白鯨との闘いのレビュー・感想・評価
全172件中、121~140件目を表示
みな、生きるために命をはる。もちろん、クジラだって。
オーウェンたちは、生きるためにクジラを捕獲してきた。白鯨も、生き残るために戦ってきた。オーウェンたちと白鯨との最後の邂逅シーンに、お互いのそんな生き様が映し出されていて痺れた。そりゃあ、あの傷だらけの白鯨の姿を見せつけられたら、銛を打ち込むことなんてできないね。
あれほど名家風を吹かせていたポラード船長が、極限の日々を乗り越えたおかげで、査問委員会(だっけ?)でかっこいい男っぷりを見せる。いい場面だった。
最後メイビルが生き残りのオッサンの家を去る時、「燃える油がでたらしいですね」的な世間話で別れるが、新しいエネルギー時代の到来をさりげなく示唆していて、かつて華やかだった捕鯨産業の終焉を暗示していた。
隠された真実とは!
この作品を見るにあたったレビューなどをチェックした。チェックしないで見たら微妙と感じてしまうだろう。邦題はいかにも人間VS白鯨といった感じ。しかしこれは間違いで本当のテーマは人間が究極に追い詰められた時生き抜くために何をするのか。と言った感じだろう。だからこの作品は原題のまま公開すべきだ。この映画は前半後半でかなりテーマが分かれる。前半は鯨との戦い。アクション強めで鯨との戦いは大迫力である。後半は漂流される中でのヒューマンドラマ。ある意味前半後半で楽しめる雰囲気が違うから一石二鳥とも取れる。そして何よりこの話が実話ということだ。確かに映画を見てみると実話を基に作ってるのがわかる。ちなみにだが鯨の捕まえ方や油の取り方もリアルに描いてて勉強にもなる。物語は時系列でいう1番新しいとこから始まり漂流され生き残った人が真実を語るところから始まる。隠された真実とはなんだったのか気になる方。そして大迫力の鯨を是非スクリーンで見るべき。邦題を気にせず見ればなかなか楽しめる作品である。
壮絶
「白鯨」の元になった話。
という設定ではあったが、当時の捕鯨ってとてつもなく原始的で、まさに戦いで一方的な狩りとは全然違ってた。
人の欲は、ホントに上限を知らない。
それに反撃する「白鯨」なのだが…恐ろしい。生物としての人間は、か弱い。
戦いにすらならない。太刀打ちできない…。
自然災害に立ち向かっていってるような、虚無感すら覚える。
その生き様に、何事も安易であるはずがないと思えた。生存競争のただ中にいるんだと。
そして、ネットの普及により世界は狭くなったと感じてたけど、まだまだ世界は広かった。水平線に囲まれた視界で味わう孤独感とはどんなものだろう?発狂する事さえ諦めそうだ。
そして壮絶なダイエットにも果敢に挑んだであろう俳優たちに拍手を!
主役の方の体型を見るだけで、過ぎた時間を想起させられた。
見事…。
執念すら感じてしまう。
「白鯨」を読んでみようかなと思えた作品。
自然の怒りを前にして、人間に為す術なし。
イイ!海洋冒険モノが好物な自分としては最高の体験でしたね。やあぁあ、イイ!イイですよ!だだっ広い海原を突っ切る一隻の船。海中を群れなして優雅に泳ぐ海豚や鯨。陽光を浴びキラキラと輝きながら波立つ水面。荒れ狂う嵐に立ち向かう乗組員達。そして、そしてです。白鯨ですよ。やっぱり白鯨ですよね。禍々しきその姿。でかさ。異形さ。
全てが壮大。まさに“壮大”という言葉がピッタリと当てはまるスケール感。海の「美しさ」やら「恐ろしさ」やら「荘厳さ」、果ては自然へ無防備に放り込まれた人間達の、極限状態により突き付けられる「命」の価値観、重さ、選択、そういったものを一括で味わえる作品となっております。ます。
ますが。が、一点ちょいとね。気になっちゃったことがありまして。これね、なんていうか、そのお……タイトル詐欺じゃないか?という。
邦題が『白鯨との闘い』となっていますが、別に白鯨と闘ってはなくないか?という。いや、んーーそれも違うのか。えーっと、闘ってはいるんですかね。ただ、全く勝負になってないというか、一方的にやられてないか?という。
自分てっきり、白鯨と人間との手に汗握る!息の詰まるほどの攻防戦!的なものを想像していたので、大いなる肩透かしを喰らいましてね。もう闘うとかどうこうするとかの話じゃなくて、白鯨のそのサイズが規格外でね、勝負もクソもないんですよ。ハナから善戦なんて望めないという。ま要するに逃亡劇なんですよね。逃亡劇。
タイトル間違ってるよなあ、と。『白鯨からの逃亡』とか、その辺りで落ち着いといてくれれば肩透かされることもなかったよなあ、と。邦画のタイトル付けって作業も色々難しいところはあるんでしょうけど。
でも、まあそれを置いといてもね、冒頭で言った通り「イイ!」映画であることには変わりないので。海洋冒険モノ、漂流モノ、ヒューマンドラマ、といった方向性で観ればこの上なく素晴らしい体験が待っていると。それは保証致します。はい。
最終的には少し納得できた
実話の映画化という事で仕方はないが前半は特に物足りなさを感じた、結局は人間の欲が招いた悲劇ではあるが後半からは極限に追い込まれた時の人間模様を通じて人間の本性、奥底にある残酷さを思いしらされ、実話映画として少し納得できた。
娯楽作よりな仕上がり。
白鯨との戦いは宣伝予告で流れている以上はほぼなし。それでもやはり大画面でみる映像は大迫力。
捕鯨船に乗ってからのボンボン船長と一等航海士のあつれきやボートで漂流してからの経過とか、鯨との闘い以外の見所があっさり重厚に描かれててさすがなロンハワード。
実話ベースだからどうにもならないけど鯨の描き方が意外に雑で残念。
原題は『In the Heart of the Sea』 単純な単...
