ウルフ・オブ・ウォールストリートのレビュー・感想・評価
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ポジティブ・シンキング・バカ
ポジティブ・シンキング・バカ
一言でいえばその言葉がぴったりだ。
ともかく、前向きに前向きに、後先は考えず、善悪なんてものはもちろん考えず、この場合金のためにひたすらハイになる。
ハイから少しでもギアが落ちてきたら、クスリで持ち直す。
それから、セックスでまぎらわす。
みんながほしがっている現ナマをまき散らす。
そんな映画だ。
スコッセシ-ディカプリオの黄金コンビがそんなバカバカしい映画をつくった。
リーマンショックというものがあって、少しは反省したかと思ったら、そんなことはなかった。
東日本大震災があって、原発はイヤだと思ったが、いまは再稼働はおろか輸出まで考えているのがいまの政府だ。
いまのポジティブ・シンキング・バカは安倍さんだろう。
金・経済のためならなんでもやってしまう。強い日本をつくるために。
のど元過ぎればというのだろうか?
人間は同じ過ちを繰り返す。いや、過ちじゃないのかな。
ひとりの人間にはいい人間と悪い人間がいる
と都知事選候補は言ったけど、当たっているところがあると思う。
ディカプリオはそのバカ(悪い)人間を演じきった。
最近の彼は「ジャンゴ」でも「ギャツビー」でも、善悪すれすれの役を演じている。それはそれで役者としては、認めようと思う。
だから、アカデミー賞をとってほしいとも思う。
でも、このストーリーは面白くないと感じる、いい人間の僕がいた。まあ、ひかれる部分もある自分もいるんだけど、ね。
F●CK!!!
F◎ck! F◎ck!! F◎ck!!!
非常に面白かった。
特筆すべきは、主人公ジョーダンを演じるレオナルド・ディカプリオの演技。
煽動屋である彼の演説シーンが劇中何度もあるのですが、そのパワフルさ、そして巧さが話に説得感を与えています。
話の緩急、間の取り方も素晴らしかった。
コイツには騙されても仕方ない。
中身は何一つ無いのに押し切られてしまいそうなヤバい魅力に溢れていました。
脇を固めるジョナ・ヒル、マシュー・マコノヒーも最高でした。
ジョナ・ヒルの目の虚ろさ加減。そして、終盤の最低過ぎるジョーダンとの喧嘩。
最低過ぎて最高でした!!
マシュー・マコノヒーは「マジック・マイク」、「MUD」、そして2月下旬公開の「ダラス・バイヤーズクラブ」と、ここ最近、特に良い役者さん。
彼の冒頭の教えが、歌が最高でした。
それから荒唐無稽なパーティーシーン。
ヤク中毒、酒中毒、女中毒…そして金集め中毒であるジョーダン一派の破天荒な行動は観ていて飽きません。
これだけ明け透けだと逆にエロくない。
ヤクもごく自然に「多用」されるため、逆に爽やか。
スイス銀行との馬鹿な遣り取りは動いている金額は恐ろしいことになっているのに馬鹿馬鹿しさしか感じません。
あと言葉遣いが汚く、Fワードが飛び交いまくる本作。
強調の意図で使われるため良い時でも悪い時でも、男性でも女性でも、若者から年寄まで。
劇中の登場人物皆がF◎ck!、F◎ck!、口癖のように。
段々、聞いている方も感覚が麻痺してきて途中で登場するFBI側の口調に違和感を覚えるレベルまで調教されていました。
エネルギッシュでテンション高め。
179分が本当にアッという間でした。
