劇場公開日 2014年4月19日

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「これからも生きていく」そこのみにて光輝く とみいじょんさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0これからも生きていく

2020年12月24日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

これまでは、一人で生きてきた。
これからは…自分の眼差しを受け留めてくれる人、そんな人がいれば…。

途中から、三人の中の誰かが死ぬバッドエンドを想像してハラハラしていた。
手放しのハッピーエンドではないけれど、
終わりと始まり。そんな予感を持たせるラスト。

達夫が初めて千夏を見た時。
ああ、雷に打たれたような一目ぼれってあるよな、
そんな描写が、大仰な台詞や演出ではなく、とつとつとした日常の中で表現される妙。
そんな出会いをした女は色々抱えており、
そんな思いがふつふつと胸に燈った男も抱えるものがあり、
それでも少しずつ距離を詰めていく様が愛おしい。
その二人のキューピットになるはずの弟は、何が起こるかわからない危うさをまき散らす。
だのに、姉と達夫を好きな様だけはビンビンに伝わってきて愛らしい。

その三人を取り巻く脇も手堅く締めてくださる。

息をするのさえ、苦しくなるような日々。
その中での、些細な、しかし明かりが灯ったような幸せ。
それなのに…、いや、それだからこそかの展開。

そして、
ラスト、二人を包み込む輝きが尊い。
幸あれとこんなに願った映画があったけ?

見る人は選ぶと思うが、珠玉の一本。

とみいじょん