青天の霹靂のレビュー・感想・評価
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長野・上田映劇を取り巻く、あらゆるシーンが秀逸
撮影は2013年なので、もう7年も前のことになります。酷く暑い夏のある日、長野の老舗劇場「上田映劇」での撮影現場を訪れましたが、その周辺一帯が40年前の浅草に様変わりしていた。
監督を務めた劇団ひとり、主演の大泉洋の丁々発止のやり取りがテンポ良く、目を離すことができない。設定として目を見張るような目新しさがあるわけではないが、“あの時代”に対する憶景としか表現できない感情が呼び起こされ、大泉、劇団ひとり、柴咲コウらの安定した芝居を最後まで堪能することができる。
筋は良いが …
公開時に観て…気がつけば10年たっていた。
印象は当時も今も同じ
話の筋は良い、良いが
散漫さを感じる。
うだつの上がらない息子役に大泉洋、飽きっぽくぶっきらぼうな父役に劇団ひとり、母役に柴咲コウがいる。何もかも上手くいかない人生、それを出生のせいにする売れないマジシャン轟晴天は、ある日雷に撃たれて自分の生まれる前の世界に行く。そこには父と母の姿が有った。
自分の運命再確認するが、人間の描き方が軽い感じがする。そこに生きている人の深い思いが生かされていない演出が残念だった。
筋は良いだけに惜しい。
初見後10年、忘れられない映画。
雑ささえなければ良作になった。
※
因みに劇場の支配人役で出演している風間杜夫氏は、大林監督の「異人たちとの夏」で、父母の時代にタイムスリップする息子役を好演している。こちらは内容・演出・演技共に良く、ノスタルジー溢れる映画だった。
※
心にしみるファンタジー
劇団ひとりさんの小説「陰日向に咲く」を読んだことがある。
「泣いてもいいですよ」というコピー 不覚にも泣いてしまった。
この作品も知ってはいたが、タイトルに魅力を感じず、今まで見ていなかった。
しかし、また不覚にも泣いてしまった。
主人公の轟晴夫はマジックバーで働きながら貧しい生活をしていた。TVでは後輩が活躍し、プロデューサーを連れて店にまでやってきたが、晴夫にもうやる気は見られない。
同じバーテン仲間に、「母はオレを生んで男と逃げた。二人が出会ったのがラブホテルの清掃、親父とは高校卒業以来会ってない」
荒川警察署から電話がかかってきて、お父様が亡くなったと告げられ、仕方なく遺骨を引き取りに行く。
親父が死んだ場所 浮浪者の住む段ボールハウス。その中で見つけた「小さな自分と父の写真」
思わず漏らした本音「生きるって難しいよな。毎日みじめだよ。オレって何のために生きているのかな。なんで俺なんか生きているのかな…」
そうつぶやいた直後、落雷に打たれて倒れる。
少年たちにつつかれて顔を上げると、少年が持っていた新聞紙には「昭和48年10月5日」の文字。
どこかの路地の階段に座り暇つぶしにコインマジックをしていると、それを見ていた少年に声を掛けられる。
こうして晴夫は浅草ホールで芸人として働き始める。
彼のアシスタントとしてエツコが指名される。エツコはもともと「チン」のアシスタントだったが、彼の失踪で晴夫のアシスタントになった。
やがて晴夫は、少年の得意芸から、彼はバーで働く仲間ではないかと気づく。
そして美人で気さくなエツコにほのかに恋心を抱くが、彼女はチンと同棲中だった。
警察に補導されたチンを迎えに行く晴夫。
チンは、親父だったのだ。事の次第がわかってきた晴夫。チンと組んで「ペペとチン」というコンビで売り出す。二人はお互い癇に障る仲だったが、次第に名コンビになる。
エツコの臨月も近づいたころ、彼女は胎盤剥離で入院する。これがどんなものかをチンは医師に教えられ、彼は芸人というおぼつかない仕事を辞めてラブホテルの清掃員として働く。
一方TVという大きな媒体に挑戦し始めた晴夫は、途中で抜けたチンを横目に「轟晴夫」として最終オーディションへ。
5月10日 晴夫の誕生日 オーディションは順調に進み、病院では分娩室で必死の出産が始まった。
晴夫はこのオーディションへ行く前に、エツコの病室を訪れる。
エツコは晴夫と出会ってから彼の不思議な言葉が彼女のアンテナに引っ掛かるようになる。
巨人のV9 ユリゲラー… 彼女は未来を見通すことができると思われる晴夫に「この子の将来」を訪ねる。
晴夫は彼女に彼の少年時代を話す。同時に自分は何もかもうまくいかないけど、その人生をどれだけ母が望んでいたのかを知る。
