フォックスキャッチャーのレビュー・感想・評価
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●静かで深い欲望の先に。
兄へのコンプレックス。母へのコンプレックス。レスリングで見返したいという共通点。ジョン・デュポン役のスティーブ・カレルの鼻の高さが、なんだか高貴でコワイ。レスリングへの情熱は本物だったみただけど。ちなみに彼はコメディ俳優なのね。
しかし、満足は金では買えないってことかな。月並みだけど。
見終えて真相を知る。謎の多い事件だ。精神疾患もあったようだが、殺害原因はよくわからない。やっぱり財閥系だから真実は隠されたのかなとか、本人が死んだから作品化できたのだろうとか、でもデュポン家はこの映画にゃ怒ってんだろうなとか、いろいろ考えてしまう。
言葉が足りない
大富豪デュポン氏の道楽の話。
金メダリストを金で囲う。戦車を買う。充実のレスリング場を作る。そこをアメリカ代表の専用練習場にしようとする。何故か鳥の本も出してる。自分中心のドキュメンタリー番組を作らせる。挙句の果てには、自分が請うた金メダリストを射殺してしまう。
やりたい放題なのに、何故かジョンデュポンには満足感は無い。
本当に欲しいものは、自身の身になる強さであり、だから具体化した戦車を買っちゃうのであったり、本当の仲間であったのだが、ジョンは金で解決する方法しか知らないから仲間たちも金で招聘したりして、その内実は誰にも分らなかった。
射殺のシーンなんて「別に」で殺しちゃうんだぜ!
「お前の○○が気に入らない」とか言えばさ、その場で殺さずに済んだのかもしれないのに。
やっぱり言葉って大事だよ。
一を聞いて十分かるより、一から十まで聞いた方が、ホントのコミュニケーションとしては正解だよ。
スティーブカレルが常に怖い。コメディアンなのに。
ダークで不快
おまけに事件がきちんと解決しない。観ていても居心地が悪すぎる❗️
ジョンとマークのレスリングシーンはハァハァと荒い息遣いだけが響きまるでSEX❗️
兄からの愛が得られないからジョンに流されたがジョンも愛ではなく支配しようとした。支配を拒んでいた時愛をくれない兄がまた現れたら自立したくなるマークの混乱した気持ちはわかる。
ミリオネアのジョンがどうしても得られない強さ、人々からの敬意、愛する家族を持つデイヴを深く嫉妬し憎悪する気持ちもわかる。
わかるからこそその後に起こる兄弟の悲劇をただ観ているだけで止められない事が不快でたまらない……。
大富豪の我儘
重厚なドラマ演出、デュポンに弟は滑稽でその反面兄は輝かしく順風満帆な私生活。
見栄張りなデュポン、金持ち息子に翻弄され全てが狂ってしまう兄弟。
デュポンも弟も兄に嫉妬していただけ。
実力も才能も皆無な金で思い通りになっても気がすまない最後の身勝手な選択。
日曜に家族サービスで断られた寂しい表情のデュポンが滑稽で笑えてしまう。
暗雲とした雰囲気
季節で言えば冬。
終始陰湿な雰囲気が漂っていて良い。
デュポンが気持ち悪すぎるところと、
周囲に認められなかった弟が
デュポンに惹かれていく様子がよくわかった。
デュポンも弟も、他者に認められたいという欲求が強いんだな。
と、実話ということで、
かなりの恐怖を感じたのだけど、
事実とは随分違うようで…
本人からしたら、とんでもない話のようで。
実話を元にしたフィクション、のようだ。
文句なしのアカデミー賞ノミネートの謳い文句は嘘じゃなかった。終始薄...