ただ振り返ってみると巨万の富を得たところで。。
という空虚な気持ちと、何故か溢れる安心感で一杯。
それでも成りたいお金持ち。
終盤に流れる、これ以上ない空虚で下らない群衆の面は観ていてグッときました。
てめぇら、まじF◎ckだなと。
日本で言えばホリエモンやネオヒルズ族(笑)の与沢翼のよりスケールアップした本作。
人間の幸せって何だろうなぁ、なんて思いたい方。
そして、ただただエネルギッシュでテンション高めな3時間を味わいたい方。
オススメです。
ちょっと下品過ぎる。
実話を下にした作品。
演技の一線から(一旦?)退くレオナルド・ディカプリオ。その最後の作品に選んだのが、この作品です。監督は、5度目のタッグとなるマーティン・スコセッシ。
そりゃぁ、R18+指定になりますよねぇ。クスリに、セックスに、やり過ぎです。実話を下にしている作品なので、多少の誇張はあるにしても、それこそ、多少のクスリと女は有ったんでしょうね。コンプライアンスと言う言葉がある、今の時代では、ほとんど不可能な行状ですが、その言葉が、まだ無かった頃の話ですからねぇ。
劇中「ゲッコー」と言う言葉が出てきます。これは、1987年(日本公開1988年)の作品『ウォール街』の主人公ゴードン・ゲッコーの事ですよね。共にウォール街舞台に描いた作品で、どちらも証券取引を巡る詐欺を描いているのですが、『ウォール街』の方はシリアスな感じ、こちらの方は、オチャラケたコメディと言う全く異なった味わいになっています。どちらが好みかは・・・。ただ、こちらの方が、お下劣ではあります。
見ていて思ったのは、これでやっていた事って、日本で言う所の、振り込め詐欺・母さん助けて詐欺に匹敵するんではないかと。電話をかけて、お金を出させる。どちらも、儲かるのは電話を掛けた側で、電話を受けた方は、損するだけ。なんだかなぁ。
驚いたのが、ジョーダンが会社を設立して、5年とか、その位の時間軸なんですよね。アメリカでは、物事の進みが速いです。
アカデミー賞では、主要5部門ノミネート(主演男優賞(レオナルド・ディカプリオ)、作品賞、監督賞、助演男優賞(ジョナ・ヒル)、脚色賞)。アカデミー賞の前哨戦となるゴールデングローブ賞では、レオナルド・ディカプリオが主演男優賞 (ミュージカル・コメディ部門)を受賞していますが・・・。本命のアカデミー賞に縁のないレオ様ですが、果たして受賞はなるんでしょうかね?
敬意を込めて大馬鹿野郎!!!
とことん突き抜けた馬鹿映画だ。もちろん良い意味で。ただふざけている映画ではなく変な言い方だが練りに練られた「おふざけ」なのだ。久しぶりにここまでクオリティの高いコメディを見た。質の高いコントを連続で観せられいる感じ。それが映画だから当然繋がっているわけで、これは驚愕に値する。脚本の面白さは勿論のことそれをどのアングルで撮るのか、どのように編集するのか、どう演出をつけるのか、そのどれもが観客を笑わせるために作られている。またそれが憎らしいほどに上手い。
あとは何と言ってもディカプリオだろう。存在感。表情。間。セリフの言い回し。全部最高だった。下衆で欲に実直すぎる人間ほど魅力的に見えてしまうものが、その結末は破滅というのが世の常だ。しかし、その負け様も美しい。これだけ魅力的な人間を演じきれたディカプリオの器のデカさよ。今、この人に下衆な役をやらせたら右に出る人いないんじゃないか。それほど素晴らしかった。
再生の物語?
