工場 鉄西区 第一部

劇場公開日:

工場 鉄西区 第一部

解説

「無言歌」(2010)のワン・ビン監督が、時代とともに衰退していった中国の重工業地帯・瀋陽の鉄西区を総計9時間にわたる3部作として記録したドキュメンタリー「鉄西区」の第1部。日本占領中の満州・奉天に設立され、後に20世紀中国の重要な重工業地帯となるが、時代の変遷とともにかつての繁栄を失っていく鉄西区。そこにある3つの工場にカメラを入れ、事故や鉛中毒といった危険をも受け入れて働いてきた労働者たちが、近く閉鎖される工場で暇を持て余している様子や、経営が行き詰まり民営化に頭を悩ませる国営工場管理陣たちの姿をとらえた。山形国際ドキュメンタリー映画祭2003で3部作が上映され、大賞を受賞。13年、ワン・ビン監督作「三姉妹 雲南の子」(12)の日本公開にあわせて劇場初公開。

2003年製作/240分/中国
原題または英題:鉄西区
配給:ムヴィオラ
劇場公開日:2013年5月11日

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映画レビュー

まずは、祝・完走

2024年8月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 長らく観たかったワン・ビン初長編監督作、545分の大作を遂に劇場鑑賞できる機会が訪れました。1930年代に日本が建設した瀋陽(旧・奉天)の工場群は戦後も中国の工業を牽引し続けましたが、1990年代には老朽化が進み操業停止・閉鎖が始まります。経済原則の名の下に消えゆく古い工場群、その街で働く人、工場を結ぶ鉄道をただ淡々と描くドキュメンタリーです。日本の工業現場の一端で働いていた者の目から見ると、労働環境、特に現場の安全性はかなり劣悪で、それなのに給与の遅配が続き、やがて解雇・倒産になり、更に、質素な住居すら強制立ち退きを迫られるという人間無視の有様が続きます。  こんな絵に描いたような資本主義の歪みが(一応名目上は) 共産主義国家で進むおぞましさが静かに迫ります。しかし、それを声高に訴えず穏やかに描くので、映画と一緒にゆっくり考えながら歩む事が出来るのです。そして穏やかであるが故に無理な緊張感を強いられなく、疲労を覚えることもなく、長編でも殆ど眠くもならない不思議。(うとうと仕掛けたのは1回だけ)  文革の傷跡を語る人々の言葉からは彼の後の作品「鳳鳴」「死霊魂」へ、街の若者の根無し草的な暮らしからは「苦い銭」「青春」へと繋がる道を感じる事が出来ます。ワン・ビンはぶれていないなぁ。  そして、 途中3回の休憩を挟む10時間弱の上映が終わると、「完走したぁ」の達成感をまず覚え、同じ劇場内の人々とは妙な同志意識が芽生えます。これ、「長編映画あるある」なんですよねぇ。  ちなみに、これを機に、これまで僕が観た長時間映画ベスト5を並べてみました。  ・「人間の條件」(1959): 570 分  ・「鉄西区」(2003)  : 545 分  ・「死霊魂」(2018)  : 508 分  ・「サタンタンゴ」(1994):438 分  ・「水俣曼荼羅」(2021): 372 分  (強烈なドキュメンタリー「SHOAH」も567分の超長編なのですが、これは一挙上映を観る事が出来ず、3日に分けての上映会に通ったので参考記録です)  今年は、340分の長編ドラマ「夜の外側」も公開され、これも面白そうなので必ず観に行きます。こんなのが続くと、3時間の映画ってもう「短編」にすら思えて来ます。

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La Strada

3.03本オールナイト

2018年11月29日
iPhoneアプリから投稿

は流石にしんどかった。 中国国有企業の生の現場や今は少なくなった庶民街をつぶさに見ることのできるドキュメンタリーとしては面白かった。中国の昔を知る人には懐かしく、今しか知らない人には発展ぶりの歴史的背景やそのスピードを思い知らされるのではなかろうか。

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Miya-n

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