紙の月のレビュー・感想・評価
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力強さを感じた
最初は冴えない主婦から欲望のまま、本能のまま行動していく主人公に力強さを感じた。
そして正しく生きる小林聡美演じる隅と宮沢りえ演じる梅澤では、本当にどちらが幸福か、生を全うしてるのか、問われていました。ふたりの演技は素晴らしかったです。
最初から最後まで観って胸をザワつかせる作品でした。
さすが、愛されてますね、わかりやすく。
映画「紙の月」(吉田大八監督)から。
ストリー的には、宮沢りえさん演じる銀行員が、
ちょっしたことから、預かったお金に手を付けて、
どんどん泥沼にはまっていく展開であり、
目新しいものはない気がした。
よくありがちな事件として、時々新聞紙上で目にする
横領のドキュメンタリー映画のようだった。
そんな中、「気になる一言」に選んだのは、
男性から女性への愛の表現方法である贈り物。
主人公の妻が、夫からのプレゼントである、
高級腕時計をしている様子を、若い女性が冷やかす。
「さすが、愛されてますね、わかりやすく」
このちょっぴり皮肉めいた台詞が、面白い。
高級な贈り物をもらうってことは、愛されている証拠、
あなたは、そう思っているだろうけれど、
意外と愛されていないかもよ、という意味が、
どこかに引っかかっていて、物語もそれを証明していく。
「仮面夫婦」とまでは言わないけれど、
幸せの夫婦を装っている、とでも言いたげな台詞は、
口にした本人が上司と不倫しているからこそ、
インパクトがあったのかもしれない。
「私も愛されてますよ、わかりやすくないけど」
そんな意味が隠されていると思うと可笑しかった。
「紙の月」を観て・・
直木賞作家の角田光代の同名小説が原作。小説も読んだ。映画では宮沢りえの主演だが、予想以上によく演じていて良かった。時代背景はバブル崩壊直後。銀行の契約社員の梨花は夫とのスレ違いから年下の大学生・光太と付き合い出す。そして光太の為に買い物をしたり、ホテルのスイート・ルームで過ごしたりしているうちに、銀行の顧客のお金を使い込むように・・結局、使い込みはバレ、梨花は光太と別れてタイのバンコクに逃亡する。国境を警備する兵士に捕まるのか・・
2014年、宮沢りえは日本アカデミー賞を受賞
宮沢りえ好きの人が作った映画という印象。でも小林聡美の方が綺麗にみ...
宮沢りえ好きの人が作った映画という印象。でも小林聡美の方が綺麗にみえたのはなんでだろ。キャラクターが薄いのかな。
前半の無駄なラブシーンがきつい映画でしたが、後半の追い詰められていくところは面白かった。
ヒロインが生き生きとしているピカレスク・ロマン
映画を観る前は、男に貢ぐ女銀行員の話かと思っていたが、結果的にはそうとも言えるが、実はそうではないと思う。女が殻から出て、輝いて行く話だった。貢ぐこと自体が目的ではなく、旦那に気兼ねなく、思いっきり制限なく使いたかったのだと思う。原作とは描き方も、登場人物も、エンディングも違うそうだが、そこが新しいし、魅力を感じた。男に尽くすのではなく、人間として自分らしく生きるということ。やり方は間違っていたかもしれないが、自分に足かせをはめずに、自由に生きようとしたのだと思う。現実にはそれは絶対無理なので、ヒロインを羨ましがっているもう一人の自分がいた。宮沢りえの演技が評判だったが、最初はおどおどしていた彼女が、最後は吹っ切れたような美しさをみせていて、きれいだった。
「崩壊」、「壊れる」そんな言葉出てこないのに崩れていくのがしっかり...
「崩壊」、「壊れる」そんな言葉出てこないのに崩れていくのがしっかりと伝わってきた。
どこがどう面白かったかって言われても答えれないけど、おもしろかったな。
こわーい
この映画は何と言っても人のちょっとした出来心というか、隙に漬け込む映画。
この主人公の引き金は買い物をして、少しお金を借りるところからだろう。
金融関係の人は見ないほうが良い。
てゆーか旦那。あの旦那最悪。
時計のシーンは本当に嫌気がさしました。
更に海外赴任が決まったシーンや、クレジットカードを作って良い悪いのシーンも。
既にクレジットカードを持っていたら、彼女に免疫が出来てたはず。
大島優子の存在も引き金であったはず。
恐ろしいなぁ…思わず投影させてしまった。
やっと観られた!!
