インターステラーのレビュー・感想・評価
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「未来」を見せる物語
宇宙はどうなっているのだろうか。人類はどのように生き延びるのだろうか。
誰もが一度は考え、想像したはず。
この映画はその答えを教えてくれるわけではないが、「未来」を見せてくれる。
序盤の設定の雑さ、展開の突飛さ、ヒューマンドラマの取ってつけた感は正直否めない。
実際あまりに雑で、30分のところで一度離脱した。
しかし見終わった今でこそ、この映画にとってそれらがあまり重要ではなかったことに気づく。
この映画を観劇するのに必要なのは劇中同様、可能性を信じる力と忍耐力なのかもしれない。
エンドロールが流れた時、確実にいろんな感情が湧き起こる。
(感動なのか、息苦しさなのか、人によってここは分かれそうだなと思った)
現状に満足している人にはあまり響かないかもしれないが、
そうでない人には「未来」を感じさせる、深い余韻の残る作品になりそう。
想像と現実の融合、ノーラン監督はその絶妙なバランス感覚が優れた人だと改めて思わされた映画だった。
2回目みた マーフと別れるところ悲しいし、水の星で23年経った後の...
2回目みた
マーフと別れるところ悲しいし、水の星で23年経った後のビデオも悲しい
ガルガンチュア怖すぎやし、土星もデカすぎ
マン博士はいくじなし
ドッキングシーンのbgmすき
父娘の惑星間遠距離共同研究。
空軍凄腕パイロット出身で農夫を営む父と、
頭脳を引き継いで同級生とかなんか合わない娘。
砂嵐で作物が育たない食料飢饉により、
地球での存続は難しくなっている人類。
父が宇宙探査に行くが、
娘は見捨てられたと捉えた。
他の星では時間の進み方が違うので、
無事に他の星に着いても数分が28年にも相当してしまう。
机上の数値で解いた数式ではどうしても足りない条件が、ブラックホール(ガルガンチュア)での実測データ。
勉強してブラックホールの実測データ以外は揃えてNASA科学者になり父の帰還を待つ娘。
父は仲間と助け合いながら、常に最短で判断を下し地球での年月を無駄にしないよう、少しでも早い帰還を考えていた。
が、家族のためを取るのか、人類のためという大義を取るのか?
いや、机上の理論をどれだけ解いてもでも導き出せないけれど時空を超えるのが愛なんだ!愛だけが次元や時間、空間を超える!
自己犠牲して仲間や大義を取る決意をするが、結果なぜか全部手に入る。
などなど、洋画要素満載。
3次元の地球から出発して、
時空を越えて惑星を彷徨い、
帰って来たら、娘が4次元を閉じて、
時間を座標と捉え移動できる5次元に戻った。
助けられて寝て起きたら、土星。
娘はおばあさん。子孫沢山。自分だけ若者の見た目のまま。
愛する同僚を追い他の星に飛び、同僚亡き後孤独にその星で命を過ごす、仲間を迎えにまた宇宙の旅に出発。
スケールはすごい話だが、スターウォーズでいうワープ技術が出来る前の頃のようで、とにかく大好きな人達との時間が惜しくなる焦りを味わう作品。
その割に、この作品そのものに費やす時間がとてもとても長い。タイタニックもびっくりよ。
メインテーマの父娘の関係性の絆と修復を見守りながらも、この親子の専門知識と時空を超えて通じ合う、第六感的な共同作業による次元操作がなければ、人類皆絶滅してしまうと思うと怖すぎ。
終わらない週末の宇宙版のような感じで、
娘マーフは色々悟るが、マーフの兄トムは人間の大多数の平凡で流れに身を任せて生きるしかない人。
何かあった時、その根本に気付き変えようとするのか、迫りくる結果に流されていくだけなのか。
原爆を落とされてからでは遅すぎるけれど、
大多数が声を殺すしかなく防げなかった戦争のように、世の中はひしひしと不幸に向かってしまう。
プランA人類移住先の星を見つけるの裏で、
プランB種の保存だけして地球は見捨てる
が決められる立場の人達の中の暗黙の了解だったように、末端は決められた流れから抜け出せない。
怖いわ。。
ノーラン作品はやはり最高
