ウルフ・オブ・ウォールストリートのレビュー・感想・評価
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祭りは、終わるべくして終わる
撮影前から休養を決めていたかのような、レオナルド・ディカプリオ全力疾走の演技とダレないテレンス・ウィンター(「ザ・ソプラノズ」「ボードウォーク・エンパイア」)とマーティン・スコセッシのテンポのいい演出で三時間という長尺をそれと感じさせない力技は見事。
とてもまともな神経では見ちゃいられない乱痴気騒ぎなんて笑い飛ばせばいいのかもしれない。
しかし、どうも気持ちよく笑えないのは、こんな乱痴気騒ぎは長くは続かない、まして永遠になんて続くわけがないということを渦中の彼等も観客も分かっているからだ。
ジョーダンをはじめ彼等が四六時中シラフでいられないのは、祭りはいずれ終わる、パーティーはお開きになる、犯した過ちにはいつかきっと報いがある、それが分かっていながら、気付かないフリをしたいからだ。
何のコネもないジョーダンがのし上がって行く様は痛快に見えても、それは終わりの始まり。皮肉なことにドラマは転落が始まりと共俄然面白くなる。
ジョーダン・ベルフォートという人。
たしかにセールスとアジテーターとしては天才。しかし、売るもの、売る方法を間違え、仲間を間違った方向に導き、犯罪者として報いを受けることになった。
「この映画は警告」とスコセッシは語ったらしいが、これを警告と受け取るか、それとも、それでも派手な花火を打ち上げたいと思うかは観る人間次第。
日本でも作られる題材。
カネに目がくらみ、女色に溺れ、クスリをやめられない、もう、どうしようもない品性下劣な人間の成功と転落を描いた映画です。途中までは主人公のベルフォートの生き方に、胸糞が悪くなります。映像も汚なければ、科白も汚い。(ひとつの科白の中に、必ず、ファッキングという形容詞が複数回、出てきます)しかし、FBIの二人の捜査官が出てくるところから、話の風向きが変わって来ます。ヨットの上でベルフォートが捜査官と話をするのですが、あるところで、捜査官が「さっき、買収を持ちかけなかったか」と云うのです。ペラペラと喋っていたベルフォートの顔色が変わります。まさに語るに落ちる、といった具合です。ベルフォートの転落の予兆がします・・・。
映画を観終わって感じたことですが、この手の映画は、日本でも作ることができる筈です。人材には事欠きません。例えば、ホリエモンことライブドアの堀江貴文、ティッシュ王子こと大王製紙の井川意高、また、分野は違いますが、音楽プロデューサーの小室哲哉、など、多士済々です。誰か志のある映画製作者はいないのでしょうか。
この映画はスコセッシとディカプリオが組んだ作品の中で、最良のものだと思います。「ディパーテッド」も良かったのですが、如何せん、あの作品は香港映画のリメイクでした。オリジナリティに欠けるようでは映画の価値も下がるというものです。それにしても、この映画にディカプリオが注いだエネルギーは想像を絶します。冒頭から、ボルテージは最高潮。アクセルを踏みっぱなしなのです。この演技をもってしても、オスカーを逃すのであれば、アカデミーの会員はディカプリオに対して、何らかの他意を持っている、と断じざるをえません。
ひとつ不明な箇所がありました。最後の場面がよく判らなかったのです。あれは、ニュージーランドに渡ったディカプリオがニュージーランドの人間に、懲りることなく、株投資の指南をしているという解釈でいいのでしょうか。ニュージーランドは先進国です。アメリカと大差ない筈です。株に関心がある人で、ベルフォートなるいかがわしい人間から教えを請う人間は、あまりいないと思うのですが・・・。
ふーっ。
ざっと感想。
途中少し繰り返しっぽいのりでテンション下がりましたが、あっという間に三時間近くたったって感じで、最後のシーンはスコセッシ監督らしい終わり方で個人的には最高でした。実際にこういう感じの人は他にもたくさんいたんだろう。証券、株のセールスは今でこそリーマンショク以降影が薄くなった感はあるが、結局ビジネスの本質は変わっておらず、そこで荒稼ぎした人は結婚離婚裏切り逮捕といった一連の流れ。個人的にはストーリーは王道だがスコセッシ、ディカプリをだから出る味があり鉄板の映画。そして、人間の不変の心理というか感情や、社会をうまく描いていると思う。欲望のままに突き進む現代社会に忠告みたいなのはよくあるが個人的には今も昔も本質的には変わってないと思う。確かに今の方が露骨に表面化してるけど。
一般的にはつまらない映画と評価される気がします、特に日本では。一歩踏み込んでみると深いいつものスコセッシ映画です。
欲望の果て
大金持ちになったら何をするだろうとよく考える。この映画は巨万の富を得たディカプリオが何をしていたかというと、ヤクをやってセックスをして豪邸に住んでボートや車を所有して、仕事をしていただけだった。その中で何が一番楽しそうだったかと言えば仕事して金をもうけることで、ヤクでギンギンにテンパって更に仕事している様子がとにかく楽しそうだった。
何かを買うためのお金を集めることが目的になって言わばお金中毒だ。会社が大きくなってどんどん成功していく様子が楽しそうだった。結局そこが一番楽しくて、その先はないのかもしれない。
