白鯨との闘いのレビュー・感想・評価
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飢餓との闘い??
映像、描写は素晴らしい。一緒にそこにいて試練を共にしているかのような気分になる。白鯨のシーンも凄い。ただ邦題の白鯨との闘いはストーリーのメインではなく、どちらかというと漂流中のサバイバルが印象的。そこでのやむにやまれぬ行為が、一人残ったトーマスのトラウマとなっていたわけだし。命懸け過ぎ、当時の捕鯨。
緻密な描写が素晴らしい
アメリカ文学を代表するメルヴィルの小説「白鯨」は,今から 165 年も前に書かれたもので,私は高校の英語のテキストとして読んだのが最初であった。エイハブ船長や,一等航海士スターバック,黒人のモリ撃ち名人クイークェグ,ネイティブ・アメリカン(インディアン)のタシテゴなど個性的な乗組員が登場し,白鯨に片足を食いちぎられたエイハブ船長が復讐を果たすべく白鯨を追いつめる物語であるが,実はエイハブ船長と白鯨(モビー・ディック)との死闘が書かれているのは終盤の非常に限られた部分だけで,小説のほとんどは捕鯨と捕鯨船の描写に費やされている。
アメリカ人が捕鯨を盛んに行っていたのはクジラの皮下脂肪から取れる鯨油が目的で,肉や骨はほとんど利用せずにその場で捨てていた。ヒゲクジラのヒゲまで一切捨てることなく全身を利用していた日本の捕鯨とは目的が全く異なっている。鯨油は街灯の燃料や工業用の潤滑油等に利用されていたが,やがて石油の採掘が始まると,アメリカの捕鯨はあっという間に衰退した。鎖国をしていた幕末の日本にペリーが大統領親書を持って現れて開国を求めたのは,まさにこの小説の時代であり,捕鯨船の補給基地が欲しかったためである。捕鯨が衰退すると、黒船は全く来なくなったのであるから、この当時からアメリカは全く自分本位な国だった訳である。その体質は現在も変わっておらず、テメーらの都合で捕鯨をやめたからといって他国にもやめろと強制しているのは周知の通りである。
小説の原作者メルヴィルは,自身が捕鯨船の船員だったという経歴の持ち主で,このため,非常に詳細に当時の捕鯨や捕鯨船の様子が書けた訳だが,本作品の原作は,「復讐する海 捕鯨船エセックス号の悲劇」という別の小説で,白鯨に遭遇して船を沈められた船員の最後の生き残りにメルヴィルが話を聞くという設定になっている。エイハブ船長もクイークェグもタシテゴも出て来ないこの話の方が,本家の「白鯨」より遥かに衝撃的な内容であり,映画はグロテスクな描写を巧みに避けながら,その衝撃的な話をこれでもかと見せつけるような内容で、「白鯨」を全く知らない人が見ても楽しめる内容になっている。
メルヴィルの「白鯨」でも詳細に描かれていた当時の捕鯨の様子は,この原作でも同様に詳細に描かれており,非常に興味深く見ることができた。勿論白鯨も出て来るのだが,ほぼ一方的に人間側がやられっ放しなので,「白鯨との闘い」という邦題や,やたら勇ましさを強調した TV CM にはかなり疑問を感じる。非常にリアリティのある話で,各人物も一本調子の描写でないところに好感が持てた。特に完全に悪役かと思った人物の豹変ぶりには目を見張らせられる思いがした。
原語で聞きたかったので 2D 版を見たが,映像は非常に見事で,帆船や海中のシーンの美しさと迫力は筆舌に尽くし難かった。物語の後日談をナレーションだけで済ませてしまったところだけが残念であったが,脚本はよく頑張っていたと思う。俳優陣も豪華で,メルヴィル役が「007 スカイフォール」以降でQ役を演じていた人だと気付くまで暫くかかった。他にも,船長や一頭航海士,その他のクルーにも実力者を揃えていた。メルヴィルが話を聞く相手の俳優が,ブラームスの肖像に良く似ていたのが面白かった。
音楽は見覚えのない人であったが,Hans Zimmer を彷彿とさせるような素晴らしく耳に残る曲を書いていた。特に金管楽器の使い方が見事だと思った。「ダ・ヴィンチ・コード」や「天使と悪魔」の監督を務めたロン・ハワードらしく,画面の隅にまで細かな注意の行き届いた映画である。非常に面白かった。字幕はまたも林完治であった。「Star Wars フォースの覚醒」でも気になったのだが,字幕を入れるべき台詞をいくつか飛ばすのが気になった。
(映像5+脚本4+役者5+音楽5+演出5)×4= 96 点。
SFかと思ってたら…
原作を知らない無知な人間なので、
てっきり白鯨とは巨大鯨だと思わせといて、実は海底から現れた地球外生命体の操る未確認物体で、船を失った乗組員達がそれに乗り込んで港に帰還…という話しを想像していたら、全然違った!こんな瀕死の人喰いサバイバルが待っているとは!!
