THE DEPTHS

2010年製作/121分/日本・韓国合作

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(C)Tokyo University of the Arts Graduate School of Film and New Media & Korean Academy of Film Arts 2010

映画レビュー

4.0 カメラは現実に介入している

2022年3月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

濱口竜介監督の自主製作『何食わぬ顔』は映画を作る青年たちの話で、『親密さ』と『ドライブ・マイ・カー』は演劇を作る人の話で、この『The Depth』はカメラマンとモデルの話だ。『親密さ』や『ドライブ・マイ・カー』は映画や舞台を通して、人と世界を見つめる人の話だが、そうした作品群とも共通点のある作品だと思う。韓国から友人の結婚式を撮影しにきたカメラマンが、男娼の青年を見出し、撮影してゆく。モデルとカメラマンの関係はいつしかそれを超えていく。
石田法嗣演じる男娼の青年は、カメラで撮られることでその魅力を高めていく。カメラは現実を切り取る機械だが、一人の人間に向けた時、その人物に関わっている。カメラはただ現実を切り取るだけでなく、ある意味で介入している。
ラストカットが本当に素晴らしい。同じ方向を向いていたはずだけど、決定的にズレていく人間関係というものがあるが、そういうものが象徴的に映されていた。『ドライブ・マイ・カー』にもこれと似たようなシーンがあった。これの引用だったのだろうか。

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杉本穂高

4.0 カラックスを思わずにはいられない必見の傑作

2026年7月22日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

シネマスコーレ(名古屋)の濱口竜介監督特集上映《突然、偶然、必然》からの2本目。

東京藝術大学大学院映像研究科と韓国国立映画アカデミーの共同製作ということで、スタッフ、キャストも日韓混合。

友人の結婚式を撮影するため日本を訪れた韓国人カメラマンのペファン(キム・ミンジュン)。街で出会った若き男娼リュウ(石田法嗣さん)に惹かれ、彼をモデルとして写真を撮り始めた。

撮影者と被写体を超えたものへ発展していく2人の関係にゾクゾクする。堕ちたペファンには愛する妻子が韓国にいたのだが。

それにしてもレオス・カラックス作品のドニ・ラヴァンとクリソツの石田法嗣さん。ノアールな空気と相まって「汚れた血」を思わずにはいられない必見の傑作だった。

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エロくそチキン2

4.5 まなざしの対象との間にある深淵

Sさん
2026年6月21日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

「不気味な〜」で魅惑的だと思った俳優が男娼役で、役柄の通り惚れ込まずにはいられなかった。彼の危うい魅力に気づけるかが説得力の鍵。見る/見られる主題は本作にも表れていて、その境界でこちらとあちらを分け隔てるのがカメラだ。カメラはリュウの魅力を暴くこともあれば、ラストの分岐する高速道路のように無力に眺めることしかできないこともある。カメラを通して、動物的な衝動と自制心の逡巡が如実に描かれている。良いカメラマンは被写体との距離=THE DEPTHを理解しているものだ。ギルスがペファンに送った事後のリュウの背中が脳裏に焼きついて離れない。それは、見る者と見られる者を隔てる深淵に土足で入り込む行為のように思えるから。今作に限らず、村上春樹作品に出てきそうな味のある美男美女を見つけ出すのが上手く、それだけで見応えがあった。監督自身が言っていたことだが、演劇やインタビュー、あるいは今作のような撮影の形を取った映像は、映画のメタ的なフレームを取り払ってくれる。存在の手触りが確かにある、信頼できる映画。

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S

2.0 しょうもない韓国スリラー

2024年5月11日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

もちろんところどころ手堅いし巧みに組み立てられてますよね。でもつまりはいくらでもある韓国クライムの新たな1本というだけです。「こんな脚本・こんな性格の人物は好きだろおまいら」みたいな韓国映画の悪しき戦略性をもろにかぶったつくりで、濱口流の演技介入も、カメラの設計も、この段階ではとくに明確には見えていません。

『永遠に君を愛す』と双璧をなす濱口竜介の黒歴史という感じの作品というほかなくて、こんなのを濱口映画というだけで変に深読みしてちゃだめです。

しっかし藝大の教授が全員エンドクレジットに出てんだけど、それでこのレベルになっちゃどうしようもないですね。

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milou

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