青の光線
劇場公開日:2014年6月28日
解説
「舟を編む」や「あぜ道のダンディ」など石井裕也監督作に多く出演する若手俳優であり、「ニュータウンの青春」などで映画監督としても活動している森岡龍と、「ねこにみかん」「ぼくたちの家族」「ドライブイン蒲生」と話題作への出演が相次ぐ黒川芽以が主演し、都会の片隅でもがき傷つきながらも生きる男女の姿を描いたドラマ。息子を亡くして傷ついた母親と暮らすサンジと、引きこもりの妹と暮らす陽子。それぞれ逃れられない家族のしがらみの中で生きてきた2人は、ある日、偶然知り合う。その出会いは最悪なものだったが、徐々に未来への希望が見え始めた2人。しかし、そんな2人の思いをよそに、運命の歯車は狂い始めて……。学生時代から映像制作に携わり、オンライン短編映画祭CON-CANムービーフェスティバルでも受賞経験のある西原孝至の初長編監督作。
2011年製作/70分/日本
配給:エネサイ
スタッフ・キャスト
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幾度となく見た匿名的な物語が必然性のない長回しで80分に引き延ばされた映画だった。在日、売春、非行、家庭不和といった諸問題はオブジェクトのように画面上に淡々と配置されているばかりで登場人物たちの内面と結びついていない。
自然さを狙ったのか凡庸さからの逸脱を図ったのかは定かではないが、辛辣な語彙が飛び交う会話はかえってアンリアルで気まずい上滑りを起こしていた。だいたいクズにクズと言ってみたところで表層的な事実確認にしかならないわけで、そんなことで関係性に進退は生じない。イコールで結ばれた二つの変数が同じ値を永遠に交換し合っているようなものだ。
ただ、夜の橋の上で二人が小競り合うシーンはよかった。サンジに罵詈雑言をぶつけているとき、陽子の表情は橋の陰に隠れている。しかしサンジが「じゃあ俺死ぬわ」と言うと、明らかに押し黙り、動揺を滲ませた陽子の表情が電灯の下に析出する。ここで初めて両者は真の意味で邂逅を遂げ、サンジは麻薬ブローカーから足を洗うことを決意する。
とはいえサンジが辿る顛末には何の面白みも深みもない。ガラにもなく花屋で花束を購入した瞬間に彼の末路はだいたい予想がつく。許されざる罪を背負った人間が何かとの出会いを経て更生へ向かう物語というのは『ゴッドファーザー』だろうが『仁義なき戦い』だろうが最終的には報われないというのが常道であり倫理であり、したがってサンジが死ぬという結末自体を否定する気はない。ただ、あんまりにも殺し方がステレオタイプすぎるものだから何も感じない。社会に対する個の矮小さみたいな地点を狙っているにしてもヒリついた感じが不足している。映画史のお作法に則ってとりあえず撮った感が否めない。その凡庸さを誤魔化すように挿入される風景カットにもうんざりする。こんなやり口でお茶を濁すくらいなら初めからサンジを殺すべきではないだろ、と思った。
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ビッチJDと半グレニートの話。
ヤクの売人の使い走りみたいなので生活してる在日のサンジ。ティッシュ配りのバイトの女を客と勘違いしてドラッグを渡してしまう。売人の元締めに怒られて、取り返しにいくと「なんかキモいから捨てた。」と。
そんな出会いだが、二人ともクソみたいな性格してるので意気投合し、仲良くなる。
女の子可愛いのに口悪くてびっくり。
サンジは自分の生き方に迷いがあって、女好きになって別の生き方をしようみたいに思いはじめる。
待ち合わせして向かう途中で死ぬという、なんかこういうの沢山観たんだよなぁという終わり方をする。
2014年7月2日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
テーマがはっきりしない。故に物語に深みがない。軸がしっかりしていない。
現在進行形のモヤモヤした空気感を切り取りたかったのかな、とは思うのだけれど。