白鯨との闘いのレビュー・感想・評価
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大海原との闘い
ロン・ハワード監督の海洋スペクタクル。
てっきりモビー・ディック対エイハブ船長の「白鯨」の新解釈映画化だと思っていたので、原作タイトルや主人公名が違ってあらびっくり。
「白鯨」の基となった19世紀に起きた捕鯨船エセックス号沈没の実話の映画化。
「白鯨」もリンクネタとして挿入、ちなみに「白鯨」はジョン・ヒューストンが手掛けた1956年の映画は昔見た記憶があるが、知ってるようで詳しくは知らないのが本音。
あちこちで言われている通り、確かに少々邦題ミスかも。
この邦題からだと白鯨との壮絶な闘いを描いたパニック・アクションを想像する。
勿論その醍醐味もある。
捕鯨シーンは臨場感満点。波しぶきが画面からかかってきそう。
遂に姿を現した白い悪魔。
他の鯨と明らかに違う体格差。
身体中には人間との壮絶な闘いとの証とも言うべき傷だらけで、その異形は不気味でもある。
出現すると一気に緊張感が高まる。
襲撃シーンは悪夢。
鯨ってこんなに恐ろしかったっけ?
迫力も存在感もゴ○ラ級!
そんな怪物を前に、人間は成す術もナシ。
“白鯨との闘い”より“白鯨の襲撃”の方がしっくり来る。
…実を言うと、“白鯨の襲撃”は中盤のみくらい。
骨太なドラマとサバイバルがメイン。
出港して一向を襲う嵐。
さながらこれからの苦難の洗礼。
ひと度海に出れば、帰港するのは年単位。
その間狭い船の中で、すし詰め状態のワケありの男たち。
何も起こらない訳が無い!
確執、傲慢…黒い人間模様。
怪物の襲撃で船は大破。
生き残った乗組員たちはボートに乗って…。
飢え、乾き、疲労、恐怖、絶望、死…本当の苦難が始まった。
全ては鯨油を手に入れる為。
自然を殺し、海を甘く見、欲深い者たちへの強烈なしっぺ返し。
自然に歯向かった者に自然は牙を剥く。
ソーにスケアクロウに3代目新スパイダーマン、船外にはQ…。
個性的な乗組員。
ロン・ハワードの演出も手堅く。
全米では批評・興行共に不発。特に興行的には大沈没。
日本でもランキング初登場7位、観て来た劇場はガラガラ。
序盤はちょっとタルく、全体的に重苦しいが、スケール充分で、後味は割と良く余韻が残り、なかなか見応えあった。
ついつい気になったのが日本の捕鯨問題。
史実を基にしたエンタメ作なので直接的な関係性は無いと思うが…
仕留められた鯨の無惨な姿、鯨を捕まえようとして返り討ちに遭う皮肉に、少なからず反捕鯨のメッセージが込められているような気もした。
みな、生きるために命をはる。もちろん、クジラだって。
オーウェンたちは、生きるためにクジラを捕獲してきた。白鯨も、生き残るために戦ってきた。オーウェンたちと白鯨との最後の邂逅シーンに、お互いのそんな生き様が映し出されていて痺れた。そりゃあ、あの傷だらけの白鯨の姿を見せつけられたら、銛を打ち込むことなんてできないね。
あれほど名家風を吹かせていたポラード船長が、極限の日々を乗り越えたおかげで、査問委員会(だっけ?)でかっこいい男っぷりを見せる。いい場面だった。
最後メイビルが生き残りのオッサンの家を去る時、「燃える油がでたらしいですね」的な世間話で別れるが、新しいエネルギー時代の到来をさりげなく示唆していて、かつて華やかだった捕鯨産業の終焉を暗示していた。
隠された真実とは!
