぬ所で感じてしまいました。

 展示会の準備や片づけ、神経を使う修復作業やそれに関する最新技術の紹介も興味深かったです。ちなみに、僕自身はナショナル・ギャラリーよりは大英自然史博物館に一度は行って1週間くらい通いたいです。

 2015/06/18 劇場鑑賞

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La Strada

5.0完璧なプロモーション映画でした。

2024年8月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

とにかく絵を見せてくれた。
学芸員が一枚ずつ、歴史的、芸術的、科学的、資料的、修復方法など様々な観点からみなさましゃべるしゃべる。
5分ほどのエピソードの嵐。
すっごく面白くてひとつも見逃せない3時間。
もう脳みそパンパンですよ。

最後の方は「あと何枚ですか?」と聞きたくなった。
おしり痛かった。

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ぞうみゃお

3.0絵画の見方

2020年8月3日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

宗教画とかそこらへんの時代の絵画が多くて、あんまり興味ないかもななんて思ってたのが逆に、見るポイントや気の持ちようを教えてもらったおかげで、次からはこういう絵も想像力膨らませて面白く見られそう。

キャンペーン運営や資金の話だとか、鑑賞者側が知り得ないようなミーティングまでチラ見できて、見せる側の意図と見る側の意思のギャップを埋めるってのも大変そうです。

ちょっと長かったので、家で流し見で丁度良かった。

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chibirock