劇場公開日 2014年6月20日

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300 スリーハンドレッド 帝国の進撃 : インタビュー

2014年6月18日更新

残酷かつ過激なアクションシーンに挑んだエバ・グリーン「頭で考えている暇はない」

フランク・ミラーの原作をもとに、血しぶき飛ぶ壮絶な肉弾戦をグラフィカルに描いた「300」から8年。ギリシア連合軍対ペルシア帝国の戦いを海に移し、前作のパワーをさらに上回る続編「300 スリーハンドレッド 帝国の進撃」が到着した。そのなかで、紅一点にして男性陣を凌駕するような迫力を見せるのが、ペルシア軍の女性指揮官アルテミシアに扮したエバ・グリーンだ。ゴシックの女王のようなコスチュームに身を包み、男たちをばたばたと切り倒す、強く残酷にして過激なほどセクシーな姿がスクリーンをあでやかに飾る。これほどアクションの多いダークな役柄を初めて演じた彼女に話を聞いた。(取材・文/佐藤久理子)

「アルテミシアは非情で勇気があって、真の戦士なの。こんなにフィジカルな役柄を演じるのは初めてだったから、とても面白かったわ。これまでわたしは役柄についてあれこれ考えすぎて、頭でっかちになることが多かったけれど、こういう役は考える前にまず身体を動かさなければならない。両手に剣を持って男たちの首を切って、叫びながら飛び回る。頭で考えている暇はない(笑)。これまでとはまったく異なるタイプの演技を求められた。身体を動かすことで、自然に役も付いてくるような感じね。それにこの手の娯楽映画は楽しむためにあるものでしょう。屈強な男性たちをどんどんやっつけるなんて、これほどカタルシスのあることはないわ(笑)。もちろん、あらかじめトレーニングを受けたけれど、ラッキーなことに男性たちに比べたら、わたしの場合はまだ軽い方だったかも(笑)。それでも数カ月、毎日2時間は剣のバトルの訓練をしたわ」

戦闘シーンだけではない、まるで肉体のぶつかり合いのような激しいラブシーンも、本作の目玉のひとつ。狙った獲物は逃がさないという言葉がぴったりハマるのがアルテミシアなのだ。「ファム・ファタルという言葉は通俗的であまり好きではないけれど、気性が激しく危険な女性。彼女に愛されるのは、憎まれるよりもさらに始末に負えないの(笑)。もともとギリシアに生まれたアルテミシアは幼いときに両親を虐殺され、ペルシアの王に引き取られ、育てられた。だからたんに敵役というだけじゃなく、心の底にトラウマを抱えた複雑なキャラクターよ」

エバ・グリーンのキャリアを振り返るとたしかに、ファム・ファタルと呼びたくなるような、大胆で強烈な女性を演じたものが多い。映画デビュー作となったベルナルド・ベルトルッチの「ドリーマーズ」、ジェームズ・ボンドが唯一愛した女性に扮した「007 カジノ・ロワイヤル」、「ダーク・シャドウ」ではジョニー・デップを相手にエキセントリックな魔女を演じたのは記憶に新しい。「わたしが演劇学校に入って初めて舞台をやったときの役は、シェイクスピアのマクベス夫人だったの。それ以来、チャレンジングな激しい役にひかれるようになった。ふだんのわたしはどちらかといえば控えめなんだけど、仕事になるとキャラクターを通して感情を発散させる方が好きなの」

今や地元フランスよりもすっかりハリウッドのほうが馴染みの印象がある彼女だが、決して大作映画嗜好ではないと語る。「スケールの大きな作品の強烈な役柄をオファーされることが多いのでそういうイメージがついているかもしれないけれど、さまざまなタイプの映画や役柄をやりたいと思っているわ。たとえばダルデンヌ兄弟やジャック・オーディアールと仕事をしてみたい。グレッグ・アラキの新作「White Bird in a Blizzard」では、これまで演じたことがないような、魅力的な母親の役をやることができて素晴らしい体験をさせてもらった。個人的には大きなトレイラーや何人ものアシスタントがいなくても、全然気にしないわ(笑)」

もっとも、そんな彼女の次回作は再びフランク・ミラーの原作である「シン・シティ」の続編。男たちを操るグラマラスな女性エヴァ・ロードに扮する。強烈な個性あふれる女優をハリウッドが放ってはおかない、ということだろう。

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