渇き。のレビュー・感想・評価
全359件中、241~260件目を表示
強烈!
人によっては不快に感じるだろう映画。
役所さんのクズっぷりが最高。
そしてそれに負けず劣らずのクズっぷりを見せた妻夫木聡も最高。
オダギリジョーの出番がちょっと少なかったのが残念。
多分、ウチの女房は嫌いな映画。
ミッチミチに詰め込まれた濃密な“何か”をテンポ良くハイスピードで堪能できる作品。
非常に良かった。
丁寧な構成、濃厚な映像表現。
そして魅力的な登場人物。
序盤から話にグッと惹き込まれ、終始ゲラゲラ笑いっ放しでした。
まず丁寧な構成。
現在と過去の話が同時並行で語られる本作。
共に加奈子を知る過程が描かれていますが。
「現在」は外側から、後から振り返る加奈子。
「過去」は内側から、当時の進行形の加奈子。
二つの時間軸で視点が異なり加奈子がより多面的に描かれています。
同時に「現在」と「過去」が互いを補足し連結する関係に。
序盤の「現在」は登場人物を説明しつつ加奈子への違和感の植え付けて「過去」に繋げます。
そのため白く明るい基調で描かれる「過去」ですが…禍々しさが随所から滲み出る。
その「過去」で語られる描写が「現在」でも別の方法で明らかとなる。
また「現在」で既に知ってしまった事実に向けて「過去」が進んでいく。
比較的緩やかにかつ丁寧に描写される「過去」で溜めた情報や伏線を「現在」で猛烈なスピードで回収/展開するテンポの良さも相まって。
緊張と緩和が繰り返される長いジェットコースターに乗っているような快感がありました。
また映像表現も良かった。
「現在」の80年代風ハードボイルド映像。
「過去」のアニメ映像、スタイリッシュなパーティー映像。
「過去」の方が“今っぽい”チグハグ感、違和感。
と共に底知れぬ不気味さ、空虚さを感じる作りに。
時間経過と共に増える画面上の黒さ、暗さ、冷たさ。
序盤には何処かポップな暴力場面が差し込まれていましたが。
話が展開するにつれて暴力は連鎖し加速し只々ドス黒い凶悪さを曝け出します。
画面の暗さも相まって思わず息が詰まります。
そこからパッと切り替わる、或る明るい画面。
画面は明るく開放感があるにも関わらず描かれるのは壮絶な行為。
暗い画面で溜めて溜めて溜めて…パッと切り替えつつ流れはより加速するという演出にグッときました。
そして魅力的な登場人物。
役所広司 演じる藤島昭和、最高でした。
序盤から汗と脂でギットギトで顔色が悪い顔。
話が進むにつれてドンドンと勲章が増えて濃厚に。
笑った時の声や顔も凄惨で、思わずつられて笑いが零れる程。
役所広司の“顔力”が高く嫌な魅力に溢れていました。
外見のみならず内面も良かった。
抗うつ剤とアルコールを併用する矛盾。
食欲は旺盛だが口にすれば嘔吐する矛盾。
その他数多くの矛盾を抱え除外された不適合者の言動は滑稽であると同時に哀しさもあり。
特に自身と結び付けた加奈子に対する評価は時間経過と共に変化があり興味深かったです。
小松菜奈 演じる加奈子も良かった。
加奈子の底知れぬ人物像、と同時に小松菜奈の新人とは思えない肝の据わり方。
総じて“顔力”が高い面々が強烈な個性を発揮する中で動揺もせずドッシリしている。
その得体の知れなさが違和感、一種の淫靡さ/妖艶さも醸し出しており。
時折見せる変顔、くだけた口調のギャップも良かったです。
当該人物が成立していたからこその本作、といっても過言ではないと思います。
妻夫木聡 演じる浅井もオダギリジョー 演じる愛川も良かった。
浅井は終始ニヤニヤと鬱陶しく時折見せる別の顔にも改めて苛々させられます。
が、溜めに溜めた所での…あの場面!
