一言で言えば、瑞々しい映画でした。
最初は正直どうなるかと思いましたけどね、終わってみれば意外と良かったかもと思えるような後味爽やかな映画で、少なくとも嫌いでは無かったです。
勿論突っ込みどころは大いにありました、そもそも天使が空から人間界にやってきて云々と言う設定そのものが、どこかスベリ感があると言うか、学生映画っぽくてちょっとどうなの?と思いたくなるような設定でしたけど、見てみるとこれが意外と受け入れられると言うか、変に背伸びしてない感じが逆に好感が持てて、思いのほか心癒されましたね。
メジャー映画と比べればそれは当然落ちますが、小作ならではの良さは出ていた映画だったと思いましたよ。
まあしかし、いいですねぇ青春って、友情って。
人間の世界は確かに煩わしいことが多く、もうホント嫌になることも多々あるのですが、それ以上に魅力的なことも多いのが人間の世界なのかなと、そんなことを改めて思わされた作品でしたね。
つらいこと、煩わしいことが全く無い世界って、ちょっとうらやましいなとも思いますが、逆に言えば何も起こらないことほどつまらないこともないでしょうから、やっぱり人間の世界っていいなぁ、毎日何かが起こって、生きていることを日々実感出来ることほど素晴らしいことはないなと、この映画を見ていたらふとそんなことを考えてしまいました。
それにしても、天使のレイカが徐々に人間界の魅力に取りつかれていく様子が、思いのほか自然で良かったですね。
文化祭の劇中劇で天使を演じると言う設定が、チープさを上手いこと半減させた印象です。
そしてマコトとの友情、更には恋と・・・これぞ青春ですね、まあこの作品は圧倒的に友情要素の方が大きかったですが、それがむしろ好ポイント、まあ演じた星名利華と溝口恵のPV的な映像になっていた印象は否めませんでしたが、でも瑞々しくて、キラキラしていて、美しくて、画的に良かったです、夜中にプールに忍び込んだり、花火したり、ザ・青春な様子が爽やかで見ていてとても心地良かったなぁ。
この映画は、「ネコヤドのハルとアキ」と同じ監督&主演で作られた作品だったんですね、どちらにも共通していたのが「転校」と言うキーワードだったでしょうか。
学生時代の転校・お別れ要素はやっぱり切ない、でもその切なさこそが青春だったりもするんですよね、大人になってからは味わえないあの感覚・・・当時演技経験がほとんどなかったからこそ出せた素朴さが、作風とピタリ合致して、意外とこれはこれで見れる青春映画に仕上がった印象を受けました。
そう言えば相楽樹も少し出てましたね、さすがの存在感、先生も可愛かったなぁ、しかしこの学校はハーフっぽい子が多すぎないか?(笑)