風立ちぬのレビュー・感想・評価
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疑問の中の余韻
ジブリ作品だし、
瀧本ちゃんが声優やっているし、ということで映画館に行きました。
公開したものの、
声優が淡白で嫌だ、
ファンタジーではない、
今までのジブリではない、
つまらなくて子供が騒ぎ出して嫌だった…
等々、批判ばかり耳にしていたので、
正直、当日までだいぶ見ることを悩んでいました。
結果は観て良かったでした。
絵がきれいでした。
場面場面で吹き抜ける風が物語を進めているようで、
私も一緒に風に吹かれているような気分になりました。
単純な、ただの恋愛映画でもないし、主人公の伝記でもないし、
観ていてとても不思議な気分になりました。
主人公の声が淡白単調という意見をよく耳にしましたが、
私はあれも物語の一つのように思いました。
はじめ聞いた瞬間のあの違和感こそが、物語の一つなのではないか、と。
聞いているうちに、映画が進んでいくうちに、気が付いたら、心地よくさえもなっていました。
最後までその調子の映画ですが、私の心には、ずっと余韻が渦巻いていました。
エンドロールの「ひこうき雲」がまた良かったです。
動きの乏しさ
庵野秀明の声にも違和感はなかったし、菜穂子が花嫁衣装を来て渡り廊下を通る瞬間は美しかったと思います。だけど、どこか違う気がするんですよ、今回の映画は。
この映画を見て思ったのは、改めてこれまでの宮崎駿の映画には、動き、躍動感があったということ。『ナウシカ』のオームの行進もそうだし、巨神兵がのそりと立ちあがる姿もそうだし、『ハウル』の城の歩みもそうだし、『千と千尋』の八百万の神々にも、動きがあった。しかし今回の映画には決定的にその動きが欠けていたように思うんです。主題である飛行機の飛ぶ様子でさえ、それを感じられなかったのは、なぜだろう? 宮崎駿は飛行するものをとてもうまく描いてきたように思うのに。そして何より決定的だったのは、戦争シーンを描かなかったこと。もちろん戦争映画ではないのだろうし、美しいものを作りたいという二郎の純粋さ(それを表すための夢の挿入は説明的にすぎたと思う)と、大人の愛(とは思わなかったけど)を描きたかったのだろうけれども、映画としては戦争シーンを描かなかったことで、最も重厚であるはずの動きが欠如してしまったように思う。今回の映画で最も目を見張ったのが関東大震災の街が揺れるシーンだったのは、そうした動きの映画全般にわたる欠如の裏返しなのだと思う。
そして、こうした動きの欠如と反比例するかのように、どこか狙った感じのする構図が増えていたのも気になりました。たとえば、二郎が野原を歩んでいくのを、足元だけローアングルから映している構図があったように思いますが、これまでの宮崎映画にはこういう撮り方はあまりなかったような気がする。
宮崎駿監督には数々の感動を与えてもらってきたし、彼の作品に触れることは小さい頃からの自分の喜びだった。できれば引退などと言わずに、またあの動きに溢れた世界を描いてほしいと思います。
ジブリ映画の最高傑作…?
ジブリ映画は、今まで
あまり観てこなかった私でしたが、
この作品には心を奪われました。
実際3回も鑑賞してしまいました(笑)
何がいいの?と言われると困るのですが、
観た後にキュッと心が締め付けられるんです。
その当時の時代背景を想い、苦しくなる。
二郎さんの心を想い、切なくなる。
スタジオジブリの描く、風景を見て
「ああ、いいなあ」と思う。
冒頭の1時間ぐらい飛行機の話ばかりで
つまらないという人もいますが、
その1時間があってこその、
後の恋愛場面だと思います。
ちなみに私の好きなシーンは
一番最後のカプローニと二郎が
対面するシーンです。
私は大好きな映画ですが、好き嫌いが
分かれるような作品ではあると思います。
好き嫌いはある
宮崎駿監督最後の映画ということで、映画館にて鑑賞。
個人的には嫌いではない。しかし、観る人の今までの経験や人生観によって感想が変わってくる映画だと思う。
自分の身の回りでは女性は「全くおもしろくない」といい、男性は「すごくいい映画。泣けた」と絶賛している方が多かった。
映画館を出て、帰宅後寝る前に思い出すと静かに泣ける、そんな映画だった。二度、三度観るとまた違った味が出てくる映画だと思う。
美しいもの
大きく賛否の別れている主人公=庵野秀明。ここが受け入れられるかどうかと、宮崎駿作品の強み・アクションシーンの弱さ、この二つが大きなキーなのでは。
私はこの二つを好意的に受け止めたので、楽しめましたし、好きになりました。スクリーンで観られるウチに!
今尚、風は吹き続けて
心の中に風が吹いた!
その途端に、衝動を抑えることはできないし、風は吹き荒れるばかり。
情熱の、恋の、生命の、風が吹き続ける。
それは、いつの時代も関係なく、生きている限り感じ続ける。
だから、生きねばならない。
風立ちぬ
宮崎駿監督の引退が発表され、とても残念に思います。しかし、この作品が最後に観られて本当によかった!