安心してください。巨匠ロン・ハワード監督ですから、ちゃんとしたいい映画です。フツーにお勧めです。
リアルな映像と濃い内容。
映像もすごいし、話も単に鯨と戦うというよりは、後半になるとひかりごけ的展開にまでなってしまい、鬼気迫るものがあった。
海の下に泳ぐ鯨のなんとも言えぬ凄まじさがとってもリアルで圧倒された。波のかんじや船の様子もリアルで、映画館で見たらすごそう。酔いそう。
海の果てしなさ、鯨の底知れぬパワー、それに立ち向かう人間の執着心とプライド、生への渇望。
自然の前で人間は無力だ、自然に立ち向かうなんておこがましい、という分かりやすいテーマかと思いきや、人間心理の深い部分を考えさせられる映画。
鯨と海の大きさと人間の小ささ
クリヘムとトムホランドを一度に見れるなんとも私得な映画。
2人ともとてもかっこよくてかわいかった。
序盤は船の構造にワクワク。
帆ってあんなにあるのかと、たくさんの帆を組み合わせて、その時の天候によって変えるのかと
当たり前なのかもしれないけれど、船に詳しくない私にはとても心に残った。
鯨を獲るシーンにも感心。銛だけで獲れるのかよ!って思ってたら獲ってたねぇ。
漂流中に現れる鯨の大きさ、そして海の果てしなさ。
かなりショッキング。
漁師が唯一、稼げる職業だった時代の話。
男のプライド、敵への復讐心、命の決断、生きることへの渇望など、男の本質をこれでもかと魅せられます。
鯨油を安定・長期的に調達することが目的であれば、わざわざ命をかけて白鯨に挑む必要はなかった。
予想の斜め上
予想の斜め上でした
毎度邦題には騙される。白鯨と戦う男たちの映画かと思えばまさかの人間の極限状態の漂流サバイバルものだとは…
いろいろ考えさせられるものがあり
生き残る為には人間は一線を越えてしまうんだなあ
その事実を隠さずむしろ隠すことの罪深さに耐えられず
これ実話とは尚更
事実は小説より何とかっていうけど
ほんとその通り
映像も凄く綺麗で魅了される
釣りは好きだけど・・
30mのマッコウクジラに出会ったら、即「参りました」でしょう。
そんなクジラも人間も他の生物たちも、同じ地球で自然に翻弄されながら、欲という本能に従って生かされている存在なんだと。
4DXの為に
ある種実話物はファンタジーに比べアクションが地味になりがちと勝手に思っている。
本作もそれを覚悟で観たが、せめて格闘にもう少し尺を取れなかっただろうか?
4DXでひたすら船に揺られるのはさすがに堪える、例え内容映像が良くても。
字幕も怪しい所があるが興味があれば観て損は無い作品
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