原題は『In the Heart of the Sea』
単純な単語だからこそ、いろいろな意味が含まれている。
直訳すると「大海の奥深くで」「海の懐で」「海の中心部で」
しかし、もっと深いニュアンスがこの原題には込められているはず。
邦題は、『白鯨との闘い』 アクション映画としても訴求したくてこのタイトルにしたのだろうけれど、映画の持つ潜在力を伝えそこなっていて、誠に残念至極。
まず、終始、画面の迫力に圧倒された。白鯨を筆頭に、荒れ狂う大海原、嵐に弄ばれる帆船、いったいどうやって撮影しているのか?かなりな部分をCGで描いてはいるのだろうが、まったくその違和感が感じられない。
マサチューセッツ州にあって、19世紀当時、捕鯨の中心地だったナンタケットの街並み、鯨油市場の売買ボード、登場人物の衣装、捕鯨船等々、細部に至るまできちんと時代考証までされているのだろう、見事な再現。
そして、それらのいずれのショットも計算されつくされ、しかも荘厳でいて美しい。
リーダーとしての決断力。船長、一等航海士としての統率力。上司と部下のせめぎあい。19世紀当時における捕鯨の意義。捕鯨の方法。
一攫千金を夢見て、あるいは他に職業がみあたらないために捕鯨船に乗船した者たちが、大自然=白鯨を前になすすべなく打ち砕かれてゆく姿。
「板子一枚下は地獄」ということわざがあり、その意味は「船底の下は大海原であり、いったん港を出波任せ風任せで人の力が及ばない」という、船乗りの仕事が危険に満ちたものであることを例えているのだけど、その言葉どおりの、まさに地獄を見てしまう彼ら。
そんな人間たちに迫られる、究極の決断。
それは倫理的に正しいのか、否か。
彼らの置かれた状況からみれば、ぼくらの日常の悩みなどは取るに足らない、些細なものに思えてくる。
今の時代にも船乗りはいるわけだけれども、現代は、天気予報、レーダー、GPS、海図などが整備されている。それらのなかった時代が太古からつい100年ほど前まで続いてきたわけで、そんな長く続いた時代を永々と、数え切れないほどの船乗りが生きてきて、数多くの彼らが海の藻屑と消えていったわけで、そんなかつての船乗りたちの姿までもが偲ばれてきた。
米国では、アカデミー賞狙いで先月末に公開されたものの、ノミネートにはカスリもしなかった。わが国でも先週土曜日に公開されたが、その土日の興行成績は芳しくはなかったようだ。自分の鑑賞した劇場も、日曜日の夕刻にも関わらず定員185名で観客は数名。
このまま、見過ごされてしまうには、あまりにも惜しい。
見終わったあと、この映画の持つ重量感で身体がおおわれる。
何を伝えたかったのか?
初登場7位にランキングした当該作品は、
ノンフィクション「復讐する海 捕鯨船エセックス号の悲劇」を基に描く
驚異のサバイバルドラマで、19世紀を舞台に、白い大型のマッコウクジラと
捕鯨船の乗組員たちとの壮絶なバトルを描いています。
小説「白鯨」は、フィクションですが、当該作品は実話です。
手に汗握る展開で、大変迫力があるのですが、
当該作品の狙いが理解できませんでした。
壮絶なサバイバルを伝えたかったのか?
自然の恐怖を伝えたかったのか?
自然を制御していると考える人間のおごりを戒めたかったのか?
ところで、
「鯨油の為の捕鯨は正だが、捕食の為の捕鯨は悪」
という常識common senseを持つ欧米人は、
当該作品をどういった気持ちで観ているのであろうか?