若い男との不倫資金を捻出するため、勤務先の銀行で横領を繰り返した挙句に窓ガラスをぶち破って国外逃走した梅沢梨花の転落を描いた作品。
梅沢のやっていることはどれもアホなんだけど、共感できるところも多くて、堕ちていく彼女の姿に自分のことのように心が痛んだ。
わかるよぉ、わかるよぉ、その危うさ。
「最初は・・・ちょっとした出来心だったんです(モザイク声)」っていうやつだよね、所謂。
普通の日常から瞬く間に転げ落ちていく「誰にでも起こりうる感」が、「坂」と、生活感の象徴である「ママチャリ」から伝わってきた。
梅沢が書類をガッと掴んで受付を横切るシーンのスローモーションと、自転車で下り坂を疾走するシーンでかかるハードロック調のBGMが、アクション映画じゃないのにアクション映画のような臨場感と重厚感を演出していてすごく好き。
ストーリーも展開もわかりやすいし、やっぱり果てしなく美しい宮沢りえの表情も秀逸ですごく満足だったけど、数日前に「シンドラーのリスト」に星5つをつけたばっかりだからそれと一緒ってのもアレだという理由から、4.5個。という相対評価の闇。笑
ハラハラヒリヒリする
真面目な主婦が大胆に横領していく。
最初は他人の為だったのが、自分の為に変わって、最後は逃げる。
横領するシーンやそのお金で遊び狂うシーンにこの後の展開や旦那の出世街道が全て壊れてしまう将来を勝手に想像して、ハラハラする。
小心者には、ヒリヒリする作品だった。
ラストのみ疑問
面白かったです。
まず宮沢りえがとてもきれいでした。
ちゃんと恋してるときはきれいになってくし、気持ちが沈んでるときはおばさんにみえるのもよかった。
全体的にリアリティ溢れる展開ですごくよかったのですが、ラストは個人的には微妙でした。
逃げ切れるかあ??
原作を読んでないので
あのラストは原作通りなのか、オリジナルのものなのかは分からない。ただ、あの賛否分かれるあのラスト、僕は好きです。大賛成。
とりあえず宮沢りえ、小林聡美、池松壮亮はもちろんなんだけど大島優子良かったね。どこにでもいそうなんだけど踏み外す半歩手前にいる雰囲気を醸し出すんだけどやっぱり定番の子の演技が絶妙で。こういう役でハマるともう強いんじゃないかなとか思った。
一つだけ文句付けるとしたら、時期の違いをもう少し分かりやすくして欲しかった。
本当にそれだけ。些細な点です。
この映画のお話をするならばラストはあれで良かったのかには触れなきゃね。
あ、映画見てない人はこっからは読まない方が良いかもです。
あのラスト。要するに、主人公の女は逮捕されずに東南アジアの国へと見事逃亡してみせる。そして幼い頃の思い出と偶然再会するも警察に追われているのでまた逃げる。疾走して終わる。
確かに否の意見も分かる。「なんだ、あれだけのことをしておいて制裁せずに終わり?」「おいおい、横領を正当化するのか?」「宮沢りえが可愛いからって甘やかすな!」みたいな。笑
もちろん、この映画を学校で上映会するってなれば僕も反対しますよ。
しかも、最近ドラマでも「悪いことをした主人公は最後しっぺ返しを喰らう」展開は受けている。最近だと昼顔とかウロボロスとか。
でも、この作品はそこでありふれた「道徳的な正解」に終わることはしない。むしろそんな正解を求めてばかりの人に舌を出したかのように。「私は逃げ切る。悔しかったら年下の異性との恋に本気で溺れて道を踏み外してみろバーカ」と言わんばかりにね。そこに、力強さと勇気がある。善悪を超えた何かと一緒に。
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