文句なしのアカデミー賞ノミネートの謳い文句は嘘じゃなかった。終始薄ら怖い演出も、主役3人の表現も素晴らしい。自分の欲とそれがままならない環境から徐々に狂い出し爆発する様子が静かに淡々と描かれて目が離せなくなる一本。
終始ヤバイ雰囲気
評判がよかったので観ました。ラストのデュポンが車の窓を開けるシーンが恐怖でした。前半から、ちょいちょいこの人ヤバイだろ(笑)というシーンが(自作のPV的なビデオや本を見せる辺り)重苦しい雰囲気と怖さがあって、笑えませんでした…。
結局、お金では手に入らないものがデュポンは一番欲しかったのかと考えさせられました。ただ、それで簡単に殺しちゃうのはやっぱり恐ろしい((((;゜Д゜)))
結論:3人とも凄い演技
カレルに全部持ってカレル
兎に角、イカレルカレルが気持ち悪い。
陰気で重いまま最悪の結末とか、個人的にこの映画を最後迄、好きになれなかった。
スティーブ・カレルとマーク・ラファロの変貌っぷりは、凄かった。
お金持ち独特の常人離れしたというか、ちょっと変な感じが、最初から何...
お金持ち独特の常人離れしたというか、ちょっと変な感じが、最初から何するかわからない得体の知れなさで、デュポンがチョーこわい。
この映画のなにがおもしろいんだろう?と不思議なんだけど、ひきつけられてしまった。
それにしてもレスリングって笑っちゃうよね。
演出のトーンから嫌な結末がプンプン臭ってた。展開が次々と変わってい...
演出のトーンから嫌な結末がプンプン臭ってた。展開が次々と変わっていくわけではないので、空気感も変えず進んでったのが、後味の悪いラストを際立たせたんだと思う。
心の空虚を埋められない人、ジョンデュポン
母に認められたい、自分が自分を認めたいという思いの先にある、絶望と嫉妬を描いた作品。終始、ほのかに恐ろしい雰囲気が漂う。どことなく、無理に生きている感じだ。
レスリングで選手を育てて、彼らの優勝を自分の誇りや存在価値に転換しようとするが、母からは全く認められない。彼自身が主催した大会で勝利しても、全く顧みられることがない。
こうした埋められない気持ちを、虚栄心や露骨なドキュメンタリーを作って埋めようとしても、どうしようも空虚なまま。彼は、真に偉大なシュルツを殺すに至るのである。自分が得られない全てを持っているかのような彼を。
弟の方を教育しようとするが、最初は慕っていつつも、次第に彼に嫌われると、それによって空虚感は一層深まったのだろう。
それぞれの欲望
金持ちだが心に闇を抱える男が孤独で自立を望むレスリング選手と出会いやがて兄を巻き込み狂気に飲み込まれる。結局マークは単に自己満足の道具としてみなされていたのではないだろうか。演技は素晴らしい。
時節入る暗転がおどろおどろしい。時系列が事実と異なる
フォックスキャッチャーは馬の名前からとった、とあるのに映画では冒頭から猟犬の写真がでてくるなど色々ミスリードを誘う描写が多い映画。マーク・シュルツのその後が一番気になるのに何故か一番雑な扱い。
事実をもとにしているが事実とはあまりに異なるストーリー
映画を観終わってから知りましたが、マークがそもそもフォックスキャッチャーで練習したこてないなど、事実とかなり異なるストーリーとのこと。事実をもとにした完全なフィクション映画出というわけですが、各俳優陣の演技はそれと関係なく素晴らしかったです。
40歳の童貞男の続編
「フォックスキャッチャー」見ました。最高でした。傑作との評価は聞いていたが、ここまで凄まじいとは思わなかったし、劇場で観なかったことを本当に後悔させる。
ストーリーに新鮮さは特になし。だって知ってますしね、結末等々は。ただそれは、長回しだったり、無音表現だったりといった演出でカバーできてる。言わば徹底した雰囲気作りがハマった。場面場面で笑えるやり取りがあったりするけど、それを許さない重い空気がある。非常に強かったです。
