くじけないで

劇場公開日:

くじけないで

解説

90歳を過ぎてから詩作を始め、2013年1月に101歳で他界した詩人・柴田トヨの詩集を映画化。処女詩集で160万部を売り上げた「くじけないで」と第二詩集「百歳」を原作に、詩を書き始めたきっかけとなるエピソードや詩集の背景となった家族のドラマなど、トヨの人生を描いていく。八千草薫が「蝶々夫人」(1955)以来58年ぶりに主演を務め、77~92歳までのトヨに扮するほか、幼少期を芦田愛菜が演じる。息子役で武田鉄矢が共演。「60歳のラブレター」「神様のカルテ」の深川栄洋監督がメガホンをとった。

2013年製作/128分/G/日本
配給:松竹
劇場公開日:2013年11月16日

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(C)2013「くじけないで」製作委員会

映画レビュー

3.5中途半端という味わい

2013年12月14日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

幸せ

「狼少女」に出会って以来、深川栄洋監督の作品は観続ける、と決めている。
本作には、トヨさんと彼女をめぐる様々な人が登場する。彼らは、トヨさんの言葉に出会うことで激変もしないし、繋がりもしない。それぞれに、ばらばら、よろよろと思い悩みながら前へ進んでいく。そこがいい、と思った。
老いた母親と息子という設定から、「ペコロスの母に会いに行く」を連想する。けれども、(当然ながら)両者は大きく異なる。何と言っても、本作は八千草薫さんの魅力が大きい。ふわふわと柔らかく、繊細で、優しい。コスモスの花畑に埋もれても、何ら違和感ない少女のおもかげ。八千草さんの場合、老女という形容さえ似合わない。どこから見ても少女、なのだ。
一方、八千草さん演じるトヨさんの分まで人間臭をにじませるのは、ダメ息子•武田鉄矢。母の老いや仕事から逃げまわってギャンブルがやめられず、小学生にからかわれると同レベルでケンカをする。そんな彼が、ふさぎがちな母の気持ちを紛らわせようと、詩の手ほどきをしたのが全てのはじまり…なのだが。金八先生ばりに、口うるさく指導する姿が何ともおかしい。かつてのヒーローが、世間から完全に取り残されたはみ出し者に映る。ユーモラスながらも、ちょっとほろ苦かった。
息子ほどではないけれど、トヨさんの周りには、様々な問題やしこりを抱えた人々がいる。そんな彼らがトヨさんの言葉に触れる…と。実際、さほど大きな変化は起きない。人間は、そう簡単には変わらないのだ。はっとする体験、心にしみる経験に時々出会いながらも、代わり映えしない日常に立ち戻り、日々の生活を積み重ねていく。けれどもそれは、まったくの繰り返しではない。どんなにささやかであろうと、今日の自分は昨日の自分と違う。トヨさんの言葉に出会う前と後とでは、確実に。そう思えることが、大切なのだと思う。だからこそ、診療所の若い医者が、幾度となく気だるそうにタバコを吹かす姿に、思わず顔がほころんだ。
また、本作には、ギャンブル仲間、郵便配達、ハローワーク職員…と、脇で実力ある俳優さんが次々に登場する。が、脇はあくまで脇。それきりだったり、相も変わらずだったり。彼らがトヨさんの言葉で引き寄せられ、一つにまとまったりはしない。そこがかえって潔い。
トヨさんと彼女をめぐる人々が、なだらかで平凡な日々を繰り返す。トヨさんは、詩作の中で、かつての自分や家族、友人にふと思いを馳せる。物語は、その繰り返し。そんなふわふわとした、わかりやすい感動のツボをはずした「中途半端」なところに、本作の味わいがあると思う。
たとえば、武田鉄矢とピエール瀧演じる妻に逃げられた男が、メンチカツ(コロッケ?)片手に並んで話すシーン。画面いっぱいのカツに、ぽたりぽたりと涙が染み込んでいく。そこから遠景。泣く男と戸惑う男のすぐ横で、肉屋はごく当たり前に商売をし、人々は行きかう。店先で何かただならぬことが起きている、と察知しているのかいないのか。冷ややかでもなく、あからさまな気遣いを見せるでもなく。あえて踏み込まずにほおっておく、そんな絶妙な距離感に、ほのかなあたたかみを感じた。
さらっとしているけれど、日常に戻ったときに、ふとしたきっかけで映画のあれこれを思い出し、反芻できる。そんな作品が好きだ。
…とはいえ、そろそろ深川監督には、いわゆる大作、商業映画ではない作品を存分に撮ってほしい。

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cma

4.0ストーリーは平坦なのにあっという間

2023年4月14日
iPhoneアプリから投稿
ネタバレ! クリックして本文を読む
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かっちゃん

3.0家族があるということ。 観ていていてそこが辛くなる。

2023年3月29日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

家族があるということ。
観ていていてそこが辛くなる。

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rachi

3.5かなり惜しい

2020年6月4日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

興奮

幸せ

配役と主題歌は良かったけど回想シーンの出し方がめちゃくちゃでわかりずらい。あと息子の若い時は別に八千草薫さんにならなくても檀れいさんを老けメイクさせればいけた気がします。あと橋本じゅんさんは良い味を出していましたし武田鉄矢さんのダメ息子も似合っていましたが息子の若い頃の尾上寛之君の長髪がかなり違和感ありました。

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ジョバンニ

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