浅井から漏れる一言も含めて爽快感が半端ない場面でした。
また愛川は魅力がギュッと濃縮。
特に視点が定まらない状態から覚醒する際のオダギリジョーの演技が良かったです。
その他出演陣も総じて良かった。
何より俳優陣が登場人物を十二分に楽しんでいるのが感じられて良かったです。
特に役所広司、妻夫木聡、オダギリジョーは物凄く楽しそうでした。
ミッチミチに詰め込まれた濃密な“何か”をテンポ良くハイスピードで堪能できる本作。
余談ですが後半の暴行場面で比較的長めに撮られる昭和vs黒パンティは思わず笑いました。
賛否分かれていますが、個人的には十二分に堪能した好きな作品でした。
オススメです。
残念…。
二階堂ふみさん目当てで見ましたが、私には、内容が強烈で怖すぎました。 久々に観るんじゃなかったという映画。知らないほうが良かったという世界の内容でした。観たあと後味悪くて残念…。楽しい映画を観たあと続けてすぐ観た映画だったので余計にそう思えました。
やばい…面白かった…
みんなのレビューを見てから、見に行ったんだけど、私は、面白かった…
役所広司がはまりすぎ、ただ妻夫木聡の役に、最初から最後までイライラしたんだけど…
なんか、「かなこ」みたいな存在の子になりたいな… とか思ってしまった…
耳切られるのは、嫌だなぁーとは思ったけど…
もう一回みたいと思った…
裏『桐島部活辞めるってよ』かもよ
美少女の巫女性と悪魔性の共存性を見事に表現した加奈子役の小松菜奈ちゃんと動くためのガソリンは狂気っていう位の父を演じた役所広司は本当に素晴らしい演技!
テーマは陳腐かもしれないが圧倒的な映画としての過剰な毒はあらゆる人に体感してほしい!
表現方法が時間軸が過剰に前後するとともに、群像劇の様相をとり、主人公がカリスマ的学生ということから『桐島部活辞めるってよ』を想起すると思う。
しかし、この映画では『桐島〜』で描かれなかった桐島のダークサイドを描いており、裏桐島感がある。
そのダークサイドというものは誰しもが持つものであり、テーマとしては陳腐だが加奈子のダークサイドや多面性はそんな簡単なものではない。
加奈子は実に皆が思っているように『フラット』なのだ、
だからこそ人を魅了するし、愛するし、めちゃくちゃにするし、破壊する。
一見不可解でも彼女の愛情表現は変わらない。
愛するために場所を変えて演技をしているだけなのかもしれない。
それを『(親が知らない)子供(人間の)多面性』をこの映画が表現している。と簡単な結論にしてしまう。
確かにテーマの一つはそうだが、実はその裏に『人には多面性がある』
というこの映画の中で加奈子とその父はフラットな行動原則しか持たなず終止一貫している。
だからこそ多面性があるこの世界の中で狂って見えるのかもしれない。
みんな、イカれてる
凄まじいまでの暴力と狂気。
クローズアップを多用し、時間を錯綜させ、観ているこちらも危うく狂気に陥りそうになる。
役所広司の汗と油!
誰ひとりとしてマトモじゃない!
いったい、これは何なのか?
原作は未読だが、原作者の狂気なのか、中島監督の狂気なのか、イカれた人間を描いた映画は洋画邦画を問わずあるにはあるが、これは一線を画した作品と言えるだろう。
なんとも後味が悪い。
カタルシスも救いもない。
いったい、これは何なのか?
役所広司を筆頭に豪華なキャストだが、
小松菜奈がいなければ成立しなかった映画とも言える。
オープニングのタイトルバックがいい!
多面的って話。
なかなかタイムリーな内容だったのではないか。
外見やイメージとはかけ離れた「真の姿」を辿ってゆくミステリー。
自分自身、現実にASKAがそうなのであって、それを受け入れて消化した自分にはあまりに「あること」として見てしまった。
だからきっと製作側の「驚き」の仕掛けには反応しなかったのかもしれない。
しかし、愛とは所詮、狂いでしかないのであって、それを見事にえぐり出してくれた手腕には拍手。そう、ああいう倒錯と矛盾をたくさん抱えながら。愛ってそういうものだ。
こんな映画を見てはいけない。
開始から5分で違和感。
20分で強烈な嫌悪感。
45分で叫びだしたいような憎悪感。
ただ、エロとグロの映画。
これをスピードとかテンポとか、エネルギーとか人間の本質とかの飾った言葉で評価する人がわからない。
久々の快作バイオレンス!
中島哲也監督は、当たり外れがあるけれど、これは快作!
