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日本の里山の風景を見たくなり、「WOOD JOB!(ウッジョブ) 神去なあなあ日常」と「天然コケッコー」(この原作者のくらもちふさこさんのマンガが好きで)とで迷った結果、前者に決定。アマプラで観ました。
ちょうど先月観に行った「スピリットワールド」の上映館が、かつて「ウォーターボーイズ」を観に行った映画館で懐かしく思っていたところ、WOOD JOB!はウォーターボーイズと同じ矢口史靖監督の作品と知り、何だか縁を感じたのと笑、「これは楽しく笑えそう!」という予感がしたので、この作品を見ようと決めました。
結果、、、とても面白くて楽しい映画でした!クライマックスの御神木が山の斜面を滑り落ちるところは声をあげて笑いました。キャスティングも全員はまり役でした。
あらすじは、大学受験に失敗して進路が定まらずフラフラしている主人公が、気まぐれのように林村の神去村(モデルは三重県美杉町ですが、実在しない村です)で林業にたずさわるようになり、山で暮らす人たちや生活に惹かれていく話です。
「林業の仕事のリアル」が描かれるほか、村人達が山の神様(オオヤマズミ様)を祀る神聖な雰囲気や、その神様による神秘体験なども描かれ、クライマックスとして48年に一度、御神木を切り倒しての神事も描かれています(この神事は実際に行われているものではないようですが、日本各地の実際の神事を参考にしているのか、それらしい感じになっています)
撮影ではCGは一切使っていないそうで驚いたのですが、木を数十年単位で育てるため、大木に登って下枝を切り落とす作業では、実際に俳優さん達が20mくらいの木に登って、それをクレーンでカメラを同じ高さまで引き上げて撮影したそうです。御神木は作り物みたいですが、あれにまたがって斜面を滑り降りたのもリアル?、、、だとしたら凄すぎる、、、。
矢口史靖監督ご自身が脚本を書いていらっしゃるということですが、ウォーターボーイズもそうですが、ユーモアが溢れていて、こういう笑いはいいなあ、と感じました。監督の頭の中では「ここはこういうセリフにしたら、ここはこういうシーンを作ったら、可笑しくて笑える」というような発想が泉のように湧いてくるのかもしれません。、、、素敵すぎます!そういう頭になってみたい!笑(そうなったら、人生、楽しいことが増えそう!)
クライマックスのシーンでは、崖から空に突き出た巨大な御神木が今にも崖を滑り落ちようとしていて、、、崖の下はどうなっているかと思えば、まさかのレールが敷いてあり(諏訪大社の御柱祭みたいに地面を滑り落ちるのかと思ったら!)、その先にはこれまた巨大なしめ縄のようなものが!、、、このあたりで多分この神事はギャグで「子宝•豊穣」祈願の神事ふうに仕立てたフィクションかな、、と日本人なら気付きますが、外国人がみたら本当のお祭りだと勘違いするかもしれません、、、と言いつつ、もしかしたら本当にこれに似たお祭りがあるのかも、という気もします。
日本の神話や民話、昔話には、ちょっと汚かったり(牛の糞が主役?で出てくる昔話を聞いたことがあったような)、あけっぴろげだったり(本作品でもおばあちゃんが入れ歯をパカっと外して手に持ってた!)、シモネタっぽい話を面白おかしく描くことがあるので、そういう部分も含めてすごく日本らしいストーリーだと感じました。
そんなフィクション(たぶん、、)の神事でも、崖から落ちそうでなかなか落ちない御神木にまたがる羽目になってしまった主人公の慌てぶりに、ハラハラしながらも爆笑しました。
また、この主人公の生き方が自分にはとても印象に残りました。自分に与えられた役割りに素直に従って生きている感じで、こういう生き方っていいなあ、と思いました。
人は1人1人個性が全然違うから、人生は椅子取りゲームでも競争でもなく、その人に合った役割りというか、使命のようなものが与えられる、、そんな気がしている今日この頃の自分。こう感じられるようになるまでには仕事面なんかで葛藤を味わったり希望を失ったりしたことが随分あったけれど、最近は、出会う一つ一つのことに一生懸命に生きていたら、自然と会うべき人や自分なりの使命のようなものに導かれていくのかな〜、なんて感じがしてるのです(こう思えるようになったから、色々あったけど、これまでの人生経験で無駄なことは一つもなかったのかも!とポジティブ思考)。ところがこの主人公は、そういうジタバタする経験をしなくても、自然な生き方が若干ハタチですでに出来ている!なんて素敵なんでしょう〜。
そして、本作の山の景色はすばらしかったです。見ているうちに森林浴をしているような気分になります笑。トラックの荷台の上で皆で木こり歌?を歌っているシーンなんか、見ている側も荷台で気持ち良く風に吹かれている気分になります。
最近は二拠点生活をする人も多いようですが、自分も地方に住むことに魅力を感じるタイプなので、この作品の主人公のように木々の中で深呼吸したくなりました!空気が良くて、緑が多くて、人が溢れていなくて、穏やかな雰囲気で、時間の流れがゆっくりで、、、そんな空間で大切な人と暮らせれば人生最高ではないでしょうか。明日は買い物帰りにでも自転車ですこし遠回りして、紅葉を見ながら落ち葉と晩秋の香りを吸い込んで来ようと思います!