8時間15分に及ぶ渾身の大作! ワン・ビンの新作ドキュメンタリー「死霊魂」20年4月公開
2019年11月19日 19:15
03年に3部作で構成された「鉄西区」(「工場 鉄西区 第一部」「街 鉄西区 第二部」「鉄路 鉄西区 第三部」)、07年に「鳳鳴(フォンミン) 中国の記憶」で山形国際ドキュメンタリー映画祭インターナショナル・コンペティション部門の大賞となるロバート&フランシス・フラハティ賞を獲得しているワン・ビン監督。3度目の大賞に加え、市民賞(観客賞)も獲得した「死霊魂」は、フランスとスイスの資本で完成させた作品。総尺8時間15分にも及ぶ大作であり、同映画祭では、各40分の休憩を2回挟み、3部に分け、1日がかりで上映された。
本作がとらえているのは、50年代後半に起きた中国共産党の反右派闘争で粛清された人々が、半世紀以上を経て、それぞれの体験をカメラに向かって語る様子。政府に騙され、砂漠の収容所に送られ、次々に周囲の人々が飢えで死んでいくなか、なんとか生き延びた人々。ある者は昨日のことを語るように熱っぽく、ある者は激情を抑えるように、証言を重ねる。「無言歌」「鳳鳴(フォンミン) 中国の記憶」で描いたテーマと再び向き合ったワン・ビン監督が、忘れ去られた死者の声を掘り返していく。
「死霊魂」は、20年4月から東京のシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開。
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2012年に逝去した若松孝二監督が代表を務めていた若松プロダクションが、若松監督の死から6年ぶりに再始動して製作した一作。1969年を時代背景に、何者かになることを夢みて若松プロダクションの門を叩いた少女・吉積めぐみの目を通し、若松孝二ら映画人たちが駆け抜けた時代や彼らの生き様を描いた。門脇むぎが主人公となる助監督の吉積めぐみを演じ、「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)」「11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち」など若松監督作に出演してきた井浦新が、若き日の若松孝二役を務めた。そのほか、山本浩司が演じる足立正生、岡部尚が演じる沖島勲など、若松プロのメンバーである実在の映画人たちが多数登場する。監督は若松プロ出身で、「孤狼の血」「サニー 32」など話題作を送り出している白石和彌。
若松孝二監督が代表を務めた若松プロダクションの黎明期を描いた映画「止められるか、俺たちを」の続編で、若松監督が名古屋に作ったミニシアター「シネマスコーレ」を舞台に描いた青春群像劇。 熱くなることがカッコ悪いと思われるようになった1980年代。ビデオの普及によって人々の映画館離れが進む中、若松孝二はそんな時代に逆行するように名古屋にミニシアター「シネマスコーレ」を立ち上げる。支配人に抜てきされたのは、結婚を機に東京の文芸坐を辞めて地元名古屋でビデオカメラのセールスマンをしていた木全純治で、木全は若松に振り回されながらも持ち前の明るさで経済的危機を乗り越えていく。そんなシネマスコーレには、金本法子、井上淳一ら映画に人生をジャックされた若者たちが吸い寄せられてくる。 前作に続いて井浦新が若松孝二を演じ、木全役を東出昌大、金本役を芋生悠、井上役を杉田雷麟が務める。前作で脚本を担当した井上淳一が監督・脚本を手がけ、自身の経験をもとに撮りあげた。
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