久々に見て、号泣しました。
この独特な世界観、難しさもノーラン作品。
ですが、家族愛は非常にシンプルで伝わりやすい作品です。
そこだけでも見る価値はあります。
感じたことの無い感動
宇宙という壮大な大海原に、更なる大地を求めて飛び出すちっぽけな人間という対比がずっとずっと息苦しくて息苦しくて、それが心地よくもあった。
終わったあと何か分からない涙が止まらなくて、自分でびっくりしてしまった。酷く揺り動かされた感情が行き場を失って、ただただ涙として溢れる。人生で初めての体験でした。
こんな壮大な物語に愛で答えを出す、宇宙にとっては取るに足らない小さな使命を持った小さな人間が大いなる愛によって突き動かされ大海原を漂う、理論と情緒の大波にただただ心が動かされました。
父と娘のストーリーではあるんだけどそうではなくて、でもやっぱり父と娘の愛の物語。当たり前ですが、何層にも深掘りすることができる映画はそうそうないでしょう。
人生の中で1番偉大な映画体験でした。
5次元世界恐るべし。。
一般相対性理論を重力波の実証で補完したノーベル賞学者の監修の元描かれる想像を超えた世界観を人間の根幹である愛と共に描く感動作で引き込まれた。重力による時間の歪みによる時間経過等今の世界では想像出来ないが少しずつ量子学の整合性と共に解き明かされる未来が来るのだろうか?その未来の世界では今の世の中は当たり前の様に天動説を笑うのと同じ様に笑われる世の中なのだろう。。
壮大な宇宙ロマン‼️
SF作品ですが、感じとしてはサイエンス寄りのファンタジー的な
印象を受けました。
近未来の地球では大砂嵐がたびたび襲来して、作物は枯れて
食糧危機になっています。
NASAの科学者は本気で新しい星への移住計画を実現させようと
しています。
クリストファー・ノーラン監督の作品としては、割とセンチメンタルで
エモーショナルな内容でした。
ノーラン作品の中で一番の人気を誇っています。
地球を救う方法。
★ブラックホールの量子データーを地球に送る、
★それを娘のマーフィーに時計の秒針でモールス信号で送る、
そのデーターで飢饉は救われたのか?
ラストでは火星に移住してましたよね。
マーフィーと涙の約束で、
「必ず帰ってきてね!」
そして帰ってきたパパは142歳でも見た目は40代です。
娘のマーフィーは100歳くらいの感じ。
めちゃくちゃファンタジーですね。
でもそこが親しみやすくて良いですね。
宇宙の星のひとつで冬眠していたマン博士(マット・デイモン)を
起こして、彼と地球に「帰る帰らせない」で死闘を演じたり、
見せ場は多いですね。
宇宙飛行士で一緒にクルーになるアン・ハサウェイ。
マット・デイモンに、祖父のジョン・リスゴー、
アンのお父さん役の科学者がマイケル・ケイン・・・
マシュー・マコノヒーの息子の若い頃がティモシー・シャラメ君だったし、
成人したマーフィーがジェシカ・チャスティン、
と大好きな俳優さんばかり。
泣かせる演出にまんまとハマって泣いてしまいました。
理系の知識を増強しての再視聴で頭の理解はどうにかできたが、感情と本能は無反応・拒絶状態
うーん、タイトルで全て言い尽くしている感じだけど、ノーラン監督作品は「理系頭の高IQ 者御用達映画」ということなのかもしれないね。
よく出来た映画なのだろうが、文系頭でフィール「感情察知」が主体となるタイプにとっては、またもや「都合良すぎの壮大な虚構大作」としか感じられなかった。
また数年後にもっともっと理系知識をおつむに叩き込んでから再々視聴することにしましょう。そうすれば何もかもスカッと明晰に理解でき、感動できるかもしれないから。笑
物理学や量子力学がからっきしな自分には難しい内容ですが、それを省い...
物理学や量子力学がからっきしな自分には難しい内容ですが、それを省いてもスケールや物語の壮大さ、宇宙の凄さや恐ろしさを画面越しで見れます。ただただ圧倒され魅せられました。
壮大なTHE SF映画!
クリストファー・ノーラン監督による壮大なTHE SF映画!
大好きな映画の一つです!とっても面白かったです!
