世界の果ての通学路

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劇場公開日:

世界の果ての通学路

解説

地球上の異なる4つの地域で、数10キロの危険な道のりを経ての通学し、学校で学ぼうとする子どもたちの姿を追ったドキュメンタリー。ケニアの15キロメートルのサバンナを命がけで駆け抜けるジャクソン、360度見渡す限り誰もいないパタゴニア平原を、妹と一緒に馬に乗って通学するカルロス、モロッコの険しいアトラス山脈を越え、友だち3人と寄宿舎を目指すザヒラ、幼い弟たちに車椅子を押されながら、舗装されていない道を学校に向かうインドのサミュエルの4人に密着。子どもたちの学習に対する意欲の高さや、そんな子どもたちを支える家族の愛情を映し出していく。アフリカのマサイ族を主役に描いたドラマ「マサイ」(2004)で知られるフランスのパスカル・プリッソン監督が手がけた。

2012年製作/77分/G/フランス
原題または英題:Sur le chemin de l'ecole
配給:キノフィルムズ
劇場公開日:2014年4月12日

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(C)2013 - Winds - Ymagis - Herodiade

映画レビュー

4.0ただ単に学校へ行く映画

2022年6月13日
PCから投稿

せかい各地の僻地の子供が学校へ行く話。
4地域4組の子供らが出てくる。

「学校へ行く」と言ってもその道のりは遠く険しい。

ケニアの兄妹は象の群れや危険を避けながらサバンナを15キロ歩く。
モロッコの女の子三人は22キロ。山道を歩き途中の村で行きずりの車を拾う。
アルゼンチンの兄妹は乗馬で18キロ。茫漠とした高地。途中Gauchito Gil※の祠に道中安全を祈願。
インドの三兄弟は脚のわるい兄の車椅子を牽いて4キロ。車椅子と言っても錆びたボロボロの車輪にデッキチェアを載せただけ。

この映画のもっとも重要なポイントは、子供も親たちも、学校へ行って勉強することが、なによりも大切だと考えていること。

子供が何十キロもの道程を、なんとしてでも学校へ行くのは、親が教育の大切さを伝え受け継いできたから──に他ならない。

もし貧困や圧制や暗愚によって「おまえは字なんか習わんでええ、ここで親の手伝いしとったらええ」──になっていたら話が成立しない。

どんな境遇にあろうとも、学問がなによりも大切だと信じているのなら、その社会は明るい。人間が教育を最重要とするかぎり、文明はむしろ人間のあとからついてくる。からだ。

よって質素な生活をし、命がけで学校へ通うドキュメンタリーにもかかわらず、出てくる子供らに、悲愴はまったくない。むしろ楽しそうだ。

ところでこのドキュメンタリーの啓発を順当に落とし込むなら(とうぜん)わたしたちは恵まれていることに感謝しなければなりませんね──ということになる。

それに異論はまったくない。まちがいなくわたしたちは恵まれていることに感謝しなければならない。

が、豊かな社会に長くいると、本質的に幸福なのはどっちだろう──みたいなことを、考えてしまう。

じぶんは、電気や文明器のない場所では、悲鳴をあげることだろう。とはいえ、純粋なものが総て失われた「豊かな社会」に喪失感はある。

日本の学校は地の利で、かれらより何倍も実用的だが、その実、おそらく何倍も過酷で凶悪な場所になっている、のではなかろうか。
(なんて社会派じゃないから柄にもないのだが)

※Gauchito Gilはアルゼンチンの民俗信仰。道祖神みたいなもの。(多分)

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津次郎

4.0【”時には命懸けで、夢を持って学校に通う君たちは、皆ヒーローだ!君たちの様な子供たちが、今後の世界を担って行くのだ!”一時間半から四時間かけて学校に通う子供たちの尊崇な姿に頭を垂れる作品。】

2022年2月9日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

知的

幸せ

ー 御存じの通り、今作では

  1.ケニアのジャクソン君と、妹のサロメさんが
   AM5:30に起床し、象の群れを避けながら15㌔を二時間かけて学校に通う姿。

  2.モロッコのザヒラさんと友達の女の子2人が、月曜日22㌔!を4時間かけて学校に通う姿。

  3.パタゴニアのカルロス君と妹のミカさんが、馬に乗って15㌔を1.5時間かけて学校に通う姿。

  4.インドの車椅子のサミュエル君と弟二人がサミュエル君を助けながら、4㌔を1.5時間かけて学校に通う姿が描かれている。

  ・素晴らしいのは、上記4人と兄妹や友達が力を合わせて、学校に通う表情である。
  皆、豊かな表情を湛えながら、困難を乗り越えながら、学校に通っているのである。
  希望を持って学校に通っているから、あのようなキリっとした表情になるのであろう。

  ・又、彼ら、彼女らを学校に通わせる、親御さんたちの想いも素晴らしい。

<彼らは、皆、夢を持っている。そして、使命感も持っている。

 車椅子のサミュエル君は語る。
 ”僕より、裕福な子が学校に行けない。
  僕は、学校に行かせて貰っている。僕は、医者になりたいんだ!”

 パイロットになりたい夢を持つ、ジャクソン君は語る。
 ”飛行機に乗って、広い世界が見たいんだ!”

 君達の様な将来の夢と希望を持つ子供たちが、今後の世界を支えるのだ!

 おぢさんも、毎日、会社に行くのは、たまーに憂鬱になるが、大いに反省し、勇気を貰った素晴らしきドキュメンタリー作品である。>

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NOBU

4.0学校へ行こう

2017年11月12日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

知的

幸せ

この作品は全国の学校で見せるべきだと思う。
世界のとある地域の子供たちの通学の姿を追ったドキュメンタリー。しかし、その通学路というのが…
野生動物がいっぱいのサバンナ。
険しい山道。
片道2時間や4時間。通学だけで午前の時間が終わってしまう!
親が子供へ言う「気を付けて行ってらっしゃい」は日本の親が子供へ言うそれとは全く意味が違う。
命の危険があるかもしれない目に遭ってまでわざわざ学校に行かなくても…なんて愚問。
学校なんて面倒臭い、行く必要ある?、行きたくないと言っている日本の子供たち。
別に学校が全てとは自分も思わないが、彼らは学校に行きたくて行きたくて仕方ないのだ。
学びの他に、友達、人間関係、社会への入り口。
学業から離れて久しく経つと、もっとしっかり学校へ行って勉強しとけば良かったと本当に思う。
簡単に行けるのに行きたくない、通学が容易ではないのに行きたい…あゝ、矛盾!

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近大

4.0だいぶ前に見たから記憶が曖昧。。。 ただ、淡々と小学生が学校に通う...

2017年7月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

だいぶ前に見たから記憶が曖昧。。。

ただ、淡々と小学生が学校に通うのを追いかけるだけの影像。過剰な演出もなく、つまらないわけでもない。

アフリカでは動物に襲われる心配をしながら何キロも歩き、中国ではいくつもの峠を越えて足が痛くなるほどの距離を歩き、インドでは足の不自由な兄弟をガタガタの車いすで送ったり。

通学するということは学校へ行くということ。そして学校での勉強することが楽しくてしょうがないと、どの子どもの表情からも読み取れる。
では日本ではどうか。いじめや不登校、給食費不払いなど負の情報が多発。そんなに日本の学校って問題が起こるのだろう。

何時間もかけて通学したいと思えるほどの学校があるのはとても幸せなことだ。

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