アニメにも、原作にも詳しく無いですから難しいことはわかりませんが、ただただ美しかったです。
是非大きなスクリーンで観て頂きたい作品です。
風になびく髪や、揺れるスカートに惚れ惚れし、
美しく空を飛ぶ飛行機や飛行船に心を奪われます。
アニメーションだからこその誇張された印象が深く心に残りました。
ある意味では現実の映像で観るよりもきっと遥かに美しい。
それは現実の動きや、光や、感情から受けた印象を宮崎駿監督という素晴らしいフィルターを通して、それを丁寧に事細かにアニメーションにされているからなのかな、と思います。
宮崎駿監督は見るもの全てをどんな風に感じているんだろう、その感覚にとても魅力を感じます。日本人であれば、(もしかしたら人間であれば)誰もが感じる感覚をより繊細に観察し、感じているからこそ、日常の平凡な動きや誰もが目にしているものがより魅力的に表現されているのだと思います。
そしてスタッフの方々の丁寧な仕事には感動です。
劇中の言葉もとても美しく、印象的です。厳しい状況の中での人々の力強い生き様に胸を打たれます。素晴らしい映画です。
ジブリ史上最高作品
賛否両論ある作品ですが、個人的にはジブリ史上最高作品だと思います。
この作品は堀越二郎という一人の人間を通して宮崎監督の人生を表しているのではないかと思いました。
キャッチコピーにされている生きねばという言葉。
この言葉は見る前と見た後では捉え方が変わると思います。
少なくとも僕はとても重く、深い言葉だと思っています。
風ぽろぽろ
映画評価:45点
私はジブリファンですので、
もちろん劇場に見に行きましたよ!
そして宮崎監督としては珍しいリアル寄りの作品でした
まるで高畑監督の様な撮り方でした
内容は私自身感動する程の作品ではなかったですし、ファンタジーの萌え要素もないので、今までのファンの方からすると面白いとは言えないかもしれない。
好き嫌いも別れると思う
ただ私としては、この作品を通して宮崎監督のジブリへの確かなる想いを感じました。
文章にするのが難しいのですが、
この作品は宮崎駿の等身大であり、彼の青春
ただひたすら、ただひたすら走り続けた彼の人生が感じとれる
ありがとうございました
老巨匠の描いた壮大な言い訳
変に政治的な意味のある作品でもない。
純粋な愛について描かれた作品かと言うとそうでもない。
美しいということについて描かれた作品というのもそれも違っている。
美しいというのは一番近いがそれだけではない。
この映画は、宮崎駿のクズ宣言である。
僕は自分の好きなものにしか興味がありませんという宣言だ。
そしてその好きなものすら捨てて生きてっちゃうクズなんですっていうそんな最低なクズ宣言だ。
自分が結局いちばん好きです。そんなもんなんです。あなたたちもそうなんでしょ? 日本人みんなそうじゃん。
俺だけじゃないよね。色々に言われるけど、俺そんなに立派な人間じゃないですから、何をしても破綻してるから。立派に見せるのだけは得意だけど、ホントそれだけだから。
ごめんね、ごめん。っていうのがこの映画だ。
左や右からその思想を褒めたりけなしたりするのはもう既に感想としておかしいし、そいつは頭のねじがとれてる。
主人公に感情移入できないからダメというのは感情移入型の映画に慣らされすぎているだけで、実はこの映画の構造は外から神の視点とも言うべき場所で映画を覗き込むタイプの昔の映画なので批判に相当しない。
明日に生きる勇気をもらったとかちゃんちゃらおかしい。
クズの俺は生きるしかないという宣言の作品で勇気をもらうのは自分がクズだって認めているようなものだ。
違う違う。そういうことではない。
この映画の根本にあるものは、クズな俺わかってよ。わかってくれよが本質なのだ。
天才だとか言われながら、それにこたえなければならなかった男の、どうにか天才を演じなければならなかったひとりの男の物語だ。
でも天才じゃないって本当は思ってる。自分ではどうにもできない。だってロリコンだし、おっぱいの大きな女の子が大好きだし、戦争も戦闘もロートレックもマグリットも長野も日本も母親もみんな大好きなのだ。
そんなひとりの老人が愛するものを今回ばかりは捨てた。燃やした。愛するが故に捨ててしまった。というか壊してしまった。あいしているけれど破壊してしまったというのが正しいのかもしれない。
人間は愛しているものをときに壊してしまう。
破壊するということはそういうことなのだ。
破壊するということを誰か止められるのか。止められるというのは普通にみんな止められると考えるのかもしれない。けれどもそれを何かしている。
敢えて言うのならば、母親と姦淫をしながらその母を殺してしまうという暴挙。70すぎた爺さんのやることではない。
やりたい放題なのだ。死んでくれてありがとうとは、またなんともはやである。
ご都合主義も甚だしい。しかし、それがいい。
それこそ宮崎駿であり、今までの宮崎駿はそれはそれなりにどの作品にも断片的にいるにはいるが、そうではなくて本当にこれが本人である。
宮崎駿の本当の姿が嫌いなやつは見なくていい。
それだけのものだ。
おれこんなにクズだけどいいのかな?って思った。
俺もクズだ。でも世界に冠たるアニメーションの巨匠が自分はクズだと言っているんだから、私たちがクズでないはずがない。私たちは生きるごみのような存在であるということをこの映画が証明してしまった。
女性には合わないかもしれないという人がどこかにいたが、そうかもしれない。
それはメカモノだからとかそういうわけじゃなく、男向けの映画だからだ。
男はみんなこんな風に思っている。
そしてそれを開き直るということが出来ずにどうにかなってしまっている。
このていたらくにある絶望感、それでもなんとかどうにかこうにか。
そんな映画だった。
期待度による満足度の変化
ジブリといえば、となりのトトロやナウシカ、ラピュタ等夢溢れる作品ばかり。
風立ちぬには過去の作品のようなファンタジーはないだろうと、私は期待せずに鑑賞しました。
期待度が低かった分、映像は綺麗で音楽は素敵で、二郎と菜穂子の真っ直ぐなキャラクターに心惹かれましたので、満足しました。
内容は飛行機を作り続けた男性の話、とまとめらる気もします。期待度が高かった友人の評価は高くなかったです。
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