三時間がすぐにすぎる
ハラハラ。
最高のクソ映画
金とドラッグとセックスまみれという、まるでロックスターの様な株屋のお話。
映画の所々で社員に向けて行われた演説は、「The 拝金者」の理屈であると同時に、口で成り上がった者だけにまるで政治家の演説かのように見え、逮捕後も人気が衰えなかったという彼のカリスマ性を感じさせる。
違法な手法で客から金を奪い取る、ということなら世界中何処にでも居るだろうが、次から次へと強いドラッグを使用し、オフィスにストリッパーを呼ぶ、などというまさに悪党の所業を尽くした奴など中々居ないのではないだろうか。(居るのかもしれないけれど)
そんな人の欲望の頂点とも呼ぶべき行いを3時間に渡ってこの映画は観せてくれた。
これが実話だというのだから、人は金を持つためにどれだけ酷いことを罪の意識も無しにするのか、そしてそれで得た金でどれだけ欲にまみれた行為をするのか、ドキュメンタリーの様に示されたように思う。
そんなお硬い視点で無くても、非常にブッとんだ話なのでもはやコメディやエンターテイメントでとても笑えたし、楽しかった。
"F○ck"というワードが506回という、映画史上最多回数口にされるということや、ドラッグの描写や女性の裸など、R-18にふさわしい「クソ」映画ではあるものの、観る人によって色んな観方が出来ると思う。
監督が「登場人物の善悪は観る人に委ねる」と言っているように、人の欲望の頂点を見て自分はどう感じるのか確かめてみて欲しい。
潮時を誤るな‼︎
祭りは、終わるべくして終わる
撮影前から休養を決めていたかのような、レオナルド・ディカプリオ全力疾走の演技とダレないテレンス・ウィンター(「ザ・ソプラノズ」「ボードウォーク・エンパイア」)とマーティン・スコセッシのテンポのいい演出で三時間という長尺をそれと感じさせない力技は見事。
とてもまともな神経では見ちゃいられない乱痴気騒ぎなんて笑い飛ばせばいいのかもしれない。
しかし、どうも気持ちよく笑えないのは、こんな乱痴気騒ぎは長くは続かない、まして永遠になんて続くわけがないということを渦中の彼等も観客も分かっているからだ。
ジョーダンをはじめ彼等が四六時中シラフでいられないのは、祭りはいずれ終わる、パーティーはお開きになる、犯した過ちにはいつかきっと報いがある、それが分かっていながら、気付かないフリをしたいからだ。
何のコネもないジョーダンがのし上がって行く様は痛快に見えても、それは終わりの始まり。皮肉なことにドラマは転落が始まりと共俄然面白くなる。
ジョーダン・ベルフォートという人。
たしかにセールスとアジテーターとしては天才。しかし、売るもの、売る方法を間違え、仲間を間違った方向に導き、犯罪者として報いを受けることになった。
「この映画は警告」とスコセッシは語ったらしいが、これを警告と受け取るか、それとも、それでも派手な花火を打ち上げたいと思うかは観る人間次第。
日本でも作られる題材。
カネに目がくらみ、女色に溺れ、クスリをやめられない、もう、どうしようもない品性下劣な人間の成功と転落を描いた映画です。途中までは主人公のベルフォートの生き方に、胸糞が悪くなります。映像も汚なければ、科白も汚い。(ひとつの科白の中に、必ず、ファッキングという形容詞が複数回、出てきます)しかし、FBIの二人の捜査官が出てくるところから、話の風向きが変わって来ます。ヨットの上でベルフォートが捜査官と話をするのですが、あるところで、捜査官が「さっき、買収を持ちかけなかったか」と云うのです。ペラペラと喋っていたベルフォートの顔色が変わります。まさに語るに落ちる、といった具合です。ベルフォートの転落の予兆がします・・・。
映画を観終わって感じたことですが、この手の映画は、日本でも作ることができる筈です。人材には事欠きません。例えば、ホリエモンことライブドアの堀江貴文、ティッシュ王子こと大王製紙の井川意高、また、分野は違いますが、音楽プロデューサーの小室哲哉、など、多士済々です。誰か志のある映画製作者はいないのでしょうか。