相対性理論や重量の話や5次元の話がテーマで少し難解ですが、
家族愛は普遍かつ不変で、科学では証明できない素敵なものだと感じる映画です。
何度も繰り返し見たくなる映画です。
ノーラン監督作品で、2024年6月でも1番好きだ。
Amazonプライムで二回目を、吹替で観た。
何度でも観たくなる。
Amazonありがとう。
「ダークナイト」「インセプション」のクリストファー・ノーラン監督によるオリジナル作品。
世界的な飢饉や地球環境の変化によって人類の滅亡が迫る近未来を舞台に、家族や人類の未来を守るため、未知の宇宙へと旅立っていく元エンジニアの男の姿を描く。
主演は、「ダラス・バイヤーズクラブ」でアカデミー主演男優賞を受賞したマシュー・マコノヒー。
共演にアン・ハサウェイ、ジェシカ・チャステイン、ノーラン作品常連のマイケル・ケインほか。「ダークナイト」や「インセプション」同様に、ノーラン監督の実弟ジョナサン・ノーランが脚本に参加。
撮影は、「裏切りのサーカス」「her 世界でひとつの彼女」などを手がけて注目を集めているホイテ・バン・ホイテマが担当。
2020年9月には、クリストファー・ノーラン監督の「TENET テネット」公開にあわせたノーラン監督作のリバイバル上映企画「ノーラン夏祭り」の第4弾としてIMAX版で上映。
インターステラー
Interstellar
2014/アメリカ
ノーラン版「2001年宇宙の旅」
新作「オッペンハイマー」が話題のノーラン監督による2014年公開作品を今更見た感想
愛は次元を越えるか、というテーマで時間のパラレルワールドを雄大な映像と共に描いた作品。
「2001年宇宙の旅」では人類の進化は地球外生命体によってもたらされるが、本作では人類の進化を担うのは紛れもない未来の人類である、というメッセージが非常に印象的で、観る人一人一人に課題意識を持たせるような内容になっている。
ただ、そうしたテーマ性に振り切った作品のためアクション要素はあまり強調されず、「インセプション」にみられたような、スタイリッシュかつ斬新なアクションシーンを期待していた身としては少し物足りなかった。
またTARSのスターウォーズのR2-D2のようなアイコニックなキャラクターが良い(ただの板なのに)
初公開当時大期待で観にいきました〜からの10周年!
初公開当時2014.11.22のレビュー:
大好きなノーランの作品であり
世間の評価も高かったので
否応無しに期待は高まり、そのテンションで観に行きましたが
期待を大きく上回り、これぞSF映画という感じでした。
重力や相対性理論など難解なテーマが中心にはなっていますが
質の高い映像と演出の説得力で、そこにはひっかからずに
最後までストレスフリーで観賞できました。
長い上映時間も、この内容を見せるのには必要最低限の時間だと思います。
自分が映画人ならば、嫉妬でしばらく映画を作れなくなりそうです。
個人的な感想ですが
10年に1本の傑作でなないかと思います。
追記:
再上映でグランドシネマサンシャインのIMAXで鑑賞。
チケット争奪戦がすごかった。
週末分は時間ぴったりに指定時間をタッチすると
強制ログアウトが繰り返され、9分で最前2列の端っこ以外完売。
平日回にトライしてなんとか良席とれました。
公開当時はなかったIMAXレーザーGT鑑賞は最高の一言。
ほぼアトラクション状態で、映像の素晴らしさはもちろんですが
服がビリビリ震えるほどの音響は
何度も観た本作の記憶をリセットしてくれました。
今年は良作が多く、本サイトでも星5をつけた作品が
何作かありましたが、それらと比較して
あらためてインターステラーを鑑賞すると星5では足りません。
控えめに言って星8ですね。
ここまでウイークポイントがない作品が
アカデミー作品賞にノミネートすらされなかったのは意味がわからん。
余談ですが、スクリーン入口脇のコルトンポスターを撮影するために
行列ができているのを初めて見ました。
驚きと共に、インターステラー愛の強い同志の多さにも感動。
プロジェクター新調記念
再鑑賞なので無条件で⭐️5。
プロジェクターを新調したので、画質が命の本作を再鑑賞。あくまで家庭用クオリティの域は出ないが、IMAX用のアスペクト比変更芸を存分に堪能できた。いつか劇場で観たいなあ。
ノーラン監督の気持ちいいところは、正確な考証を詰め込みながらも、必要とあらばエンタメの嘘にギュインとハンドルを切れるところ。
「オッペンハイマー」には史実かどうか怪しいし、多分嘘だと血縁者から文句がついたシーンがある。"我は死なり、世界の破壊者なり"も、ノーランは恐らく正しい解釈を知っていただろうに、あえて誤解を誘う撮り方をしている。
「テネット」は弾痕いつからあった問題や、そもそも逆行がどの範囲の物理現象に適応されるかが非常に恣意的。
本作「インターステラー」も、どう考えても詰んでるところからの"愛は時空を越える"でハッピーエンド。
でも、そういうエンタメの嘘を廃した考証クソ真面目作品が面白いか?