この作品を見るにあたったレビューなどをチェックした。チェックしないで見たら微妙と感じてしまうだろう。邦題はいかにも人間VS白鯨といった感じ。しかしこれは間違いで本当のテーマは人間が究極に追い詰められた時生き抜くために何をするのか。と言った感じだろう。だからこの作品は原題のまま公開すべきだ。この映画は前半後半でかなりテーマが分かれる。前半は鯨との戦い。アクション強めで鯨との戦いは大迫力である。後半は漂流される中でのヒューマンドラマ。ある意味前半後半で楽しめる雰囲気が違うから一石二鳥とも取れる。そして何よりこの話が実話ということだ。確かに映画を見てみると実話を基に作ってるのがわかる。ちなみにだが鯨の捕まえ方や油の取り方もリアルに描いてて勉強にもなる。物語は時系列でいう1番新しいとこから始まり漂流され生き残った人が真実を語るところから始まる。隠された真実とはなんだったのか気になる方。そして大迫力の鯨を是非スクリーンで見るべき。邦題を気にせず見ればなかなか楽しめる作品である。
壮絶
「白鯨」の元になった話。
という設定ではあったが、当時の捕鯨ってとてつもなく原始的で、まさに戦いで一方的な狩りとは全然違ってた。
人の欲は、ホントに上限を知らない。
それに反撃する「白鯨」なのだが…恐ろしい。生物としての人間は、か弱い。
戦いにすらならない。太刀打ちできない…。
自然災害に立ち向かっていってるような、虚無感すら覚える。
その生き様に、何事も安易であるはずがないと思えた。生存競争のただ中にいるんだと。
そして、ネットの普及により世界は狭くなったと感じてたけど、まだまだ世界は広かった。水平線に囲まれた視界で味わう孤独感とはどんなものだろう?発狂する事さえ諦めそうだ。
そして壮絶なダイエットにも果敢に挑んだであろう俳優たちに拍手を!
主役の方の体型を見るだけで、過ぎた時間を想起させられた。
見事…。
執念すら感じてしまう。
「白鯨」を読んでみようかなと思えた作品。
自然の怒りを前にして、人間に為す術なし。
イイ!海洋冒険モノが好物な自分としては最高の体験でしたね。やあぁあ、イイ!イイですよ!だだっ広い海原を突っ切る一隻の船。海中を群れなして優雅に泳ぐ海豚や鯨。陽光を浴びキラキラと輝きながら波立つ水面。荒れ狂う嵐に立ち向かう乗組員達。そして、そしてです。白鯨ですよ。やっぱり白鯨ですよね。禍々しきその姿。でかさ。異形さ。
全てが壮大。まさに“壮大”という言葉がピッタリと当てはまるスケール感。海の「美しさ」やら「恐ろしさ」やら「荘厳さ」、果ては自然へ無防備に放り込まれた人間達の、極限状態により突き付けられる「命」の価値観、重さ、選択、そういったものを一括で味わえる作品となっております。ます。
ますが。が、一点ちょいとね。気になっちゃったことがありまして。これね、なんていうか、そのお……タイトル詐欺じゃないか?という。
邦題が『白鯨との闘い』となっていますが、別に白鯨と闘ってはなくないか?という。いや、んーーそれも違うのか。えーっと、闘ってはいるんですかね。ただ、全く勝負になってないというか、一方的にやられてないか?という。
自分てっきり、白鯨と人間との手に汗握る!息の詰まるほどの攻防戦!的なものを想像していたので、大いなる肩透かしを喰らいましてね。もう闘うとかどうこうするとかの話じゃなくて、白鯨のそのサイズが規格外でね、勝負もクソもないんですよ。ハナから善戦なんて望めないという。ま要するに逃亡劇なんですよね。逃亡劇。
タイトル間違ってるよなあ、と。『白鯨からの逃亡』とか、その辺りで落ち着いといてくれれば肩透かされることもなかったよなあ、と。邦画のタイトル付けって作業も色々難しいところはあるんでしょうけど。
でも、まあそれを置いといてもね、冒頭で言った通り「イイ!」映画であることには変わりないので。海洋冒険モノ、漂流モノ、ヒューマンドラマ、といった方向性で観ればこの上なく素晴らしい体験が待っていると。それは保証致します。はい。
最終的には少し納得できた
実話の映画化という事で仕方はないが前半は特に物足りなさを感じた、結局は人間の欲が招いた悲劇ではあるが後半からは極限に追い込まれた時の人間模様を通じて人間の本性、奥底にある残酷さを思いしらされ、実話映画として少し納得できた。
娯楽作よりな仕上がり。
原題は『In the Heart of the Sea』 単純な単...
