雪の轍

劇場公開日:

雪の轍

解説

トルコの巨匠ヌリ・ビルゲ・ジェイランが、2014年・第67回カンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールを受賞した重厚な人間ドラマ。監督は「昔々、アナトリアで」「スリー・モンキーズ」など過去作でもカンヌ映画祭で受賞を果たしているが、日本での劇場公開作品はこれが初となった。世界遺産カッパドキアの荘厳な景色をバックに、洞窟ホテルを営む夫婦とその妹が繰り広げる愛憎や、ある一家との確執を描く。カッパドキアのホテル・オセロを経営する元舞台俳優の裕福な男アイドゥンは、若く美しい妻や出戻りの妹と平穏な暮らしを送っていた。しかし、冬の訪れと共にホテルが雪に閉ざされていくにつれ、それぞれが秘めていた思いが浮かび上がっていく。また、アイドゥンは家賃を滞納する一家との関係にも頭を悩ませていた。主人公アイドゥン役に、「ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋」のハルク・ビルギナー。

2014年製作/196分/トルコ・フランス・ドイツ合作
原題:Kis Uykusu
配給:ビターズ・エンド

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第67回 カンヌ国際映画祭(2014年)

受賞

コンペティション部門
パルムドール ヌリ・ビルゲ・ジェイラン

出品

コンペティション部門
出品作品 ヌリ・ビルゲ・ジェイラン
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(C)2014 Zeyno Film Memento Films Production Bredok Film Production Arte France Cinema NBC Film

映画レビュー

3.5今は分からないものは、分からないままでいい。

2022年3月4日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

個人評価:3.7
良心、偽善、悪意。人間しか持ち得ない感情が交差し絡み合い、もつれていく。
パルムドールの本作は高尚すぎて、私には上手くテーマの輪郭を捉えられない。
ただ、分からないものは分からないままでいい。誰かの言葉だ。いつかわかる時がきて、ふとこの映画を思い出す。そういった作品だ。

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カメ

4.0老境に入る夫婦の何という饒舌。互いに自分の論理を主張して一歩も引かない。

2022年2月17日
iPhoneアプリから投稿

笑える

悲しい

怖い

物も言いたくないほど冷え込んだ夫婦なら、互いに無口になってしまうものだろうが、老境に入る男と女の何という饒舌。互いに自分の論理を主張して一歩も引かない。

「自己満足の駄文書き」と罵られた洞窟ホテルの主人と、暇を持て余し「やることもないのか、趣味の一つも持てよ」とばかにされる妻が丁々発止の大激論。書きたくても書けないパソコン前の夫と、すぐ近くのソファーに寝そべって悪態を吐く妻。ものを投げたり、こわしたり、挙げ句の果てに殴ったりはしないところが凄いのだ。

国民性というより無口の裏返しを描くとこうなる、と受け止めたい。「本当はこう言いたいんだ」と。そして葛藤は夫婦間にとどまらないのだ。なにか身につまされる話で切なくなる話ではある。

67回カンヌ国際パルム・ドール大賞・国際映画批評家連盟賞

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ezu

3.0トルコ、カッパドキアの街並みがとても印象的でした。 原題は「冬眠」...

2020年6月26日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

トルコ、カッパドキアの街並みがとても印象的でした。

原題は「冬眠」という意味らしいですが、邦題「雪の轍」を見て思ったこと。
人間関係で折り合いが見出せないことを表す際に「平行線」という言い方をします。
ただ、平行線は近づきはしないけど遠ざかりもしません。
つまり、適度にいい間隔を保ち続ける、という一面もあるのではないかなと思ったのです。
主人公アイドゥンとその妻ニハルもそんな感じに受け取りました。
適度な距離感を持って結婚生活を送っていた二人が、
劇中に対立し別居になりかけるも、
最後には元の距離感に戻るという、
そんな物語を平行線を想起する「轍」という言葉で表したのではないかと
思ったのでした。

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nopasanada

3.0同居するなら愛をくれ

2020年4月25日
Androidアプリから投稿

トルコの名勝地カッパドキアでホテル業を営むアイドゥン。実務はヒダーエットに任せ、現在は無名地方紙へ投稿をしている物書きで、その昔舞台俳優をしていたアイドゥンには歳の離れた美人奥様ニハルがいる。父の莫大な遺産を相続して悠々自適の生活を送っているアイドゥンだが、慈善事業にはまっているニハルとは半別居状態、離婚してホテル兼自宅に出戻ってきた妹ネジルとも口論が絶えない…

原題は『Winter Sleep(冬眠)』。チェーホフの『妻』という短編にヒントを得てジェイランが撮った作品らしいが、内容はドストエフスキーの『罪と罰』をかなり意識したストーリーになっている。いわゆる金持ち側の視点から、金を持っている者の罪とは一体何なのかを問うた一風変わった作品だ。このアイドゥン、金への執着はどちらかというと希薄、匿名で大金を寄付している慈善家でもある。にもかかわらず、妹のネジルからは“悪に抗わない”生き方をしろとか、愛妻ニハルからも高潔ゆえに人の良心をふみにじるところがあなたの罪よ、と終始からまれっぱなし。

『罪と罰』の老婆のように高利貸しをしているわけでもなく、名もなき地方紙へ半分趣味で寄稿をしているだけで、報酬や名声を求めているわけでもない。時々宿泊客と他愛ない世間話をして息抜きすることのどこが悪いというのか。家を貸している導師の甥っ子からは車に投石され、その子供を家まで送っていけば家賃を滞納している父親には逆ギレされる。投石のことを謝りにきた導師と甥っ子にどうしてもとキスをせがまれその手を差し出せば子供が気絶。寄稿内容のことで口論となった妹はふてくされて呼んでも部屋から出てこようとしない。おいおい良心と倫理は世の中からなくなっちまったのか。いったい俺が何をしたっていうんだ。アイドゥンが怒るのも無理はない。

世間知らずのニハルはニハルで夫の前で気絶した子供の見舞にいき大金を渡そうとするが、良心の呵責にたえきれなくなった優しい金持奥様の慈悲にすがるほどこちとら落ちぶれちゃいませんぜと、子供の父親にまたまた逆ギレされてしまう。爆発寸前のニハルと距離をおくためイスタンブールへの旅立ちを決めたアイドゥンだったが、友人宅の農家に立ち寄り、ニハルの慈善事業を手伝う教師と口論となる。良心とは強者を黙らせるために編み出された臆病者の言葉だと教師に指摘を受けたアイドゥンは、朝令暮改ですぐに無為に生きるようになるさと全く取り合わない。

結局同じ狢であったニハルが住むホテルに舞い戻り、雪の降るカッパドキアの“穴”に引きこもり執筆に没頭するアイドゥンだったが、もしかしたら弱きもの、小さきものへむける眼差しに多少の変化が生じたのかもしれない。しかし、どんな施しをしようが、施しを受ける側に持てる者へのルサンチマンがある以上、あらぬ誤解が生じるのはいかんともしがたい気がするのだ。なぜ金持ちだけがサクリファイス的生き方を求められなければならないのだろうか。私に言わせればそれはまったくの本末転倒、人を信じていない人間だからこそアイドゥンは金持ちになれたのである。金を持っていること自体は罪でもなんでもない、人間を信じられないこと、それがアイドゥンいや人類全体の罪だとすれば、何をしてあげようと人から信じてもらえないこと、それが罰なのである。

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かなり悪いオヤジ
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