劇場公開日 2015年11月6日

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ミケランジェロ・プロジェクト : 映画評論・批評

2015年11月4日更新

2015年11月6日よりTOHOシネマズシャンテほかにてロードショー

ハリウッド歴代戦争映画の舞台を辿る、新しい戦争映画のフォルム

日本公開が危ぶまれた注目のジョージ・クルーニー監督×脚本×主演の戦争映画は、しかし、過去のどの戦争映画とも趣きが違う。戦闘シーンが皆無なのだ。クルーニー演じるハーバード大学付属美術館長、ストークスが招集した美術専門家集団<モニュメンツ・メン>のミッションは、ナチスが略奪した美術品の奪還。すでに終戦間際、奪い去られた名画や彫刻の行方を追って、激戦の爪痕が残る戦場や最前線を転々とする彼らのロードは、描き尽くされた第二次大戦を独特の視点とタイミングで切り取って新鮮味がある。

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例えば、1944年6月に連合軍が上陸を完了し、今は役目を終えた兵器が横たわるノルマンディの浜辺に探索チームが呆然と降り立つシーンは、時系列で言うと「プライベート・ライアン」(98)の約1カ月後。その後、ヨーロッパ内部に分け入った面々が合流するのは、1944年12月にナチスがアメリカ軍に大攻勢を仕掛けた「バルジ大作戦」(65)の戦地、ドイツのアルデンヌや、それから3カ月後、再び米独が激突したライン川に架かる唯一の橋「レマゲン鉄橋」(69)だ。

つまり、実戦経験ゼロの専門家たちが、美術品を探しながら必然的にハリウッド歴代戦争映画の舞台を辿る、というのがプロデューサーも兼任するクルーニーが狙った新しい戦争映画のフォルム。その狙いは当たっているし、人命と同等に尊い美術品への愛憎を、略奪という歪んだ形で実現しようとしたヒトラーの蛮行を、知的財産としての映画に命を捧げるクルーニーが改めて告発したかった気持ちがよく分かる。旧知のマット・デイモンからクルーニー組初参加のビル・マーレイまで集めた「オーシャンズ11」(01)的チームワークプレイも、それなりに旨味を発揮していることも付け加えておこう。

清藤秀人

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