原題は『In the Heart of the Sea』
単純な単語だからこそ、いろいろな意味が含まれている。
直訳すると「大海の奥深くで」「海の懐で」「海の中心部で」
しかし、もっと深いニュアンスがこの原題には込められているはず。
邦題は、『白鯨との闘い』 アクション映画としても訴求したくてこのタイトルにしたのだろうけれど、映画の持つ潜在力を伝えそこなっていて、誠に残念至極。
まず、終始、画面の迫力に圧倒された。白鯨を筆頭に、荒れ狂う大海原、嵐に弄ばれる帆船、いったいどうやって撮影しているのか?かなりな部分をCGで描いてはいるのだろうが、まったくその違和感が感じられない。
マサチューセッツ州にあって、19世紀当時、捕鯨の中心地だったナンタケットの街並み、鯨油市場の売買ボード、登場人物の衣装、捕鯨船等々、細部に至るまできちんと時代考証までされているのだろう、見事な再現。
そして、それらのいずれのショットも計算されつくされ、しかも荘厳でいて美しい。
リーダーとしての決断力。船長、一等航海士としての統率力。上司と部下のせめぎあい。19世紀当時における捕鯨の意義。捕鯨の方法。
一攫千金を夢見て、あるいは他に職業がみあたらないために捕鯨船に乗船した者たちが、大自然=白鯨を前になすすべなく打ち砕かれてゆく姿。
「板子一枚下は地獄」ということわざがあり、その意味は「船底の下は大海原であり、いったん港を出波任せ風任せで人の力が及ばない」という、船乗りの仕事が危険に満ちたものであることを例えているのだけど、その言葉どおりの、まさに地獄を見てしまう彼ら。
そんな人間たちに迫られる、究極の決断。
それは倫理的に正しいのか、否か。
彼らの置かれた状況からみれば、ぼくらの日常の悩みなどは取るに足らない、些細なものに思えてくる。
今の時代にも船乗りはいるわけだけれども、現代は、天気予報、レーダー、GPS、海図などが整備されている。それらのなかった時代が太古からつい100年ほど前まで続いてきたわけで、そんな長く続いた時代を永々と、数え切れないほどの船乗りが生きてきて、数多くの彼らが海の藻屑と消えていったわけで、そんなかつての船乗りたちの姿までもが偲ばれてきた。
米国では、アカデミー賞狙いで先月末に公開されたものの、ノミネートにはカスリもしなかった。わが国でも先週土曜日に公開されたが、その土日の興行成績は芳しくはなかったようだ。自分の鑑賞した劇場も、日曜日の夕刻にも関わらず定員185名で観客は数名。
このまま、見過ごされてしまうには、あまりにも惜しい。
見終わったあと、この映画の持つ重量感で身体がおおわれる。
何を伝えたかったのか?
初登場7位にランキングした当該作品は、
ノンフィクション「復讐する海 捕鯨船エセックス号の悲劇」を基に描く
驚異のサバイバルドラマで、19世紀を舞台に、白い大型のマッコウクジラと
捕鯨船の乗組員たちとの壮絶なバトルを描いています。
小説「白鯨」は、フィクションですが、当該作品は実話です。
手に汗握る展開で、大変迫力があるのですが、
当該作品の狙いが理解できませんでした。
壮絶なサバイバルを伝えたかったのか?
自然の恐怖を伝えたかったのか?
自然を制御していると考える人間のおごりを戒めたかったのか?
ところで、
「鯨油の為の捕鯨は正だが、捕食の為の捕鯨は悪」
という常識common senseを持つ欧米人は、
当該作品をどういった気持ちで観ているのであろうか?
ちょっと気になりました。
Michi
闘い?
映像や演技のクオリティは高く、特に餓死寸前のシーンは素晴らしかった...
娯楽作で終わってしまったのが残念。
3D字幕版にて鑑賞。
3D効果は抜群、眼がチカチカするくらいなんだけれど、なんと言うか「面白いんだけれども大味」な一本。
派手で色々やりたいのはわかるんだけど、どれもに深みが足りないので「ふぅ~ん」出終わってしまうのが残念。
役者の演技も良いし(トンカチ!そこでトンカチだよ!と思ってしまうのは、ヘムズワース氏の当たり役ゆえお許しいただきたい。彼なら鯨なんて敵じゃないので笑)。
特に衣装、そして帆船の再現度は素晴らしかったし。
だからこそもったいない、的の絞られていない散漫な脚本か。
鯨(=自然)の圧倒的脅威とか。
人間が生きるために負う業とか。
おいしいテーマはいっぱいあったのに。
返す返すそこがもったいなく感じた作品。
あともうひとつ。
これ、今の過激な環境活動家に観せてぜひ感想聞きたいなと思ったのはお許しいただきたい。
150年前とはいえ、食べもせずにこれだけ鯨を殺した歴史は知っているのかな。
屁ムズムズワース、いい演技だったな。
終始息を呑む
たまたま時間が空いて映画館の前を通ったので見てきました。
ただの暇つぶしのつもりだったのですがとんだ間違いでした。
鯨との戦いというより大自然・大海原でのサバイバル生活、既に歩くことすら出来ない幼なじみとの別れ。
漂流中、食料が底をつき船上で亡くなった仲間の肉を食べることになる苦しみ、その肉も亡くなりくじ引きをし当たりを引いたものがその場で自害するなど他では中々見られない内容だったと思います。(自分があまりこの様なものを見ないタメ他にもあるかもしれませんが。)
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