この映画はスコセッシとディカプリオが組んだ作品の中で、最良のものだと思います。「ディパーテッド」も良かったのですが、如何せん、あの作品は香港映画のリメイクでした。オリジナリティに欠けるようでは映画の価値も下がるというものです。それにしても、この映画にディカプリオが注いだエネルギーは想像を絶します。冒頭から、ボルテージは最高潮。アクセルを踏みっぱなしなのです。この演技をもってしても、オスカーを逃すのであれば、アカデミーの会員はディカプリオに対して、何らかの他意を持っている、と断じざるをえません。
ひとつ不明な箇所がありました。最後の場面がよく判らなかったのです。あれは、ニュージーランドに渡ったディカプリオがニュージーランドの人間に、懲りることなく、株投資の指南をしているという解釈でいいのでしょうか。ニュージーランドは先進国です。アメリカと大差ない筈です。株に関心がある人で、ベルフォートなるいかがわしい人間から教えを請う人間は、あまりいないと思うのですが・・・。
ふーっ。
ざっと感想。
途中少し繰り返しっぽいのりでテンション下がりましたが、あっという間に三時間近くたったって感じで、最後のシーンはスコセッシ監督らしい終わり方で個人的には最高でした。実際にこういう感じの人は他にもたくさんいたんだろう。証券、株のセールスは今でこそリーマンショク以降影が薄くなった感はあるが、結局ビジネスの本質は変わっておらず、そこで荒稼ぎした人は結婚離婚裏切り逮捕といった一連の流れ。個人的にはストーリーは王道だがスコセッシ、ディカプリをだから出る味があり鉄板の映画。そして、人間の不変の心理というか感情や、社会をうまく描いていると思う。欲望のままに突き進む現代社会に忠告みたいなのはよくあるが個人的には今も昔も本質的には変わってないと思う。確かに今の方が露骨に表面化してるけど。
一般的にはつまらない映画と評価される気がします、特に日本では。一歩踏み込んでみると深いいつものスコセッシ映画です。
欲望の果て
大金持ちになったら何をするだろうとよく考える。この映画は巨万の富を得たディカプリオが何をしていたかというと、ヤクをやってセックスをして豪邸に住んでボートや車を所有して、仕事をしていただけだった。その中で何が一番楽しそうだったかと言えば仕事して金をもうけることで、ヤクでギンギンにテンパって更に仕事している様子がとにかく楽しそうだった。
何かを買うためのお金を集めることが目的になって言わばお金中毒だ。会社が大きくなってどんどん成功していく様子が楽しそうだった。結局そこが一番楽しくて、その先はないのかもしれない。
人間の欲望の果てには何があるのだろうか、常々考える事だが、その先を見せてくれる映画には出会ったことがない。最終的には虚しくなったり逮捕されたり死んだりといった破滅がある。その過程にしか喜びはないのかもしれない。
この映画はそれほど極端な破滅はなく、収監されたもののそこそこ楽しげに終わる。
行き着く先には何もない、かと言って目的なしに生きるのもつまらない。成功を目指してその過程を四苦八苦しながら楽しむしかないのかもしれないと思った。
奥さんに隠れてセックスを楽しんだり、お金をいかに隠すのか工夫を凝らしたり、ボロ株を電話で売りつけようとしたり、ヤクをきめて演説したりとにかくエネルギッシュに何かやっている様子が、何をやっていても楽しそうだった。ヤクの禁断症状など負の側面は特に描かれなかった。
TOKYO映画 5/100
成功して
金持ちになって
いい女や高級娼婦とセックスしまくって
ドラッグをやりまくって
酒池肉林と贅沢の限りを尽くす
そして最後には報いがやってくる
庶民の憧れや秘めた欲望をくすぐり
退屈の底から救い出してくれる映画だ
隣の席では
カップルが恥部をまさぐり合い
女の吐息が耳につく
たいして可愛くもない寂しい女
きっとその辺の人生を終えていく
でも一度も浮かばれない人生よりは
こんな破天荒に生きてみたいと
誰だって思うだろう
生存本能剥き出しで
バカを通り越して何でも許されるレベルで
でもそこに映画として真新しい手法はない
実話を題材にしているから
説得力もついてくるんだろう
では作り話だったら?
日本で作るなら
オレオレ詐欺とかを題材にすれば
こんな感じになるかもな
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