「理由なき反抗」のニコラス・レイ監督(1911~79)の妻で、レイ作品の企画にも携わっていたスーザン・レイが、ニコラス・レイ生誕100年を機に手がけたドキュメンタリー。ニコラス自身のアーカイブ映像や関係者のインタビューなどをもとに、晩年の実験的長編作「We Can't Go Home Again」の製作過程を明らかにし、同時にニコラスの人間としての内面にも迫っていく。ジム・ジャームッシュ、ビクトル・エリセらの貴重なインタビューも収められている。
ニコラス・レイ監督の妻スーザン・レイは夫の作品が余りにも実験的要素が強いので解説編の必要を感じたのでしょう、自ら製作・監督しました。 レイ監督とスーザンはシカゴ7裁判を扱った監督のドキュメント「ワシントンでのデモ行進(March Of Washington)」が縁で出会いましたが当時スーザンはシカゴ大学の学生で18歳、監督とは40歳も離れた歳の差婚でした。レイ監督が教鞭をとったニューヨーク大学の学生たちと年も近く、夫が心血を注いだ体験学習映画製作に特別の思い入れがあったのでしょう。 スタッフやキャストを務めた教え子たちもインタビューに応じ、当時の体験を宝物のように語っていたのが印象的でした。