オッペンハイマーもテネットもインターステラーも、ついでにダンケルクもインセプションも最高だったじゃん。
ノーランはどう考えても面倒くさいオタクに違いないので、科学や歴史に嘘をつくのは本当は嫌だと思う。しかし彼は物理学よりも何よりも、映画のオタクなのだ。
愛は時空を超えて!なSFでした…
評判が良過ぎるので、満を辞して鑑賞しました。
映像と音は本当に最高。
目を見張る箇所は…砂嵐のところ。津波のところ。宇宙での静か過ぎる映像はグッときました。土星の映像はほんとに綺麗です。
で、物語り自体は凄いんだけど、設定やら脚本には突っ込み所満載(下記参照)
ブラックホールなんちゃらの新しい解釈は面白いのと科学、宇宙学辺りが好きな人にはたまらない映画なのかな、かと。
◉食糧難で農作物が大切だと言うのにドローン?追っかけて車で突っ込み暴走、畑は駄目でしょ。
◉地球が環境破壊?による気候変動?の砂嵐が酷さを増す現状なのかと思いきや、座標に導かれて走るそこは緑豊かに水もたわわでなんてイイ所なんだろ〜空気も美味しそう…ってさー、CGでもいいからもうちょい雰囲気出そうよ。
◉この人宇宙飛行士の訓練したんか?ってくらい直ぐに宇宙にいっちゃったよ。
◉水の惑星不時着したら、不用心にもいきなり飛び出して海の上を普通に歩いてる…ここ、え?!歩いてるけど…浅瀬か?大海原に見えるけど何故?重力が関係してるのかな?誰か教えて下さい。
◉ブラックボックス回収は優秀なAI君にサポートしてもらいなよ、逃げる時みたいにさ!超スピーディーじゃね?
◉何十年?も、コールドスリープしてて目覚めて直ぐ動ける、話せる、そして少ししてからだと思うけどコーヒー飲めてる。未来のコールドスリープには期待大だね!
◉黒人乗組員さん23年もの間一人帰りを待つ…食糧は?電源供給は?
◉宇宙飛行、探査用のヘルメットってあんなに直ぐ割れちゃうって、ヤバくね。
◉星選びの究極な選択の時に、愛しい人がいるから行きたいのっよーん!…ってさ〜!アンタ優秀な科学者枠でいるんだよね?マジ引っ叩きたくなった。
◉地球出る時は大掛かりな打ち上げだったのに、他の星行ったら超高性能な宇宙船で地球より重力ヤバめな所から大気圏まで一っ飛び〜…wow
◉博士!アンタさ〜こんな大掛かりなプロジェクト進行させて、金使って、死ぬ間際に嘘付いててメンゴメンゴってアンタそりゃねーだろw
◉ビデオレター時間掛かって受信はできても送信できないんだね。つか試みたんかーい。
◉ブラックホールに飲み込まれて宇宙服のまま放り出されてからの〜5次元世界まで行って、何億万分の確率で無事救助!2分残しっていうねwえ?…nice!ハリウッドハッピーエンディングだねww
他にも盛り沢山の愛は次元と時空を超えて、でした。
あ、泣く所ありました?私は残念ながら無かったです。
ブラックホール等特殊効果シーンは見事なのに設定や登場人物がいい加減すぎる
1 背景の物理学理論
地上の物理学はニュートン力学が解明し、宇宙の物理学はアインシュタインの相対性理論が説明し、目に見えない原子の世界の物理学は量子論が究明している。それらを統合する理論はまだなくて、超ひも理論等がその候補として注目されている――物理学の一般向け解説書にはそんなことが書かれている。
アインシュタインは相対性理論で、高速の乗り物や重力の大きな場所では時間の進み方が遅くなると言っている。
また、時空間に開いたワームホールの存在も予言しているが、これが利用できるなら、何十光年も離れた銀河にあっという間に移動できるという。場合によってはワームホールでタイムトリップさえできると主張しているのが、本作の製作総指揮に当たったキップ・ソーンというノーベル賞受賞の理論物理学者である。
ソーンはかつて、『コンタクト』のワームホールによる宇宙移動のアイデアをカール・セーガンにアドバイスした人物でもある。
