風立ちぬのレビュー・感想・評価
全398件中、161~180件目を表示
美しい、日本の時代
映画館で観てから最近DVDで鑑賞しました。
映画館で観た時はツレがいたし、なんだかイマイチ入り込めず。
賛否両論に納得しました。
約1年が経ち改めて自宅で1人鑑賞。
一言で片付けるとジブリらしくない。
ただ今までの概念で言うと、
ただあらすじだけ語ると、です。
つまりこれはジブリでしかないと思うのです。
私は物心着く前からトトロを観て、少し大きくなるとラピュタやナウシカを観て育ってきた生粋のジブリ世代だと思います。
その私が今大人となり、この作品に出会いそう思います。
これは、この時代に生きた美しい
人を、人の心を、日本を
描いた作品なのだと思います。
戦争は良くも悪くも日本を変え
そして今の便利な世の中が成り立っている
以前の美しかったものと引き換えに
美しい夢
美しく健気で儚い想い
戦争を、世の中を、全てを
他人事だと思ってしまう若い世代だからこそ、気づかされるのです。
主人公達は宮崎監督の理想の塊かもしれません
それでいいじゃないですか
それで私は心が締め付けられましたよ
作りたいように作っているという良さ
この映画、タイトルでもキャラでもほとんど理解できないので、この作品の話をすると必ず「どんな映画?」と訊かれる。
この作品、どこからどう話してもネタバレにしかならないという映画だった。
無理にネタバレしないよう、そしてカッコつけずに説明すると、幅広い時間の中での主人公の成長・・・・となる。
カッコつけて説明すると、夢を追う二郎、そして運命の出会いなどの様々な出来事。そんな様々な人間ドラマを描いき、女主人公でなく、ラピュタやナウシカのようなアクション性を捨て、耳をすませばのような青春や甘酸っぱい恋話も捨て、完全に大人向けの恋愛と夢を語る、そんな話だ。
ポニョだのアリエッティだの、微妙な作品(微妙すぎてまともに観てない)を連発したジブリが放つ、かなり出来の良い作品だと思う。
特に表現力はハウル以来、久々に感動した。
細かい人の流れや表情。
こんなにしっかり作られて放映時間は2時間と6分。
あれだけ時間をかけたんだからそりゃぁ期待して観るしかない!
と思い映画館へ。かなり面白い。
観てもないのに、モノラル音声だの、効果音が口だから酷いだの、二郎の声が素人だのと批判があったが、むしろそれが作品を引き立ててくれた。
モノラルによる古臭さ、リアルな効果音でないからこそのコミカルなデザインや表現、成長に比例して声に感情がこもっていく次郎。
確かにデメリットはあるが、この作品、それをかなり最小限に抑えられている。
改めて駿監督は凄い人だと思った。
この映画、最後にほろりと泣かせてくれて、スタッフロールで涙腺を崩壊しに襲ってくる。
恐ろしい恐ろしい。
アニメで泣くといえば(ドラえもんに)クレヨンしんちゃんとポケモン、・・・・・・・あとまどマギ(小声)くらい。
だがこの映画、アニメ映画なのに上記のアニメとは全く違う感動だ。友情とか家族とか、仲間とか、「失ったことに捕らわれずに前を向こう」とかそういう感動ではなくただ単に夢を追い、大切な人を思い思われ、そして想い想われ。この人生の末に手に入った物。それに感動できる、結構珍しいものではないか。
演出力は健在も。
疑問の中の余韻
ジブリ作品だし、
瀧本ちゃんが声優やっているし、ということで映画館に行きました。
公開したものの、
声優が淡白で嫌だ、
ファンタジーではない、
今までのジブリではない、
つまらなくて子供が騒ぎ出して嫌だった…
等々、批判ばかり耳にしていたので、
正直、当日までだいぶ見ることを悩んでいました。
結果は観て良かったでした。
絵がきれいでした。
場面場面で吹き抜ける風が物語を進めているようで、
私も一緒に風に吹かれているような気分になりました。