そして彼女にこう伝えた「エツコさんは生きる理由です。そんな母さんの子供に生まれてきてよかった。そう思います」。
最後のオーディション 空中に浮かぶあの「紙の花」 それがバラに変わり…
分娩室では「おぎゃー」という鳴き声…
突然の落雷…
バラを持ったまま、消えてしまった「晴夫」
気が付くと彼は元の世界に戻っていた。
電話が鳴る 荒川警察が「浮浪者のいたずらで、遺骨を返してほしい」
そこに現れた「父」 「あ~あ、あんなこといわなきゃよかった」
そこでちょっと時間が戻り、河川敷でチンと話す晴夫 「ありがとう」
少々終わり方が今一つなのだが、劇団ひとりさんらしい心温まるストーリーだった。
バックトウザフューチャーのように過去に行って親に会うという型はいくつもある。
しかしどれも「現実を変えよう」というのが根幹にある。
晴夫もまた「子供を堕せ」と現実を変えようと叫ぶが、必死になって生きている親を見て、それ以上は何も言えなくなる。
晴夫は、チンとは組まずに自分の芸で舞台に立つ。彼らの奮闘に関わろうとしない。
それは、母エツコとの会話がそうさせたのだろう。
「生きる理由」
いまの自分がこうなってしまったのは両親の所為。
この考えを変えたことで、彼は生まれ変わったのだろう。
そして現実は何も変わってはいない。
変わったのは「オレ」なのだ。
父が嘘をついて息子を呼び出したことをきっかけに、天の母は雷となって、晴夫の性根を叩いたのだろう。
美しい物語だった。
もっと話題になっていい
良作です。
序盤の打ちひしがれた後、タイムスリップしてノスタルジーを感じさせながら徐々に物語に引き込んでいく演出のため、飽きずに最後まで見られました。
昔は良かった!からの親子愛という不変のカタルシス。
劇団ひとりと大泉洋の相性の良さ
amazon primeのおすすめに出てきたので、久しぶりに鑑賞。所々忘れていたので、新鮮な気持ちで鑑賞できた。
ストーリーにはあえて触れないが、劇団ひとりと大泉洋両方のとぼけた味わいが、感動をより深いものにしている。2人とも、平気な顔してコインを扱っているあたり、マジックの練習を死ぬほど積んだこともよく伝わってくる。
上田映劇の看板は、3年くらい前までこのセットのまま「雷門ホール」だったが、今は撤去工事が行われて、取り外されている。そういう意味でもちょっと懐かしかった。
ちなみに、花見のシーンは上田城での撮影。
もう少しで桜の季節だが、これもコロナ前を思い出して懐かしかった。
せめて監督はプロに任せれば・・・
青天の霹靂とは主人公が突然タイムスリップする謎の落雷のことでした、SF映画ならタイムマシンの出てくるところですが、回りくどい手段はバッサリ省略。
お笑い芸人の劇団ひとりの原作・監督・出演、笑いを売りにする芸人が何故こんな切ない暗いストーリーを思いついたのか、もしバック・トゥ・ザ・フューチャー(1985)より前に出版していれば天才なのだろうが後発ではパクリと思われても仕方あるまい。
主演が大泉洋さんですから、もっと軽妙なトークで観客を惹きつけるのかと思ったら不本意にもユリゲラーに便乗した売れないマジシャンの設定で、セリフは愚痴ばかり、罵声を張り上げたり殴ったりの暴力シーンが多く、大泉さんの持ち味が台無しの酷い脚本、演出でした、お涙頂戴の感動物語を作りたかったのか分かりませんが中途半端な独りよがりの作品でした、せめて監督はプロに委ねていれば・・・、残念。
心暖まる親と子の絆
評価されている小説だけあって
ストーリー構成がいい。
昭和という時代背景の雰囲気作りも
気合いが入っており、実際の昭和を
感じることができた。
過去にタイムスリップして
現在の惨めな自分の人生を
変えるために足掻く。
前向きになれる終わり方で良かった。
平凡
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マジシャンだが駄目男でうだつの上がらない大泉。
そんな折、突然1974年にタイムスリップ。
そこで若かりし日の父と母に出会い、
父とはコンビを組んでマジックをすることになる。
母は大泉を生んですぐ病気で死亡したことをそこで知る。
やがて母の死と同時に現代に戻って来る。
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びっくりするくらい予想通りの展開だった。
大泉の手品はなかなか上手い。
主役3人の相性が抜群! クスッと笑えて、ホロッと泣ける再生の物語