オープニングのクリスマスの狂乱に始まり、
失踪した娘をがむしゃらに探す父親の狂乱、
思春期の娘の悪しき狂乱、
その娘に翻弄される人々の狂乱、
それら狂乱から生まれる、
狂乱、狂乱、狂乱。
それは渇きを潤したいがために水を欲するがごとく、
止めどなく続いて行く。
そして、本来の目的も忘れ、その欲を求めて彷徨い出す。
そんなテーマのような、
ただの戯れごとのような不確かなものを、
痛みを感じるバイオレンス描写や、
日本的なPOPなドラック表現や、
誇張の過ぎたアクションシーンなどなど、
爆発的な演出をこれでもかと魅せつけて、
脳を麻痺し、感覚を肥大化させる。
レザボアドッグスも
オールド・ボーイも
冷たい熱帯魚も
スクリーンでは観れなかったが、
やっぱり、バイオレンスは映画館で観るべき!!
痛みに鈍感な
ストーリーも描写も、装飾過多で、リアリティに欠く。
(この監督さんの作品は毎回確信犯的にそういう作りだ。)
なので、バイオレンス&セックス&ドラッグ描写も、あんまり痛くない。
そのまま「嘘っぽさ」を貫いて行けば良いものの、どうでもいいシーンで、現実味を匂わす。
ファミレスで母娘(役名は無い、エキストラ)が物を食べている1シーンがある。特にセリフも説明も無い。普通の親子の普通の光景だ。それなのに何とも言えず寒々しい。痛々しい。酷薄な感じすらする。
何でこんなシーンを入れるのか。普通の風景も普通の親子も、実際、痛々しいんですよ、映画以上に。とでも言いたいのか。非常にイヤで印象的なシーンだった。
--
加奈子、その母親、そして父。
母親は、自分の渇きを癒すのに精一杯(不倫とかして紛らわす)。
父親も、自分の渇きを癒すのに精一杯。
加奈子を好きな中学生と、父親の描写が、クドいくらいに交互に出てくるので、
二人の「加奈子はオレのもの!オレは加奈子のもの!」という愛情?恋情?劣情?が同レベルに見える。
父性愛というより変態。暴かれて困るのは娘の悪行より寧ろ父親の中身。
母性も父性もあったもんじゃない。その帰結として、子ども達(加奈子ら)は、
自分の痛みには敏感だが、他人の痛みには鈍感な、愚かな群れとなる。
(この映画、ハチャメチャなようで、因果な話だなと思う。)
—
自分の痛みには敏感だが、他人の痛みには鈍感な、群れ。
露悪的でリアリティに欠く描写は、「こんなの映画の中だけの話だから安心してね(笑)」と言ってるようでもあり、
無駄に現実味を匂わすあたりで、「実際、みんな、他人の痛みに鈍感じゃん。自分を振り返ってみれば?」と観客に説教を垂れている感じもする。そこが、この映画の居心地の悪さなんじゃないかと思う。
バイオレンスな外皮が「毒」なのではなく、もうちょっとタチの悪い「毒」がある映画だなあと思った。
—
追記:バイオレントな本作、タランティーノや70年代邦画に、ちょっと寄せて作ってある。でも、それらの作品を観ても居心地の悪い感じはしない。
タラ映画にはある種のヒロイズムがある。70年代邦画はフィジカルな滾りがある。
この映画、そこらへんをあえて排除しているなあと思った。
タランティーノよりもグロくて、三池崇史よりもイカれてる
この映画を真正面から受け止めてはいけない。なにしろ登場人物が全員狂っている。まともな人間など一人も出て来ない。そんな連中が恐喝、暴力、レイプ、殺人を繰り広げるのだから、真正面から見たらテンションはだだ下がり。スクリーンに映し出されるのはタランティーノ作品よりもグロくて、三池崇史作品よりもイカれた人しかいない世界だ。
ただ、この映画の登場人物たちの狂い方は異常。見ていて笑えるくらいの気の狂い様。役所広司の娘を探す執念はどこか間違ってるし、妻夫木聡のニヤケっぷりは最高に気色悪いし、オダギリジョーの冷徹さはクールさを飛び越えて不気味だし、二階堂ふみのヤンキーは完全にイッっちゃってる。おまけに物語の肝であるはずの小松菜奈がとんでもない悪女とくれば、これは極上のスプラッター・コメディに見えてくる。ココで笑っていいのか?とも思えるが、どいつもこいつも狂っているのだから、笑うしかない。