あとやっぱりこれが1番だと思うんですけど、スティーブカレルの演技が気持ち悪くて素晴らしいです。全部見てるわけじゃないけど、カレル史上屈指でしょう。気持ち悪さの象徴は特殊メイクを駆使した顔面蒼白と無表情だと思うけど、彼は常に顎を上げてモノを見てるんです。その時の彼の心情は正確には汲み取れないけど、恐らくは他社の事を理解しようと遠くを見るような目で顎を上げて、対象を見つめてるのだと感じました。なぜそう思ったかと言うと、彼自身、自分が変わり者だと少なからず理解してるんだなとおもったからです。例えば、スティーブカレルが警官と射撃場で射撃練習をしてると、ジョギングで通りかかったチームが「あんた最高だぜ!」バリの事を言うと、無反応無表情に顎を上げた不思議そうな目でジーッと見つめるんです。その次のシーンで道場に現れて「ちゃんと練習しなさい!」って場面はあるけど、真意はそうじゃないだろうなって思わせる辺りが本当に不穏だし、なによりゾクッと怖い。
話自体は全く違うけど、なんとなく「アメリカンスナイパー」を連想させる。全体のテンションは低いけどなんか息苦しく感じる作品の雰囲気は、映画館で体感したかったと後悔。プンプンです。
総じて傑作です。2015年に劇場で見ていたら、間違いなくベスト3には入ったであろう。
愛情は憎しみとなり
1996年に起きた大財閥の御曹司によるレスリングのオリンピック金メダリスト射殺事件の映画化。
アカデミー賞では作品賞候補は逃したものの5部門ノミネート、カンヌ国際映画祭監督賞受賞の力作。
実はレンタルで見たのは3ヶ月も前。
なかなかレビューがまとまらず、いったんはレビューは諦めたが、でもせっかく見たので(なかなか見応えあって思ってた以上に気に入ったし)、今更になっての簡易レビュー。
スティーヴ・カレル、チャニング・テイタム、マーク・ラファロ、メイン3人の演技が素晴らしいの一言に尽きる。
特にカレル!
コメディのイメージが強い彼の一切の笑いを封印したシリアス演技は病的なまでに不気味で、見てるこっちが冷や冷やするほど。恐ろしさと共にその佇まいには哀しさも漂う。
チャニング・テイタムも単なるマッチョメンでない事を証明し、マーク・ラファロは言うまでもなく演技巧者。
暗く静かで淡々とし、派手な見せ場や劇的な出来事は皆無。人によっては退屈に感じるかもしれない。
が、無駄な要素はとことん削ぎ落とし、緊張感は終始途切れる事無く、登場人物の心理描写を深くえぐり出したベネット・ミラーの演出は賞賛モノ。
オスカー監督賞ノミネートはサプライズと言われたが、妥当。
レビューがまとまらなかった最大の要因は、登場人物の複雑な心理描写。
あの場面でこの場面で、あの時この時、何を思ったのか、何を思っての行動だったのか、その時の感情や真相心理は…?
また考えるだけで頭の中が堂々巡りしそう。
なので、なるべく簡潔に感じた事を自分なりに…
妄想型精神分裂病を患っていたジョン・デュポン。
もし患っていなかったら、面倒見が良く、話も分かる、レスリングを愛し、そしてお金も持っている理想的なパトロンだったろう。
彼がいつ病を患ったかの経緯は描かれないが、原因は察しがつく。
母親に愛されたい、認められたいの一心。
その過剰なプレッシャーが、ある日何処かで、デュポンの心を狂わせた。
デュポンとマークは通じるものがある。
孤独やプレッシャーを抱え、愛に餓えている。
と同時に、決定的な違いもある。
空虚な心を受け止めてくれる器、つまり相手。
マークは兄デイヴに引け目を感じる事など微塵も無かったのだ。
最も苦しい時、辛い時、傍に居て支えてくれたのが兄。
デュポンには受け止めてくれる器が居なかった。
マークは自分と同じと思っていた。
だから自分の支配下に置けるとも思っていた。
なのに…
あいつは違った。
あいつは裏切った。
孤独なのは自分一人だけだった。
たくさん目をかけてやった愛情は憎しみとなり。
憎しみの矛先は器へ向けられ、壊す。
人の心の闇、愛憎は、深く複雑で、重く。
簡潔にまとめようと思っていたのに、結局長々と(>_<)
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