単純な、ただの恋愛映画でもないし、主人公の伝記でもないし、
観ていてとても不思議な気分になりました。
主人公の声が淡白単調という意見をよく耳にしましたが、
私はあれも物語の一つのように思いました。
はじめ聞いた瞬間のあの違和感こそが、物語の一つなのではないか、と。
聞いているうちに、映画が進んでいくうちに、気が付いたら、心地よくさえもなっていました。
最後までその調子の映画ですが、私の心には、ずっと余韻が渦巻いていました。
エンドロールの「ひこうき雲」がまた良かったです。
動きの乏しさ
庵野秀明の声にも違和感はなかったし、菜穂子が花嫁衣装を来て渡り廊下を通る瞬間は美しかったと思います。だけど、どこか違う気がするんですよ、今回の映画は。
この映画を見て思ったのは、改めてこれまでの宮崎駿の映画には、動き、躍動感があったということ。『ナウシカ』のオームの行進もそうだし、巨神兵がのそりと立ちあがる姿もそうだし、『ハウル』の城の歩みもそうだし、『千と千尋』の八百万の神々にも、動きがあった。しかし今回の映画には決定的にその動きが欠けていたように思うんです。主題である飛行機の飛ぶ様子でさえ、それを感じられなかったのは、なぜだろう? 宮崎駿は飛行するものをとてもうまく描いてきたように思うのに。そして何より決定的だったのは、戦争シーンを描かなかったこと。もちろん戦争映画ではないのだろうし、美しいものを作りたいという二郎の純粋さ(それを表すための夢の挿入は説明的にすぎたと思う)と、大人の愛(とは思わなかったけど)を描きたかったのだろうけれども、映画としては戦争シーンを描かなかったことで、最も重厚であるはずの動きが欠如してしまったように思う。今回の映画で最も目を見張ったのが関東大震災の街が揺れるシーンだったのは、そうした動きの映画全般にわたる欠如の裏返しなのだと思う。
そして、こうした動きの欠如と反比例するかのように、どこか狙った感じのする構図が増えていたのも気になりました。たとえば、二郎が野原を歩んでいくのを、足元だけローアングルから映している構図があったように思いますが、これまでの宮崎映画にはこういう撮り方はあまりなかったような気がする。
宮崎駿監督には数々の感動を与えてもらってきたし、彼の作品に触れることは小さい頃からの自分の喜びだった。できれば引退などと言わずに、またあの動きに溢れた世界を描いてほしいと思います。
ジブリ映画の最高傑作…?
好き嫌いはある
美しいもの
今尚、風は吹き続けて
風立ちぬ
宮崎駿監督の引退が発表され、とても残念に思います。しかし、この作品が最後に観られて本当によかった!
アニメにも、原作にも詳しく無いですから難しいことはわかりませんが、ただただ美しかったです。
是非大きなスクリーンで観て頂きたい作品です。
風になびく髪や、揺れるスカートに惚れ惚れし、
美しく空を飛ぶ飛行機や飛行船に心を奪われます。
アニメーションだからこその誇張された印象が深く心に残りました。
ある意味では現実の映像で観るよりもきっと遥かに美しい。
それは現実の動きや、光や、感情から受けた印象を宮崎駿監督という素晴らしいフィルターを通して、それを丁寧に事細かにアニメーションにされているからなのかな、と思います。
宮崎駿監督は見るもの全てをどんな風に感じているんだろう、その感覚にとても魅力を感じます。日本人であれば、(もしかしたら人間であれば)誰もが感じる感覚をより繊細に観察し、感じているからこそ、日常の平凡な動きや誰もが目にしているものがより魅力的に表現されているのだと思います。
そしてスタッフの方々の丁寧な仕事には感動です。
劇中の言葉もとても美しく、印象的です。厳しい状況の中での人々の力強い生き様に胸を打たれます。素晴らしい映画です。
ジブリ史上最高作品
全398件中、161~180件目を表示