そこのみにて光輝くのレビュー・感想・評価
全192件中、21~40件目を表示
三つの家族
舞台は北海道函館。
ある事件からニートとなりパチンコをするだけの達夫、パチンコ屋で知り合った拓児に連れられたどり着いた拓児の家には、彼の姉の千夏、寝たきりの父と世話をする母が暮らしていた。
達夫と千夏は惹かれあい関係を重ねるうちに、彼女の家族の状況とバックにいる中島という男の存在を知る。
自分がまだ映画もエロも知らなかった頃、濡れ場見たさに母親が録画していた本作を母の外出時にこっそり観た思い出の作品。
今考えるとそんな濡れ場メインの映画ではないけれど、当時は池脇千鶴が脱ぐのも綾野剛がおっぱい舐めるのも衝撃的だったわけで…
まあ、それはさておき、今回はちゃんと観ました。
一見、大城一家が不遇すぎる終始重たく暗い映画であるものの、苦しい現状の中にもほんの少しの幸せや希望を見出せる、そんな映画なんじゃないかと。
家族を持つ者、家族を持たない者、家族を支える者。
三方向から見た家族のかたち。
隣の部屋から性の塊のような呻き声が聞こえようが、どんなに問題を起こそうが、家族は家族。
達夫と千夏の浜辺でのラストカット。
あの瞬間、達夫は家族になったんだろう。
脚本や演出、カメラワークなども良かったが、やはり演技派俳優陣の魂こもった芝居が1番の見どころ。
綾野剛は北海道似合うし、池脇千鶴は幸薄似合うし、菅田将暉は夏祭り似合う。
とにかくどの役者さんも熱量が凄かった。
あと北の方言は聞き取るのがやや難だけど、それで良し。
スダマサキを知った作品
そこが、底だけで終わると、訳わかんない❓‼️
原作は再生して結ばれていくまでが描かれているそうですが。
途中で、終わらせるのが、アートなんでしょうか。
映画はリアリティが凄くて、演じるキャストはさすがです。
綾野剛、菅田将暉も凄いですが、社長役の親父はそのもので吐きそうです。
暴力も性行為もリアルすぎるのは良いことですが、余白が無いと思うのは贅沢でしょうか。
生活や環境が底辺とゆうこともあるでしょうが、精神状態が底をついてるんでしょうね。
トラウマが有れば、人生を休息することも有りです。
原作者みたいにエンドにすることなく。
池脇千鶴は演技が良すぎて、そのまんまにすら見えます、恐るべし。
それぞれ演技が上手いなー、そう感じるのは、共感を覚えないし、感動することもないからです、ただし、映画の品質は高いと思います。
でも、映画との相性はあると思います、原作に忠実に起伏に乏しい暗いだけの展開ですから、鬱な感情で負のスパイラルが出る恐れありです。
健全な精神状態で、菅田将暉や綾野剛のファンなら、是非。
夜明け前のような雰囲気のある映画
チャラ系名優。
そこのみ
どうしようもなく、逃げ場がない生活
どん底
今ならきっと福祉の手を借りられるはずだけど、何をどうしたらこのどん底から抜け出したら良いかわからない家族。
キャストが良い。
菅田将暉さんも人懐っこい役がハマるし、
池脇千鶴さんは子役から知っているけど本当に大人になって、仕草、表情、全てが千夏だった。
綾野剛さんは役のためにわざと函館の街で毎晩飲んで、顔を浮腫ませて挑んだとありました。
もちろん自身も事故で重いモノを背負っているけど、千夏の家族と前向きに生きて行けたらよいね。
『きみはいい子』の池脇千鶴さんを観てからこの作品を観ました。ギャップが凄い。
全国で公開されなかったんですか?アマプラのおかげで観ることができて良かったです。
不幸体質
赤いママチャリ、拓児!