芸人 劇団ひとりさんの原作著書・監督・主演作、全体にバランスのとれた、とても良くできた作品で素晴らしい才能だと思います
特に目新しいストーリー展開ではないけど、人生どん底で生きる希望を持てない主人公の男が自分の生まれた時代にタイムスリップし両親と出会うことで立ち直る王道ストーリー
主人公の男を大泉洋さん、若き日の父親を劇団ひとりさんが演じており、この二人が奇跡的に出会い、人気”奇術”コンビになっていく展開が爽快、”ぺぺとチン” 最高です
その2人に加え、若き日の母親を演じるのが柴咲コウさん、本作ではすごく綺麗で明るい雰囲気を全面に出し、主役2人に加え更に良いスパイスとなり、この3人の相性がメチャクチャいい、ダメダメな劇団ひとりさんを柴咲コウさんが何度も張り手するシーンは爆笑もの、そしてそれを後半で回収しホロッとさせる脚本が素晴らしいです
実際の撮影は長野県上田市ですが、昭和40年代後半の浅草を舞台にしたレトロな映像がすごくいいです、私もその頃の生まれなので行ってみたいなと思いました
特にメインの舞台となる「雷門ホール」。私も実際に訪れたことがありますが、上田市に残る「上田映劇」というレトロな老舗劇場を借りて撮影されたらしく、いわゆるセットでは出せない雰囲気バツグンの映像が素晴らしかったです
最後に風間杜夫さん、本作では古き良き時代に生きる社長役ですが、彼もまた「異人たちとの夏」という作品でタイムスリップし両親に会う役をやってますね、好きな作品なので1人ニンマリしてました
(今回は平和で穏便に終わって良かったです、笑)
知っている話と違っていた自分が生まれた顛末
大泉洋扮する冴えない独身マジシャン轟晴夫はマジックバーに勤めていた。部屋は水道管破裂で水びたし状態になった時、警察から電話があって父親が亡くなったと言う知らせだった。晴夫は人生を嘆いていたら何と過去にタイムスリップした。
劇団ひとりの小説の映画化。タイムスリップ先でのヒロインはつわりに苦しむ柴咲コウ。かつての若い頃の晴夫の父親として劇団ひとり。確かに現世で報われない人は過去に生きた方が良い人もいるだろうね。しかし自分が生まれた顛末が、自分が知っている話と違っていたら。以前観た事ある作品だが、コウちゃん素晴らしかったし、なかなか楽しめたよ。
「陰日向に咲く」もそうだけど、劇団ひとりの主人公の人物設定が似てる...
「陰日向に咲く」もそうだけど、劇団ひとりの主人公の人物設定が似てる気がする。悩める主人公に光がさしていく、そういう感じが好きなのかな。
でもラストに向かってじんわりきます。大泉洋はよかった。
生きる理由
生きていることに疲れ
生きていることを辞めようと
していた主人公の晴夫
母親に捨てられ父とは別れ
上手くいかない人生は
全て親のせいだと思っていた
突然の雷に打たれて自分の生まれる
前に…タイムスリップ
若かりし頃の両親に会う
晴夫にとって
…母親は生きる理由で心の支えだった
母の命をかけた出産で
母から強く望まれて生まれた事が分かり
…生まれて…きて…よかったと
この時の二人の会話にうるっと
感動ものでした
大泉洋が素晴らしい
大泉洋の演技に惹き込まれた
マジックにしても話し方の
テンポ 間 魅力的なしゃべり
ベタな話だけどおもしろい
人間味溢れる作品
デビュー小説の
陰日向に咲くがとても好きだったんだけど
なぜかこの作品には惹かれず
原作も映画もスルーしてたんですよ。
で、浅草キッド観てからの陰日向の映画みてからの
こちら拝観。
劇団ひとりのピンのネタを思い出せる人って少ないかもしれないけど
笑いのなかに怒りや哀愁みたいのが詰まってて
好きだったんだけど
やっぱり
本も映画も同じで
人の弱さや惨めなところを浮き彫りにして
それでも笑いや温かみは無くさない
人間味が溢れてるんですよね。
原作未読だったので
話の展開がよく練られていてとてもおもしろかった
ちょっと毎回、泣かせどころの演出がクドく感じるんですけどね、、
劇団ひとりって演技もできるし
やっぱり天才だと思うんですよ
なぜか世間の評価はそれほど高くもなく不思議
4
Netflix映画の浅草キッドに続き、
お勧めされることが多かった"青天の霹靂"も鑑賞!
劇団ひとりの根底にはずっとビートたけしの
"浅草キッド"があるのだと感じます。
劇団ひとり×大泉洋に魅せられた数時間でした!
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