恐怖と欲望

劇場公開日:

解説

巨匠スタンリー・キューブリックが、一般に劇場デビュー作とされている「非情の罠」(1955)より以前に発表した監督作で、人間性を失っていく兵士たちの姿を描いた戦争ドラマ。敵陣の森に墜落したコービー、マック、シドニー、フレッチャーの4人は、そこで地元の女性に目撃され、敵国に知られることを恐れて女性を木に縛り付ける。しかし、欲情したシドニーが女性を襲い、女性は隙をついて逃げ出してしまう。シドニーはとっさに女性を射殺してしまうが……。完璧主義者として知られるキューブリックがその出来に満足せず、自らプリントを買い占めて封印してしまったことから、長らく「幻の作品」と言われていた一作。

1953年製作/62分/アメリカ
原題または英題:Fear and Desire
配給:アイ・ヴィー・シー
劇場公開日:2013年5月3日

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

フォトギャラリー

  • 画像1
  • 画像2
  • 画像3
  • 画像4
  • 画像5

(C)Films Sans Frontieres

映画レビュー

3.0「キューブリックの初長編」という肩書がなければ…

2024年3月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 0件)
すっかん

3.0高級な素材、杜撰な調理

2022年3月17日
iPhoneアプリから投稿

処女長編ということもあってか、既存作品の技法の表層をツギハギしたような印象が強かった。川辺で捕虜にした女と若い兵士がやりとりするシーンはカール・テオドア・ドライヤー『裁かるゝジャンヌ』の歌舞伎的なアップショットを彷彿とさせるし、コントラストの強い陰影表現はノワール映画っぽい。断片的なモノローグが次から次へと押し寄せる心理表現はおそらくオーソン・ウェルズ由来のものだろうか。 既存文法の引用はもちろん映画というカルチャーを有機的に持続させるためにも意義ある手段ではあるんだけど、方々からかき集めてきた技術や物語をただ淡々と羅列するだけでは一つの作品として成立しないように思う。 極限状態から脱しようと奮闘する兵士たちが実はより一層鮮烈な恐怖を欲望していた、という因業だが真実味のある物語は、引き立て方によってはいかようにも面白く見せられたと思う。本作がいまいちパッとしないのは、物語を引き立てるための技法に強度が足りなかったからだ。 奮発していい肉を買ったのに調理法を間違えたせいで焼け焦げた炭の塊ができてしまった、といったところか。 キューブリックが本作を長らく封印していたのも頷ける。けど正直言ってこの映画より酷い映画なんか世の中にごまんと存在するわけだし、そもそも「キューブリック作品」という色眼鏡を外して見れば普通に良作の部類だ。キューブリックの完璧主義が画面の外でも遺憾なく発揮されていたことがよくわかる好例だろう。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
因果

3.0今まで観たキューブリック作品で唯一つまらなかった作品

2021年1月28日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

架空の世界での架空の戦争を描いた物語 話はとても短い、すぐに終わる印象 特に語るほどの事も起きず終わっていく感じ 処女作とはこんな物なのかな? その後の活躍を知ってるから歯痒い、そんな作品

コメントする (0件)
共感した! 0件)
トミジュン

3.5キューブリック・ファンなら観ておく値打ちは十分ある

2018年12月21日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

キューブリックが黒歴史とした本当の処女作 とは言え、素人が初めて撮った映画として見るならば上出来 買い占めて隠蔽するほどのものでもない テーマと設定と物語の展開、役者の動かし方は的確で、映像の切り取り方も並みの素人とは段違い 既に後年のキューブリック監督らしさはこの作品からみられる キューブリックファンなら観ておく値打ちは十分ある しかし逆に言えばファンでなければ、敢えて観るほどのこともない作品だとも言える

コメントする (0件)
共感した! 0件)
あき240

他のユーザーは「恐怖と欲望」以外にこんな作品をCheck-inしています。