カジュアリティーズ

劇場公開日:

解説

1966年、ベトナム。アメリカ兵エリクソンの所属する小隊は敵地の偵察任務に就く。そんな中、上官のミザーブ軍曹を筆頭とする4人の兵士が現地の娘を誘拐し、レイプしたあげく射殺するという暴挙に走る。彼女を救うことができなかったエリクソンはその件を軍上層部に報告するが、それが原因でミザーブらから命を狙われることに……。上官たちの犯罪に苦悩しながらも、やがて告発へと至る若き兵士、その孤独な戦いと葛藤を実話に基づいて描く。

1989年製作/114分/アメリカ
原題:Casualties of War

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映画レビュー

4.0凄惨で不毛な戦争・・・今だからこそ観て欲しい

2023年2月21日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

 合衆国史上最大の汚点である「ベトナム戦争」。アメリカ人にとって我々の想像を絶する程のトラウマとなっているこのテーマを扱った映画について感想を述べるのは野暮かなと思いました。が、この映画から伝わるベトナム戦争の狂気は当時の私にも相当ショッキングでした。ウクライナ・ロシア戦争が勃発し一年が経とうとしている今、改めて観てもやはりインパクトが強く考えさせられてしまいました。凄惨で不毛な戦争の虚しさが身近に感じられる今こそこの映画を観て欲しいという思いを込めて、今更ながらレビューさせてもらった次第です。

 内容は観てそれぞれで感じ取ってもらうとして、個人的な感想です。私の親愛なるマイケル・J・フォックスがこのシリアスな役柄を見事に演じていることに感動。テレビドラマシリーズに始まりバックトゥザフューチャーに代表されるようにコメディーの第一人者であるにもかかわらず、一切笑いのないこの映画で全くの違和感を感じさず演じ切っている。さらに圧倒的だったのがショーン・ペンの人間の醜さを最低限まで引き出す迫真の演技。というか恐らく演技ではあの迫力だせないでしょうね。何かを超越した人です、この人は。
 そして「キャリー」「アンタッチャブル」「ミッションインポッシブル」などの数々のヒット作を送り込んだデ・パルマ監督がアメリカ人の触れて欲しくないタブーを取り扱ったその覚悟に感服。同時期に公開されたベトナムものでトム・クルーズ主演でオリバーストーン監督の「7月4日に生まれて」が大ヒットしてましたが、同じ題材をきれいごととして大衆に訴えかけたこの作品(当時の私にはそう思えた)と対照的だったように思います。

 恐らく興行的には大失敗で撮った人、戦争犯罪者の役でイメージを下げた演じた人、見たくないものを見せつけられた観る人の誰一人得しなかった映画ではないかと思います。でも、力強いメッセージを持った「これからも映画ってこうあって欲しいな」と思わせる作品でした。是非。

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おまつ

3.5"192高地虐殺事件"

2022年7月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

興奮

公開当時、小学生の自分ですらマイケル・J・フォックスが本作の主演に起用された驚きを、今観るとそんな違和感を感じることはなく、事実を描いているとはいえ過剰な演出やエンニオ・モリコーネの音楽ですらデ・パルマの癖がノイズに感じる部分もチラホラと!?

誰も得をしない損するような役柄をショーン・ペンは救いがない程に太々しく演じ切った、デ・パルマは『カリートの道』でもゲス野郎をショーン・ペンに当て嵌める、バカ丸出しでイライラするジョン・C・ライリーの小物っぷりが印象に残り、この二人がテレンス・マリックの『シン・レッド・ライン』で共演しているのは偶然にしても面白く!?

異常な環境による戦争の狂気から連なる事件とは思えない、日常で起こってしまう事柄にも感じられ、日本の足立区綾瀬で起きた"女子高生コンクリート詰め殺人事件"を思い出してしまう、戦争による悲劇だけでは片付けられない人間の愚かさが地球上で起こる惨劇は今も昔も。

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万年 東一

4.0ベトナム映画の傑作のひとつ

2022年3月9日
PCから投稿

最初の方はなかなか話が進まないので面倒くさい作品かと思いましたが、やがてテーマがはっきりしてきて、アメリカの闇とベトナムの傷を描いた点ではプラトーン、ディアハンター並みの傑作です。

若干説教くさいところはありますが、さすがパルマ選手は、いつものド派手演出は抑えているものの、ベトナムのジャングルのWETな雰囲気を比較的コントラスト高めの色彩感を使って奥行き深い構図でとらえ、主人公の苦悩を明確に呈示しています。

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越後屋

3.0ベトナム戦争実話

2021年8月27日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

ベトナム戦争時、ある軍曹(ショーン・ペン)率いる小隊が、ベトナム人少女を拉致、暴行、そして殺害。
反対して少女を逃がそうとしていた新兵(マイケル・J・フォックス)が告発するが・・・。
実話の恐ろしさや、ショーン・ペンの狂気が凄まじいが、デ・パルマの戦争映画は珍しい。

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