悪人が悪人から裁きを受け、その裁いた悪人の想いはどこにいくのか?ブッ飛んだパンクな風潮で物語が展開したのに対して、意外なほどしっとりとしたラストに竜頭蛇尾な感じは否めないが、この狂人たちの狂想曲をブラック・ユーモアとして笑えた者勝ちな作品だ。
ただ、この映画R15で良かったのか?というのが最大の疑問である。
見ていて疲れた
登場人物が嫌な人しか出てこない上に、カットが細かくて疲れるし、時系列がごちゃごちゃして把握するのが大変で、見ていて頭が痛くなってしまった。
時折血しぶきがアニメになっているのと、リアルに刺さっていたりするのが混在するのがなんだかもったいなかった。そこは丹念に描いた方が怖くてよかったのではないだろうか。
役者さんは皆さん、すごく上手だった。役所広司が乗るグロリアの古いのがすごくかっこよかった。ぶつけてガチャガチャになるのがもったいなかった。
妻夫木聡がクールにチュッパチャップスをなめるイライラするキャラで出ていたのだが、特に成果をあげる場面はまったくなく、大丈夫なのかと思ったら派手に撥ねられていて面白かった。
不良のパーティでて享楽的で退廃的な場面としてでんぱ組.incの音楽が使われているのだが、でんぱ組.incはどちらかというと涙ぐましい活動を続ける地下アイドルで、不良が好きなのは安室ちゃんとかエグザイルみたいなのではないだろうか。使ってもらえるのは、でんぱ組.incにとってはありがたいことだ。
『告白』の時も感じたけど、中島監督はいじめをなんとも思ってなさそう。いじめられっこに同情的な気持ちは欠片もないのではないだろうか。少なくとも、いじめを本気で嫌がっている人の表現とは思えない。本当のところどうなのだろう。
しかし、今もこのご時世で、暴力映画を大作映画のキャスティングと予算でフルスイングで作るのは大したものだ。
疲れました。
出てくる人物は、誰も彼も皆狂っています。役所広司の暑苦しさ、くずさも素晴らしいものでした。
あまりにも狂っている世界なので、感情移入もせずに、冷めた目で見ていましたが、なんとも言えない嫌な気持ちでいっぱいです。もう二度と見ないと思います。
ただ、余韻はありまくりです。
前を歩いている人も、狂っているかもしれない。私にも、友人にも、親にも、まだ自分の知らない部分があり、隠して生きているのかもしれない、そう思うと怖いですね。何が本当なのか、分からない世界に生きているんだな、と考えさせられました。
賛否両論わかれるので、気になる人は見てみるのが1番だと思います。
狂気とは甘美なもののようで
いやあ、予想はしてました。
だって、ポスターの役所広司があまりにも暑苦しくって、ロクデナシ感がビンビンだったもの。
それがどうも、出てくる奴がどいつもこいつも負けず劣らずのロクデナシばっか。軽く予想を超えました。
みんな、罪の意識も躊躇いもなく、ニヤリと笑いさえ浮かべて、人を殺す、殺す、殺す、、、。
終いには、フジシマをそこまで動かす動機が、愛なのか憎しみなのか、もうどっちでもよくなってしまった。
だいたい、フジシマだけじゃなく、みんな狂ってる。深い穴に墜ちた連中ばかり。
でもって、クソな映画だよこれ、っと思わせといて、エンディングにディーン・マーティン「everybody loves somebody」を持ってくるセンスに、ころっと脱帽してしまう。
困りますねえ、こういう映画は。
二度と観たくないんだけど、嫌いって言い切れないわ。
疲れました
今回も中島ワールド全開でした。
映像表現もよく ストーリーのテンポいいのですが・・・
暴力の連続シーンが続き 終わった後はどっと疲れが残りました。
今回は作品は万人向きではないですね。
特に女性はこういう作品はつらいのではないでしょうか・・・
私も主人公と同じ子を持つ親です
親子の関係がいかに大切かを思い知らされた映画です
作品としては 良くできた作品だと思いますが
私は苦手です
全359件中、241~260件目を表示