2 ブラックホール等の驚異的映像
ということで、本作は世界的な物理学の第一人者が恐らくは面白がって、こうした実際にはまだ観察さえされていない宇宙の諸現象をトピカルに描いて見せた、いかにも映画らしい映画である。つまりストーリーはさておき、驚異的な映像を堪能できるのだ。
初めに出てくるのはワームホール。自然界では巨大なワームホールなど存在しえないので、本作では「誰かが土星の傍に置いた」wという設定になっている。仮に存在するなら球形だろうという物理学者の説通り、丸い穴ではなく球形である。
次にガルガンチュアなるブラックホールが登場。その周りを公転する惑星も巨大な重力の作用を受ける結果、そこでの1時間は地球の7年間に相当するという相対性理論が持ち出される。
このブラックホールに飛び込んでいくシーンが本作のハイライトだろう。輝きながら吸収される高熱ガスの光の奔流の中、宇宙船は加速によって引力圏から脱出していくが、主人公は入ったら何も脱け出せなくなる事象の地平面の下に呑み込まれ、やがて五次元存在に進歩した人類に救出される。そして娘の全時間を閉じこめた四次元立方体に迷い込み、そこから人類が恐らくは反重力装置で地球から脱出するために必要な重力データを送信するのである。
最後に主人公は土星近くの宇宙を漂っているところを、人間の宇宙ステーションに発見され、少女の頃に別れていた娘と再会。老婆になってしまった娘とほとんど歳をとっていない父親の主人公で「ウラシマ効果」を見せる。
ただ、五次元とか四次元立方体云々までいくと、ちょっと空想を逞しくしたという感じではなかろうか。
3 映画としての出来は?
本作のシナリオはノーラン兄弟が書いているが、何というか…いただけませんw
地球が戦争か気候変動かの結果、旱魃に見舞われ、全世界が食料不足に陥っているのに加え、植物の病気が拡大、死滅していくのに伴い酸素が乏しくなっていくため、遠からず人間は住めなくなるという設定である。
食料不足を補うためどの家も農業を営んでおり、NASAのパイロットだった主人公までトウモロコシを作っていて、どこも大きな砂嵐に襲われているというのだが…誰が考えてもおかしな設定だ。登場人物たちはろくに飢えているふうでもないし、世界的な食料不足というなら、そもそも個人農場などではなく、巨大企業が巨大農園や工場栽培などで、大規模生産しているはずだ。
人類救出計画はもっとおかしい。地球が住めなくなるのに備えて、NASAは密かに脱出計画を進めており、そのプランAは反重力装置か何かで大規模ステーションを宇宙に打ち上げるというもの、プランBが移住可能な天体に人間の受精卵を運んで種の存続を図るというものらしい。
で、前者に関しては反重力装置の出来る宛てはないのだが、NASAの最高責任者である科学者が勝手にぶち上げて、全員がそれに騙されている…って、いくら何でも酷すぎる。
その詐欺師のような学者が主人公たちの出発に際して、こともあろうにディラン・トマスの有名な詩を暗唱して送り出すというのでは、彼のファンにとってはたまったものではないw
"Do Not Go Gentle Into That Good Night "という詩は、死の床にいる父に「簡単に死ぬんじゃねえよ」と泣きながら呼びかける内容で、小生は次の部分が好きだ。
そしてあなた そこ悲しみの丘にいるぼくの父よ
どうかいまぼくを呪い祝福せよ あなたのあふれる涙で
有難いことにこの部分まで暗唱はされなかったw
とにかく、せっかくあの見事なブラックホールの特殊効果シーンを作ったのに、それを盛り込むドラマがスカスカというのは、何とも勿体ない話である。
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