人間の欲望の果てには何があるのだろうか、常々考える事だが、その先を見せてくれる映画には出会ったことがない。最終的には虚しくなったり逮捕されたり死んだりといった破滅がある。その過程にしか喜びはないのかもしれない。
この映画はそれほど極端な破滅はなく、収監されたもののそこそこ楽しげに終わる。
行き着く先には何もない、かと言って目的なしに生きるのもつまらない。成功を目指してその過程を四苦八苦しながら楽しむしかないのかもしれないと思った。
奥さんに隠れてセックスを楽しんだり、お金をいかに隠すのか工夫を凝らしたり、ボロ株を電話で売りつけようとしたり、ヤクをきめて演説したりとにかくエネルギッシュに何かやっている様子が、何をやっていても楽しそうだった。ヤクの禁断症状など負の側面は特に描かれなかった。
TOKYO映画 5/100
成功して
金持ちになって
いい女や高級娼婦とセックスしまくって
ドラッグをやりまくって
酒池肉林と贅沢の限りを尽くす
そして最後には報いがやってくる
庶民の憧れや秘めた欲望をくすぐり
退屈の底から救い出してくれる映画だ
隣の席では
カップルが恥部をまさぐり合い
女の吐息が耳につく
たいして可愛くもない寂しい女
きっとその辺の人生を終えていく
でも一度も浮かばれない人生よりは
こんな破天荒に生きてみたいと
誰だって思うだろう
生存本能剥き出しで
バカを通り越して何でも許されるレベルで
でもそこに映画として真新しい手法はない
実話を題材にしているから
説得力もついてくるんだろう
では作り話だったら?
日本で作るなら
オレオレ詐欺とかを題材にすれば
こんな感じになるかもな
カッコいいレオなんてありません。実在人物の赤「裸々」なユルいエピソードに溢れたセンセーショナルな半生の作品。
実録ドキュメンタリーと考えたらほぼ楽しめたかな。
3時間ほぼクスリと性描写(R18指定は納得)が過剰なくらいに出ずっぱりなので
そういうものに免疫が無い人は要注意。
柔い描写じゃないです。
(細かい表現は控えますが)もうモロなので。
自分は作品の中に、レオ演じるジョーダン・ベルフォートの(警鐘的な)メッセージが
もうちょっと入っているかなと思ったので、それが少なかったのがやや残念。
テンポは不思議と悪くないです。サッサッと進んでいく感じ。
前半約2時間くらいが栄光編で、そこからゆっくりゆっくり1時間かけて転落編を描いていく感じになります。
作品通して、金と欲にまみれた過剰なまでの半生を描いていくのですが
(もちろん実在の人だから当たり前なのですが)商売のカリスマって案外こういう人ですよね。
強烈な人間性で全員もろとも引っ張っていくというか。
また悪く言えば金にまみれて人生滅ぼす…というか。
笑えるポイントは自分的にはあまりありませんでしたが(ブラックユーモアみたいなお下品なギャグがあまり好きではない為)
父のエピソードと、レモンを飲んで車で家に帰る一日のエピソードは
流石に笑ってしまいました。
まぁ、ユルいギャグを許すような軽い気持ちで見ないと損します。
あと、作品の性質上カップルにはあまりオススメしません…w
ハチャメチャに生きてみる。
3時間があっという間でした。夜の10時半に始まって夜中1時半に観終わりましたが、ぜんぜん眠くならなかった。セックスとドラッグでむちゃくちゃな人生ですが、なぜかこんな生き方もありなのかと納得させられる部分も多くありました。何かをしたいけれど勇気がない、何かを得るために危険を冒すのが怖い、世の中難しいんだから仕方がない、人から白い目で見られたくない、どうせ自分にできるはずもない。人間どこかそういった感情があって、本当に生きたい人生を歩めないでいることも多いのかと思いますが、この主人公のように完全にふっきれてしまうのはあるいみ潔いともいえます。おかげで彼の人生問題だらけですが。
興味深かったのがそれらのハチャメチャが、人間の押さえ込まれている野生的な面を開放しているような印象を受けたことです。金融という一見知的な仕事もよく見ると人間の動物的な本能にかなり近いところにあると考えることもできます。金がほしい、女がほしい、いいものが食いたい、そういう原始的な欲求を「人間性」でブレーキをかけない人間こそ、こういう世界では成功するのかもしれません。もちろんそれが人として善かどうか、世界から好かれるかどうかは別ですし、失敗したら悲惨ですが、どっちを選ぶかかと思います。
いろいろ考えさせられる映画でした。
3時間は長かった...
ターゲットが限定的な娯楽映画
アメリカでの公開日の12月25日に劇場で観ました。超満員で最前列から。
終始、人生のモチベーションの描写としてアダルトな内容が多く、全体的にコメディ。まとめると、元エリートの証券マンが叩き上げで会社を革新的な方法で成功させ、極めてユニークな会社を作り上げ好き勝手やってしまう。お金で幸せは買えないまでも無駄ではなく、困難にも効果的。
教訓は、プロフェッショナルなトークと、一度は覚えた習慣はやめられない人間の性。
ディカプリオの演技力の高さに脱帽しましたが、個人的には一人か友人と観た方がいいと思います。
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