拓児と千夏が親と住んでいる家を見て、「ヒミズ」の染谷将太演じる男の子が住んでる家とその周辺の風景を思い出した。それで胸が痛くなり辛かった。でも、拓児が人懐っこくて可愛くて、服も髪型もキャラクターにぴったりで、いつでも美味しそうにモリモリご飯食べていて、救われた。菅田将暉、上手い!音楽と照明もとても良かった。
達夫は千夏に一目惚れした。綾野剛、巧いなあ。千夏が海に入りたいと言ってたから、千夏に謝りたかったから、達夫は泳ぎに来た。千夏は服を着たまま達夫のところまで泳いできて、海の中で笑顔でキスをした。
達夫に抱かれて達夫を抱いて、千夏は自分の体が清められていくように感じたのだと思う。だから、長いラブシーンだったけれどその意味が伝わった。自然で素直で美しかったし、千夏の思いがわかったから。だから早送りしないでそのまま見ることができて嬉しかった。千夏と達夫の笑顔はとてもいい。池脇千鶴(初めて知った)と綾野剛、とても良かったです。
堰を切って
これからも生きていく
これまでは、一人で生きてきた。
これからは…自分の眼差しを受け留めてくれる人、そんな人がいれば…。
途中から、三人の中の誰かが死ぬバッドエンドを想像してハラハラしていた。
手放しのハッピーエンドではないけれど、
終わりと始まり。そんな予感を持たせるラスト。
達夫が初めて千夏を見た時。
ああ、雷に打たれたような一目ぼれってあるよな、
そんな描写が、大仰な台詞や演出ではなく、とつとつとした日常の中で表現される妙。
そんな出会いをした女は色々抱えており、
そんな思いがふつふつと胸に燈った男も抱えるものがあり、
それでも少しずつ距離を詰めていく様が愛おしい。
その二人のキューピットになるはずの弟は、何が起こるかわからない危うさをまき散らす。
だのに、姉と達夫を好きな様だけはビンビンに伝わってきて愛らしい。
その三人を取り巻く脇も手堅く締めてくださる。
息をするのさえ、苦しくなるような日々。
その中での、些細な、しかし明かりが灯ったような幸せ。
それなのに…、いや、それだからこそかの展開。
そして、
ラスト、二人を包み込む輝きが尊い。
幸あれとこんなに願った映画があったけ?
見る人は選ぶと思うが、珠玉の一本。
期待していたんだけど。
評価がいいので楽しみにしていたのだが、
暗いというか、セリフがない時間がすごく
長く感じてしまって、途中で飽きてしまった。
物語のスタート、石の下に誰かが
下敷きになっている場面がある。
これと、綾野剛はどんな関係があるのか。
過去に夢にまで出てくるほどの悲しみがあったことがわかるが、これがなんなのかが
なかなか出てこない。
自分の失敗で、一人死なせてしまった。
このことから、ひどく塞ぎ込んで
生活するようになる。
そこで菅田将暉に出会う。物事を軽く考えていてちょっと危ないやつ。
この妹のことを好きになる。←ここ、
なんで好きになる?って思っちゃった。
お金を稼ぐために、体を売る仕事をしてるし、
ちょっとやばい男と付き合ってるし…
私が男ならこの女はやめておく。
そして、また同じ仕事をしようとは
思わない。
もう一度見たら、感想変わるかな…
ただ、淡々と
綾野剛、池脇千鶴、菅田将暉。
皆さん素晴らしいです。
高橋和也さん、素晴らしいですが役が非情で、くそ人間だったので、出てくる度にイラッとしましたよ。そのくらいリアリティを感じました。
「生きる」と言う事に焦点が当たっていたように感じました。メインの3人はそれぞれ、事故で部下を亡くした達夫(綾野)、殺人事件を起こし仮釈放中の拓児(菅田)、家族を養う為に身体を売る千夏(池脇)。3人とも生き方が苦しく、生きることを諦めているようでいながら、やっぱりもがいている。そういう、人間臭いところが存分に描かれています。
それから、"愛"を感じる場面はとても丁寧です。
達夫と千夏、千夏と拓児、拓児と達夫(ここは愛というより情という感じ)
なんとなく感じたのは、言葉で相手を救うのではなく、どれも行動で示されているようでした。
ラストシーンも、どんな言葉が?と期待しましたが、やはり言葉は発せられることなく、でも優しさが伝わる。
日本人的な印象を持ちましたが、とても良かった。
自分の今いる場所に決して満足はしていないのに、それを見ないフリをして過ごしているのは見ていてこちらが辛く、虚しくなる。
そういう人間を利用するクズ野郎もいますが、そこに頼るしかないという負の関係。きっと日本の中にもたくさん存在するのでしょうね。
それが一番悲しい。
全192件中、21~40件目を表示