ちょっと気になりました。
Michi
闘い?
予告編を見ての鑑賞。
ちょっと思っていた感じとはズレていった気がしますが、当時の雰囲気なんかよく出ている感じて良かったです。
映像も迫力がありましたが、鯨跳ねすぎですね(笑)
テーマ鯨との闘いなのか、その後の闘いなのか?
やや後者の方かなと感じました。
観る人によっては暗くなりそうですが、まあ、これが現実でしょう。
映像や演技のクオリティは高く、特に餓死寸前のシーンは素晴らしかった...
映像や演技のクオリティは高く、特に餓死寸前のシーンは素晴らしかった
しかし白鯨との戦いというよりは、食料も水もない状態でどう生きるかを描いている映画であった。タイトル詐欺である。いったいどこでどう白鯨と戦ったと言うのだろうか。
ただつまらないわけではない。微妙な映画である。
娯楽作で終わってしまったのが残念。
3D字幕版にて鑑賞。
3D効果は抜群、眼がチカチカするくらいなんだけれど、なんと言うか「面白いんだけれども大味」な一本。
派手で色々やりたいのはわかるんだけど、どれもに深みが足りないので「ふぅ~ん」出終わってしまうのが残念。
役者の演技も良いし(トンカチ!そこでトンカチだよ!と思ってしまうのは、ヘムズワース氏の当たり役ゆえお許しいただきたい。彼なら鯨なんて敵じゃないので笑)。
特に衣装、そして帆船の再現度は素晴らしかったし。
だからこそもったいない、的の絞られていない散漫な脚本か。
鯨(=自然)の圧倒的脅威とか。
人間が生きるために負う業とか。
おいしいテーマはいっぱいあったのに。
返す返すそこがもったいなく感じた作品。
あともうひとつ。
これ、今の過激な環境活動家に観せてぜひ感想聞きたいなと思ったのはお許しいただきたい。
150年前とはいえ、食べもせずにこれだけ鯨を殺した歴史は知っているのかな。
屁ムズムズワース、いい演技だったな。
どうせこれも大作ジョーズのリメイクだろうし、ここのサクラ批評家のレビューも読んでもなぁと思って勘で選んで観に行ったら、なんと、見てるこっちが恥ずかしくなる大根役者の屁ムズムズワースが出てたからこりゃダメかとがっかりしたが、見てるうちにこれが思いの外新鮮だった。たぶん、白鯨を怪物扱いしてハリウッド的アクション解決せずに、登場人物を直に描いてたからかな。久々に映画見た気がしたw(神話の方がよかったけど)。
終始息を呑む
たまたま時間が空いて映画館の前を通ったので見てきました。
ただの暇つぶしのつもりだったのですがとんだ間違いでした。
鯨との戦いというより大自然・大海原でのサバイバル生活、既に歩くことすら出来ない幼なじみとの別れ。
漂流中、食料が底をつき船上で亡くなった仲間の肉を食べることになる苦しみ、その肉も亡くなりくじ引きをし当たりを引いたものがその場で自害するなど他では中々見られない内容だったと思います。(自分があまりこの様なものを見ないタメ他にもあるかもしれませんが。)
闘っているのは鯨とだけじゃない!
ロン・ハワードという監督は極めて律儀な人だ。「アポロ13」「ビューティフル・マインド」「シンデレラマン」など、スペクタクル巨編に脚色しようと思えばできる題材を用いながらも、実話というところに繊細な配慮を怠らない。結果として、娯楽性を保ちつつも、リアリズムを損なわない作品を生み出している。
本作においても監督の律儀さは遺憾なく発揮されている。邦題はミスマッチだったかもしれない。なぜなら、主人公らが闘う相手は鯨だけではないからだ。いや、可視化できる具体的な相手は鯨のみというのが正しいのかもしれない。海、権力、プライド、飢え、不安など捕鯨という仕事を通じて、彼らは様々なものと闘うことになる。
鯨と闘うスペクタクル性の高い前半に対し、目に見えない恐怖と闘う後半という構成は物語のテンポを損なう反面、異様なまでのリアルさを演出している。これは山岳映画「生きてこそ」の海洋版と言っても良い。死んでいく者の無念さ、生き残った者の罪悪感、人間の生への執念と死への恐怖がまざまざしく描かれているのである。
しかし、それらの描き方が上手い故に、白鯨との最後の闘いが実に惜しい。壮絶な死闘を経て迎えるその結末に主人公と鯨との強烈なシンパシーが描かれて良かったのではないだろうか?実話を過度に脚色しない監督のスタンスが裏目に出てしまったような気がしてならない。
傑作と呼ぶには今一歩届かなかったように思えるが、海洋スペクタクルとして、史劇として、そして、人間の生きる力を描いた映画として、見応えのある一作である。
全172件中、121~140件目を表示